駄菓子屋継いだらロリハーレム

樋川カイト

文字の大きさ
67 / 125

第六十一話

しおりを挟む
「さて、今日は店じまいだ」

 まだ日が高いなかで、俺は閉店の準備を進めていた。

 普通だったらこれからが稼ぎ時だけど、別に金儲けが目的じゃないからこういうこともできる。

 本当に、遺産さまさまだよ。

 そうやって店の掃除をしていると、なんだか後ろから服の裾を引っ張られている感覚がする。

 全く心当たりがない俺は首を傾げながら振り向くと、そこには真っ白い女の子が立っていた。

 金色の綺麗な髪に、クリクリとした蒼い瞳。

 少しおめかしをしたようなフリルの付いたワンピースからは、シミ一つない白い肌が見えていた。

 そんな女の子が、俺の服の裾を掴んで引っ張っていた。

「モイ」

「やぁ、久しぶり」

 片手を上げて挨拶する女の子に、俺も挨拶を返す。



 そうすると、嬉しそうににっこりと笑いながら俺を見上げて来てすごく可愛い。

「にぃに、今日はおしまい?」

 そのまま小首を傾げて尋ねてくる女の子に視線を合わせながら、その頭を撫でる。

 ちなみに俺の名誉のために言っておくけど、『にぃに』と言うのはこの子が勝手に呼び出したのであって別に呼ばせた訳ではない。

 それどころか、俺はこの子の名前さえ知らない。

 時々店に来てくれる子で、なぜか俺に懐いてくれているだけだ。

 呼び名がないと困るので、とりあえず俺は『モイちゃん』と呼んでいる。

 明らかにハーフみたいな見た目だから最初は戸惑ったけど、日本語も通じるし可愛いから今では来てくれるのが密かな楽しみになっている。

 だけど、タイミングが悪かった。

 今日は、ちょっと予定があるんだ。



「ごめんね、今日はこれから予定があるんだよ」

 視線を合わせるようにしゃがみ込みながら、俺は両手を合わせて詫びる。

「そう。残念」

 しょぼんとしてしまったモイちゃんを見ているとちょっと心が痛いけど、こればっかりは仕方ない。

「本当にごめんね。……あっ、それじゃあお詫びにこれをあげるよ」

 もう一度モイちゃんの頭を撫でて反応を楽しんでいると、良いことを思い付いた。

 確かモイちゃんはこのお菓子が好きだったはず……。

 棚をゴソゴソと探っていると、すぐに目的の物を見つけることができた。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

 お菓子を渡すと、モイちゃんがニコッと笑って受け取ってくれた。



 その笑顔が可愛過ぎてついクラッとしてしまい、クシャクシャとモイちゃんの髪を撫でまわす。

 気持ちが良いのか目を細めてされるがままにされているモイちゃんだったけど、それもしばらくの間だけだった。

 撫でるのをやめると、モイちゃんはお菓子を抱えたまま帰るみたいだ。

「モイモイ」

「うん、じゃあね」

 小さな手をぶんぶんと振って去っていくモイちゃんを見送っていると、ちょうど見えなくなった辺りで後ろから声を掛けられた。

「こんにちは、お兄さん」

「やぁ、こんにちは」

 振り向くとそこには、可愛らしい格好をした杏里ちゃんが立っていた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...