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思い出は忘れた頃に訪れる
#4
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夕方の王都の道中、赤く染まる空と街並み。
その色に溶け込むような髪色の女は、人目を避けるように陰を進む。
陽の当たる場所では穏やかに笑っていたその瞳は、裏路地の影が濃くなるにつれて暗い色に変わっていった。
「(本当になんなの、この国の奴らは)」
髪の毛を掻きむしりたい衝動に駆られ、その手を髪を触れずに強く握る。
ここで鬘を取るわけにはいかない。
こんな髪色でもしていないと、自分がこの国の首都であるリモワでは、この裏路地の石畳より目につかない存在になってしまうからだ。
「(最初は偽善者ばっかだってバカにしてたけど、偽善者しかいないじゃん)」
オランディに来てすぐの頃は、誰もが親切でやりやすい国だと考えていた。
平和ボケしてる、こんな奴らなら情報収集するのは簡単だと思ってた。
「(ちょっと声掛けたら簡単に落ちたけど、それで喧嘩するってどうなの?)」
少し色目を使って褒めれば、ほとんどの奴は簡単に口を開いた。
ただ厄介な執着をされてしまい、その結果勝手に喧嘩していたなんて話を聞いた。
見てる分には面白いし、治安が落ちればもっと話が聞きやすくなるって思ってたのに。
「(サウナの我慢大会で解決って、平和ボケしてるわこの国)」
平和ボケするのも分からなくはない。
この国を守っているグリフォンの群れが脅威だと有名になるのも分かる。
グリフォンに嫌われたらリモワから出ていかなきゃならないって聞いたけど、言われなくても出てくしかないでしょ!
……そんなことよりも。
この国の王子とか派手な騎士とか、ホント色んな人に聞いて回ったけど、全然欲しい情報が手に入らない。
宰相らしい人はそもそもいない。
誤魔化されている訳じゃない、本当にいないんだから手に負えない。
「(あの情報屋も役に立たない、占い師もよ)」
情報屋の腕は良かった。
色々抜けていた部分もあったが、それは占い師の記録で補完できたのは大きい。
それでも欲しい情報が出てこない、あとは銀のアネモネとかいう男に直接接触するくらいしか方法がなかった。
銀の毒花の正体を知っているのは分かっただけなら四人、でも四人とも私に全く興味を示さなかったから聞けずにいた、が。
「(なんとかあの男も見つけた、けど)」
銀、いや、きっと抜けきっていない総白髪の男は、この国では滅多にいない。
恋愛小説のヒーローになるような男なら、若くて顔が良いはずだからすぐに見つかると思ってたのに、情報屋すら知らなかった。
それがリモワに来てかなり経った頃、市場で妙な光景を目にした。
小柄な男の横を通りすぎた女達が、その男から視線を外さない。
髪は総白髪じゃない、よくいる明るい茶色。
買っているものも食材が多いから、どこかで個人の飲食店でもやってるんだろう、でもそんな話も聞いた事がない。
市場の店員に聞いてみたら、髪色は違うけどあれが噂の銀のアネモネの君だとか。
これを聞き出すのも一苦労だったが、なんとか噂の主を見つけることができた、けど。
「(なんであの男は他の奴らみたいに平和ボケしてないのよ! 銀の花の君~とかでチヤホヤされてる癖に!)」
髪を染めたくらいでは誤魔化せない程度に顔が良いのは、さっき目の前に立った時分かった。
それ以前にあの男は、どういう訳か声をかけようとしたタイミングで姿を消す。
さっきやっと話しかけられたのに、明らかにこっちを警戒して単純な質問にすら答えない。
こんな鬘を被っていても私はここでは目立たない。
マルモワかヴァローナだったら、すぐに好奇の目が向けられそうなものなのに。
