フリーター、城を買う。 〜格安物件をローンで買ったら異世界のお城でした。ちくしょう!〜

きら幸運

文字の大きさ
39 / 90
<フリーター籠城編> ~神紙の使い手 エル姫登場~

第三十七話:フリーター、戦の準備をする

しおりを挟む
 白磁はくじの塔に朝が来た。
 敵地のまっただなかにいるとは思えない、静かな朝。
 
 夜襲があれば小妖精フェアリーが知らせてくれると、エル姫が自信満々に請け負うので、俺は本当に熟睡じゅくすいしてしまった。
 エル姫はダゴダネルとの攻防戦タワー・ディフェンスを日々繰り広げている。
 そんな彼女の言葉だから、俺は信用にると考えたのだ。
 決して、寝落ちしてしまったわけではない。ほんとだよ。

「リューキよ。いくさの準備じゃが……ちと問題があってのう」
「エル、まさかタマ切れとかいうんじゃないよな?」
「ほう、リューキはさっしがよいのう。して、どうしたらよいと思うのじゃ?」
「え! マジ?」
「おう、マジじゃ」
 
 エル姫が俺をおどす。
 表情を読みにくい能面のうめん化粧メイクで言われると、みょうすごみがある。
 俺はちょっとビビる。
 のっぺり顔のエル姫が笑う。
 女騎士ナイトエリカ・ヤンセンが大剣を振りかざしてエル姫をたしなめる。
 エル姫はあわてて弁明べんめいする。

「違う! リューキのカン違いじゃ! たしかに投石用の石や矢は不足気味じゃが、ほんとうに足りぬのは『神紙しんし』じゃ! 小妖精フェアリーはあと十回しか召喚しょうかんできぬ」
「ん? てことは?」
「兵が足りぬ。ダゴダネルが攻めて来たら、おぬしたちにも戦って欲しいのじゃ」
「なんだそんなことか。当然戦うよ。塔のなかを案内してくれ。作戦を立てよう」
 
 螺旋らせん階段をのぼり、白磁はくじの塔の屋上に立つ。
 冷たくんだ朝の空気が心地よい。
 ダゴダネル城、城下町、街の外に広がる田園地帯。
 四方を見渡す限り、白磁はくじの塔より背の高い建物はない。
 薄く残る夜霧よぎりが消えれば、相当遠くまで見えるだろう。

「霧が晴れだら、狼煙のろしをあげでよいが?」

 火煙師かえんしにして、現役の兵士でもあるムイロがたずねてくる。
 俺に異存はない。

「救援を求める合図の狼煙のろしを見れば、敵はすぐに攻めてくるのではないかのう?」
「エル。奴らはどうせやってくる。むしろ、いくさが始まる前の澄んだ空気の中で狼煙のろしを上げた方が、遠くにいる仲間からも見つけやすいと思う」
いくさでは、おでは屋上にいるでよいが? おでは軍隊で斥候せっこうもやっでる。敵におかしな動きがあっだら、みんなに知らせるだあ」
「頼んだぞ! ムイロは俺たちの目となり、ダゴダネルの奴らを見張ってくれ!」
我が領主マイロどん、まかせでくれ!!」

 ムイロが胸を張って答える。
 ミイロ、メイロ、モイロの三人が、ムイロを力強くはげます。

 うむ、シモベーズ四人の結束はますます強くなったようだ。
 いや、俺も入れて五人の結束だな。

 屋上から六階に降りる。
 高い天井と大きな窓のある室内には投石機カタパルトが三機。
 ただし、二機は壊れたまま。
 脇には投石用の丸石が山積みされている。
 見ると、壁を埋め尽くすように文字と数字が書かれている。

 エル姫が壁際かべぎわに立ち、石壁に書かれた投石機カタパルトの取扱説明文を解説する。

「投石攻撃は敵に当たらねば意味はない。わらわは研究を重ねて、石の重さ、弾き飛ばす力の強さ、飛ぶ距離を検証したのじゃ。壁に記した説明文の通りに投石機カタパルトあやつれば、百発百中ぞ!」
「おで、文字も数字も読める。おでに任せるだあ!」

