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第八章 世界の変化
#183 地底湖を越えて
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「綺麗……」
「綺麗ですね……」
フェーリエもシャーロットも、神秘的な光景を前にただただ呆然と呟いた。
そもそも、フェーリエはこう言った光景を見るために冒険者になったのだ。それが罰で命じられた旅で叶うとは、皮肉なものだ。
「綺麗ですが……これでは渡れませんね」
困ったように呟くシャーロットの目線を追う。奥へ続く道の前には、地底湖が広がっている。この深さでは、泳がなければならないだろう。だがそれをすると服が濡れてしまう。
(それに、王族を泳がせるなんて……無理だわ。貴族の風上にも置けない)
親しすぎる二人の態度に忘れそうになるが、この二人は王族なのだ。王族にそんなことはさせられない。
「魔法で飛べないか?」
ユスティアが当然の提案をする。今まで彼を魔法で連れ回していた当人としては、当然すぎる提案だった。
「それが……ここに居るのが水竜だった場合、あまり魔法を使いたく無いんです」
「どういうことだ?」
「説明すると長くなるので端的に言いますが……水竜は竜の中で魔力に敏感なんです。近づく前に追い出される可能性があるので……」
フェーリエがどこから竜の知識を得ているのかユスティアは知らない。そろそろ説明しなければならないだろうが、今はこれで許して欲しい。
「ふむ……この距離なら跳べなくも無いが……」
ユスティアが腕を組んで思案する。彼が呟いた言葉に、シャーロットがいち早く反応する。
「兄さん一人が跳べても意味は無いのですが?」
「ん?抱えて跳べば……」
「女性を抱える!?それは駄目です!!!私なら構いませんが、ルナさんは未婚の女性ですよ。ここに誰も居ないとは言え私が許せません」
ユスティアの言葉を遮り、シャーロットは畳み掛ける。シャーロットの必死さに、ユスティアは自分の失言に気付き肩を落とした。
「私なら大丈夫ですよ?」
「駄目です!ルナさん、良いですか?男は皆獣です。そう易々と身体を許してはいけませんよ!?」
「は、はい……」
まさかユスティアに限ってそれは無いだろうと思ったが、シャーロットの気迫に押されて頷く。
ユスティアを見ると、彼は気まずそうに目を逸らした。男女の二人旅をしていた今までの方が可笑しかったのだろうか。この世界で生きて十六年経つが、男女関係にはまだまだ疎い。いや、前世でもよく分かってなかったのだが。
「では……どうしましょう?泳ぎます?」
「駄目です!それだけは辞めて下さい……私の心が耐えられません……」
下手したら胃に穴が空く。吐血案件だ。シャーロットはフェーリエの両手を握って、そんなに気にしないでいいのに、と呑気に笑った。フェーリエは笑えなかった。
「魔法も抱えるのも駄目、か。どうするべきか……」
三人で悩んでいると、蒼く輝いていた周囲が夕暮れ色に変化した。
「「!?」」
ユスティアとシャーロットが身構える中、最近聞き慣れた声が響く。
『そこまで心配する事は無い、あやつには話をつけてある』
「アグニス!」
周囲の色が変わったのは火竜が纏う炎を反射したからだった。アグニスの出現が分かっていたフェーリエは身構えなかったが、これから二人にも慣れて貰う必要があるかも知れない。
「あいつって水竜?」
『そうだ。一足先に向こうに行っておくぞ』
いいたいことだけを言って、アグニスは小さい翼をはためかせて奥へと飛んでいった。
「どういうことだ?」
「えっと……魔法で渡っても大丈夫みたいです」
事情が掴めていないユスティアと、何故か訳知り顔のシャーロットを魔法で輸送し、フェーリエ達は先へ進んだ。
「綺麗ですね……」
フェーリエもシャーロットも、神秘的な光景を前にただただ呆然と呟いた。
そもそも、フェーリエはこう言った光景を見るために冒険者になったのだ。それが罰で命じられた旅で叶うとは、皮肉なものだ。
「綺麗ですが……これでは渡れませんね」
困ったように呟くシャーロットの目線を追う。奥へ続く道の前には、地底湖が広がっている。この深さでは、泳がなければならないだろう。だがそれをすると服が濡れてしまう。
(それに、王族を泳がせるなんて……無理だわ。貴族の風上にも置けない)
親しすぎる二人の態度に忘れそうになるが、この二人は王族なのだ。王族にそんなことはさせられない。
「魔法で飛べないか?」
ユスティアが当然の提案をする。今まで彼を魔法で連れ回していた当人としては、当然すぎる提案だった。
「それが……ここに居るのが水竜だった場合、あまり魔法を使いたく無いんです」
「どういうことだ?」
「説明すると長くなるので端的に言いますが……水竜は竜の中で魔力に敏感なんです。近づく前に追い出される可能性があるので……」
フェーリエがどこから竜の知識を得ているのかユスティアは知らない。そろそろ説明しなければならないだろうが、今はこれで許して欲しい。
「ふむ……この距離なら跳べなくも無いが……」
ユスティアが腕を組んで思案する。彼が呟いた言葉に、シャーロットがいち早く反応する。
「兄さん一人が跳べても意味は無いのですが?」
「ん?抱えて跳べば……」
「女性を抱える!?それは駄目です!!!私なら構いませんが、ルナさんは未婚の女性ですよ。ここに誰も居ないとは言え私が許せません」
ユスティアの言葉を遮り、シャーロットは畳み掛ける。シャーロットの必死さに、ユスティアは自分の失言に気付き肩を落とした。
「私なら大丈夫ですよ?」
「駄目です!ルナさん、良いですか?男は皆獣です。そう易々と身体を許してはいけませんよ!?」
「は、はい……」
まさかユスティアに限ってそれは無いだろうと思ったが、シャーロットの気迫に押されて頷く。
ユスティアを見ると、彼は気まずそうに目を逸らした。男女の二人旅をしていた今までの方が可笑しかったのだろうか。この世界で生きて十六年経つが、男女関係にはまだまだ疎い。いや、前世でもよく分かってなかったのだが。
「では……どうしましょう?泳ぎます?」
「駄目です!それだけは辞めて下さい……私の心が耐えられません……」
下手したら胃に穴が空く。吐血案件だ。シャーロットはフェーリエの両手を握って、そんなに気にしないでいいのに、と呑気に笑った。フェーリエは笑えなかった。
「魔法も抱えるのも駄目、か。どうするべきか……」
三人で悩んでいると、蒼く輝いていた周囲が夕暮れ色に変化した。
「「!?」」
ユスティアとシャーロットが身構える中、最近聞き慣れた声が響く。
『そこまで心配する事は無い、あやつには話をつけてある』
「アグニス!」
周囲の色が変わったのは火竜が纏う炎を反射したからだった。アグニスの出現が分かっていたフェーリエは身構えなかったが、これから二人にも慣れて貰う必要があるかも知れない。
「あいつって水竜?」
『そうだ。一足先に向こうに行っておくぞ』
いいたいことだけを言って、アグニスは小さい翼をはためかせて奥へと飛んでいった。
「どういうことだ?」
「えっと……魔法で渡っても大丈夫みたいです」
事情が掴めていないユスティアと、何故か訳知り顔のシャーロットを魔法で輸送し、フェーリエ達は先へ進んだ。
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