目立てば自由に出来ることが減る、それはカマルプールで経験済みだ。
「でも……」
もう他に手掛かりもない。
名前も分からないし、写真もない。
あの男、何者なんだろう。
───────
今夜のモウカハナには、カズロ様がお一人でご来店されております。
オサシミをジュンマイシュと共にゆっくりと召し上がりながら、私に他愛のない話を振って下さいます。
「前に騎士団長が言ってた話ってホントなの?」
「まぁ、概ね間違っていますが」
「じゃあキーノス、お持ち帰りされたことあるんだね」
「お持ち帰り? とは」
「え、それは……自分の部屋に連れて行って、男女の営みというか……」
カズロ様が何故か照れながら仰っていますが、そこが最大の間違いです。
「何もありません、あれば分かります」
「あ、うん。そう、そうだね」
「あれは彼の悪意に満ちた戯言です」
「戯言なの?」
「戯言です」
あの時のイザッコの戯言が、私に酷い風評被害を与えています。
これは彼に対して文句の一つでも言っても良い気がしています。
「本当だったらすごいね」
「事実と異なります」
「逆はあるの?」
「逆、というのは、私が女性を自室に連れて行った経験ですか?」
「うん」
「ありえません」
イザッコの次の来店を待たず、明日にでも騎士団長に対して一バリスタとして苦情を入れようか悩むところです。
しかしカズロ様が楽しそうになさっているのを見ると、少しだけその気が弱くなります。
グラスをテーブルに置き、少し姿勢を崩しながら、カズロ様が何かを思い出したように別の話題をされます。
「今年はマスカレード前だけど少し余裕が出てね、前からエルミーニさんに頼まれてた闇市の数字追うことになったんだけどさ」
闇市の話がカズロ様から出るとは、少し驚いてしまいます。
リモワの闇市はかなり厳密に管理されており、その分良質な取引が出来ます。
ただし入るためには特殊な手形が必要で、庁舎に書類を提出する必要があります。
確か手形の管理は法務局が担当しており、戸籍を取り扱う部署の仕事だったように思います。
「エルミーニ様が、ですか?」
エルミーニ様は外務局の方だったはずですが、なぜ彼が闇市の数字を気になさるのでしょうか。
「今年に入ってから、国境と港で麻薬が回収されたって話が何度かあったみたいで。闇市での取引の傾向とか調べて欲しいって言われてね」
「それは、大変な仕事ですね」
闇市は入場できる人間を厳密に管理されてますが、中での取引はかなり煩雑なものです。
単純に金銭で取引する場合もあれば、客と店で商品を交換する場合もあります。
「あれ、キーノスも手形持ってるの?」
「えぇ、あまり使いませんが」
「やっぱり大変、だよね……まず調査をどうしたら良いか……」
カズロ様の眉間にシワが寄ります。
お気持ちは分かりますが、地下に店を構えている店舗はあまりありませんし、多くの店は王都の中で真っ当な店を開き、闇市には時折露店を出す程度です。
「店舗から提出されている売買の履歴を調べるしかないでしょうね」
「やっぱりそうなんだ」
「闇市では実物の交換で成り立つことも多いですが、客の方まで追うのは難しいかと思います」
「なるほど、確かに言う通りだろうね」
カズロ様は眉間に深いシワを刻み、深いため息をつかれます。
気を取り直すように、グラスの中の酒を口になさいます。
「こんなこと聞くのもアレなんだけど、実際どう思う? 国境で回収されてるなら流通してないと思うんだけど」
「私もそう思いますし、あったとしても似たような違うものでしょう」
咳を止める効果のある薬に含まれている成分を精製すれば、麻薬に似た中毒性のあるものを作ることは出来るでしょう。
使い方次第で毒にも薬にもなるものはどこにでもあると思います。
