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第二章 ギルド要請冒険者
#19 昔話
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『魔の賢者は守りたくて守ったわけではないんです』
アウラが寂しそうにそう言ったのはいつの事だっただろうか。
確かあれは、まだこの世界で目が覚めたばかりの時。まだ、皐月として過ごしていた頃だ。
『じゃあ、成り行き?』
思いついた単語を口にする皐月。アウラにこの世界のことを教えて貰っていた皐月は、5歳児の身体で、分厚い本を読んでいた。
『いいえ。生きるために戦った結果です』
アウラは懐かしそうに目を細めて言った。
『なるほど、結果的に英雄にされただけかぁ』
物語でよくある感じだな、と皐月は思った。
『英雄と讃えられても、あの方はヒトと付き合うことをしませんでした。元々、両親にも顧みられる事が無かった方ですから』
『……顧みられない、か。人ごとじゃないなぁ』
皐月の小さな呟きに、アウラは首を傾げて尋ねてくる。
『皐月様も?』
『うちはできの良い兄が居てね、私は比べられるばかりで、認められた事なんて一度も無かった。名前だって、五月に生まれたから皐月だし、家族なんて呼べなかったなぁ』
皐月は軽い口調で話す。しかしどれだけ望もうと、もう認めて貰うことも出来ないのだ。皐月は死んでしまったのだから。せめて、少しだけでも……。
『……ですが、決して一人ではなかったですよね?』
慈しむような優しい声で、アウラは声を掛けてくる。
『……うん。一人じゃなかった。なんだかんだで仲の良い友達が二人もいたし、まあ、幸せだったのかなぁ?』
『魔の賢者も、一人ではありませんでした。二人の賢者、そして女神様がいましたから』
知の賢者と武の賢者そして魔の賢者あわせて三賢者だ。女神とも仲が良かったのだろうか。
『私、賢者って言うとローブ着てて、杖もってて、長いひげを持ってるおじいちゃんのイメージがあるんだけどなぁ』
『こちらでは、何かを極めたものと言う意味ですね。ちなみに、魔の賢者は女性ですよ?』
『じゃあ、他は男性だったんだ』
優しく頷くアウラ。皐月はアウラに、もっと教えて、と好奇心に満ちた声を掛けた。
懐かしい、小さい頃の話。フェーリエとして生きていくことを決める少し前の、小さな話。
アウラが寂しそうにそう言ったのはいつの事だっただろうか。
確かあれは、まだこの世界で目が覚めたばかりの時。まだ、皐月として過ごしていた頃だ。
『じゃあ、成り行き?』
思いついた単語を口にする皐月。アウラにこの世界のことを教えて貰っていた皐月は、5歳児の身体で、分厚い本を読んでいた。
『いいえ。生きるために戦った結果です』
アウラは懐かしそうに目を細めて言った。
『なるほど、結果的に英雄にされただけかぁ』
物語でよくある感じだな、と皐月は思った。
『英雄と讃えられても、あの方はヒトと付き合うことをしませんでした。元々、両親にも顧みられる事が無かった方ですから』
『……顧みられない、か。人ごとじゃないなぁ』
皐月の小さな呟きに、アウラは首を傾げて尋ねてくる。
『皐月様も?』
『うちはできの良い兄が居てね、私は比べられるばかりで、認められた事なんて一度も無かった。名前だって、五月に生まれたから皐月だし、家族なんて呼べなかったなぁ』
皐月は軽い口調で話す。しかしどれだけ望もうと、もう認めて貰うことも出来ないのだ。皐月は死んでしまったのだから。せめて、少しだけでも……。
『……ですが、決して一人ではなかったですよね?』
慈しむような優しい声で、アウラは声を掛けてくる。
『……うん。一人じゃなかった。なんだかんだで仲の良い友達が二人もいたし、まあ、幸せだったのかなぁ?』
『魔の賢者も、一人ではありませんでした。二人の賢者、そして女神様がいましたから』
知の賢者と武の賢者そして魔の賢者あわせて三賢者だ。女神とも仲が良かったのだろうか。
『私、賢者って言うとローブ着てて、杖もってて、長いひげを持ってるおじいちゃんのイメージがあるんだけどなぁ』
『こちらでは、何かを極めたものと言う意味ですね。ちなみに、魔の賢者は女性ですよ?』
『じゃあ、他は男性だったんだ』
優しく頷くアウラ。皐月はアウラに、もっと教えて、と好奇心に満ちた声を掛けた。
懐かしい、小さい頃の話。フェーリエとして生きていくことを決める少し前の、小さな話。
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