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第一章 柴イヌ、冒険者になる
第七話 ご主人様さがし
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「素肌に丈の短いベストだけ着せて、七分丈のズボンにストールを腰に巻く……か。ずいぶんとエロいご趣味ですこと! オホホホ」
「ち、違うんだモニカ! 武闘家の服を探していたら、砂漠の国の服でそういうのがあると服屋が持ってきたんだ!」
「でもリリアンだって気に入ったから買ったんでしょ? イケメンの露出された肌は目の保養だわぁ」
「や、やめろ、そんな目で見るな!」
とうとうオレはふたたび服を着ることになってしまいました。
窮屈だからイヤだと言ったのですが、リリアンさんが怒るので仕方ないです。
でも服にしては窮屈ではありません。なのでこれなら我慢できそうですね。
「リリアンさん、この服ならほとんどハダカと同じなので良かったです。わざわざそういう服を選んでくれてありがとうございました」
「い、いえ、ほとんど裸とか、そういう狙いがあったわけではないんですけど……でも喜んでもらえたなら良かったです」
「あと、またお金というのをオレのために使ってくれたとモニカさんが言ってました。必ずこのご恩はお返しします!」
「あ、それは全然気にしないで下さい! 好きでやってるんで恩とかないですから」
「いえ、あります! 恩を忘れないのがイヌの基本です、なので絶対にお返しします!」
「そ、そうですか……それよりコテツ殿、つかぬことをお訊ねしますが、コテツ殿はまだご主人を捜したいという気持ちに変わりはないのですか?」
「はい! もちろんですっ」
そうでした、この街に来たのはご主人様を捜すためでした。早くご主人様に会いたいな……寂しいです。
「一応私もこのギルドの知り合いにはキモオタ様のことを訊いてみたのですが、誰も知らないようでした」
しょんぼり。
「大変不躾な事を申しますが、正直言って私はコテツ殿のご主人を快く思っていません!」
「はあ……」
「しかしご主人を捜すお手伝いをすると約束した以上は、私に出来る事はさせて頂きます。なので人捜しの貼り紙を作ろうと思います。もしかしたらキモオタ様本人かそのお知り合いが貼り紙を見るかもしれないので」
「そうしたら見つかりますか!?」
「ええ、運が良ければですが……」
「ありがとうございます! 貼り紙作りたいですっ!」
希望がまた見えてきました! ほんとリリアンさんは最高のおともだちです、大好きです!
リリアンさんはモニカさんに紙とペンを借りて、貼り紙作りを早速はじめてくれました。
「まず似顔絵を描きますが、キモオタ様の顔の特徴を教えて下さい」
「えっと、太っててほっぺたが膨らんでいて、目が細くて丸い鼻から毛が見えていて、唇がイモムシみたいで、脂でベタベタしています」
「な、なるほど……あと眉毛は?」
「眉毛は時々オレの顔にマジックで描いて笑います。とても不愉快です」
「い、いえ、キモオタ様の眉毛を……」
「ご主人様の眉毛は三角です。あ、あとおでこの真ん中に黒くて丸いのが付いています」
「ほくろですね、髪型は?」
「頭の毛並みですか? バリカンという恐ろしい機械で自分で坊主にしていました。チクチクしてイタいです」
「なるほど坊主頭っと……じゃあこんな感じですかね?」
リリアンさんが描いてくれたご主人様の顔は、ご主人様にそっくりでした!
「ちょっとリリアン、あんた絵が下手ねえ」
「うるさい! モニカ」
「てか何よこの気持ち悪い顔は……何かこの人に対してあんた恨みでもあるんじゃないの? 悪意を感じるわ」
「そんなこと……ないけど……でも、あるかも……」
「リリアンさん! すごいです、これご主人様です! そっくりですよっ!」
「そ、そっくりなんだ……良かったね、リリアン」
「ああ、早くご主人様に会いたいなあ」
「……そっか、この人がコテツ殿のご主人なのですね……」
「リリアンさん、ありがとう」
「い、いえ。じゃあ後で魔法で複写しておきますので、それが終わったら明日にでも街に貼りに行きましょう」
オレはとても嬉しかったのですが、リリアンさんは少し悲しそうです。どうしてだろう?
