快感アプリ☆DREAMBOMB ~6:マッチョなランジェリーイケメンをイジめたい~

keino

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2 桃音の場合

3 ちゃんと演技ができるまで指導してあげる

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「いーよー桃音ちゃん! 次、ソウくん入るからねー」

「はーい」

 今日の撮影はファッション誌のセックス特集に合わせたもの。
 ノウハウとかウンチクがくだいて書かれてる合間合間に、私のグラビアが入る。
 なぜファッション誌に私なんかのグラビアかと言うと、『怖いもの見たさ』を狙ったものらしい。

 セックスはもちろん、AVに興味はあるけど、実際見れない。
 グラビアは男性誌ばかりだし、いかにもって感じ。
 男性アイドルやモデルのグラビアは、当たり前だけど男性メイン。
 女性の実状ってどうなのよってことで、白羽の矢がたったのが、テレビでは・・・・・天然妹系で全くエロさを感じさせない私ってわけだ。
 わざわざグラビアを見に行かなきゃ私のエロさは知れないもんね。まぁネット検索で水着写真が出るけど、過激なのは写真集とか雑誌の中だし。

 気持ちいいことは恥ずかしくないんだよって事が言いたいらしい。
 気持ちよさげな絡みを撮りたいのに、私を指名するあたり、企画の妥協を許さない本気さが伝わってくる。

 もうひとつ私がこの変わったグラビアを受けた理由。
 相手役のモデルのソウさんだ。
 彼がデビューした当初からめちゃくちゃファンで、会ってみたいとずっと思っていた。
 まさか仕事が一緒にできるなんて思っていなかったからすごく嬉しい。
 しかも絡みなんて……濡れるだけで済むかな……溢れる前にタンポン取り替えなきゃ、タイミング気を付けないと。あー恥ずかしい。

 シチュエーションは初めて自分の部屋に来る彼氏。
 さっき私一人で撮影してたのは、彼氏を待つドキドキの彼女。
 カメラマンの指示で、緊張した図を撮りたいからって顔合わせもしていないから、もぉ素でできちゃったもん、その表情。

 にしても、この部屋はない。
 用意されたセットはパステルカラーの雑貨が溢れ、カーテンからリネンからハート型クッションに至るまで、バリエーション豊かなピンクピンクピンク!
 ピンクの色ってこんなにいっぱい種類があったのね、知らなかったわーって、あほかっペーパーか!
 私の部屋はモノトーンだっつーの! ゴジラ級の特大猫だわ、これは……。

 ベッドは白い華奢な格子のついたお姫様ベッドだし、極めつけが私。
 くるっくるの巻き髪にてっかてかのピンクグロス、白地に小さなピンクハート水玉のベビードール風パジャマ。
 さすがに透けてるタイプではなく、綿なのが余計に可愛らしいっつーかあざといっ。パフ袖、ドロワーズ型ズボンの裾、デコルテ全開の首回りは生地をくしゅくしゅのギャザーにしてあって超ガーリー。

 パジャマで七分丈とか落ち着かないんですけど? 寝るときはすっぽんぽん派ですが何か!?
 どんだけブればいいんですか。それとも彼氏を待つ女の子ってみんなこうなの? 私が冷めすぎなの?
 女性誌なんだからこれが正解なんだろうけど……。

 恥ずかしすぎる。たぶん裸の方が私にとってはマシだわ。むしろドンと来い。
 うん、さすがにやらないけどね。

「ソウさん入りまーす」

「おはようございまーす、お願いします」

 まっすぐこちらに向かってくるソウさん。
 慌ててセットから降りて頭を下げる。

「はっ初めまして! 西原桃音ですっお願いしましゅ!」

 うわっ噛んだ! 憧れだったソウさんへの第一声で噛むって! ありえない、恥ずかしいー!!

