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第四章 魔導王国
#127 事のあらまし
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「所で『Abyss』はどうなったんだ?」
魔道王国地上付近の階層で、フェーリエはユースに問いかけられた。女王からの頼み事を遂行していたフェーリエは、魔方陣を書く手を止めて振り返った。
「剣士さんは、女王のしていた話を覚えていますか?」
今のユースは、剣士らしく回収した剣を腰に下げてはいるが、纏う衣服は魔法使いに近い。何故なら、魔道王国の服を失敬しているからである。あの時、叫び声を上げたフェーリエが魔法袋から取り出したローブを全力で被せ、そのまま真っ先に服を探しに行った。女王は笑いながら見送ってくれたが、フェーリエは暫く自身の記憶を改ざんしようと奮闘した程衝撃的だった。
「あ?ああ……神話のようなモノか」
「はい。そうです」
フェーリエは女王から受け継いだ記憶を元に、必要な魔方陣を再び書き始めた。チョークのようなモノで魔方陣を構築していく。
「あの話の続きになりますが、神に愛される少女に嫉妬した村人がその少女を殺して、それに怒った神の感情から生まれた生命体が『Abyss』です。あ、今はリベロって呼んで下さいよ?リベロは神が少女以外に直接生み出した生命です。初めから膨大な力を持っていましたが、人々は力を合わせリベロを地下に封印。その騒動の中、ガイアは眠りにつき、少女の魂が廻り廻って転生していった。これが、この世界の昔話ですね。女神も魔神も、その後に現れましたからそんなこと詳しくは知らないでしょうけど」
フェーリエは顔を上げ、話を真剣に聞くユースに問いかける。
「剣士さんは真名を知っていますか?」
「真名?それは魔法使いが持つ名前のことか?」
「ああ、そういう風に覚えてるんですね。真名は誰でも持ってるモノですよ。それこそ、知性があって魔法が使える生命はみんな真名を持ってます」
詳しく教えても良いが、真実を知ることが幸せとも限らない。知りすぎは危険だ。今フェーリエが持っている知識は、今の常識では異端に当たるかも知れない。
「兎も角、リベロは真名が与えられていなかったんです。それは知性、自我を持てない事を意味します。なので、ガイアに直接抗議してリベロの名付けをさせたって感じですね。あ、真名は神が決めるモノなので」
「それが、あの異形が赤子になった理由とどう関係が?」
ここに来る前に、それこそ服を探しに行く前に、リベロは女王に預けてきた。普通の赤子の様な状態が、ユースは余程不思議だったのだろう。
「あー、まぁ、説明すると長いし、説明しづらいのですが……あれが、この世界で生きる最適な姿、ってことでしょうかね?」
簡単にかみ砕き説明するが、自分でも何を言っているのか謎だった。理に沿って生まれ直した様なモノだが、厳密には違う。それに、フェーリエも赤子になるとは思ってもいなかった。まぁ、一から育てるが。
「女王が言ってた世界が危ないって言うのも、リベロがガイアの魔力を奪い続けると、世界から生命力が失われて大変っていう事ですよ。最も、あんな化け物状態のリベロに真っ向から勝てるはずもありませんし、普通に文明滅ぼされそうですけど……」
フェーリエの言葉に、ユースは一応納得したように頷く。やはりヒトの姿の方が落ち着く。あのモフモフは魅力的だったが。
「次、行きましょうか」
「そうだな」
話をしている間に魔方陣は書き終えた。しゃがんでいた足を伸ばし、フェーリエはユースに笑いかける。もう、表情が見られていることはどうでも良くなっていた。
魔道王国地上付近の階層で、フェーリエはユースに問いかけられた。女王からの頼み事を遂行していたフェーリエは、魔方陣を書く手を止めて振り返った。
「剣士さんは、女王のしていた話を覚えていますか?」
今のユースは、剣士らしく回収した剣を腰に下げてはいるが、纏う衣服は魔法使いに近い。何故なら、魔道王国の服を失敬しているからである。あの時、叫び声を上げたフェーリエが魔法袋から取り出したローブを全力で被せ、そのまま真っ先に服を探しに行った。女王は笑いながら見送ってくれたが、フェーリエは暫く自身の記憶を改ざんしようと奮闘した程衝撃的だった。
「あ?ああ……神話のようなモノか」
「はい。そうです」
フェーリエは女王から受け継いだ記憶を元に、必要な魔方陣を再び書き始めた。チョークのようなモノで魔方陣を構築していく。
「あの話の続きになりますが、神に愛される少女に嫉妬した村人がその少女を殺して、それに怒った神の感情から生まれた生命体が『Abyss』です。あ、今はリベロって呼んで下さいよ?リベロは神が少女以外に直接生み出した生命です。初めから膨大な力を持っていましたが、人々は力を合わせリベロを地下に封印。その騒動の中、ガイアは眠りにつき、少女の魂が廻り廻って転生していった。これが、この世界の昔話ですね。女神も魔神も、その後に現れましたからそんなこと詳しくは知らないでしょうけど」
フェーリエは顔を上げ、話を真剣に聞くユースに問いかける。
「剣士さんは真名を知っていますか?」
「真名?それは魔法使いが持つ名前のことか?」
「ああ、そういう風に覚えてるんですね。真名は誰でも持ってるモノですよ。それこそ、知性があって魔法が使える生命はみんな真名を持ってます」
詳しく教えても良いが、真実を知ることが幸せとも限らない。知りすぎは危険だ。今フェーリエが持っている知識は、今の常識では異端に当たるかも知れない。
「兎も角、リベロは真名が与えられていなかったんです。それは知性、自我を持てない事を意味します。なので、ガイアに直接抗議してリベロの名付けをさせたって感じですね。あ、真名は神が決めるモノなので」
「それが、あの異形が赤子になった理由とどう関係が?」
ここに来る前に、それこそ服を探しに行く前に、リベロは女王に預けてきた。普通の赤子の様な状態が、ユースは余程不思議だったのだろう。
「あー、まぁ、説明すると長いし、説明しづらいのですが……あれが、この世界で生きる最適な姿、ってことでしょうかね?」
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「女王が言ってた世界が危ないって言うのも、リベロがガイアの魔力を奪い続けると、世界から生命力が失われて大変っていう事ですよ。最も、あんな化け物状態のリベロに真っ向から勝てるはずもありませんし、普通に文明滅ぼされそうですけど……」
フェーリエの言葉に、ユースは一応納得したように頷く。やはりヒトの姿の方が落ち着く。あのモフモフは魅力的だったが。
「次、行きましょうか」
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