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02 ハウス『友の木』
02
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その建物の中には、僕たちと同じくらいの子供がたくさんいた。
僕たちよりも大きい子もいた。
大人も、いた。
「はい、タオル」
「サンキュー」
僕たちを建物の中に招き入れたその人は、女の人からタオルを受け取ってガシガシと勢いよく自分の頭を拭いていた。
「キミたちもね」
バサリと頭からタオルをかけられて、身体がこわばった。
視界を封じて、どうする気なのかと。
ここに来ても、何も変わらないのかと。
けれど、視界を封じられたからといって何をされるということもなかった。
ただ、わしわしと身体を拭かれて――それだけだった。
「はいはい、みんな。小さい子はお部屋に戻って。就寝時間はとっくに過ぎてますよ。大きい子は小さい子を連れて行ってあげて」
現れたのは、この中で誰よりも歳を取っていそうで、誰よりも偉そうに命令する女の人だった。
集まっていた子供たちは、ひとり、ひとり、と姿を消していく。
多分、部屋に戻っているんだろう。
「あなたたちは、先にお風呂ね」
女の人は、僕たちを見てそう言った。
「葵、一緒に行ってあげてちょうだい。葵も一緒にあったまって来なさい」
「へーい」
この人は、アオイというらしかった。
「行くぞ、お前ら。着いて来い」
「着いて来い」と言うアオイを、信用したわけではないけれど、今は言う通りにしておいた方がいい。
僕たちは、外の世界を知らなすぎる。
うっかり機嫌を損ねて追い出されたら、僕たちは二度と人間として生きるチャンスを得ることはできないと、わかっている。
これは、『彼女』がくれた最初で最後のチャンス。
失うわけにはいかない。
できる限りの注意を払いながら、僕は――僕たちは、アオイの後ろを着いて歩いた。
僕たちよりも大きい子もいた。
大人も、いた。
「はい、タオル」
「サンキュー」
僕たちを建物の中に招き入れたその人は、女の人からタオルを受け取ってガシガシと勢いよく自分の頭を拭いていた。
「キミたちもね」
バサリと頭からタオルをかけられて、身体がこわばった。
視界を封じて、どうする気なのかと。
ここに来ても、何も変わらないのかと。
けれど、視界を封じられたからといって何をされるということもなかった。
ただ、わしわしと身体を拭かれて――それだけだった。
「はいはい、みんな。小さい子はお部屋に戻って。就寝時間はとっくに過ぎてますよ。大きい子は小さい子を連れて行ってあげて」
現れたのは、この中で誰よりも歳を取っていそうで、誰よりも偉そうに命令する女の人だった。
集まっていた子供たちは、ひとり、ひとり、と姿を消していく。
多分、部屋に戻っているんだろう。
「あなたたちは、先にお風呂ね」
女の人は、僕たちを見てそう言った。
「葵、一緒に行ってあげてちょうだい。葵も一緒にあったまって来なさい」
「へーい」
この人は、アオイというらしかった。
「行くぞ、お前ら。着いて来い」
「着いて来い」と言うアオイを、信用したわけではないけれど、今は言う通りにしておいた方がいい。
僕たちは、外の世界を知らなすぎる。
うっかり機嫌を損ねて追い出されたら、僕たちは二度と人間として生きるチャンスを得ることはできないと、わかっている。
これは、『彼女』がくれた最初で最後のチャンス。
失うわけにはいかない。
できる限りの注意を払いながら、僕は――僕たちは、アオイの後ろを着いて歩いた。
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