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思い出は忘れた頃に訪れる
#7
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「オランディも悪くないな。カルパッチョの美味しい店もあるし、フロルに聞いてた君の服も気に入った」
「っ……それは何よりです、今夜も会えるとは思いませんでしたよ」
師匠が昼頃に送ってきた手紙にあったうちの一人でしょう、ルスランが来店してます。
私が案内をするより早くカウンター席へ優雅に腰掛け、カーラ様と会話を続けています。
「君に赤い糸を結んでおいた、ここでの出会いは必然だよ」
「まぁ! アナタって……んんっ、そう言って貰えると嬉しいです」
彼の話通りなら、日中にカーラ様のお店で今着ている服を購入したようです。
光沢のある素材を使ったジャケットは、ルスランの目立つ容姿にはよく合っています。
「確か、ヴァローナからいらした、んですよね? ワタシの店の事、どなたからか聞いたの、ですか?」
「フロルだよ、背の高い金髪の女好き」
「んん? それってもしかしてキーノスのお師匠さん?」
「なんだ、僕のこと聞いてないのか」
……さて、この状況。
カーラ様は普通に会話をなさっていますが、ビャンコ様はかなり驚いていらっしゃるご様子です。
おそらく彼の正体にすぐに気付いたのでしょう、瞳が吸血鬼特有の色で、カジノの時とは違い全く隠そうとしてません。
とりあえず、私から彼を紹介するのが良いのかもしれません。
「彼は師匠の侍従をしているルスランです」
「えっコイツが!?」
ビャンコ様が勢いよく立ち上がります。
師匠の私邸で簡単に説明はした事がありますし、すぐに察してくださったご様子です。
「君、確かこの国の筆頭術士だったな?」
ルスランが少し顎を上に向け、横目でビャンコ様を見据えます。
しかしビャンコ様は全く反応を示さず、私の方を向いています。
「ちょっとキーちゃん、コイツが本っ当にあの侍従!? 火傷したとかいう?」
「あら、そうなの? というか、ビャンコさんそんなに驚いてどうしちゃったの?」
「フロルの言う通り、本当に失礼な奴だ」
少し大袈裟に肩を竦めて見せ、顔にかかる髪を指で払いながらルスランが不敵に笑ってみせます。
「一応は言っておくけど、僕はハーフだ。血を吸った相手が吸血鬼にはなったりはしない」
「え、吸血鬼……って?」
「ホラ」
ルスランは口を開けて見せ、鋭い前歯を見せます。
「安心しなよ、僕の吸血鬼らしい所はこの美貌くらいだから」
カーラ様が呆気に取られてルスランを見つめていましたが、気を取り直して質問をなさいます。
「で、でも、吸血鬼って言ったら、夜な夜な街を徘徊して、そ、その若い女の子の生き血を啜って飢えを凌いで……」
「僕がそんな男に見えるか?」
「いえ、み、見えないけど」
「血を貰う時は優しくキスするだけ、痛くはない」
「まぁ……」
気のせいでしょうか、カーラ様がルスランに見蕩れているように見えます。
この様子を見ていたビャンコ様が、露骨に嫌そうな顔をなさいます。
「うっわ、コイツ本当に吸血鬼だ。カーラさん目覚まして!」
ビャンコ様がカーラ様の肩を揺すり、カーラ様が意識を戻します。
「確かその目、ずっと見てると意識持ってかれるんだよな?」
「へぇ、詳しいな」
「キーちゃん、こんな危ない奴追い出そう! ホラ早く!」
「え、ワタシは歓迎よ? こんな綺麗な吸血鬼なら」
「ダメだよ、さっきの隙に噛み付かれるの!」
「言っただろ? 優しくキスするんだ、何より男相手にやるわけがない」
「今やってたじゃん!」
「血を貰う気はない、が。レウロ君の好きな食べ物って何?」
「オイ、お前いい加減にしとけ。ってかキーちゃんなんで追い出さないの!」