 本職は宿屋の亭主ていしゅねじりタオルを首に巻いたミイロがえるように名乗り出る。
 ミイロは鼻高々はなたかだかといった感じで言葉を続ける。

「おで、ジーグフリード様に読み書き習っただあ。文字が読めで金勘定かねかんじょうできるほうが、宿屋やるのによいがらなあ。ていうが、おでのおがあに、そういわれただあ」
 
 そういえば、ゴブリン・ロードのジーグフリードがゴブリン族の地位向上に努めていると言っていた。
 読み書きも教えているとの話だっだが、ミイロも生徒のひとりだったのか。
 ミイロは子どももいる年なのに、偉いものだ。

 それにしても、ジーグフリードの地道な活動がここで役に立つとはね。
 世の中、なにがさいわいするか分からない。

  塔の四階と五階は、本来は兵士の居住区。
 いまではエル姫の書斎兼研究室。
 ルシアナ皇国から持参した書物や神器しんきの研究機材が所狭しと置かれている。
 脱出時には俺の収納袋で運んでやると伝えると、エル姫は喜んだ。
 ただし、上限が一トンだと分かると、どれを持ち出すか真剣に悩み出す。
 てか、荷物多すぎ。

 螺旋らせん階段で三階まで下りる。
 六階にあった投石機カタパルトとは形状の異なる小型兵器が目に留まる。
 小型の投石装置「弩砲バリスタ」は、エル姫の説明では操作が容易で、非力なヒト族でも扱えるそうだ。

「じゃあ、俺が」
「リューキ殿自ら戦うのですか?」
「総力戦だからな」

 女騎士ナイトエリカ・ヤンセンの問いに、俺は即答する。
 俺は戦士ではないが、戦うすべがあるなら、俺も戦う。
 
 二階に下りる。
 無数の銃眼があけられた室内には、長弓、短弓、クロスボウなどの弓や矢が床に散乱している。
 他の階層も同様だが、細かく千切れた紙くずが散乱している。

「エル。あちこちに紙くずが散らばってるが、少しは掃除でもしたらどうだ?」
「リューキ! 失礼なことを申すな! わらわはキレイ好きぞ! 紙くずに見えるのは、兵としての使命を終えた小妖精フェアリーの成れの果てよ……あとで集めて、屋上でいてやるぞよ」
「ええ!? 召喚しょうかんした小妖精フェアリーって死んじゃうのか?」
「安心せい、死にはせぬ。そもそも小妖精フェアリーとは神器しんきたる『神紙しんし』に宿った精霊の仮の姿にすぎぬ。『神紙しんし』の魔力が枯渇こかつすれば、精霊の魂は天にかえるだけ。精霊との相性が良ければ、何度でも召喚に応じてくれるぞよ」

 エル姫の説明に納得し、安心する。
 直後、ひとつの疑問が思い浮かぶ。

「エル。神器しんきってのは、『神紙しんし』以外もあるよな?」
「その通りじゃ! わらわの『神紙しんし』のように精霊をサッと召喚してスッとかえすのはレアじゃな。むしろ、何年も何十年もかけて武具そのものを神器しんきとして鍛えあげるのが普通ぞ……女騎士ナイトエリカの鎧のようにな」
「やっぱりそうか! エリカの鎧はルシアナ皇国でつくられた神器しんきだったんだな?」
「そうじゃ。というか、ルシアナ皇国の者以外で神器しんきを造れる者はおらぬわ」

 エル姫の言葉を受け、俺はエリカの方に振り向く。

我が領主マイ・ロード、その話はいずれまた……姫様、私のことは私が話を致しますゆえ」
「そ、そうだね! いまはいくさの準備に専念しよう!」
「わ、わらわもそう思うのじゃ! これ、リューキよ、わらわを巻き込むでない!」

