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癒し手
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「ソ……ソレルを助けてくれ! エルフは魔法が得意やち聞いとる!」
顔面蒼白になったディアンは小刻みに震えて涙をこぼす弟とジョサイアを交互に見やり、すがるように懇願した。
ジョサイアは真摯な表情を浮かべて小さく頷きを返す。
「普通の切り傷なら魔法だけでいいけど、咬傷(こうしょう)なら薬も併用した方が良い。とにかく血を止めよう。君たちも、手伝ってくれると助かる」
「もちろん。吾が何したらええか、言うて」
その場の全員、協力は惜しまなかった。
まずはソレルの右腕を上げさせ、二の腕と手首を手で押さえておく。
しばらく動かさないよう呼びかけながら、革袋に入れて携帯していた未使用の水で傷口を洗い落とした。
服の一部を切って傷の周りにあてがい、上から圧迫し続けているうちに血の流出が止む。
「牙のカケラとかは混入してないし、腕を動かすための部分も損傷してないみたい。ある程度塞げば、縫わなくても治るかな」
状態を目で確認したジョサイアがおもむろに手をかざすと、手のひらから白い光がほとばしった。
チカチカと点滅し、火よりも明るく映るそれは癒やしの魔法であるらしい。
でこぼこの溝のような損傷が少しずつ埋まっていき、やがてソレルは泣き止んでくれた。
「痛いの、軽くなった……」
無意識に腕を振ろうとして、兄や姉同然の少女たちに阻止される。まだ生傷が塞がっていないのだ。
せめてとばかりに右手を開閉させているソレルに暖かな目を向けながら、ジョサイアは自分のカバンから茶色の小さな陶器を取り出す。
手に乗るほどの大きさで、上部のフタは布で覆われている。双頭の蛇が描かれたラベルの文字は達筆だが、明らかに共通語ではなかった。
中に入っていたのは粘りけのある膏薬(こうやく)で、指ですくい取って傷口に塗りつけるものらしい。
「しみる! しみるっ!」
「そっかー」
抵抗を示すソレルを意に介さず処置を続けるジョサイアは、まるで子の扱いに慣れた親のようだった。
包帯代わりの布を多く巻いて仕上げると、マーリャたちの指の傷にも消毒や膏薬の処置をしてくれた。
「村にはお医者さんが居ないんだったね。君たちは大丈夫そうだけど、この子はこのまま教会に連れてお行き。化膿とか怖いし、経過を診ておかないと」
指示を出して急かしながらも、ジョサイア自身は足を動かそうとしない。
言われるがままソレルを背負ったディアン、気が気でない様子で彼らの横についたセルマに代わってマーリャは疑問を口にする。
「あんたは来んのか?」
「外せない用事があるんだ。君たちとここで会ったのも偶然だから……帰ったら、きちんと看病をさせて貰うよ」
マーリャと視線を交わすようにうつむき、眉を下げた困り顔は詫びる気持ちがありありと感じ取れた。
「さっきの奴がまだおるかも分からんし、用っちゅうのは明日に回せんの?」
先ほど出くわした獣は、自分に危害を加えてきた者を執念深く追う性質があるように見えた。いくら頑丈な武器を持っていようと、単独で夜の森に分け入るなど自殺行為だ。
マーリャはねばり強く説得を試みたが、結局、ジョサイアを頷かせることは出来なかった。
それほど早急に済ませなければならない用事とは何なのか尋ねても、笑ってはぐらかされるばかりだった。
ジョサイアと別れてゲートをくぐり、橋を渡りきってすぐ、マーリャたちは数多くの大人に囲まれた。
豚を追うのも木の実を回収するのも想像以上に時間をかけすぎていたようだ。
安全に帰宅出来る刻限が迫っても帰ってこない子供を危惧して方々を探していたらしく、ずいぶんと叱咤されてしまった。
怒っているというよりも、無事を確認した上で心労を吐き出していると言った方が正しい。
思いもよらぬ大型の獣の襲来と、森に留まったジョサイアの話を口々に告げると大人たちはいぶかしげな顔になり、集団の何人かは陰で密談をし始めた。
おそらく、そんな危険な生き物が棲みついたとは誰も知らなかったのだろう。でなければ、子供だけで森へ行かせるはずはない。
「本当やったら……狩人か兵士に来て貰わんとあかんかもしれん」
誰かのそんな一言が、やけに耳に残った。
