13 / 53
第一章 柴イヌ、冒険者になる
第十三話 オーク討伐へ
しおりを挟む
「コテツ殿、ちゃんと歯を自分で磨いて下さい!」
「えっ、イヤですよ、歯を磨くのキライですし、自分では出来ないですし……」
「だからって毎回私に磨いてもらっていては駄目です! お風呂も怒らないと入らないし、なんでも自分で出来るようにならないと心配です。私がもし居なくなったらどうするんですか?」
「なっ? リリアンさん、居なくなっちゃうんですか!?」
「も、もしもの話です……」
居なくなる?……オレはなぜか急にご主人様の顔を思い浮かべてしまいました。
──はぐれてしまったご主人様。貼り紙にはなんの反応もありません。一生懸命匂いを感じようとしても、まるで気配もないのです。
最近では捨てられたのかもしれないと半分本気で思ったりもします……
「イヤです、リリアンさんまで居なくなるのはイヤです!」
「コテツ殿?……」
「ご主人様も居なくなってしまって、それなのにリリアンさんも居なくなるなんてひどいですっ!」
「い、いえ、そうじゃなくて──」
なんでみんな居なくなるのでしょうか? 一人ぽっちは寂しいです。
「大丈夫ですよコテツさん、リリアンが居なくなったって私がいますわ」
ちよっと傷心なオレの背中をモニカさんは優しく抱きしめて、耳元でそう囁いてくれました。
「歯磨きだって私がリリアンより上手にして差し上げますからね」
「モニカっ! あんた突然現れてなにコテツ殿に抱きついているのよ? 離れなさいよッ!」
「え~っ、やだ。だってコテツさんの背中は広くて気持ちいいんだもーん。もっと胸押し付けちゃう、キャッ」
「キャッ、じゃねえ! 離れろ変態女っ!」
「痛い痛いっ! ちよっとリリアン、引っ張らないでよー!」
オレとしてはリリアンさんもモニカさんも、二人とも居なくなってほしくないです。せっかく出来たおともだちなので……ずっと一緒が幸せです。
「コテツさん、リリアンはね今日からオーク討伐の依頼に出発するんですのよ」
「はい、そう聞いています」
「ちよっと危険な依頼なので、少しナーバスになっているんだと思いますわ」
「危険なんですか? ならオレも一緒に行きます」
「それは出来ないんです。コテツ殿のお気持ちは嬉しいですけれど……前にもモニカが説明したと思いますが、コテツ殿の冒険者ランクだと、今回の討伐依頼は受けられないので……」
よくわかりませんが、冒険者だから一緒に行けないということでしょうか?
「ならオレ、冒険者やめます。それなら一緒に行けますよね?」
「ちよっー! コテツさん!? やだちょっと冒険者やめるとか冗談ですわよね? 我がギルドの期待の新人なんですから、やめるとか言わないでっ!」
またモニカさんが抱きついてきました。てか、これはしがみついていますね。
「気持ちは分かるが離れろモニカーっ!」
「イヤよっ! コテツさんが冗談だって言ってくれるまで離れないんだからあっ! リリアン、引き剥がそうとしたって無駄なんだからねっ!」
「こ、コテツ殿っ! この際こいつに冗談だと言ってやって下さいっ! でないと離れないっ、モニカお前はスッポンかっ!」
「く、苦しいですっ……二人ともやめてくださいっ!……おえっ」
モニカさんがオレの首にしがみついて、それをリリアンさんが引っ張るものだから……めちゃくちゃ絞められているんですけど!