「え、闇市ならそういうの普通に手に入ったりするの?」
「闇市に限らず薬の材料として入手できますが、麻薬のように使うなら相当な量が必要になりますから、何かしら報告されるとは思います」
「そっか、なるほど……あぁ、それで統計出して欲しいって話になるのか」
カズロ様の中で何か納得されたご様子で、サシミを一切れ小皿に乗せます。
「他は? 闇市ってどんな物が売ってるの?」
「使い方次第では危険な物が主ですが、薬品や道具、変わった魔獣の素材や鉱石などでしょうか。全てを把握してる訳ではありませんが、王都内で認可が降りにくい物が多い印象です」
昔はお金に困った方が安価に物を買える場所でしたが、国が発展してからは今の形になりました。
今では安く入手したい物がある場合、市場で中古品を購入するのが一般的です。
「へぇー、じゃあさ、魔法の薬みたいなのもあるのかな? 傷が一瞬で治る! みたいなの」
「闇市に限らず、そのような薬は聞いた事がありません」
「え、そうなの? 術でもないの?」
「近いものはありますが、通常より治癒力を上げる程度で、一瞬で治るようなものでもありませんね」
治癒がそれに当たるとは思いますが、治療に掛かる期間が短くなりますが一瞬とは言い難いです。
ビャンコ様の言う精霊はこの精度が高いですが、それでもやはり一瞬ではなかったように思います。
「よく物語で秘境の霊薬とか出るけど、やっぱり物語の中の話なんだね」
「あくまで私が知る範囲ですので、何処かにはあるのかもしれませんが」
「今度父にも聞いてみようかな、何か知ってるかもしれないし」
彼のお父様は有名な作家様だったと聞いていますので、何かご存知かもしれませんね。
カズロ様は小皿の上に置いたままだったサシミを口になさり、味わった後でフォークを置きます。
「エルミーニさんがキーノスに会いたいって言ってたよ」
「そうでしたか」
「小さい息子さんいるから夜飲みに行くの難しいけど、あの小説の愚痴を吐きたいんだって」
「余裕のある時にいつでもご来店ください、とお伝えください」
エルミーニ様がご来店されたのは一度きりです。
今度はイザッコではなく、エルミーニ様とご来店していただけたら嬉しく思います。
他愛のない話をカズロ様と交わし、夜は更けていきます。
眠る前の昼の喧騒を忘れる、良い時間をお過ごしいただけたら幸いです。
その色に溶け込むような髪色の女は、人目を避けるように陰を進む。
陽の当たる場所では穏やかに笑っていたその瞳は、裏路地の影が濃くなるにつれて暗い色に変わっていった。
「(本当になんなの、この国の奴らは)」
髪の毛を掻きむしりたい衝動に駆られ、その手を髪を触れずに強く握る。
ここで鬘を取るわけにはいかない。
こんな髪色でもしていないと、自分がこの国の首都であるリモワでは、この裏路地の石畳より目につかない存在になってしまうからだ。
「(最初は偽善者ばっかだってバカにしてたけど、偽善者しかいないじゃん)」
オランディに来てすぐの頃は、誰もが親切でやりやすい国だと考えていた。
平和ボケしてる、こんな奴らなら情報収集するのは簡単だと思ってた。
「(ちょっと声掛けたら簡単に落ちたけど、それで喧嘩するってどうなの?)」
少し色目を使って褒めれば、ほとんどの奴は簡単に口を開いた。
ただ厄介な執着をされてしまい、その結果勝手に喧嘩していたなんて話を聞いた。
見てる分には面白いし、治安が落ちればもっと話が聞きやすくなるって思ってたのに。
「(サウナの我慢大会で解決って、平和ボケしてるわこの国)」
平和ボケするのも分からなくはない。
この国を守っているグリフォンの群れが脅威だと有名になるのも分かる。
グリフォンに嫌われたらリモワから出ていかなきゃならないって聞いたけど、言われなくても出てくしかないでしょ!