腕っ節の強い者がジョサイアを助けに向かい、ソレルは父親の手で教会に送り届けられることとなり、三人はそれぞれ帰路についた。
不安のぬぐえない一夜が明けて、マーリャは朝早くに手提げ付きのバスケットを携えて教会へ向かう。
ソレルのお見舞いとジョサイアの無事を確認するためだ。周りから伝え聞かず直接、自分の目で見ておきたかった。
重厚な木製の扉をノックすると、リジー村勤務の神父がマーリャを出迎えた。白髪の混ざった中年の男性で、目尻の笑いじわが柔和さを物語る。
神父は聖職者としての活動のかたわら村人に読み書きや計算などの教育を施しており、マーリャも幼い頃から世話になっていた。
「先ほどディアンたちが帰ったところです。あなたの後も沢山、人が来そうですね」
室内に入り、神父の許可を得て寝室の扉を開ける。
教典が詰まった本棚が目立つ倹約的な部屋にはベッドから身を起こした寝衣姿のソレルと、机に備え付けてある椅子を引いて座り、彼の手当をするジョサイアの姿があった。
「傷から膿は出てないし……このまま毎日塗り直して、お薬を飲み続ければ元通り動かせるようになるよ」
狼に噛まれた時の傷が元で亡くなったり、化膿した箇所を切り落とさなければならなくなった人の話はたまに聞こえてきていた。
それらが全くないとなると、ジョサイアの薬はよほど効果が高いのだろう。
「苦いん、嫌や……」
机上に並べられた乳鉢や薬草は薬の調合に使われた品々で、緑がかった木の皿に盛って与えたようだ。
蜂蜜を練り込めば葉の苦みをおさえられるかもしれないが、高価ゆえに実践は難しかった。
「味は良くないかな。でも、一日でも早くお外で腕を振り回したくない?」
ジェスチャーのつもりか片腕で軽く上下させるジョサイアに対し、ソレルは笑いながら首を横に振った。
「回すんより、痒いのを何とかしたい。掻いたらあかんち言うもん」
「だって、爪を立てたりしたら皮が破けちゃうじゃないか」
ジョサイアとソレルは昨日が初対面だったはずだが、短い間にずいぶんと打ち解けていた。神父と仲良くなるのも早かったことを鑑みると、天性の素質なのかもしれない。
少々呆気にとられつつ、マーリャはほのぼのとした気持ちで声をかけた。
「ソレル、見舞いに来たよ」
「マーねえちゃん!」
顔を上げたソレルの視線をたどるようにしてジョサイアも振り返り、微笑んで会釈をしてくる。
「フワス持ってきたけ、食べとき。神父さまたちの分も入れとります」
マーリャはバスケットを持ち上げ、中に入れてきたものを示した。
干し肉と野菜を硬パンで挟んだフワスは作りやすく食べやすい携帯食として知られている。
「ありがとうっ!」
「やあ、まだ用意出来てなかったから助かっちゃうよ」
バスケットを机の空いたところに置き、しばらく三人で世間話を楽しんだ。椅子はひとつしかないため、マーリャはベッドのふちに腰掛けた。
ソレルは一見、負傷前と変わらぬ明るさを保っているようだったが、ふとした拍子に痛む右腕を庇い、うつむく癖がついていた。
「背ぇ伸びたら、兄ちゃんや父ちゃんみたいにするっち思うとったんけど……あすこに行くん、怖うなった。どうしたらええとやろ……」
幼い心には、獣に襲われた恐怖が色濃く残ってしまっていた。
マーリャはソレルの左手を自分の両手で包み込み、目と目を合わせて励ますように表情をほころばせる。
「あんなことがあってんから、当たり前やち。無理せんと、やれることしとったらええよ」
ソレルが養豚の本格的な手伝いを始められるのは、何年も後のことだ。
怪我をしても仕事を続ける者はいるし、その時になって他のことを始めても良い。時間はまだまだある。
元気づけながら話を続け、ジョサイアから昨夜の行動をそれとなく聞き出そうとも試みたが、のらりくらりとかわされた。
気付かぬうちに別の気になる話題に切り替えられてしまい、話を戻すことが叶わなくなってしまう。今この瞬間、無事でいるなら気にするだけ無駄なのだろうか。
「ご歓談中に失礼。セルマお嬢さんがいらっしゃいましたよ」
神父がドアの向こうから呼びかけてくる。
「交代のがええやろし、吾は帰っとこうかね。また来るけ、よう寝とき」
本来、一人用の寝室に何人もいては困るだろう。
綺麗にクシを通されているソレルの頭を撫でてから部屋を出ると、大きなバスケットを持ったセルマと鉢合わせた。
