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第四章 魔導王国
#125 願い届いて
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「……いい加減にして!」
パシッ、と乾いた音が世界に響く。
フェーリエの目の前には、驚きで目を見張るガイアが居る。その頬は若干赤く腫れている。神も、血が通っているのか、と神に平手打ちしたフェーリエはどこか遠くでその光景を見ながら思った。
思いの外強く叩いたせいか、はたまた思っても無い行動だったのか、ガイアは簡単に尻餅をついた。
その光景を見下ろし、フェーリエは冷たく低い声でガイアに言葉を叩き付けた。
「私が無神論者だから、この主張になってしまうけれど……神だからって何でもして良いわけじゃない。神はただただヒトよりも強い力を持って生まれただけの種族……私と同じ、生命であるだけよ」
感情が溢れ、フェーリエの目からは熱い涙が零れる。
「貴方は子供と同じだわ。思い通りに行かないことが気に入らなくて、駄々を捏ねているのよ。子供は、親や周りの人から色々なことを教えられて成長するけど、貴方には親や注意してくれる周りが居ないから……怒られたことも、愛されたこともない。だから、他のヒトにそうしてあげられない。……私は、っ……皐月だった時は良く怒られてたけど、愛されては居なかった。だから、貴方のさっきの言葉はとても魅力的だったわ。でも、私は今を生きているから……生きたいから……」
声を詰まらせながら、フェーリエは尻餅をつくガイアに近づく。そっと手を伸ばし、手で頬を押さえるガイアの頭を抱えるように抱きしめる。
「こんな私が、貴方にヒトの心を説くのはおかしいのかも知れない。でも、私は貴方にも、貴方の子供にも成長して欲しい。世界を見て欲しい。そして、私の生きる大切な世界を滅ぼさないで欲しい。だから、その為にもあの子に名前を与えて欲しいの」
切々と話すフェーリエを、ガイアは振り払わなかった。だから、信じても良いだろうか。この声が、願いが届いたのだと。
ルナが意識を飛ばしておよそ十分。未だに魔神との攻防は続いていた。
(女王がいなければ、危うかっただろう……)
もう少しでルナが戻ってくるはずだ。相方を信じて、ユースはその鋭い爪を魔神に振り下ろす。
先程まで魔神は、ひらりと避けるか魔法障壁を張ってその攻撃を無効化していた。しかし、この状態は一体何だろうか。魔神は余裕の表情を崩し、浮力を失って地面に落下していった。ユースの爪は魔神の逆立った髪を切り裂き、その後は空を切った。
『これは……』
女王が驚きに声を漏らす。その後、アウラが目を輝かせて主の名を叫ぶ。
『ルナ様!!』
名を呼ぶアウラにルナは優しく微笑み、次いで『Abyss』を見る。慈愛の目で『Abyss』を見つめ、魔法でそれに近づく。『Abyss』は怯えた様に耳障りな叫び声を上げるが、ルナは気にせず『Abyss』の顔のような場所に壊れ物を触るように触れた。
「『神の名の下に、汝に名前を授けよう』」
普段の声とは違う、どこか神々しさすら感じる音が、ルナの口から響く。
「『解放するもの、自由になるもの……汝の名は、リベロ』」
その名をルナが口にすると、『Abyss』が眩い光を発しルナを包み込む。
光は膨張し、やがて緩やかに輝きを失っていった。
光が完全に無くなりルナが振り向くと、その腕には小さな赤子が抱かれていた。
『名付け……か。これはしてやられたな』
魔神が悔しそうにそう呟く。
「次は貴方の番よ。ウルティムから出て行って貰うわ、魔神」
ルナは勇ましく魔神を睨んだ。
パシッ、と乾いた音が世界に響く。
フェーリエの目の前には、驚きで目を見張るガイアが居る。その頬は若干赤く腫れている。神も、血が通っているのか、と神に平手打ちしたフェーリエはどこか遠くでその光景を見ながら思った。
思いの外強く叩いたせいか、はたまた思っても無い行動だったのか、ガイアは簡単に尻餅をついた。
その光景を見下ろし、フェーリエは冷たく低い声でガイアに言葉を叩き付けた。
「私が無神論者だから、この主張になってしまうけれど……神だからって何でもして良いわけじゃない。神はただただヒトよりも強い力を持って生まれただけの種族……私と同じ、生命であるだけよ」
感情が溢れ、フェーリエの目からは熱い涙が零れる。
「貴方は子供と同じだわ。思い通りに行かないことが気に入らなくて、駄々を捏ねているのよ。子供は、親や周りの人から色々なことを教えられて成長するけど、貴方には親や注意してくれる周りが居ないから……怒られたことも、愛されたこともない。だから、他のヒトにそうしてあげられない。……私は、っ……皐月だった時は良く怒られてたけど、愛されては居なかった。だから、貴方のさっきの言葉はとても魅力的だったわ。でも、私は今を生きているから……生きたいから……」
声を詰まらせながら、フェーリエは尻餅をつくガイアに近づく。そっと手を伸ばし、手で頬を押さえるガイアの頭を抱えるように抱きしめる。
「こんな私が、貴方にヒトの心を説くのはおかしいのかも知れない。でも、私は貴方にも、貴方の子供にも成長して欲しい。世界を見て欲しい。そして、私の生きる大切な世界を滅ぼさないで欲しい。だから、その為にもあの子に名前を与えて欲しいの」
切々と話すフェーリエを、ガイアは振り払わなかった。だから、信じても良いだろうか。この声が、願いが届いたのだと。
ルナが意識を飛ばしておよそ十分。未だに魔神との攻防は続いていた。
(女王がいなければ、危うかっただろう……)
もう少しでルナが戻ってくるはずだ。相方を信じて、ユースはその鋭い爪を魔神に振り下ろす。
先程まで魔神は、ひらりと避けるか魔法障壁を張ってその攻撃を無効化していた。しかし、この状態は一体何だろうか。魔神は余裕の表情を崩し、浮力を失って地面に落下していった。ユースの爪は魔神の逆立った髪を切り裂き、その後は空を切った。
『これは……』
女王が驚きに声を漏らす。その後、アウラが目を輝かせて主の名を叫ぶ。
『ルナ様!!』
名を呼ぶアウラにルナは優しく微笑み、次いで『Abyss』を見る。慈愛の目で『Abyss』を見つめ、魔法でそれに近づく。『Abyss』は怯えた様に耳障りな叫び声を上げるが、ルナは気にせず『Abyss』の顔のような場所に壊れ物を触るように触れた。
「『神の名の下に、汝に名前を授けよう』」
普段の声とは違う、どこか神々しさすら感じる音が、ルナの口から響く。
「『解放するもの、自由になるもの……汝の名は、リベロ』」
その名をルナが口にすると、『Abyss』が眩い光を発しルナを包み込む。
光は膨張し、やがて緩やかに輝きを失っていった。
光が完全に無くなりルナが振り向くと、その腕には小さな赤子が抱かれていた。
『名付け……か。これはしてやられたな』
魔神が悔しそうにそう呟く。
「次は貴方の番よ。ウルティムから出て行って貰うわ、魔神」
ルナは勇ましく魔神を睨んだ。
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