「よろしく桃音ちゃん。今日は彼氏彼女なんだから、そんな緊張しないで。ね?」

 私のあごに手をかけ、うつ向いていた私の顔を上げさせると、ちゅっと音をたてて額に口付けた。
 真っ赤になって目を見開くと、普段は鋭い切れ長の瞳が柔らかく私を見ている。
 思わず見惚れてしまった。

「おいおいーセットの中でやってくんねーと、写真撮れても意味ねーぞー」

 スタッフにひやかされて、慌てて離れようとすると、ぐいっと腕を引かれてソウさんの胸に押し付けられた。

「エッチの時の緊張を解くのも、彼氏の役目ですからー」

 スタジオで笑いが起こる。
 凄い。遅入りなのにあっという間に場に馴染んでる。
 私が呆然としていると、ソウさんは私を抱きしめたままで見下ろす。

「少しはほぐれたかな?」

「あっ、ありがとうございます。大丈夫ですソウさん」

「言ったでしょ? 彼氏彼女なんだからソウ、でいいよ。桃音」

「あ、ハイ。……ソウ」

「なあに? 桃音」

 世界作ってンじゃねーぞー! 手が早すぎだろソウー! なんてヤジが飛び、私は今度こそ離れてセットに飛び乗った。

 何あれ何あれ?! 性格も想像通りめちゃくちゃカッコ良くない!?
 一見ワイルドで鋭い眼差しが近寄りがたいけど、優しくて気を使ってくれて……冗談抜きで心臓バクバク、全身熱いんですけど!
 思わずクッションを抱きしめて顔を埋めた。

「!!!」

 後ろからすっとまわされた腕。三角座りした私をそっと包み込む。

「全身真っ赤。可愛い桃音」

 くっついたソウの体がくすくすっと揺れる。

「う……あの……」

「ん? なに、桃音?」

 クッションを取り上げられて、ソウの腕と脚に収まっている私。
 そんな耳元で囁かないで……! ぎゅうっと瞳を閉じた。
 遠くでカメラマンが、いいよーいいよー自由に動いてー、とか言ってる。他人事だと思ってぇー!
 きゅっと抱きしめられて、ソウの手が素肌に触れただけで体が震える。
 やめてよ私の体! これくらいで反応しないで! 恥ずかしすぎる!!

「俺さ、ずっと桃音に会ってみたかったんだよね。想像通りちっちゃくて可愛くて……こんな反応されちゃうと、苛めたくなっちゃう」

 お腹の奥ら辺からゾクゾクが駆け上がる。反射的に少し仰け反ってしまった。

「や……その……」

「いや?」

 あごをつまんで横に向かせ、強制的に殺人級のスマイルを送り込んでくるソウ。
 殺人級スマイルの中に、ちょっぴり寂しさを紛れ込ませるのも忘れない。
 そんな表情、表裏ねこかぶり歴この業界入ってからの私に見破れないワケないでしょ!

 ……ないんだけど、通じないかどうかはまた別の話。
 悔しいけれど、演技だとわかっていても騙されちゃうのだ、この人に!
 私は真っ赤な顔のまま、小さく首を振った。

「よかった」

 ソウはふっと笑うと、ちゅっと触れるだけのキスをした。
 今、絶対音した! 私の顔からぼんって音、絶対したよ!!

「ベッド、行く?」

 私はぶんぶんと頭を振った。
 ムリムリムリムリ!! 硬直する! 窒息する! 心臓止まる!!

「可愛いね桃音……」

「ひゃうっっ」

 ソウの脚の間で、再び固まった私の耳をぺろりと舐められた。
 ビクンと大きく反応した上に、奇声を発した私。

「桃音の体は敏感なんだね。ずっとピクピクしてる。可愛い」

 もうヤだ、名前も可愛いもそんなに連呼しないで。なんでこの仕事引き受けちゃったんだろう。恥ずかしすぎて泣きたい。
 今度は首筋をつうっと舐め上げられる。

「ぅァ…ンッ」

 うっそ、こんなことまでするの? セックスってフリだけでしょ!?
 カメラマンを見ると嬉々としてフラッシュを焚いている。

「そんなガチガチじゃ、良い画は撮れないよ。
 だから桃音がリラックスしてちゃんと演技ができるまで、指導してあげる」

 しどー!?
 ガチガチなのは事実ですけど、指導って何ー!?

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