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3 更紗の場合
7 迎えに行くから
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「更紗せんぱーい!」
「あれぇ、恵美ちゃん、どうしたの?」
卒業式当日、駅から学校に向かっている途中に声をかけてきたのは後輩の恵美ちゃんだ。路地に停まった車から降りるところだった。
恵美ちゃんはプロム実行委員だから、午前中の卒業式には関係ないはずだと思うんだけれど。
「何ってもちろん準備ですよぉ」
「えっ、こんな早くからするんだ?」
「私たちにだって支度があるんですよ?」
「あぁそっか~」
そうだよね。いくら実行委員だって、制服で参加するわけじゃない。落ち着いたものにはなるけどドレスを着るよね。なら身支度以外の準備はその前にやっておかなきゃだよね。
「恵美! ここまででいいんだな? じゃあ俺は行くから」
「お兄ちゃん! 送ってくれてありがと!」
車から男性の声がかかり、私もつられてそちらを見て固まる。
「お、お兄ちゃん? あれ? 先輩?」
互いに見つめあって固まり、間に挟まれた恵美ちゃんがおろおろする。
と思ったら、恵美ちゃんが私の腕を引っ張り、車の方へ連れていく。
「なになに、知り合いだったの? まさかお兄ちゃん、前に更紗先輩をナンパしたことあるとか?
あ! もしかして……一目ぼれ!?」
「やっ、ちょ、違うから、恵美ちゃん」
私は慌てて腕を引っこ抜く。
けれど私たちは傍から見たら、どう見たっておかしいだろう。お互い真っ赤なのだから。
私は今の今まで忘れていたんだけれど、恵美ちゃんのお兄さんといわれる人を見たら、どうっとフラッシュバックが起こったのだ。あの日の夢、【今宵、私とシンデレラ】が。
思わず足がフラついてしまうほどの奔流に、視界がチカチカする。
なんでっ!? あれは夢で……!
なんで夢の中の人が現実にいるの!?
あの翌日、あまりの出来事に1日放心状態だった。
放心状態からやっと再起動できたと思ったら、夢での出来事を思い出せなくなってしまっていた。
けれど恐ろしいほどの快感を味わってしまったことだけは覚えている。自分の体が? 脳が? 本能が? 私のどこかがあの快感を覚えてしまっているのだ。
恐怖と罪悪感でもう二度としないと思うのに、でもいつかまた手を出してしまいそうで怖い。
だってあの快感はやばい。覚えていないはずなのに、強烈な快感だけは覚えてるってやばい。私これから普通に彼氏つくれるの?
私はH未経験者なのに……あの快感に慣れたら本当にまずい気がする。
「先輩! まだプロムのパートナーいないですよね!? ね! お兄ちゃん今日夕方ヒマだよね? あのねっ……」
恵美ちゃんの言葉に、ハッと現実に引き戻る。
「わたっ、私、式に遅れちゃうから!!」
「サラッ!!」
走り出した私の腕を掴まれる。
思わず振り向けば、やっぱりまんまあの王子で。
夢だから顔の細かいところまではよくは覚えていないけど、洋風か和風かの違いみたいな感じで、雰囲気はまんまあの人だ。
「プロム! お前の家に迎えに行くから」
「ハイハイハーイ。私、更紗先輩んちも知ってるし、連絡先も知ってま~す」
恵美ちゃんが楽しそうに口を挟む。
グイッと腕を引かれて抱きしめられる。
「俺の名前は丞司だ。君は? サラ?」
「さ……更紗」
「いい子だ更紗、夕方まで楽しみに、待ってる」
耳にイケボを垂らし込まれ、そしてその腕から解放されて背中を押される。
私は振り向けずに学校まで走った。
「あれぇ、恵美ちゃん、どうしたの?」
卒業式当日、駅から学校に向かっている途中に声をかけてきたのは後輩の恵美ちゃんだ。路地に停まった車から降りるところだった。
恵美ちゃんはプロム実行委員だから、午前中の卒業式には関係ないはずだと思うんだけれど。
「何ってもちろん準備ですよぉ」
「えっ、こんな早くからするんだ?」
「私たちにだって支度があるんですよ?」
「あぁそっか~」
そうだよね。いくら実行委員だって、制服で参加するわけじゃない。落ち着いたものにはなるけどドレスを着るよね。なら身支度以外の準備はその前にやっておかなきゃだよね。
「恵美! ここまででいいんだな? じゃあ俺は行くから」
「お兄ちゃん! 送ってくれてありがと!」
車から男性の声がかかり、私もつられてそちらを見て固まる。
「お、お兄ちゃん? あれ? 先輩?」
互いに見つめあって固まり、間に挟まれた恵美ちゃんがおろおろする。
と思ったら、恵美ちゃんが私の腕を引っ張り、車の方へ連れていく。
「なになに、知り合いだったの? まさかお兄ちゃん、前に更紗先輩をナンパしたことあるとか?
あ! もしかして……一目ぼれ!?」
「やっ、ちょ、違うから、恵美ちゃん」
私は慌てて腕を引っこ抜く。
けれど私たちは傍から見たら、どう見たっておかしいだろう。お互い真っ赤なのだから。
私は今の今まで忘れていたんだけれど、恵美ちゃんのお兄さんといわれる人を見たら、どうっとフラッシュバックが起こったのだ。あの日の夢、【今宵、私とシンデレラ】が。
思わず足がフラついてしまうほどの奔流に、視界がチカチカする。
なんでっ!? あれは夢で……!
なんで夢の中の人が現実にいるの!?
あの翌日、あまりの出来事に1日放心状態だった。
放心状態からやっと再起動できたと思ったら、夢での出来事を思い出せなくなってしまっていた。
けれど恐ろしいほどの快感を味わってしまったことだけは覚えている。自分の体が? 脳が? 本能が? 私のどこかがあの快感を覚えてしまっているのだ。
恐怖と罪悪感でもう二度としないと思うのに、でもいつかまた手を出してしまいそうで怖い。
だってあの快感はやばい。覚えていないはずなのに、強烈な快感だけは覚えてるってやばい。私これから普通に彼氏つくれるの?
私はH未経験者なのに……あの快感に慣れたら本当にまずい気がする。
「先輩! まだプロムのパートナーいないですよね!? ね! お兄ちゃん今日夕方ヒマだよね? あのねっ……」
恵美ちゃんの言葉に、ハッと現実に引き戻る。
「わたっ、私、式に遅れちゃうから!!」
「サラッ!!」
走り出した私の腕を掴まれる。
思わず振り向けば、やっぱりまんまあの王子で。
夢だから顔の細かいところまではよくは覚えていないけど、洋風か和風かの違いみたいな感じで、雰囲気はまんまあの人だ。
「プロム! お前の家に迎えに行くから」
「ハイハイハーイ。私、更紗先輩んちも知ってるし、連絡先も知ってま~す」
恵美ちゃんが楽しそうに口を挟む。
グイッと腕を引かれて抱きしめられる。
「俺の名前は丞司だ。君は? サラ?」
「さ……更紗」
「いい子だ更紗、夕方まで楽しみに、待ってる」
耳にイケボを垂らし込まれ、そしてその腕から解放されて背中を押される。
私は振り向けずに学校まで走った。
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