15 / 32
第4章 みんなで、わいわい
第3話 準備は着々と *加瀬彩梨*
しおりを挟む
加瀬拓哉が帰宅して、加瀬拓哉のうしろから現れた直樹。
買い物袋をさげてるところを見ると、買い出しに行っていたんだとわかる。
キッチンに袋を置いて近づいて来た直樹は、私の左隣のソファーに座る。
ちょうど90度に折れ曲がった感じで設置されたソファーはこういう集まりでの直樹の定位置。
「姉ちゃんなにそれ。両手に花?」
「うふふー。いいでしょー。チビッ子ハーレム」
言いながら、桔梗君と椿ちゃんに頬ずりしてみた。
「きゃあっ!」
椿ちゃんは笑ってくれたけど。
「やーめーろー!」
桔梗君には嫌がられてしまった。
身体をよじって伸びて、必死に逃れようとする桔梗君。
「桔梗君。こっちに来るかい?」
そう言って、自分の両膝をぽんぽんと叩く直樹を見て、桔梗君を抱える腕の力を緩めると、桔梗君はまっしぐらに直樹のもとに行ってしまった。
なんの抵抗もなく、直樹の膝の上に乗る桔梗君。
お姉さん、ちょっと寂しい……。
「お前ー、またつまみ食いしようとしてたんだろー?」
直樹が聞く。
「つまみ食いじゃないやい! 全部食べるつもりだったんだい!」
そんな答えが返ってきたので、捕まえておいて正解だった。
「はーい! ジュースだよー!」
と、いつもおかしいけど、それよりさらにおかしくなったテンションで加瀬拓哉が登場してきた。
ドスンドスン! と加瀬拓哉の手でテーブルに置かれた2Lのペットボトル5本。
……これ、持って来たのか。
キッチンからリビングの入り口からここまでの短距離とはいえ、2Lのペットボトルを5本……。
さらには紙コップまで。
どうなっているの加瀬拓哉の腕。
男の子ってそういうもの?
運べちゃうものなの?
そんなことを思いながらも、テーブルに置かれたペットボトルを見る。
コーラが2本にカルピスが2本、そしてお茶が1本。
いつも通りのラインナップ。
だけど、残念ながら、今それをそこに置くのは間違っている。
「みんな、なに飲むー?」
言いながら、紙コップを並べる加瀬拓哉だけど、みんな最初の1杯は毎回決まっているし、テーブルの真ん中でジュース注ぎ会をしていては邪魔になる。
「コーラ5、カルピス6、お茶1」
お皿を持って現れた清花が言った。
「みんなだいたい飲むもの決まってるから」
言って、持って来たお皿をテーブルに置く清花。
お皿は焼きそばのてんこ盛り。
「あとは、たっくんの飲みたいやつ注げばいいよ」
言い残してキッチンに戻って行く清花。
入れ替わりで栞ちゃんが来た。
「どいたどいたー」
栞ちゃんのその言葉を合図に、テーブルに乗っていたペットボトルを床におろす竜胆ちゃん。
慣れたものだ。
ついでと言わんばかりに紙コップもテーブルの端に詰める。
そしてさらにはテーブルの端っこで飲み物を注ぎ始めて配り始める。
「彩梨お姉ちゃんのお茶ー」
「ありがとー」
バケツリレーの如く回って来たお茶を皐月君から受け取る。
他にも回ってきた紙コップを直樹へとパス。
座る場所も、だいたいみんな決まっているから飲み物を置く位置もだいたい毎回同じ。
テーブルの上にはスペースができたことで置かれた2枚のお皿。
乗っているのはピザ。
しかもこれは、ただのピザではなく手作り。
生地からコネコネして作った、正真正銘の手作りピザだ。
「……これ、作ったの誰?」
直樹が聞いた。
「雪音ちゃんと雪乃君と桜ちゃん」
答えた栞ちゃんに。
「なら安心」
なんて直樹が言うものだから。
「どーゆー意味よっ!!」
「いでっ!?」
栞ちゃんからの鉄槌がおろされた。
直樹、そういうのは思っても口に出しちゃダメだよ。
「てめー! 桜を泣かせたなっ!!」
唐突に響き渡った雪乃君の怒鳴り声にそっちを見ると、雪乃君と桜ちゃんといつの間にかテーブルを離れていた加瀬拓哉がそこには居た。
「桜に近づくなっ!!」
「こら、雪乃!!」
美雪ママのお叱りの声が飛ぶ。
「だってコイツが!!」
