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第一章 覆面ズが出来るまで
#7 初心者狩り
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「ぐへへ、なんだぁ?初心者同士で喧嘩かぁ」
ねっとりと絡みつくような、気持ち悪い声が耳に届いた。
現れたのはいかにも荒くれ者風体の男三人。いつの間にかフェーリエ達は囲まれていた。
声を掛けてきたのは恐らくリーダーだろう。
「……君の知り合いか?」
「そんなわけないでしょ!?」
この剣士は何を言っているのだろう。この言葉を本気で言っているとしたら、よほどの馬鹿だ。
「恐らく、こいつらが本当の初心者狩りってことでしょ」
「正解だ。声からして、お嬢さんかな?おいお前等、まずは男からヤレ」
「「へい!」」
フェーリエの言葉に、リーダーは下品な笑い声を上げながら、手下に命令を出す。
手下の二人は、仮面剣士に向けて斧を振りかぶる。
「悪く思うなよ!」
男の一人が声を発する。
(それ、荒くれ者が返り討ちにあう時の台詞……)
その光景を微妙な目で見ていたフェーリエは、仮面剣士の実力を垣間見る。
二人がかりの攻撃をひらりと躱し続けている。まるで舞っているように優雅ですらある。
(へぇー、なかなか強いみたいね)
「余所見をするとは、余裕じゃねぇか。男と違って、女は利用価値が高い。せいぜい良い値で売ってやるよ」
にやにやと笑いながらフェーリエを舐めるように見つめる男に、鳥肌が立った。
「噂通り、人身売買もやってるわけ?最低ね」
「初心者が持ってる金ごときじゃあ、収入とは言わねえからなぁ」
初心者は最初に、ギルドから5000ゴールド支給される。それを使って装備を調える者も多い。その余ったお金と、人自身が目当てなのだろう。
「がっ……」
「うがぁっ……」
男の野太い断末魔と剣を鞘に納める音がし、フェーリエはそちらを見る。
倒れている手下二人と、怪我無く立っている仮面剣士がいる。剣を抜くことなく気絶させたようだ。
「どうする?お仲間はやられたみたいだけど」
フェーリエは冷ややかな目を男に向けた。男は狼狽していたが、斧を構え、フェーリエに襲いかかってきた。
「手伝おうか?」
「結構です!」
仮面剣士の提案を断わり、冷静に男を見る。リーダーだけあって、まだ強そうに見える。
(とは言え、雑魚に変わりは無いけど)
「大人しくしやがれ!」
「……炎よ」
フェーリエの言葉と共に、男を炎が包む。
「うわぁぁぁああ!!、熱い、あつ、い……」
男は悲鳴を上げ、倒れた。しかし、その身体はどこも燃えていなかった。
「なるほど、幻覚の炎か。たいしたものだ」
「それを見抜いた貴方もたいしたものだと思うわよ?」
幻覚魔法で燃えたように錯覚させただけである。人を燃やすなんて、倫理的に反する。
ねっとりと絡みつくような、気持ち悪い声が耳に届いた。
現れたのはいかにも荒くれ者風体の男三人。いつの間にかフェーリエ達は囲まれていた。
声を掛けてきたのは恐らくリーダーだろう。
「……君の知り合いか?」
「そんなわけないでしょ!?」
この剣士は何を言っているのだろう。この言葉を本気で言っているとしたら、よほどの馬鹿だ。
「恐らく、こいつらが本当の初心者狩りってことでしょ」
「正解だ。声からして、お嬢さんかな?おいお前等、まずは男からヤレ」
「「へい!」」
フェーリエの言葉に、リーダーは下品な笑い声を上げながら、手下に命令を出す。
手下の二人は、仮面剣士に向けて斧を振りかぶる。
「悪く思うなよ!」
男の一人が声を発する。
(それ、荒くれ者が返り討ちにあう時の台詞……)
その光景を微妙な目で見ていたフェーリエは、仮面剣士の実力を垣間見る。
二人がかりの攻撃をひらりと躱し続けている。まるで舞っているように優雅ですらある。
(へぇー、なかなか強いみたいね)
「余所見をするとは、余裕じゃねぇか。男と違って、女は利用価値が高い。せいぜい良い値で売ってやるよ」
にやにやと笑いながらフェーリエを舐めるように見つめる男に、鳥肌が立った。
「噂通り、人身売買もやってるわけ?最低ね」
「初心者が持ってる金ごときじゃあ、収入とは言わねえからなぁ」
初心者は最初に、ギルドから5000ゴールド支給される。それを使って装備を調える者も多い。その余ったお金と、人自身が目当てなのだろう。
「がっ……」
「うがぁっ……」
男の野太い断末魔と剣を鞘に納める音がし、フェーリエはそちらを見る。
倒れている手下二人と、怪我無く立っている仮面剣士がいる。剣を抜くことなく気絶させたようだ。
「どうする?お仲間はやられたみたいだけど」
フェーリエは冷ややかな目を男に向けた。男は狼狽していたが、斧を構え、フェーリエに襲いかかってきた。
「手伝おうか?」
「結構です!」
仮面剣士の提案を断わり、冷静に男を見る。リーダーだけあって、まだ強そうに見える。
(とは言え、雑魚に変わりは無いけど)
「大人しくしやがれ!」
「……炎よ」
フェーリエの言葉と共に、男を炎が包む。
「うわぁぁぁああ!!、熱い、あつ、い……」
男は悲鳴を上げ、倒れた。しかし、その身体はどこも燃えていなかった。
「なるほど、幻覚の炎か。たいしたものだ」
「それを見抜いた貴方もたいしたものだと思うわよ?」
幻覚魔法で燃えたように錯覚させただけである。人を燃やすなんて、倫理的に反する。
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