……そんなことよりも。
この国の王子とか派手な騎士とか、ホント色んな人に聞いて回ったけど、全然欲しい情報が手に入らない。
宰相らしい人はそもそもいない。
誤魔化されている訳じゃない、本当にいないんだから手に負えない。
「(あの情報屋も役に立たない、占い師もよ)」
情報屋の腕は良かった。
色々抜けていた部分もあったが、それは占い師の記録で補完できたのは大きい。
それでも欲しい情報が出てこない、あとは銀のアネモネとかいう男に直接接触するくらいしか方法がなかった。
銀の毒花の正体を知っているのは分かっただけなら四人、でも四人とも私に全く興味を示さなかったから聞けずにいた、が。
「(なんとかあの男も見つけた、けど)」
銀、いや、きっと抜けきっていない総白髪の男は、この国では滅多にいない。
恋愛小説のヒーローになるような男なら、若くて顔が良いはずだからすぐに見つかると思ってたのに、情報屋すら知らなかった。
それがリモワに来てかなり経った頃、市場で妙な光景を目にした。
小柄な男の横を通りすぎた女達が、その男から視線を外さない。
髪は総白髪じゃない、よくいる明るい茶色。
買っているものも食材が多いから、どこかで個人の飲食店でもやってるんだろう、でもそんな話も聞いた事がない。
市場の店員に聞いてみたら、髪色は違うけどあれが噂の銀のアネモネの君だとか。
これを聞き出すのも一苦労だったが、なんとか噂の主を見つけることができた、けど。
「(なんであの男は他の奴らみたいに平和ボケしてないのよ! 銀の花の君~とかでチヤホヤされてる癖に!)」
髪を染めたくらいでは誤魔化せない程度に顔が良いのは、さっき目の前に立った時分かった。
それ以前にあの男は、どういう訳か声をかけようとしたタイミングで姿を消す。
さっきやっと話しかけられたのに、明らかにこっちを警戒して単純な質問にすら答えない。
こんな鬘を被っていても私はここでは目立たない。
マルモワかヴァローナだったら、すぐに好奇の目が向けられそうなものなのに。
目立てば自由に出来ることが減る、それはカマルプールで経験済みだ。
「でも……」
もう他に手掛かりもない。
名前も分からないし、写真もない。
あの男、何者なんだろう。
───────
今夜のモウカハナには、カズロ様がお一人でご来店されております。
オサシミをジュンマイシュと共にゆっくりと召し上がりながら、私に他愛のない話を振って下さいます。
「前に騎士団長が言ってた話ってホントなの?」
「まぁ、概ね間違っていますが」
「じゃあキーノス、お持ち帰りされたことあるんだね」
「お持ち帰り? とは」
「え、それは……自分の部屋に連れて行って、男女の営みというか……」
カズロ様が何故か照れながら仰っていますが、そこが最大の間違いです。
「何もありません、あれば分かります」
「あ、うん。そう、そうだね」
「あれは彼の悪意に満ちた戯言です」
「戯言なの?」
「戯言です」
あの時のイザッコの戯言が、私に酷い風評被害を与えています。
これは彼に対して文句の一つでも言っても良い気がしています。
「本当だったらすごいね」
「事実と異なります」
「逆はあるの?」
「逆、というのは、私が女性を自室に連れて行った経験ですか?」
「うん」
「ありえません」
イザッコの次の来店を待たず、明日にでも騎士団長に対して一バリスタとして苦情を入れようか悩むところです。
しかしカズロ様が楽しそうになさっているのを見ると、少しだけその気が弱くなります。
グラスをテーブルに置き、少し姿勢を崩しながら、カズロ様が何かを思い出したように別の話題をされます。
「今年はマスカレード前だけど少し余裕が出てね、前からエルミーニさんに頼まれてた闇市の数字追うことになったんだけどさ」
闇市の話がカズロ様から出るとは、少し驚いてしまいます。
リモワの闇市はかなり厳密に管理されており、その分良質な取引が出来ます。
ただし入るためには特殊な手形が必要で、庁舎に書類を提出する必要があります。
確か手形の管理は法務局が担当しており、戸籍を取り扱う部署の仕事だったように思います。