「そ、それにコテツ殿が冒険者を辞めても駄目なんですっ、今回のパーティーリーダーはあのジェインですから、絶対にコテツ殿の参加は認めないでしょう」
「ジェ、ジェインって誰ですか?……おえっ」
「お、憶えていませんか? ほら、コテツ殿と戦ってそこの壁に穴をあけた……」
「ああ! あのイヤな人ですか。オレあの人キライです。てか、モニカさん、オレ吐きそうです……おえっ」
「す、すみませんっ! あまりのショックで我を忘れてしまいましたわっ!」
おええっ、やっとモニカさんが離れてくれました……この二人は時々恐ろしく凶暴になりますね……
「ふう、あぶないところでした……リリアンさん、モニカさん、教えてください。なんでジェインさんはオレが一緒にいくのを許してはくれないんですか? じゃあ勝手について行けば大丈夫ですか?」
「えっと……もしもですよ? もしもコテツ殿と私とモニカでパーティーを組んで魔物の討伐に行ったとしますね。その時ジェインが勝手について来たら、コテツ殿はどう思いますか?」
「イヤですっ! あの人のことオレはキライです。邪魔なので帰ってもらいますっ」
「ですよね、同じようにジェインもコテツ殿のことを、そう思っているんですよ……」
「あっ……そういうことですか……」
「べつにコテツさんが悪いわけではないのですよ? コテツさんがジェインを嫌うのは当たり前です、いきなり暴力を振るってきたのですもの! けど、ジェインのコテツさんを嫌う態度は理不尽ですわ」
「モニカの言う通りです。ジェインはケンカでコテツ殿に手も足も出なかったもんだから逆ギレしているんです」
つまりオレがジェインさんとケンカをしたせいってことですね……
てか、あれはやっぱりケンカだったのですか。てっきりコントかと思いました。
「なるほどそうですか……リリアンさんと一緒に行けないのはオレのせいだったのですね……ごめんなさい」
「ち、違います! コテツ殿のせいなんかじゃありません! そんな謝ったりしないで下さいっ」
「そうですよコテツさん、あの性根の腐ったジェインが悪いんですわ! ご自分を責めたりするのは駄目ですよ?」
二人はそういいますが、ケンカをしたのはやっぱりオレです。イヌの美徳である我慢が足りなかったせいですから。
イヌとしてオレはまだまだ未熟です。
「わかりました……今回は我慢して待っています──でも、リリアンさん……」
「はい?」
「必ず戻ってきてくださいね? 居なくなったらイヤですよッ!」
「はい、大丈夫です。約束します」
「リリアンは強いですから心配いらないですよ。それにジェインだってオークくらい余裕でしょうし、他のメンバーも全員Bランカーで戦士と魔術師、それに回復師、合わせて九人の手厚いパーティーですからね、負けたりしませんわ」
やっぱりケンカは駄目です。イヌにとって無駄な争いは御法度でした……若さゆえの過ち、肝に銘じておきましょう。
それから少しして、オレとモニカさんでリリアンさんを見送りに、高い壁の入り口のところへと行きました。
「おい、お前! 見たことある顔だぞ? そうだ、身分証も通行手形もないリリアンさんの愛人じゃねえか。てか、なんで街の中にいるんだよ!」
あ、この人はオレを街に入れてくれなかったイジワルな門衛さんです。またなにかイジワルするつもりなのでしょうか?
