彼のコートの中の恋

柳原 智

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1話

出会い

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第一章 出会い 私は高校一年生のとき、部活動の見学に行った。私は運動が苦手だったから、文化系の部活を探していた。そこで目に留まったのが、漫画研究部だった。 漫画研究部というと、漫画を描いたり読んだりするだけの部活だと思われがちだけど、実はそうじゃなかった。漫画研究部では、漫画の歴史や文化、技法や表現などを学んだり、漫画家や編集者などのゲストを招いて講演会やワークショップを開催したりしていた。もちろん、自分で漫画を描くこともできたけど、それは自由参加だった。 私は子供のころから漫画が大好きで、将来は漫画家になりたいと思っていた。でも、自分の絵に自信がなくて、誰にも見せられなかった。だから、漫画研究部に入れば、漫画についてもっと勉強できるし、仲間と交流できると思って興味を持った。 見学に行った日は、部室で漫画雑誌や本を読んでいる人や、机に向かって絵を描いている人が何人かいた。私は恥ずかしがり屋だから、自分から話しかけることができなかった。そんなとき、一人の男子生徒が私に気づいて声をかけてくれた。 「初めまして。見学ですか?」 彼は高校二年生で、漫画研究部の副部長だった。彼は黒髪で目が大きくて整った顔立ちをしていて、スポーツマンタイプだった。でも、彼は運動部ではなくて漫画研究部に入っているということに驚いた。 「ええ、そうです。私は一年生の桜井美咲です」 私は名前を告げて挨拶した。彼は笑顔で返事をした。 「僕は二年生の佐藤悠斗です。よろしくね」 彼は私に部室を案内してくれた。彼は優しくて話しやすくて、すぐに打ち解けることができた。彼は自分の好きな漫画や作家について熱く語ってくれたし、私の好きな漫画や作家についても聞いてくれた。彼と私は趣味が似ていて、すぐに共感することができた。 「あなたも漫画を描くんですか?」 私は彼に尋ねた。彼は首を横に振って答えた。 「僕は描かないよ。見る方が好きだし、才能もないから」 「そうなんですか。私は描きたいんですけど、上手くないんです」 私は自分の絵について話した。彼は私の手を取って言った。 「じゃあ、僕が教えてあげるよ。僕は描けないけど、見る目はあるから」 彼は私の手を引いて、机に座らせた。彼は私の隣に座って、紙とペンを渡してくれた。 「何を描きたい?」 彼は私に尋ねた。私は考えて答えた。 「あの……、花とか?」 私は花が好きだったから、花を描くことにした。彼は私に教えてくれた。 「じゃあ、まずは花の形を描こう。円を描いて、その中に花びらの数だけ線を引こう」 彼は私の手をそっと支えて、円を描く手助けをしてくれた。彼の手が私の手に触れている感覚がとても嬉しかった。彼の手は温かくて柔らかくて、心地よかった。 「できた?」 彼は私に見せてくれと言った。私は恥ずかしそうに紙を見せた。彼は笑って言った。 「上手だよ。次は花びらの形を整えよう」 彼は私に花びらの形を教えてくれた。彼は私の絵に対して褒めてくれたり、アドバイスしてくれたりした。彼は私の絵に興味を持ってくれていることが分かって、嬉しかった。 「最後に色を塗ろう」 彼は色鉛筆を取ってきて、私に渡してくれた。彼は私に色の使い方や配色のコツを教えてくれた。彼は私の好きな色や花の名前を聞いてくれた。彼と私は色や花について話した。 「できあがり」 私は色を塗り終えて言った。彼は私の絵を見て言った。 「すごい!すごく綺麗だよ!」 彼は私の絵を褒めてくれた。彼は私の目を見て笑って言った。 「君は才能があるよ。もっと自信を持って描いてみよう」 彼はそう言って、私の頭をなでてくれた。彼の優しい仕草に、私はドキドキした。 「ありがとう……」 私は小さな声で感謝した。彼は私に言った。 「どういたしまして。君が漫画研究部に入ってくれると嬉しいな」 彼はそう言って、私に入部届けを渡してくれた。私は迷わず受け取った。 「入ります!」 私は力強く答えた。彼は喜んで言った。 「よかった!これからよろしくね!」 彼はそう言って、私とハイタッチした。その瞬間、私は何かが変わる予感がした。 これが、桜井美咲と佐藤悠斗との出会いだった。
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