何故かと言われたら、そもそもここへ入れたことが敵意のない証明になっているのですが、それを他でもないビャンコ様に説明するのはどうかと思います。
「とりあえず、ご来店なさったのならお客様です」
「ふ、流石。キーノスは物分りが良い」
「ご注文をお伺いします」
ルスランは席についてからまだ注文をしておりません。
時刻を考えると夕食は済ませてから来たのでしょう。
「そうだな……ちょっと言いにくいから、ホラ」
そう言って指で私を手招きします。
先日のドゥイリオ様の仕草とほとんど同じものでありながら、表情と言い方のせいか高圧的な物に感じます。
私は言われるまま彼の方へ耳を近づけます。
「ふっ、素直なところもそのままか」
返ってきたのは注文ではなく、頬をつつかれる感触です。
……こういう方でしたね。
姿勢を元の位置に戻し、改めてルスランに問います。
「ご注文はカクテルでよろしかったですか?」
「あぁ、君の作る酒なら何でも良い」
何でも良いと言うのでしたら、彼がカジノで飲んだという甘いカクテルをお作りしましょうか。
最後に店に行った際にメニューを確認し、何を飲んだのかは推測がついています。
「えっとルスランさん? で良いのかしら?」
「あぁ、好きに呼んでくれ」
ビャンコ様が警戒をなさっているようですし、先程ような事は起こらないでしょう。
甘えるわけではありませんが、この間にルスランの注文に対応しようかと思います。
「キーノスと仲良しなのね」
「あぁ、初対面であんなに熱い夜を過ごせた相手は彼が初めてだ」
棚からコーヒーのリキュール、ウォッカ、ショートグラスを取り、保冷庫からシェーカーと氷を取り出します。
「あ、熱い夜ですって?」
「そう、熱くて激しい夜だった。火で全身を焼かれるより、熱い時間だった」
シェーカーを氷で満たし、リキュールとウォッカを同量入れシェーカーに蓋をします。
「そ、それってどんな」
「聞きたいか?」
「えぇ、普段のキーノスからは想像もできないもの」
ルスランがろくでも無いことを言ってるのが気になりますが、シェイカーの音で消えてしまえば良いと思っています。
「夜中、フロルが客を連れて帰ってくるなんて珍しいと思って。彼は女好きだけど自宅には連れ込まないし、僕に来客の対応を頼まないのも初めてだった」
「うんうん、それで?」
「だから気になってその客が眠り込んだ頃に見に行ったら、彫刻のような顔をした男がいたんだ」
あとは適度にシェイクしたところでテーブルへ置き、蓋を開けてショートグラスに注ぎます。
「こっそり会いに行ったの?」
「一応大火傷を負って休んでる事になっていたから、堂々と会う訳にはいかなかった」
「そうなの、大変だったのね」
「ご注文のカクテルです」
出来たカクテルをルスランに差し出します。
ルスランはこちらを見もせずカクテルグラスを手にします。
「それでその綺麗な寝顔を見て、思わず彼の肌に口付けをしたんだ。そうしたら」
「そ、そしたら?」
ルスランは不敵に微笑み、グラスを傾け半分飲みます。
少しは味わってほしいと思いますが、二杯目のご注文があればその時に言ってみましょう。
「彼からかつてない衝撃が返されて、思わず……砕けたよ」
「……んまぁっ、キーノス! 初対面の相手になんて、なんてまぁ」
「語弊しかありません」
本当に語弊しかありません。
寝てる私に牙をたて、驚いた私に殴られて顎を砕かれた、が正しい説明です。
「あんな経験初めてだよ」
「キーノスったら、女の子と縁がないとか言っといて、本当はソッチの趣味が」
「全くありません」
ルスランの説明のせいで誤解を招いています。
彼は私とカーラ様のやり取りを聞きながら、残りのカクテルを飲み干します。
「キーちゃん、本当はヴァローナで何してたの」