「エルミーニ様が、ですか?」
エルミーニ様は外務局の方だったはずですが、なぜ彼が闇市の数字を気になさるのでしょうか。
「今年に入ってから、国境と港で麻薬が回収されたって話が何度かあったみたいで。闇市での取引の傾向とか調べて欲しいって言われてね」
「それは、大変な仕事ですね」
闇市は入場できる人間を厳密に管理されてますが、中での取引はかなり煩雑なものです。
単純に金銭で取引する場合もあれば、客と店で商品を交換する場合もあります。
「あれ、キーノスも手形持ってるの?」
「えぇ、あまり使いませんが」
「やっぱり大変、だよね……まず調査をどうしたら良いか……」
カズロ様の眉間にシワが寄ります。
お気持ちは分かりますが、地下に店を構えている店舗はあまりありませんし、多くの店は王都の中で真っ当な店を開き、闇市には時折露店を出す程度です。
「店舗から提出されている売買の履歴を調べるしかないでしょうね」
「やっぱりそうなんだ」
「闇市では実物の交換で成り立つことも多いですが、客の方まで追うのは難しいかと思います」
「なるほど、確かに言う通りだろうね」
カズロ様は眉間に深いシワを刻み、深いため息をつかれます。
気を取り直すように、グラスの中の酒を口になさいます。
「こんなこと聞くのもアレなんだけど、実際どう思う? 国境で回収されてるなら流通してないと思うんだけど」
「私もそう思いますし、あったとしても似たような違うものでしょう」
咳を止める効果のある薬に含まれている成分を精製すれば、麻薬に似た中毒性のあるものを作ることは出来るでしょう。
使い方次第で毒にも薬にもなるものはどこにでもあると思います。
「え、闇市ならそういうの普通に手に入ったりするの?」
「闇市に限らず薬の材料として入手できますが、麻薬のように使うなら相当な量が必要になりますから、何かしら報告されるとは思います」
「そっか、なるほど……あぁ、それで統計出して欲しいって話になるのか」
カズロ様の中で何か納得されたご様子で、サシミを一切れ小皿に乗せます。
「他は? 闇市ってどんな物が売ってるの?」
「使い方次第では危険な物が主ですが、薬品や道具、変わった魔獣の素材や鉱石などでしょうか。全てを把握してる訳ではありませんが、王都内で認可が降りにくい物が多い印象です」
昔はお金に困った方が安価に物を買える場所でしたが、国が発展してからは今の形になりました。
今では安く入手したい物がある場合、市場で中古品を購入するのが一般的です。
「へぇー、じゃあさ、魔法の薬みたいなのもあるのかな? 傷が一瞬で治る! みたいなの」
「闇市に限らず、そのような薬は聞いた事がありません」
「え、そうなの? 術でもないの?」
「近いものはありますが、通常より治癒力を上げる程度で、一瞬で治るようなものでもありませんね」
治癒がそれに当たるとは思いますが、治療に掛かる期間が短くなりますが一瞬とは言い難いです。
ビャンコ様の言う精霊はこの精度が高いですが、それでもやはり一瞬ではなかったように思います。
「よく物語で秘境の霊薬とか出るけど、やっぱり物語の中の話なんだね」
「あくまで私が知る範囲ですので、何処かにはあるのかもしれませんが」
「今度父にも聞いてみようかな、何か知ってるかもしれないし」
彼のお父様は有名な作家様だったと聞いていますので、何かご存知かもしれませんね。
カズロ様は小皿の上に置いたままだったサシミを口になさり、味わった後でフォークを置きます。
「エルミーニさんがキーノスに会いたいって言ってたよ」
「そうでしたか」
「小さい息子さんいるから夜飲みに行くの難しいけど、あの小説の愚痴を吐きたいんだって」
「余裕のある時にいつでもご来店ください、とお伝えください」
エルミーニ様がご来店されたのは一度きりです。
今度はイザッコではなく、エルミーニ様とご来店していただけたら嬉しく思います。
他愛のない話をカズロ様と交わし、夜は更けていきます。
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