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第三章 未開発の森
#68 魔獣
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「嘘嘘嘘ぉぉお!!」
フェーリエは全力で走りながら同じ言葉を繰り返す。
フェーリエの後ろには木をなぎ倒しながら迫ってくる魔獣がいた。
「なんで!魔獣がいるのよ!ここはCランクがいけるエリアじゃなかったのぉ」
魔獣とは、独特な進化を遂げた強力な魔物である。系統によっては、キングよりも手強いらしい。滅多にキングが現れないこの世界で、一番の脅威と言っても過言ではない。
そんな魔獣がいるエリアがCランクのエリアとは思えない。となると……。
「ジョージがこの結界に招き入れたってことかぁああ!!」
淑女にあるまじき叫び声を上げる。いや、今淑女は関係ない。今は命の危機だ。叫ぶなという方が無理だ。
遺物からは離れてしまった。最も、この状態ではじっくり遺物を調べることすらできない。八方塞がりだ。
それでも、まだ逃げる体力はある。師匠の厳しい修行をこなした過去の自分を褒めてやりたい。魔法使いは体も強くてはならないという師匠の持論に、この時ほど感謝したことはない。
(せめて、結界の近くに行ってみないと……剣士さんが来てくれてるかもしれないし)
叫ぶことは控えよう。少しでも体力を温存しなければならない。
フェーリエは頼れる相棒に一縷の望みをかけることにした。
「あの三人組に狙われるのは魔法使いだ。それも、かなり有名な」
グレッグと名乗った男が、前を走りながらそういった。
レイモンドの魔法ではルナを探せなかったが、彼らの知り合いが消息を絶った場所がある。今はそこに向かって走っている最中だ。
「奴らの目的は?」
三人組は紐で縛り、レイモンドが魔法で引き摺っている。
「どの魔法使いも行方不明になっているせいで、詳しいことは解らない。だが、その魔法使いの仲間も身ぐるみ剥がされて死体で発見されている。そういうことだろう」
魔法使いがいるパーティーは、貴重なものを持っている可能性が高い。そもそもこのクエストを受けると言うことはそれなりに実力もランクもあるもの達だ。
「だが魔法袋は……」
少し前にルナに魔法袋について聞いたことがある。持ち主と同等、もしくはそれ以上の魔力が必要になると。
「どうやって中身を取り出しているかは解りませんが、中身が目的であることは間違いがないでしょう」
少し息を乱しながら、レイモンドは応える。彼は魔法使いだが、弓も扱うらしく、体力はそこそこあるように見える。
しばらく走っていると、見えない壁に遮られる。そこから先の景色は変わらない。
「結界があります!恐らくこの魔法使いが張ったものかと!!」
結界は強い衝撃があれば破れる。その言葉を受け、ユースは剣を構える。一点に力を集中させ、力の限り振り抜く。
強い抵抗を感じたが、そのまま力を込めていると、隣でグレッグが大剣を振り抜く。強い火球も結界にぶつかり爆ぜる。パリンという割れる音がした。
割れた破片には何もない風景が映り、その隙間に、地面に座り込む少女と、少女に鋭い爪を振り下ろす魔物が見える。
「ルナーー!!!」
少女の名を叫び、結界の破片を縫って走る。腕を伸ばし少女の体を引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
魔物に向けられた無防備な背中に、鈍く熱い衝撃が振り下ろされた。
フェーリエは全力で走りながら同じ言葉を繰り返す。
フェーリエの後ろには木をなぎ倒しながら迫ってくる魔獣がいた。
「なんで!魔獣がいるのよ!ここはCランクがいけるエリアじゃなかったのぉ」
魔獣とは、独特な進化を遂げた強力な魔物である。系統によっては、キングよりも手強いらしい。滅多にキングが現れないこの世界で、一番の脅威と言っても過言ではない。
そんな魔獣がいるエリアがCランクのエリアとは思えない。となると……。
「ジョージがこの結界に招き入れたってことかぁああ!!」
淑女にあるまじき叫び声を上げる。いや、今淑女は関係ない。今は命の危機だ。叫ぶなという方が無理だ。
遺物からは離れてしまった。最も、この状態ではじっくり遺物を調べることすらできない。八方塞がりだ。
それでも、まだ逃げる体力はある。師匠の厳しい修行をこなした過去の自分を褒めてやりたい。魔法使いは体も強くてはならないという師匠の持論に、この時ほど感謝したことはない。
(せめて、結界の近くに行ってみないと……剣士さんが来てくれてるかもしれないし)
叫ぶことは控えよう。少しでも体力を温存しなければならない。
フェーリエは頼れる相棒に一縷の望みをかけることにした。
「あの三人組に狙われるのは魔法使いだ。それも、かなり有名な」
グレッグと名乗った男が、前を走りながらそういった。
レイモンドの魔法ではルナを探せなかったが、彼らの知り合いが消息を絶った場所がある。今はそこに向かって走っている最中だ。
「奴らの目的は?」
三人組は紐で縛り、レイモンドが魔法で引き摺っている。
「どの魔法使いも行方不明になっているせいで、詳しいことは解らない。だが、その魔法使いの仲間も身ぐるみ剥がされて死体で発見されている。そういうことだろう」
魔法使いがいるパーティーは、貴重なものを持っている可能性が高い。そもそもこのクエストを受けると言うことはそれなりに実力もランクもあるもの達だ。
「だが魔法袋は……」
少し前にルナに魔法袋について聞いたことがある。持ち主と同等、もしくはそれ以上の魔力が必要になると。
「どうやって中身を取り出しているかは解りませんが、中身が目的であることは間違いがないでしょう」
少し息を乱しながら、レイモンドは応える。彼は魔法使いだが、弓も扱うらしく、体力はそこそこあるように見える。
しばらく走っていると、見えない壁に遮られる。そこから先の景色は変わらない。
「結界があります!恐らくこの魔法使いが張ったものかと!!」
結界は強い衝撃があれば破れる。その言葉を受け、ユースは剣を構える。一点に力を集中させ、力の限り振り抜く。
強い抵抗を感じたが、そのまま力を込めていると、隣でグレッグが大剣を振り抜く。強い火球も結界にぶつかり爆ぜる。パリンという割れる音がした。
割れた破片には何もない風景が映り、その隙間に、地面に座り込む少女と、少女に鋭い爪を振り下ろす魔物が見える。
「ルナーー!!!」
少女の名を叫び、結界の破片を縫って走る。腕を伸ばし少女の体を引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
魔物に向けられた無防備な背中に、鈍く熱い衝撃が振り下ろされた。
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