「コイツじゃないでしょう!!」
両肘を90度に曲げた状態で、声もなくボロボロと涙を流す桜ちゃんと、そんな桜ちゃんの前に出て、対峙するように加瀬拓哉を怒鳴りつけた雪乃君。
なにが起こったのか、観察すること数秒。
おそらく、桜ちゃんの手にはなにかがあったはず。
それは、桜ちゃんがテーブルまで運んでくる予定だたもの。
だけどそれを、今は加瀬拓哉が持っている。
たぶん、加瀬拓哉が桜ちゃんの仕事をとったことが原因だと思われる。
仕事をとられたくらいで泣き出すのは桜ちゃんらしくないとは思うけど、家庭の事情もあるし不安定なのかもしれない。
私たちにできるのはそっとしておいてあげることと、いつも通りに接することくらい。
加瀬拓哉が現れた時点でいつも通り、とはいかないかもしれないけど……。
ひょこり、とキッチンから清花が顔を覗かせる。
たぶん、というか確実に、騒ぎを聞いて現状を把握するため。
ざっと見渡した清花はすぐに顔を引っ込めて、でも1分も経たないうちにキッチンから声をかけてくる。
「だーれかー。早く来てー」
さすが清花。
ナイスフォロー。
状況判断能力と対処能力が高い。
清花のその声に、雪乃君がすかさず反応する。
「行こう桜」
サッ! ともはや加瀬拓哉など眼中にないというような勢いで桜ちゃんに話しかける雪乃君。
「運ぶものはまだまだたくさんあるからさ」
そう言って、桜ちゃんを連れて行こうとする雪乃君を、空気を読まない加瀬拓哉が止めた。
「手が足りないなら俺も手伝うよ」
そう言って、キッチンに行こうとした加瀬拓哉を雪乃君が止めた。
「てめーは来んなっ!!」
威嚇するワンコの幻覚が見えそうな勢いで、全力で拒否された加瀬拓哉はなにか原因かまったく理解できていないけれど、大枠桜ちゃんを泣かせたことで間違いない。
キッチンに向かう雪乃君と桜ちゃん。
おいて行かれた加瀬拓哉は途方に暮れる。
残念なことに、桜ちゃんを泣かせてしまった加瀬拓哉は。雪乃君に『桜ちゃんを泣かせる敵』と認定されてしまったようで。
つまりは、加瀬拓哉は雪乃君に嫌われた。
「たっくん、大人しくそこに座っておきなさい」
桔梗君を抱えた直樹に言われて、とぼとぼと加瀬拓哉はテーブルに着いた。
「まあ、飲みたまえよ」
竜胆ちゃんが。コーラを注いだ紙コップを渡す。
「……ありがとう」
ちょびり、と加瀬拓哉は紙コップに口をつけた。
買い物袋をさげてるところを見ると、買い出しに行っていたんだとわかる。
キッチンに袋を置いて近づいて来た直樹は、私の左隣のソファーに座る。
ちょうど90度に折れ曲がった感じで設置されたソファーはこういう集まりでの直樹の定位置。
「姉ちゃんなにそれ。両手に花?」
「うふふー。いいでしょー。チビッ子ハーレム」
言いながら、桔梗君と椿ちゃんに頬ずりしてみた。
「きゃあっ!」
椿ちゃんは笑ってくれたけど。
「やーめーろー!」
桔梗君には嫌がられてしまった。
身体をよじって伸びて、必死に逃れようとする桔梗君。
「桔梗君。こっちに来るかい?」
そう言って、自分の両膝をぽんぽんと叩く直樹を見て、桔梗君を抱える腕の力を緩めると、桔梗君はまっしぐらに直樹のもとに行ってしまった。
なんの抵抗もなく、直樹の膝の上に乗る桔梗君。
お姉さん、ちょっと寂しい……。
「お前ー、またつまみ食いしようとしてたんだろー?」
直樹が聞く。
「つまみ食いじゃないやい! 全部食べるつもりだったんだい!」
そんな答えが返ってきたので、捕まえておいて正解だった。
「はーい! ジュースだよー!」
と、いつもおかしいけど、それよりさらにおかしくなったテンションで加瀬拓哉が登場してきた。
ドスンドスン! と加瀬拓哉の手でテーブルに置かれた2Lのペットボトル5本。
……これ、持って来たのか。
キッチンからリビングの入り口からここまでの短距離とはいえ、2Lのペットボトルを5本……。
さらには紙コップまで。
どうなっているの加瀬拓哉の腕。
男の子ってそういうもの?
運べちゃうものなの?