「リリアンさん? なんか悲しいことでもありましたか? オレ心配です」
リリアンさんはちょっとびっくりした顔でオレの顔を見ました。
そしたら今度は泣きそうな顔になったものだから、オレは胸が苦しくなって。
「コテツ殿……そうじゃないんです。ただ、この似顔絵の男がコテツ殿を虐待していたのかと思うと、悔しいというか……ちょっと辛くて……」
虐待とはイジワルのことでしょうか? 確かにご主人様はイジワルもしますね。
でもぶったり蹴ったりはしないし、ご飯も散歩も欠かさないでくれるし、優しく撫でてもくれます。
なんだかリリアンさんの言う虐待って、イジワルとは違うような? ご主人様とは関係ないみたいだけど……
だけど──リリアンさんがオレのことを思いやってくれているのは感じるのです。
「それに……そんな男のことをいまだにご主人様と言って慕っているコテツ殿が、なんだか切ないんです……」
「リリアンさん……」
ふむ、切ないとはなんでしょう? 全然意味がわかりませんが、リリアンさんが優しくて、いま胸を痛めているのはわかります。
「あ、いや、私の勝手な感傷でコテツ殿のご主人に無礼なことを言いました……すみませ──!?」
オレはとにかくリリアンさんに元気になって欲しいんです! だから胸に顔を埋め、口元をペロペロ舐めました。
「こ、コテツどっ?!!!」
「こらーーッ!! こんなところで始めるなあーーーッ!!!」
いたい、痛いですモニカさんっ! なんで無理矢理に引き剥がすんですか?
「ちょっとリリアンっ! なに固まっているのよ! てか何よ、そのニヤけた嬉しそうな顔はっ! キーーッ!」
モニカさんがとても不機嫌そうです。オレは空気の読めるオスなので、関わらないように部屋の隅っこに行って知らんぷりしておきましょう。少し眠いですしちょうどいいです。
「私にもちょうだいよ! イケメンのキスちょうだいよっ! 何であんたみたいにボサボサ頭で、お肌の手入れもされていないカサカサ肌で、化粧っ気もないただの剣術馬鹿女が私よりいい思いしてるのよっ? 底辺女なのにぃ!」
「えっ!? なにっ? 待てモニカ!」
「私の方がずっと女子力が高いのにっ! 許せない、許せないっ、こんな経験のない女なんか私のテクニックの足許にも及ばないのにぃッ!」
「ええいっ待てというに! おまえいま言ったことは本当か?」
「なにがよっ」
「その、頭ボサボサで肌がカサカサで、底辺女というのは……」
「その通りじゃない、なにさ、怒ったの?」
「いや……そうじゃない、私の見た目とは女としてそんなに酷いものなのか?」
「そうね、素材はいいけどね。美人だし。でも女としての魅力はゼロだわ」
「ぜ、ゼロ……」
「それが証拠にあんた、男にナンパされたことないでしょ?」
「な、ない……い、いや、あるっ! 手合わせを願いたいと勝負を挑んでくる男はいるぞっ!」
「馬鹿なの? ねえ、あんた馬鹿なの? それただの果し合いじゃないっ!」
「ち、違うのか……」
「べつにあんたが男に興味がないのならそのままでもいいのよ? 私が言うのも何だけど、女にとって男が全てみたいな考え方はアホらしいと思うし」
「むろん男に興味などはないっ! し、しかし……」
「コテツさんには興味があると?」
「げっ! な、なぜそれを……」
「コテツさんにも女として興味をもってもらいたいと?」
「わーっ、わーっ、わーっ、それ以上言うなーッ!」
「はぁ、仕方のない娘ねえ……じゃあさ、とりあえずコテツさんに好きな髪型でも訊いてみたら? そのボサボサ頭はちょっと酷すぎよ?」
「そ、そうか! モニカありがとうっ! コテツ殿っ! コテツ殿はどちらに!?」
いい気持ちで眠くなっていたのになんでしょうか?