「ビャンコ様にはお話したかと思いますが」
ルスランの頬が酒のせいで少し紅潮して見えます。
潤んだ瞳で、少し下から私の顔を伺っています。
「久しぶりに自分が、吸血鬼で良かったな、なんて……」
発している言葉が途切れ途切れになっています。
「なんだかルスランさんと話してると、吸血鬼が怖いってイメージ無くなるわね」
「さっき意識奪われたでしょ? ハーフらしいけど危ないからねホント」
先程からカーラ様の口調が元に戻っていらっしゃるように思えますが、誰も何も仰らないのは不思議です。
こういうところはルスランの長所だと思います。
そんな事を思っている間に。
ルスランは吸い込まれるようにカウンターに突っ伏してしまいました。
その様子にお二人は驚いたご様子です。
「え?」
「まさかキーちゃん、毒とか」
「いいえ、彼には多くの毒は効きませんし、一般的に有名な吸血鬼の弱点もほとんどありません」
師匠の私邸での出来事を思い返して、ルスランを眠らせた方法は酷く簡単なものではないかと後で思いつき、それを今実践したにすぎません。
毒ではありませんが、ウォッカは普段より強い物を使用しました。
「え、じゃあなんで寝ちゃったの?」
「彼はかなり酒に弱いのではないかと思っていましたが、ここまでとは思いませんでした」
「さっきのカクテルってなぁに?」
「ブラック・ルシアンと言い、コーヒーの香りが特徴的なかなり強いカクテルです。強い甘さでアルコールの強さを感じさせないのも特徴と言えます」
コーヒーには眠気を抑える成分が含まれているのにも関わらず、寝入ってしまうとはなんとも皮肉な物に思えます。
「酒で寝るって」
ビャンコ様が呆れています。
流石にこの様子をご覧になって、警戒が解けたのでしょう。
「それよりどういう関係なの? 気になるじゃないの!」
それは先程説明した通りでしかありませんが、誤解を解くための補足をさせていただけるなら嬉しく思います。
とりあえず寝てしまったルスランをテーブル席のソファへ運ぶのが良さそうです、目が覚めた時にこちらへ来た理由を聞き出したいと思います。
「っ……それは何よりです、今夜も会えるとは思いませんでしたよ」
師匠が昼頃に送ってきた手紙にあったうちの一人でしょう、ルスランが来店してます。
私が案内をするより早くカウンター席へ優雅に腰掛け、カーラ様と会話を続けています。
「君に赤い糸を結んでおいた、ここでの出会いは必然だよ」
「まぁ! アナタって……んんっ、そう言って貰えると嬉しいです」
彼の話通りなら、日中にカーラ様のお店で今着ている服を購入したようです。
光沢のある素材を使ったジャケットは、ルスランの目立つ容姿にはよく合っています。
「確か、ヴァローナからいらした、んですよね? ワタシの店の事、どなたからか聞いたの、ですか?」
「フロルだよ、背の高い金髪の女好き」
「んん? それってもしかしてキーノスのお師匠さん?」
「なんだ、僕のこと聞いてないのか」
……さて、この状況。
カーラ様は普通に会話をなさっていますが、ビャンコ様はかなり驚いていらっしゃるご様子です。
おそらく彼の正体にすぐに気付いたのでしょう、瞳が吸血鬼特有の色で、カジノの時とは違い全く隠そうとしてません。
とりあえず、私から彼を紹介するのが良いのかもしれません。
「彼は師匠の侍従をしているルスランです」
「えっコイツが!?」
ビャンコ様が勢いよく立ち上がります。
師匠の私邸で簡単に説明はした事がありますし、すぐに察してくださったご様子です。
「君、確かこの国の筆頭術士だったな?」
ルスランが少し顎を上に向け、横目でビャンコ様を見据えます。
しかしビャンコ様は全く反応を示さず、私の方を向いています。
「ちょっとキーちゃん、コイツが本っ当にあの侍従!? 火傷したとかいう?」