 女騎士ナイトエリカが冷たく言い放つ。
 俺は口を閉じる。
 エル姫も同様に黙り、ジト目で俺を見ている。

 のっぺり顔で非難された俺は、塔の攻防戦タワー・ディフェンスに話を戻した。

 昨夜のいくさ同様、二階はエル姫の持ち場となるが、フリーターのモイロが自分も弓を使えると言い出す。

「おで、いろんな仕事しただが、猟師もやっただあ。弓は結構得意だでなあ!」
「思い出しただあ! モイロのほんどの名前なめえはモーリッツだったなあ? 『ウサギ山のモーリッツ』はおめのことがあ?」
「あだだだ!  なづかしい呼び名だあ、そっだあ、『ウサギ山のモーリッツ』は、おでのことだあ」
「モイロ、ずいぶんとかわいらしい二つ名だな。どんな由来があるんだ?」
「ローグ山に『トビウサギ』ちうウサギがおったんだあ。肉はうまいが、すばしこくでながなが捕まえられんかっただあ」
「うん、それで?」
「おで、トビウサギの肉食いたくで、弓の腕あげで、捕まえられるようになっただあ。だども、やりすぎでローグ山からトビウサギがいなくなっただあ」
「おでも、モイロが捕まえだトビウサギを見ただあ。年にいっぺん食べられるがどうがのトビウサギが山積みになってで驚いただあ。モイロがあの『ウサギ山のモーリッツ』だったがあ! こいづは頼もしいなあ!」
「いんやいんや、今度はやり過ぎんように気をつげるだあ」
「いやいや、モイロ。全力でやってくれていいから。むしろ、やってくれ!」
我が領主マイロどん、分かっただあ!」
 
 一階に下りる。
 この階にも銃眼が備えられており、エル姫とモイロは一階と二階を行ったり来たりする手はず。
 だが、一階はなんといっても敵と直接対峙する最前線。
 当然、女騎士ナイトエリカ・ヤンセンの持ち場となる。

 ええ、もう、エリカさんにはお世話になりっぱなしです。
 えろうすんません。

 地階に下りる。
 武器庫、倉庫、水を汲む井戸などがある。
 倉庫に投石用の原石や矢じり用の硬い鉱石があるのを見た鉱夫こうふのメイロが、嬉しそうに声を上げる。

「おでにもやれることがあっただあ! おで、石を丸く削り、矢じりをこしらえて、矢を作るだあ」
「メイロ。いくさでは敵と戦うだけじゃなくて、兵站へいたんも大事なんだ。投石用の石弾せきだんや矢をドンドン作って運んでくれ! 飲み水の供給も頼む。階段を上ったり下りたりして大変と思うが、期待してるぞ!」
「任せてくでだあ! 鉱山の狭い坑道を動き回るより楽だあ」

 分担が決まり、戦闘準備は整った。
 それぞれが持ち場に向かうなか、俺は服を着替える。
 ワーグナー城を出立する直前、ジーナ・ワーグナーが用意してくれた衣装だ。

我が領主マイ・ロード、やはりその衣装はよくお似合いです」
 
 女騎士ナイトエリカに・ヤンセンが称賛してくれる。
 領主ロードらしい装いとなった俺は、胸を張って階段を上る。
  
 俺、エリカ、エル姫、モイロの四人で屋上に出る。
 霧は晴れ、雲ひとつない青空が広がっている。
 風もない。
 狼煙を上げるには絶好の天候コンディション

「ゴブリン兵を率いたジーグフリードや守護龍ドラゴンヴァスケルは、絶対にやってくる! 誰ひとり欠けることなく、みんなで生き残るぞ! モイロ、狼煙のろしを上げてくれ!」
 
 俺の合図を受け、火煙師のモイロが狼煙を上げる。
 煙の色は紫。
 「緊急事態」を告げる色。
 青い空に向かって、狼煙のろしがまっすぐに上がっていく。

 ジーグフリード、守護龍ドラゴンヴァスケル、あるいはゴブリン兵の誰でもいい、頼む、狼煙のろしに気づいてくれと強く願った。

 白磁の塔を遠巻きに囲む城壁が騒がしくなる。
 紫色の狼煙のろしに反応したようだ。
 城壁の窓から黒鎧の兵がひとり身を乗り出してこちらを指差している。

 いよいよ、いくさがはじまる。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...