昨日の収穫作業は無に帰してしまったが、家にあるジャムで木の実パイを焼いてきたようだ。蜜や小麦の自然な甘い香りが鼻腔をくすぐった。
顔面蒼白になったディアンは小刻みに震えて涙をこぼす弟とジョサイアを交互に見やり、すがるように懇願した。
ジョサイアは真摯な表情を浮かべて小さく頷きを返す。
「普通の切り傷なら魔法だけでいいけど、咬傷(こうしょう)なら薬も併用した方が良い。とにかく血を止めよう。君たちも、手伝ってくれると助かる」
「もちろん。吾が何したらええか、言うて」
その場の全員、協力は惜しまなかった。
まずはソレルの右腕を上げさせ、二の腕と手首を手で押さえておく。
しばらく動かさないよう呼びかけながら、革袋に入れて携帯していた未使用の水で傷口を洗い落とした。
服の一部を切って傷の周りにあてがい、上から圧迫し続けているうちに血の流出が止む。
「牙のカケラとかは混入してないし、腕を動かすための部分も損傷してないみたい。ある程度塞げば、縫わなくても治るかな」
状態を目で確認したジョサイアがおもむろに手をかざすと、手のひらから白い光がほとばしった。
チカチカと点滅し、火よりも明るく映るそれは癒やしの魔法であるらしい。
でこぼこの溝のような損傷が少しずつ埋まっていき、やがてソレルは泣き止んでくれた。
「痛いの、軽くなった……」
無意識に腕を振ろうとして、兄や姉同然の少女たちに阻止される。まだ生傷が塞がっていないのだ。
せめてとばかりに右手を開閉させているソレルに暖かな目を向けながら、ジョサイアは自分のカバンから茶色の小さな陶器を取り出す。
手に乗るほどの大きさで、上部のフタは布で覆われている。双頭の蛇が描かれたラベルの文字は達筆だが、明らかに共通語ではなかった。
中に入っていたのは粘りけのある膏薬(こうやく)で、指ですくい取って傷口に塗りつけるものらしい。
「しみる! しみるっ!」
「そっかー」
抵抗を示すソレルを意に介さず処置を続けるジョサイアは、まるで子の扱いに慣れた親のようだった。
包帯代わりの布を多く巻いて仕上げると、マーリャたちの指の傷にも消毒や膏薬の処置をしてくれた。
「村にはお医者さんが居ないんだったね。君たちは大丈夫そうだけど、この子はこのまま教会に連れてお行き。化膿とか怖いし、経過を診ておかないと」
指示を出して急かしながらも、ジョサイア自身は足を動かそうとしない。
言われるがままソレルを背負ったディアン、気が気でない様子で彼らの横についたセルマに代わってマーリャは疑問を口にする。
「あんたは来んのか?」
「外せない用事があるんだ。君たちとここで会ったのも偶然だから……帰ったら、きちんと看病をさせて貰うよ」
マーリャと視線を交わすようにうつむき、眉を下げた困り顔は詫びる気持ちがありありと感じ取れた。
「さっきの奴がまだおるかも分からんし、用っちゅうのは明日に回せんの?」
先ほど出くわした獣は、自分に危害を加えてきた者を執念深く追う性質があるように見えた。いくら頑丈な武器を持っていようと、単独で夜の森に分け入るなど自殺行為だ。
マーリャはねばり強く説得を試みたが、結局、ジョサイアを頷かせることは出来なかった。
それほど早急に済ませなければならない用事とは何なのか尋ねても、笑ってはぐらかされるばかりだった。
ジョサイアと別れてゲートをくぐり、橋を渡りきってすぐ、マーリャたちは数多くの大人に囲まれた。
豚を追うのも木の実を回収するのも想像以上に時間をかけすぎていたようだ。
安全に帰宅出来る刻限が迫っても帰ってこない子供を危惧して方々を探していたらしく、ずいぶんと叱咤されてしまった。
怒っているというよりも、無事を確認した上で心労を吐き出していると言った方が正しい。
思いもよらぬ大型の獣の襲来と、森に留まったジョサイアの話を口々に告げると大人たちはいぶかしげな顔になり、集団の何人かは陰で密談をし始めた。
おそらく、そんな危険な生き物が棲みついたとは誰も知らなかったのだろう。でなければ、子供だけで森へ行かせるはずはない。
「本当やったら……狩人か兵士に来て貰わんとあかんかもしれん」
誰かのそんな一言が、やけに耳に残った。
腕っ節の強い者がジョサイアを助けに向かい、ソレルは父親の手で教会に送り届けられることとなり、三人はそれぞれ帰路についた。
不安のぬぐえない一夜が明けて、マーリャは朝早くに手提げ付きのバスケットを携えて教会へ向かう。