「あら、そうなの? というか、ビャンコさんそんなに驚いてどうしちゃったの?」
「フロルの言う通り、本当に失礼な奴だ」
少し大袈裟に肩を竦めて見せ、顔にかかる髪を指で払いながらルスランが不敵に笑ってみせます。
「一応は言っておくけど、僕はハーフだ。血を吸った相手が吸血鬼にはなったりはしない」
「え、吸血鬼……って?」
「ホラ」
ルスランは口を開けて見せ、鋭い前歯を見せます。
「安心しなよ、僕の吸血鬼らしい所はこの美貌くらいだから」
カーラ様が呆気に取られてルスランを見つめていましたが、気を取り直して質問をなさいます。
「で、でも、吸血鬼って言ったら、夜な夜な街を徘徊して、そ、その若い女の子の生き血を啜って飢えを凌いで……」
「僕がそんな男に見えるか?」
「いえ、み、見えないけど」
「血を貰う時は優しくキスするだけ、痛くはない」
「まぁ……」
気のせいでしょうか、カーラ様がルスランに見蕩れているように見えます。
この様子を見ていたビャンコ様が、露骨に嫌そうな顔をなさいます。
「うっわ、コイツ本当に吸血鬼だ。カーラさん目覚まして!」
ビャンコ様がカーラ様の肩を揺すり、カーラ様が意識を戻します。
「確かその目、ずっと見てると意識持ってかれるんだよな?」
「へぇ、詳しいな」
「キーちゃん、こんな危ない奴追い出そう! ホラ早く!」
「え、ワタシは歓迎よ? こんな綺麗な吸血鬼なら」
「ダメだよ、さっきの隙に噛み付かれるの!」
「言っただろ? 優しくキスするんだ、何より男相手にやるわけがない」
「今やってたじゃん!」
「血を貰う気はない、が。レウロ君の好きな食べ物って何?」
「オイ、お前いい加減にしとけ。ってかキーちゃんなんで追い出さないの!」
何故かと言われたら、そもそもここへ入れたことが敵意のない証明になっているのですが、それを他でもないビャンコ様に説明するのはどうかと思います。
「とりあえず、ご来店なさったのならお客様です」
「ふ、流石。キーノスは物分りが良い」
「ご注文をお伺いします」
ルスランは席についてからまだ注文をしておりません。
時刻を考えると夕食は済ませてから来たのでしょう。
「そうだな……ちょっと言いにくいから、ホラ」
そう言って指で私を手招きします。
先日のドゥイリオ様の仕草とほとんど同じものでありながら、表情と言い方のせいか高圧的な物に感じます。
私は言われるまま彼の方へ耳を近づけます。
「ふっ、素直なところもそのままか」
返ってきたのは注文ではなく、頬をつつかれる感触です。
……こういう方でしたね。
姿勢を元の位置に戻し、改めてルスランに問います。
「ご注文はカクテルでよろしかったですか?」
「あぁ、君の作る酒なら何でも良い」
何でも良いと言うのでしたら、彼がカジノで飲んだという甘いカクテルをお作りしましょうか。
最後に店に行った際にメニューを確認し、何を飲んだのかは推測がついています。
「えっとルスランさん? で良いのかしら?」
「あぁ、好きに呼んでくれ」
ビャンコ様が警戒をなさっているようですし、先程ような事は起こらないでしょう。
甘えるわけではありませんが、この間にルスランの注文に対応しようかと思います。
「キーノスと仲良しなのね」
「あぁ、初対面であんなに熱い夜を過ごせた相手は彼が初めてだ」
棚からコーヒーのリキュール、ウォッカ、ショートグラスを取り、保冷庫からシェーカーと氷を取り出します。
「あ、熱い夜ですって?」
「そう、熱くて激しい夜だった。火で全身を焼かれるより、熱い時間だった」
シェーカーを氷で満たし、リキュールとウォッカを同量入れシェーカーに蓋をします。
「そ、それってどんな」
「聞きたいか?」
「えぇ、普段のキーノスからは想像もできないもの」