いまあの二人には関わってはダメだという匂いをビシビシ感じるのですが……
「やっ、こんな所でまた寝て! いや今はそれどころじゃないんです、コテツ殿、コテツ殿の好きな髪型を教えて下さい!」
「髪型? ですか?」
「そうです!」
髪型というのは頭の毛並みのことでしたね。うーん、オレの好きな毛並みといえば……
「シナモンちゃんみたいなのです」
「くっ! またその女性ですか……いや昔のことは何も申しますまい! それでそのシナモン殿はどのような髪型なのでしょう?」
「えーと、モコモコ? 毛が短くてクルクル巻いてて、それでモコモコのフワフワです」
「わかりました! ありがとうございます!」
「いやいやリリアン、ちょっと落ち着け!」
「うるさいモニカ、邪魔するな」
「だってあんた、今聞いた髪型ってどう考えてもパンチパーマだよ?」
「だからなんだ?」
「なんだって……あんたそのパンチパーマにしてくる気でしょ!? それ見て笑い者にしたい気もするけど、さすがに女友達として黙っていられないわよ!」
シナモンちゃんの毛並みはパンチパーマというのですか。しかしあれはトイプードルだけの正義です。特別なのです。
「モコモコのフワフワなのだから、アフロかもしれんだろ?」
「どっちにしろあんたには似合わないわよ!」
「オレもリリアンさんでは似合わないと思います」
「えっ!? ガーン……コテツ殿まで? そ、そんなあ……じゃ、じゃあ私はどうしたら!……」
オレはリリアンさんの黒くて長い毛並みを手で透いてみました。
ちなみに手とは前足のことです。オレが前足と言うたびにリリアンさんが手と言い直すので、めんどくさいからこれからは手と言います。
「リリアンさんには、この黒くて長い美しい毛並みを大事にしてほしいです」
「わ、わ、わかりましたーっ! モニカちょっと出掛けてくる! 後のことは頼んだぞっ!」
リリアンさんは飛び出してどこかへ行ってしまいました。
これでようやく静かになりましたね。私はご飯の時間まで寝ます。
では、おやすみなさい。
「ち、違うんだモニカ! 武闘家の服を探していたら、砂漠の国の服でそういうのがあると服屋が持ってきたんだ!」
「でもリリアンだって気に入ったから買ったんでしょ? イケメンの露出された肌は目の保養だわぁ」
「や、やめろ、そんな目で見るな!」
とうとうオレはふたたび服を着ることになってしまいました。
窮屈だからイヤだと言ったのですが、リリアンさんが怒るので仕方ないです。
でも服にしては窮屈ではありません。なのでこれなら我慢できそうですね。
「リリアンさん、この服ならほとんどハダカと同じなので良かったです。わざわざそういう服を選んでくれてありがとうございました」
「い、いえ、ほとんど裸とか、そういう狙いがあったわけではないんですけど……でも喜んでもらえたなら良かったです」
「あと、またお金というのをオレのために使ってくれたとモニカさんが言ってました。必ずこのご恩はお返しします!」
「あ、それは全然気にしないで下さい! 好きでやってるんで恩とかないですから」
「いえ、あります! 恩を忘れないのがイヌの基本です、なので絶対にお返しします!」
「そ、そうですか……それよりコテツ殿、つかぬことをお訊ねしますが、コテツ殿はまだご主人を捜したいという気持ちに変わりはないのですか?」
「はい! もちろんですっ」
そうでした、この街に来たのはご主人様を捜すためでした。早くご主人様に会いたいな……寂しいです。
「一応私もこのギルドの知り合いにはキモオタ様のことを訊いてみたのですが、誰も知らないようでした」
しょんぼり。
「大変不躾な事を申しますが、正直言って私はコテツ殿のご主人を快く思っていません!」
「はあ……」
「しかしご主人を捜すお手伝いをすると約束した以上は、私に出来る事はさせて頂きます。なので人捜しの貼り紙を作ろうと思います。もしかしたらキモオタ様本人かそのお知り合いが貼り紙を見るかもしれないので」
「そうしたら見つかりますか!?」
「ええ、運が良ければですが……」
「ありがとうございます! 貼り紙作りたいですっ!」
希望がまた見えてきました! ほんとリリアンさんは最高のおともだちです、大好きです!