そんなことを思いながらも、テーブルに置かれたペットボトルを見る。
コーラが2本にカルピスが2本、そしてお茶が1本。
いつも通りのラインナップ。
だけど、残念ながら、今それをそこに置くのは間違っている。
「みんな、なに飲むー?」
言いながら、紙コップを並べる加瀬拓哉だけど、みんな最初の1杯は毎回決まっているし、テーブルの真ん中でジュース注ぎ会をしていては邪魔になる。
「コーラ5、カルピス6、お茶1」
お皿を持って現れた清花が言った。
「みんなだいたい飲むもの決まってるから」
言って、持って来たお皿をテーブルに置く清花。
お皿は焼きそばのてんこ盛り。
「あとは、たっくんの飲みたいやつ注げばいいよ」
言い残してキッチンに戻って行く清花。
入れ替わりで栞ちゃんが来た。
「どいたどいたー」
栞ちゃんのその言葉を合図に、テーブルに乗っていたペットボトルを床におろす竜胆ちゃん。
慣れたものだ。
ついでと言わんばかりに紙コップもテーブルの端に詰める。
そしてさらにはテーブルの端っこで飲み物を注ぎ始めて配り始める。
「彩梨お姉ちゃんのお茶ー」
「ありがとー」
バケツリレーの如く回って来たお茶を皐月君から受け取る。
他にも回ってきた紙コップを直樹へとパス。
座る場所も、だいたいみんな決まっているから飲み物を置く位置もだいたい毎回同じ。
テーブルの上にはスペースができたことで置かれた2枚のお皿。
乗っているのはピザ。
しかもこれは、ただのピザではなく手作り。
生地からコネコネして作った、正真正銘の手作りピザだ。
「……これ、作ったの誰?」
直樹が聞いた。
「雪音ちゃんと雪乃君と桜ちゃん」
答えた栞ちゃんに。
「なら安心」
なんて直樹が言うものだから。
「どーゆー意味よっ!!」
「いでっ!?」
栞ちゃんからの鉄槌がおろされた。
直樹、そういうのは思っても口に出しちゃダメだよ。
「てめー! 桜を泣かせたなっ!!」
唐突に響き渡った雪乃君の怒鳴り声にそっちを見ると、雪乃君と桜ちゃんといつの間にかテーブルを離れていた加瀬拓哉がそこには居た。
「桜に近づくなっ!!」
「こら、雪乃!!」
美雪ママのお叱りの声が飛ぶ。
「だってコイツが!!」
「コイツじゃないでしょう!!」
両肘を90度に曲げた状態で、声もなくボロボロと涙を流す桜ちゃんと、そんな桜ちゃんの前に出て、対峙するように加瀬拓哉を怒鳴りつけた雪乃君。
なにが起こったのか、観察すること数秒。
おそらく、桜ちゃんの手にはなにかがあったはず。
それは、桜ちゃんがテーブルまで運んでくる予定だたもの。
だけどそれを、今は加瀬拓哉が持っている。
たぶん、加瀬拓哉が桜ちゃんの仕事をとったことが原因だと思われる。
仕事をとられたくらいで泣き出すのは桜ちゃんらしくないとは思うけど、家庭の事情もあるし不安定なのかもしれない。
私たちにできるのはそっとしておいてあげることと、いつも通りに接することくらい。
加瀬拓哉が現れた時点でいつも通り、とはいかないかもしれないけど……。
ひょこり、とキッチンから清花が顔を覗かせる。
たぶん、というか確実に、騒ぎを聞いて現状を把握するため。
ざっと見渡した清花はすぐに顔を引っ込めて、でも1分も経たないうちにキッチンから声をかけてくる。
「だーれかー。早く来てー」
さすが清花。
ナイスフォロー。
状況判断能力と対処能力が高い。
清花のその声に、雪乃君がすかさず反応する。
「行こう桜」
サッ! ともはや加瀬拓哉など眼中にないというような勢いで桜ちゃんに話しかける雪乃君。
「運ぶものはまだまだたくさんあるからさ」
そう言って、桜ちゃんを連れて行こうとする雪乃君を、空気を読まない加瀬拓哉が止めた。
「手が足りないなら俺も手伝うよ」
そう言って、キッチンに行こうとした加瀬拓哉を雪乃君が止めた。
「てめーは来んなっ!!」
威嚇するワンコの幻覚が見えそうな勢いで、全力で拒否された加瀬拓哉はなにか原因かまったく理解できていないけれど、大枠桜ちゃんを泣かせたことで間違いない。
キッチンに向かう雪乃君と桜ちゃん。
おいて行かれた加瀬拓哉は途方に暮れる。
残念なことに、桜ちゃんを泣かせてしまった加瀬拓哉は。雪乃君に『桜ちゃんを泣かせる敵』と認定されてしまったようで。
つまりは、加瀬拓哉は雪乃君に嫌われた。
「たっくん、大人しくそこに座っておきなさい」
桔梗君を抱えた直樹に言われて、とぼとぼと加瀬拓哉はテーブルに着いた。
「まあ、飲みたまえよ」
竜胆ちゃんが。コーラを注いだ紙コップを渡す。
「……ありがとう」
ちょびり、と加瀬拓哉は紙コップに口をつけた。
0
あなたにおすすめの小説
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
皆が望んだハッピーエンド
木蓮
恋愛
とある過去の因縁をきっかけに殺されたオネットは記憶を持ったまま10歳の頃に戻っていた。
同じく記憶を持って死に戻った2人と再会し、再び自分の幸せを叶えるために彼らと取引する。
不運にも死に別れた恋人たちと幸せな日々を奪われた家族たち。記憶を持って人生をやり直した4人がそれぞれの幸せを求めて辿りつくお話。
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる