【完結】好きです、ハナちゃんっ!

桐生千種

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1.プロローグ(ショータ)

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 5歳。

「すきです、ハナちゃんっ!!」

 幼稚園児にして、一世一代の告白。

 当時の僕は、そんな気持ちだった。

 結果は……。

「……」

 無言。

 からの。

「ハナは、コトコトがすき」

 撃沈。

「カノカノもすき」

「ウラウラもすき」

「リオリオもすき」

 続いてあげられていく同じクラスの子たちの名前に、自分の名前も出るんじゃないかってドキドキした。

 結果的に、僕の名前も出してくれて、その瞬間はすごく嬉しかったけど、あとからクラス全員があげられていたことに気づいて落ち込んだ。

 僕は、ハナちゃんのたったひとりの特別な好きじゃないんだって。

 でも、それでもやっぱり僕はハナちゃんが好き。
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