リリアンさんはモニカさんに紙とペンを借りて、貼り紙作りを早速はじめてくれました。
「まず似顔絵を描きますが、キモオタ様の顔の特徴を教えて下さい」
「えっと、太っててほっぺたが膨らんでいて、目が細くて丸い鼻から毛が見えていて、唇がイモムシみたいで、脂でベタベタしています」
「な、なるほど……あと眉毛は?」
「眉毛は時々オレの顔にマジックで描いて笑います。とても不愉快です」
「い、いえ、キモオタ様の眉毛を……」
「ご主人様の眉毛は三角です。あ、あとおでこの真ん中に黒くて丸いのが付いています」
「ほくろですね、髪型は?」
「頭の毛並みですか? バリカンという恐ろしい機械で自分で坊主にしていました。チクチクしてイタいです」
「なるほど坊主頭っと……じゃあこんな感じですかね?」
リリアンさんが描いてくれたご主人様の顔は、ご主人様にそっくりでした!
「ちょっとリリアン、あんた絵が下手ねえ」
「うるさい! モニカ」
「てか何よこの気持ち悪い顔は……何かこの人に対してあんた恨みでもあるんじゃないの? 悪意を感じるわ」
「そんなこと……ないけど……でも、あるかも……」
「リリアンさん! すごいです、これご主人様です! そっくりですよっ!」
「そ、そっくりなんだ……良かったね、リリアン」
「ああ、早くご主人様に会いたいなあ」
「……そっか、この人がコテツ殿のご主人なのですね……」
「リリアンさん、ありがとう」
「い、いえ。じゃあ後で魔法で複写しておきますので、それが終わったら明日にでも街に貼りに行きましょう」
オレはとても嬉しかったのですが、リリアンさんは少し悲しそうです。どうしてだろう?
「リリアンさん? なんか悲しいことでもありましたか? オレ心配です」
リリアンさんはちょっとびっくりした顔でオレの顔を見ました。
そしたら今度は泣きそうな顔になったものだから、オレは胸が苦しくなって。
「コテツ殿……そうじゃないんです。ただ、この似顔絵の男がコテツ殿を虐待していたのかと思うと、悔しいというか……ちょっと辛くて……」
虐待とはイジワルのことでしょうか? 確かにご主人様はイジワルもしますね。
でもぶったり蹴ったりはしないし、ご飯も散歩も欠かさないでくれるし、優しく撫でてもくれます。
なんだかリリアンさんの言う虐待って、イジワルとは違うような? ご主人様とは関係ないみたいだけど……
だけど──リリアンさんがオレのことを思いやってくれているのは感じるのです。
「それに……そんな男のことをいまだにご主人様と言って慕っているコテツ殿が、なんだか切ないんです……」
「リリアンさん……」
ふむ、切ないとはなんでしょう? 全然意味がわかりませんが、リリアンさんが優しくて、いま胸を痛めているのはわかります。
「あ、いや、私の勝手な感傷でコテツ殿のご主人に無礼なことを言いました……すみませ──!?」
オレはとにかくリリアンさんに元気になって欲しいんです! だから胸に顔を埋め、口元をペロペロ舐めました。
「こ、コテツどっ?!!!」
「こらーーッ!! こんなところで始めるなあーーーッ!!!」
いたい、痛いですモニカさんっ! なんで無理矢理に引き剥がすんですか?