「ちょっとリリアン! なによ愛人って!? どういうことよっ、説明しなさいよッ!」
「お、落ち着けモニカ、それはこいつが勝手に勘違いしているだけで……く、苦しい……首を、絞めるな……」
「リリアンさん、前にリリアンさんのことをエロい身体だと言ったのはこの人です。性格が残念だとも言っていましたよ」
「ほう、そうなのか……それはそれは」
「え? 俺そんなこと言ったっけ? ちょ、ちょっとイケメンの旦那あ、ご冗談はよして下さいよお、え? 身分証? なにそれ、おいしいの? あはは……あっ、さむいですか? すみません……」
この人、かなり怯えた匂いをさせていますが、一体なにが恐いのでしょう? まあオレには関係ありませんが。
入り口を出たところには三つの馬車が待っていて、そこにはジェインさんが沢山の人たちと一緒にこちらを見ていました。
「ではコテツ殿、行ってきます」
「はい! あ、ところで村というのはどっちにあるのですか?」
「この街道を行って途中で左に折れて、だいたい一日半、六十リーロくらい先ですね」
「六十リーロ?」
「コテツ殿と私が小川で初めて出会った場所を憶えていますか? そこからこの街まで一緒に歩きましたが、だいたいあれより少し長い距離です」
「結構近いんですね! 走ればすぐです」
「来ては駄目ですよ?」
「はい……我慢します」
「そのぶん私には我慢しなくていいですからねコテツさん! ウッフ~ン」
モニカさんはほんとに抱きつくのが大好きですね、甘えん坊なのでしょうか。
「ほう、モニカ……なにを我慢しなくていいのだ? 詳しく聞かせてくれ……」
「ちょまっ! り、リリアン、あんた剣抜いてるからっ! というか冗談よ、あんたが帰って来るまでコテツさんには手は出さないから、心配しないで戦ってらっしゃい」
「たくっ……」
「おいっ、リリアン! もたもたするな、出発するぞッ!」
ジェインさんがリリアンさんを呼んでいるようです。不機嫌な匂いがプンプンしてきますね。リリアンさんがイシワルされないか心配です。
「では、あらためて行ってきます!」
オレとモニカさんはリリアンさんが見えなくなるまでずっと手を振っていました。いやオレにはまだ見えているのですがね、モニカさんにはもう見えないようです。
「さてコテツさん、戻りましょうか?」
「あの……教えて欲しいんです、モニカさん」
「はい? なんでしょう?」
「オークという動物の群れは何匹くらいで襲ってくるのですか?」
「えっと、およそ五十匹くらいだという報告が届いていますわ」
「五十匹というのは沢山ですか?」
「ええ、沢山です」
「強いのですか? オークは」
「普通の人間よりはずっと強いです。でも今回のパーティーメンバーはオークよりもっと強いですわ」
「じゃあ安心ですね!」
「そうですね、ただ……オークより強いウルクというのも混じっていて、それはリリアンとジェインさんでしか太刀打ちできないでしょうね、まあ数は少ないそうなので問題ないでしょう!」
「そうですか……」
オレはリリアンさんがちゃんと戻ってきてくれると信じています。信じているはずなのに居なくならないで欲しいなって、同じことを何度も何度も思い続けてしまうのでした。
「えっ、イヤですよ、歯を磨くのキライですし、自分では出来ないですし……」
「だからって毎回私に磨いてもらっていては駄目です! お風呂も怒らないと入らないし、なんでも自分で出来るようにならないと心配です。私がもし居なくなったらどうするんですか?」
「なっ? リリアンさん、居なくなっちゃうんですか!?」
「も、もしもの話です……」
居なくなる?……オレはなぜか急にご主人様の顔を思い浮かべてしまいました。
──はぐれてしまったご主人様。貼り紙にはなんの反応もありません。一生懸命匂いを感じようとしても、まるで気配もないのです。
最近では捨てられたのかもしれないと半分本気で思ったりもします……
「イヤです、リリアンさんまで居なくなるのはイヤです!」
「コテツ殿?……」
「ご主人様も居なくなってしまって、それなのにリリアンさんも居なくなるなんてひどいですっ!」
「い、いえ、そうじゃなくて──」
なんでみんな居なくなるのでしょうか? 一人ぽっちは寂しいです。
「大丈夫ですよコテツさん、リリアンが居なくなったって私がいますわ」
ちよっと傷心なオレの背中をモニカさんは優しく抱きしめて、耳元でそう囁いてくれました。
「歯磨きだって私がリリアンより上手にして差し上げますからね」
「モニカっ! あんた突然現れてなにコテツ殿に抱きついているのよ? 離れなさいよッ!」
「え~っ、やだ。だってコテツさんの背中は広くて気持ちいいんだもーん。もっと胸押し付けちゃう、キャッ」
「キャッ、じゃねえ! 離れろ変態女っ!」
「痛い痛いっ! ちよっとリリアン、引っ張らないでよー!」
オレとしてはリリアンさんもモニカさんも、二人とも居なくなってほしくないです。せっかく出来たおともだちなので……ずっと一緒が幸せです。
「コテツさん、リリアンはね今日からオーク討伐の依頼に出発するんですのよ」
「はい、そう聞いています」
「ちよっと危険な依頼なので、少しナーバスになっているんだと思いますわ」
「危険なんですか? ならオレも一緒に行きます」
「それは出来ないんです。コテツ殿のお気持ちは嬉しいですけれど……前にもモニカが説明したと思いますが、コテツ殿の冒険者ランクだと、今回の討伐依頼は受けられないので……」
よくわかりませんが、冒険者だから一緒に行けないということでしょうか?