ソレルのお見舞いとジョサイアの無事を確認するためだ。周りから伝え聞かず直接、自分の目で見ておきたかった。
重厚な木製の扉をノックすると、リジー村勤務の神父がマーリャを出迎えた。白髪の混ざった中年の男性で、目尻の笑いじわが柔和さを物語る。
神父は聖職者としての活動のかたわら村人に読み書きや計算などの教育を施しており、マーリャも幼い頃から世話になっていた。
「先ほどディアンたちが帰ったところです。あなたの後も沢山、人が来そうですね」
室内に入り、神父の許可を得て寝室の扉を開ける。
教典が詰まった本棚が目立つ倹約的な部屋にはベッドから身を起こした寝衣姿のソレルと、机に備え付けてある椅子を引いて座り、彼の手当をするジョサイアの姿があった。
「傷から膿は出てないし……このまま毎日塗り直して、お薬を飲み続ければ元通り動かせるようになるよ」
狼に噛まれた時の傷が元で亡くなったり、化膿した箇所を切り落とさなければならなくなった人の話はたまに聞こえてきていた。
それらが全くないとなると、ジョサイアの薬はよほど効果が高いのだろう。
「苦いん、嫌や……」
机上に並べられた乳鉢や薬草は薬の調合に使われた品々で、緑がかった木の皿に盛って与えたようだ。
蜂蜜を練り込めば葉の苦みをおさえられるかもしれないが、高価ゆえに実践は難しかった。
「味は良くないかな。でも、一日でも早くお外で腕を振り回したくない?」
ジェスチャーのつもりか片腕で軽く上下させるジョサイアに対し、ソレルは笑いながら首を横に振った。
「回すんより、痒いのを何とかしたい。掻いたらあかんち言うもん」
「だって、爪を立てたりしたら皮が破けちゃうじゃないか」
ジョサイアとソレルは昨日が初対面だったはずだが、短い間にずいぶんと打ち解けていた。神父と仲良くなるのも早かったことを鑑みると、天性の素質なのかもしれない。
少々呆気にとられつつ、マーリャはほのぼのとした気持ちで声をかけた。
「ソレル、見舞いに来たよ」
「マーねえちゃん!」
顔を上げたソレルの視線をたどるようにしてジョサイアも振り返り、微笑んで会釈をしてくる。
「フワス持ってきたけ、食べとき。神父さまたちの分も入れとります」
マーリャはバスケットを持ち上げ、中に入れてきたものを示した。
干し肉と野菜を硬パンで挟んだフワスは作りやすく食べやすい携帯食として知られている。
「ありがとうっ!」
「やあ、まだ用意出来てなかったから助かっちゃうよ」
バスケットを机の空いたところに置き、しばらく三人で世間話を楽しんだ。椅子はひとつしかないため、マーリャはベッドのふちに腰掛けた。
ソレルは一見、負傷前と変わらぬ明るさを保っているようだったが、ふとした拍子に痛む右腕を庇い、うつむく癖がついていた。
「背ぇ伸びたら、兄ちゃんや父ちゃんみたいにするっち思うとったんけど……あすこに行くん、怖うなった。どうしたらええとやろ……」
幼い心には、獣に襲われた恐怖が色濃く残ってしまっていた。
マーリャはソレルの左手を自分の両手で包み込み、目と目を合わせて励ますように表情をほころばせる。
「あんなことがあってんから、当たり前やち。無理せんと、やれることしとったらええよ」
ソレルが養豚の本格的な手伝いを始められるのは、何年も後のことだ。
怪我をしても仕事を続ける者はいるし、その時になって他のことを始めても良い。時間はまだまだある。
元気づけながら話を続け、ジョサイアから昨夜の行動をそれとなく聞き出そうとも試みたが、のらりくらりとかわされた。
気付かぬうちに別の気になる話題に切り替えられてしまい、話を戻すことが叶わなくなってしまう。今この瞬間、無事でいるなら気にするだけ無駄なのだろうか。
「ご歓談中に失礼。セルマお嬢さんがいらっしゃいましたよ」
神父がドアの向こうから呼びかけてくる。
「交代のがええやろし、吾は帰っとこうかね。また来るけ、よう寝とき」
本来、一人用の寝室に何人もいては困るだろう。
綺麗にクシを通されているソレルの頭を撫でてから部屋を出ると、大きなバスケットを持ったセルマと鉢合わせた。
昨日の収穫作業は無に帰してしまったが、家にあるジャムで木の実パイを焼いてきたようだ。蜜や小麦の自然な甘い香りが鼻腔をくすぐった。
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