「ちょっとリリアンっ! なに固まっているのよ! てか何よ、そのニヤけた嬉しそうな顔はっ! キーーッ!」
モニカさんがとても不機嫌そうです。オレは空気の読めるオスなので、関わらないように部屋の隅っこに行って知らんぷりしておきましょう。少し眠いですしちょうどいいです。
「私にもちょうだいよ! イケメンのキスちょうだいよっ! 何であんたみたいにボサボサ頭で、お肌の手入れもされていないカサカサ肌で、化粧っ気もないただの剣術馬鹿女が私よりいい思いしてるのよっ? 底辺女なのにぃ!」
「えっ!? なにっ? 待てモニカ!」
「私の方がずっと女子力が高いのにっ! 許せない、許せないっ、こんな経験のない女なんか私のテクニックの足許にも及ばないのにぃッ!」
「ええいっ待てというに! おまえいま言ったことは本当か?」
「なにがよっ」
「その、頭ボサボサで肌がカサカサで、底辺女というのは……」
「その通りじゃない、なにさ、怒ったの?」
「いや……そうじゃない、私の見た目とは女としてそんなに酷いものなのか?」
「そうね、素材はいいけどね。美人だし。でも女としての魅力はゼロだわ」
「ぜ、ゼロ……」
「それが証拠にあんた、男にナンパされたことないでしょ?」
「な、ない……い、いや、あるっ! 手合わせを願いたいと勝負を挑んでくる男はいるぞっ!」
「馬鹿なの? ねえ、あんた馬鹿なの? それただの果し合いじゃないっ!」
「ち、違うのか……」
「べつにあんたが男に興味がないのならそのままでもいいのよ? 私が言うのも何だけど、女にとって男が全てみたいな考え方はアホらしいと思うし」
「むろん男に興味などはないっ! し、しかし……」
「コテツさんには興味があると?」
「げっ! な、なぜそれを……」
「コテツさんにも女として興味をもってもらいたいと?」
「わーっ、わーっ、わーっ、それ以上言うなーッ!」
「はぁ、仕方のない娘ねえ……じゃあさ、とりあえずコテツさんに好きな髪型でも訊いてみたら? そのボサボサ頭はちょっと酷すぎよ?」
「そ、そうか! モニカありがとうっ! コテツ殿っ! コテツ殿はどちらに!?」
いい気持ちで眠くなっていたのになんでしょうか?
いまあの二人には関わってはダメだという匂いをビシビシ感じるのですが……
「やっ、こんな所でまた寝て! いや今はそれどころじゃないんです、コテツ殿、コテツ殿の好きな髪型を教えて下さい!」
「髪型? ですか?」
「そうです!」
髪型というのは頭の毛並みのことでしたね。うーん、オレの好きな毛並みといえば……
「シナモンちゃんみたいなのです」
「くっ! またその女性ですか……いや昔のことは何も申しますまい! それでそのシナモン殿はどのような髪型なのでしょう?」
「えーと、モコモコ? 毛が短くてクルクル巻いてて、それでモコモコのフワフワです」
「わかりました! ありがとうございます!」
「いやいやリリアン、ちょっと落ち着け!」
「うるさいモニカ、邪魔するな」
「だってあんた、今聞いた髪型ってどう考えてもパンチパーマだよ?」
「だからなんだ?」
「なんだって……あんたそのパンチパーマにしてくる気でしょ!? それ見て笑い者にしたい気もするけど、さすがに女友達として黙っていられないわよ!」
シナモンちゃんの毛並みはパンチパーマというのですか。しかしあれはトイプードルだけの正義です。特別なのです。
「モコモコのフワフワなのだから、アフロかもしれんだろ?」
「どっちにしろあんたには似合わないわよ!」
「オレもリリアンさんでは似合わないと思います」
「えっ!? ガーン……コテツ殿まで? そ、そんなあ……じゃ、じゃあ私はどうしたら!……」
オレはリリアンさんの黒くて長い毛並みを手で透いてみました。
ちなみに手とは前足のことです。オレが前足と言うたびにリリアンさんが手と言い直すので、めんどくさいからこれからは手と言います。
「リリアンさんには、この黒くて長い美しい毛並みを大事にしてほしいです」
「わ、わ、わかりましたーっ! モニカちょっと出掛けてくる! 後のことは頼んだぞっ!」
リリアンさんは飛び出してどこかへ行ってしまいました。
これでようやく静かになりましたね。私はご飯の時間まで寝ます。
では、おやすみなさい。
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