ルスランがろくでも無いことを言ってるのが気になりますが、シェイカーの音で消えてしまえば良いと思っています。
「夜中、フロルが客を連れて帰ってくるなんて珍しいと思って。彼は女好きだけど自宅には連れ込まないし、僕に来客の対応を頼まないのも初めてだった」
「うんうん、それで?」
「だから気になってその客が眠り込んだ頃に見に行ったら、彫刻のような顔をした男がいたんだ」
あとは適度にシェイクしたところでテーブルへ置き、蓋を開けてショートグラスに注ぎます。
「こっそり会いに行ったの?」
「一応大火傷を負って休んでる事になっていたから、堂々と会う訳にはいかなかった」
「そうなの、大変だったのね」
「ご注文のカクテルです」
出来たカクテルをルスランに差し出します。
ルスランはこちらを見もせずカクテルグラスを手にします。
「それでその綺麗な寝顔を見て、思わず彼の肌に口付けをしたんだ。そうしたら」
「そ、そしたら?」
ルスランは不敵に微笑み、グラスを傾け半分飲みます。
少しは味わってほしいと思いますが、二杯目のご注文があればその時に言ってみましょう。
「彼からかつてない衝撃が返されて、思わず……砕けたよ」
「……んまぁっ、キーノス! 初対面の相手になんて、なんてまぁ」
「語弊しかありません」
本当に語弊しかありません。
寝てる私に牙をたて、驚いた私に殴られて顎を砕かれた、が正しい説明です。
「あんな経験初めてだよ」
「キーノスったら、女の子と縁がないとか言っといて、本当はソッチの趣味が」
「全くありません」
ルスランの説明のせいで誤解を招いています。
彼は私とカーラ様のやり取りを聞きながら、残りのカクテルを飲み干します。
「キーちゃん、本当はヴァローナで何してたの」
「ビャンコ様にはお話したかと思いますが」
ルスランの頬が酒のせいで少し紅潮して見えます。
潤んだ瞳で、少し下から私の顔を伺っています。
「久しぶりに自分が、吸血鬼で良かったな、なんて……」
発している言葉が途切れ途切れになっています。
「なんだかルスランさんと話してると、吸血鬼が怖いってイメージ無くなるわね」
「さっき意識奪われたでしょ? ハーフらしいけど危ないからねホント」
先程からカーラ様の口調が元に戻っていらっしゃるように思えますが、誰も何も仰らないのは不思議です。
こういうところはルスランの長所だと思います。
そんな事を思っている間に。
ルスランは吸い込まれるようにカウンターに突っ伏してしまいました。
その様子にお二人は驚いたご様子です。
「え?」
「まさかキーちゃん、毒とか」
「いいえ、彼には多くの毒は効きませんし、一般的に有名な吸血鬼の弱点もほとんどありません」
師匠の私邸での出来事を思い返して、ルスランを眠らせた方法は酷く簡単なものではないかと後で思いつき、それを今実践したにすぎません。
毒ではありませんが、ウォッカは普段より強い物を使用しました。
「え、じゃあなんで寝ちゃったの?」
「彼はかなり酒に弱いのではないかと思っていましたが、ここまでとは思いませんでした」
「さっきのカクテルってなぁに?」
「ブラック・ルシアンと言い、コーヒーの香りが特徴的なかなり強いカクテルです。強い甘さでアルコールの強さを感じさせないのも特徴と言えます」
コーヒーには眠気を抑える成分が含まれているのにも関わらず、寝入ってしまうとはなんとも皮肉な物に思えます。
「酒で寝るって」
ビャンコ様が呆れています。
流石にこの様子をご覧になって、警戒が解けたのでしょう。
「それよりどういう関係なの? 気になるじゃないの!」
それは先程説明した通りでしかありませんが、誤解を解くための補足をさせていただけるなら嬉しく思います。
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