「ならオレ、冒険者やめます。それなら一緒に行けますよね?」
「ちよっー! コテツさん!? やだちょっと冒険者やめるとか冗談ですわよね? 我がギルドの期待の新人なんですから、やめるとか言わないでっ!」
またモニカさんが抱きついてきました。てか、これはしがみついていますね。
「気持ちは分かるが離れろモニカーっ!」
「イヤよっ! コテツさんが冗談だって言ってくれるまで離れないんだからあっ! リリアン、引き剥がそうとしたって無駄なんだからねっ!」
「こ、コテツ殿っ! この際こいつに冗談だと言ってやって下さいっ! でないと離れないっ、モニカお前はスッポンかっ!」
「く、苦しいですっ……二人ともやめてくださいっ!……おえっ」
モニカさんがオレの首にしがみついて、それをリリアンさんが引っ張るものだから……めちゃくちゃ絞められているんですけど!
「そ、それにコテツ殿が冒険者を辞めても駄目なんですっ、今回のパーティーリーダーはあのジェインですから、絶対にコテツ殿の参加は認めないでしょう」
「ジェ、ジェインって誰ですか?……おえっ」
「お、憶えていませんか? ほら、コテツ殿と戦ってそこの壁に穴をあけた……」
「ああ! あのイヤな人ですか。オレあの人キライです。てか、モニカさん、オレ吐きそうです……おえっ」
「す、すみませんっ! あまりのショックで我を忘れてしまいましたわっ!」
おええっ、やっとモニカさんが離れてくれました……この二人は時々恐ろしく凶暴になりますね……
「ふう、あぶないところでした……リリアンさん、モニカさん、教えてください。なんでジェインさんはオレが一緒にいくのを許してはくれないんですか? じゃあ勝手について行けば大丈夫ですか?」
「えっと……もしもですよ? もしもコテツ殿と私とモニカでパーティーを組んで魔物の討伐に行ったとしますね。その時ジェインが勝手について来たら、コテツ殿はどう思いますか?」
「イヤですっ! あの人のことオレはキライです。邪魔なので帰ってもらいますっ」
「ですよね、同じようにジェインもコテツ殿のことを、そう思っているんですよ……」
「あっ……そういうことですか……」
「べつにコテツさんが悪いわけではないのですよ? コテツさんがジェインを嫌うのは当たり前です、いきなり暴力を振るってきたのですもの! けど、ジェインのコテツさんを嫌う態度は理不尽ですわ」
「モニカの言う通りです。ジェインはケンカでコテツ殿に手も足も出なかったもんだから逆ギレしているんです」
つまりオレがジェインさんとケンカをしたせいってことですね……
てか、あれはやっぱりケンカだったのですか。てっきりコントかと思いました。
「なるほどそうですか……リリアンさんと一緒に行けないのはオレのせいだったのですね……ごめんなさい」
「ち、違います! コテツ殿のせいなんかじゃありません! そんな謝ったりしないで下さいっ」
「そうですよコテツさん、あの性根の腐ったジェインが悪いんですわ! ご自分を責めたりするのは駄目ですよ?」
二人はそういいますが、ケンカをしたのはやっぱりオレです。イヌの美徳である我慢が足りなかったせいですから。
イヌとしてオレはまだまだ未熟です。
「わかりました……今回は我慢して待っています──でも、リリアンさん……」
「はい?」
「必ず戻ってきてくださいね? 居なくなったらイヤですよッ!」
「はい、大丈夫です。約束します」
「リリアンは強いですから心配いらないですよ。それにジェインだってオークくらい余裕でしょうし、他のメンバーも全員Bランカーで戦士と魔術師、それに回復師、合わせて九人の手厚いパーティーですからね、負けたりしませんわ」
やっぱりケンカは駄目です。イヌにとって無駄な争いは御法度でした……若さゆえの過ち、肝に銘じておきましょう。
それから少しして、オレとモニカさんでリリアンさんを見送りに、高い壁の入り口のところへと行きました。
「おい、お前! 見たことある顔だぞ? そうだ、身分証も通行手形もないリリアンさんの愛人じゃねえか。てか、なんで街の中にいるんだよ!」
あ、この人はオレを街に入れてくれなかったイジワルな門衛さんです。またなにかイジワルするつもりなのでしょうか?
