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第四章 魔導王国
#91 地下の街
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「凄い、何処も劣化してない」
塔には魔方陣しか無く、フェーリエ達は街に降り立った。
保護の魔法が掛かっているのだろうか。白亜の建物たちは汚れもなく、偽りの光の下に輝いている。
「さっきのところには埃があったのにどうしてここには埃がないのかしら」
『結界のグレードじゃないかな。ここはどう見ても上流階級の街みたいだし』
「やっぱりそう思うわよね。何というか、いつの時代もお偉いさんが考えることは変わらないのねぇ」
どの家も、我を主張していて街全体に統一感はない。唯一の共通点は、どれも白い建材を使用しているということだけ。
「ここは、白の区域ってことかしら。何だか、どの家も入りたいとは思わないわね」
探索のために降りてきたが、フェーリエは街を歩くだけで疲れてしまった。一つ一つの家が大きく、道の果てが見えない。
そして、どの家からも何かしらの圧力を感じる。独自の結界を張っているのだろう。絶対に入れないという意気込みを感じる。破ることは簡単だろうが、もし、生きている人がいれば、面倒なことになりそうだ。流石に生きているとは思えないが。
『面倒くさそうな結界が多いね。破ってみても良い?』
「駄目よ。一旦ユースさんの所に戻りましょう。探索はそれからよ」
フェーリエとは違い、ウルティムは白い屋敷に入りたがっているようだ。ただ、彼が使う力はフェーリエに帰依するため、今はまだ使わせられない。
はーい。とつまらなそうに返事をしたウルティムは、ふわふわとフェーリエの周りを漂っている。
いつも思うが、彼はどんな原理で浮かんでいるのだろうか。リッチには肉体がある。それは人間時代のもので、浮かぶ要素はどこにもないはずだ。何故なら肉体の性能は変わらず、ただただ魂と肉体を繋ぐ精神が邪気に侵されているだけで……。
『どうかしたかい?』
「……いいえ。何でもないわ」
顔をのぞき込んでくるウルティムに、フェーリエは笑いかける。今の彼は非常に不安定な状態だ。下手に刺激することは避けたい。
ウルティムと契約して二ヶ月少々。今までは気にしないフリをしてきた。それでも、知りたいことは知りたいお年頃。そして魔法使いである。知的好奇心には抗えない。ウルティムの事が落ち着いたら、根掘り葉掘り研究してあげよう。
フェーリエは心の中でほくそ笑みながら、ウルティムを連れて白亜の塔へと戻った。
『落ち着きました?』
「ああ」
目の前の青年の顔色が元に戻った事を確認したアウラは、ほっと胸を撫で下ろした。
そろそろ主が帰ってくる頃だろう。
魔導王国はフェーリエが大変興味を持っている文明だ。だが、あの状態のウルティムと、何も知らないユースがいては、調べたいものも調べられない。
先ほどの図書館で読んでいた本。それらは全て魔導王国自体に関するものだった。フェーリエが調べたいものはもっと別の……。
「アウラ!ユースさん!ただいま!」
『お帰りなさい、ルナ様』
明るく笑うフェーリエの笑顔を見ていると、自分が悩むのは筋違いのように思える。彼女には、笑顔が似合う。もし彼女の望む魔法や手段が見つかっても、彼女が幸せになる保証はない。出来れば、見つからずに済んでほしいと、勝手ながらに思ってしまう。
少し寂しそうに笑うアウラを、心配そうにユースが見つめていた。
塔には魔方陣しか無く、フェーリエ達は街に降り立った。
保護の魔法が掛かっているのだろうか。白亜の建物たちは汚れもなく、偽りの光の下に輝いている。
「さっきのところには埃があったのにどうしてここには埃がないのかしら」
『結界のグレードじゃないかな。ここはどう見ても上流階級の街みたいだし』
「やっぱりそう思うわよね。何というか、いつの時代もお偉いさんが考えることは変わらないのねぇ」
どの家も、我を主張していて街全体に統一感はない。唯一の共通点は、どれも白い建材を使用しているということだけ。
「ここは、白の区域ってことかしら。何だか、どの家も入りたいとは思わないわね」
探索のために降りてきたが、フェーリエは街を歩くだけで疲れてしまった。一つ一つの家が大きく、道の果てが見えない。
そして、どの家からも何かしらの圧力を感じる。独自の結界を張っているのだろう。絶対に入れないという意気込みを感じる。破ることは簡単だろうが、もし、生きている人がいれば、面倒なことになりそうだ。流石に生きているとは思えないが。
『面倒くさそうな結界が多いね。破ってみても良い?』
「駄目よ。一旦ユースさんの所に戻りましょう。探索はそれからよ」
フェーリエとは違い、ウルティムは白い屋敷に入りたがっているようだ。ただ、彼が使う力はフェーリエに帰依するため、今はまだ使わせられない。
はーい。とつまらなそうに返事をしたウルティムは、ふわふわとフェーリエの周りを漂っている。
いつも思うが、彼はどんな原理で浮かんでいるのだろうか。リッチには肉体がある。それは人間時代のもので、浮かぶ要素はどこにもないはずだ。何故なら肉体の性能は変わらず、ただただ魂と肉体を繋ぐ精神が邪気に侵されているだけで……。
『どうかしたかい?』
「……いいえ。何でもないわ」
顔をのぞき込んでくるウルティムに、フェーリエは笑いかける。今の彼は非常に不安定な状態だ。下手に刺激することは避けたい。
ウルティムと契約して二ヶ月少々。今までは気にしないフリをしてきた。それでも、知りたいことは知りたいお年頃。そして魔法使いである。知的好奇心には抗えない。ウルティムの事が落ち着いたら、根掘り葉掘り研究してあげよう。
フェーリエは心の中でほくそ笑みながら、ウルティムを連れて白亜の塔へと戻った。
『落ち着きました?』
「ああ」
目の前の青年の顔色が元に戻った事を確認したアウラは、ほっと胸を撫で下ろした。
そろそろ主が帰ってくる頃だろう。
魔導王国はフェーリエが大変興味を持っている文明だ。だが、あの状態のウルティムと、何も知らないユースがいては、調べたいものも調べられない。
先ほどの図書館で読んでいた本。それらは全て魔導王国自体に関するものだった。フェーリエが調べたいものはもっと別の……。
「アウラ!ユースさん!ただいま!」
『お帰りなさい、ルナ様』
明るく笑うフェーリエの笑顔を見ていると、自分が悩むのは筋違いのように思える。彼女には、笑顔が似合う。もし彼女の望む魔法や手段が見つかっても、彼女が幸せになる保証はない。出来れば、見つからずに済んでほしいと、勝手ながらに思ってしまう。
少し寂しそうに笑うアウラを、心配そうにユースが見つめていた。
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