「ちょっとリリアン! なによ愛人って!? どういうことよっ、説明しなさいよッ!」
「お、落ち着けモニカ、それはこいつが勝手に勘違いしているだけで……く、苦しい……首を、絞めるな……」
「リリアンさん、前にリリアンさんのことをエロい身体だと言ったのはこの人です。性格が残念だとも言っていましたよ」
「ほう、そうなのか……それはそれは」
「え? 俺そんなこと言ったっけ? ちょ、ちょっとイケメンの旦那あ、ご冗談はよして下さいよお、え? 身分証? なにそれ、おいしいの? あはは……あっ、さむいですか? すみません……」
この人、かなり怯えた匂いをさせていますが、一体なにが恐いのでしょう? まあオレには関係ありませんが。
入り口を出たところには三つの馬車が待っていて、そこにはジェインさんが沢山の人たちと一緒にこちらを見ていました。
「ではコテツ殿、行ってきます」
「はい! あ、ところで村というのはどっちにあるのですか?」
「この街道を行って途中で左に折れて、だいたい一日半、六十リーロくらい先ですね」
「六十リーロ?」
「コテツ殿と私が小川で初めて出会った場所を憶えていますか? そこからこの街まで一緒に歩きましたが、だいたいあれより少し長い距離です」
「結構近いんですね! 走ればすぐです」
「来ては駄目ですよ?」
「はい……我慢します」
「そのぶん私には我慢しなくていいですからねコテツさん! ウッフ~ン」
モニカさんはほんとに抱きつくのが大好きですね、甘えん坊なのでしょうか。
「ほう、モニカ……なにを我慢しなくていいのだ? 詳しく聞かせてくれ……」
「ちょまっ! り、リリアン、あんた剣抜いてるからっ! というか冗談よ、あんたが帰って来るまでコテツさんには手は出さないから、心配しないで戦ってらっしゃい」
「たくっ……」
「おいっ、リリアン! もたもたするな、出発するぞッ!」
ジェインさんがリリアンさんを呼んでいるようです。不機嫌な匂いがプンプンしてきますね。リリアンさんがイシワルされないか心配です。
「では、あらためて行ってきます!」
オレとモニカさんはリリアンさんが見えなくなるまでずっと手を振っていました。いやオレにはまだ見えているのですがね、モニカさんにはもう見えないようです。
「さてコテツさん、戻りましょうか?」
「あの……教えて欲しいんです、モニカさん」
「はい? なんでしょう?」
「オークという動物の群れは何匹くらいで襲ってくるのですか?」
「えっと、およそ五十匹くらいだという報告が届いていますわ」
「五十匹というのは沢山ですか?」
「ええ、沢山です」
「強いのですか? オークは」
「普通の人間よりはずっと強いです。でも今回のパーティーメンバーはオークよりもっと強いですわ」
「じゃあ安心ですね!」
「そうですね、ただ……オークより強いウルクというのも混じっていて、それはリリアンとジェインさんでしか太刀打ちできないでしょうね、まあ数は少ないそうなので問題ないでしょう!」
「そうですか……」
オレはリリアンさんがちゃんと戻ってきてくれると信じています。信じているはずなのに居なくならないで欲しいなって、同じことを何度も何度も思い続けてしまうのでした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる