悪役令嬢?ええ、喜んで地獄の底から幸せを掴みますけど何か?

タマ マコト

文字の大きさ
4 / 20

第4話 ルヴァンの風と露店の数式

しおりを挟む


 街道が谷を抜け、石畳の目が細かくなったあたりで、古都ルヴァンが姿を現した。灰色の城壁は苔むしていて、高い尖塔は光を吸って鈍く光る。風は乾いた紙の匂いと、湿った石の匂いを運び、どこからか鐘の音が遅れてくる。王都より小さく、けれど古い。“長く生きる”ことに慣れた街の顔。

 私は御者台のピエールに礼を言い、荷を肩にかけた。

「ここからはひとりで大丈夫。あなたは戻って」

「送りますよ、宿まで」

「いらない。——ここからは、私が私の足で」

 彼は少し残念そうに頷き、手綱を軽く鳴らした。「またいつか」と言いかけて、言葉を飲み込む。別れは短いほど、未来が残る。

 石橋を渡り、アーチの門をくぐる。門番の視線は慣れている。追放者、旅芸人、行商、逃げた花嫁——この門は、いろいろな物語を見てきたのだろう。私の物語も、列に加わるだけ。

 宿は市場の外れ、曲がった路地の奥にある。看板は剥がれ、扉の蝶番は軋む。宿主の女は腕が太く、笑い声が大きい。

「名前は?」

「セラ」

「姓は?」

「なし」

「長居かい?」

「未定」

 女は私の目を一度だけ覗き込んで、受付台の上に鍵を置いた。鍵は軽い。部屋は二階の角。窓が狭く、布団は薄く、床は冷たい。けれど、窓から市場の吐息が聞こえる。商いの音は、音楽に似ている。拍があり、強弱があり、主旋律が日によって変わる。

 私は外套を脱ぎ、荷を解き、持ってきた最小限の道具を並べる。乳鉢、乳棒、小瓶、紙、紐。母の香水瓶は箱に戻し、書簡束は枕元へ。机の上に、ミントとラベンダーをひとつかみ広げる。指で葉を撫でて香りの調子を確かめ、午前のうちに必要な配合を頭の中で組む。

「露店、出します」

 宿主の女にそう告げると、彼女は眉を上げた。

「初日から?」

「初日が肝心」

「机は貸すけど、場所代は抜くよ。あと、市場の連中に挨拶しときな」

「わかってる」

 私は簡素な木机と布を借り、市場の外縁、風の通り道の角に陣取った。日向過ぎず、日陰過ぎない。通りすぎる人の肩に布が触れない幅。足を止めたくなる余白。——布ひとつにも、方程式がある。

 布を敷き、瓶を並べる順番を決める。左から、安心、清潔、快楽。ミント、ローズマリー、ラベンダー。次に、蜂蜜とリンゴ酢を緩衝にして、柑橘の皮、乾燥させた白い花。色は淡い順。高さは右肩上がり。人の視線は大抵、左から右へ、下から上へ。買ってほしいものを、最後に置く。

 値札は小さく、でも明瞭に。高すぎず、安すぎず。王都ほどの虚栄は無いが、ルヴァンにも虚栄はある。古い街の人は“わかってる”自尊心をくすぐると財布が緩む。「安いから」ではなく「自分は良いものを選べるから」。だから、値札の角に小さく“調合可”と書く。選ぶ自由を売る。

 最初の客は、革細工の男だった。指が厚く、爪の間に染料の色が残っている。彼は無言で瓶を手に取り、ラベルを読むふりをした。——読めない。ラベルは飾り。彼は匂いで買う。

「仕事場に置きたい。革の匂いが強くてね、客が嫌がる」

「清潔感を演出したいなら、ローズマリーとレモンを少し。強すぎると偽物っぽくなるから、針の先で。あなたの手の匂いと喧嘩しないように」

「……いくらだ」

「小瓶で六ソル。詰め替えなら四」

 彼は眉をひそめ、迷うふりをし、結局、詰め替えを二本買った。去り際、革の匂いの奥に、少しだけ柔らかい香りが混ざる。店に戻れば、客の滞在時間が伸びるだろう。滞在時間は売上に比例する。彼が今夜、家でほほえむ可能性まで、私は簡単に計算してしまう。悪い癖。でも役に立つ。

 二人目は、魚売りの女。手が冷たく荒れている。彼女は瓶には興味を示さない。目が、布の端の蜂蜜に吸い寄せられている。

「喉にいい?」

「いい。熱い水に溶かして、少しレモン。塩を一つまみ」

「塩?」

「声が出る」

 彼女は半信半疑で小瓶を買い、去り際、私の手を掴んだ。「名前は?」

「セラ」

「セラ、明日、声が出たら、もう一本買う」

「明日じゃない。今夜。明日の朝は、魚が呼ぶ」

 彼女は笑った。笑いには種類がある。皮肉、照れ、媚び、試し。今のは“賭け”。市場の人間は、賭けを好む。私は彼女の背中に、勝ちの匂いが乗るのを感じた。

 三人目は、若い学徒。紙束を抱え、眠そうな目。机に頬をつけて寝落ちする種類の疲れ。

「眠りたい。深く」

「ラベンダーは常套手段。あなたにはほんの少しのバジルを混ぜるといい。思考の歯車が静かに止まる」

「バジル?」

「香りは食卓だけのものじゃない」

「いくら」

「学生割引。小瓶で三」

 彼は驚き、財布を出して、迷わず払った。学生は“割引”という言葉に弱い。彼が友人に話す。明日、似た目をした客が二人、三人来る。私はその未来に軽く頷き、瓶を詰める手を速めた。

 昼前には、露店の前に小さな列ができていた。気づけば、近隣の店の目がこちらへ流れてくる。警戒と好奇心。私は笑い、隣のパン屋の若旦那にミント水を差し入れる。

「焼き場、暑いでしょう?」

「……助かる」

「余ったパンの端、夕方に少し。香の吸い込み試験に使いたいの」

「試験?」

「香りはパンに移る。移る時間を知りたい」

 彼はあきれたように笑い、頷いた。交換。市場は小さな交換の網でできている。網の結び目に、私は静かに指を差し入れる。

 午後、風が変わった。川から湿気が上がり、冷たさが骨を叩く。客の顔色が薄くなる。私は布を一枚重ね、温かいハーブワインを小さなやかんで温めた。香りが立つ。通りすがりの人が足を止める。

「売り物?」

「試飲。合わなければ、買わなくていい」

 無料は群れを呼ぶ。だが“試飲”は選ぶ権利を残す。“与えられる”より“選ばせる”ほうが、人は深く財布を開く。

「寒いねえ、嬢ちゃん」

 声をかけてきたのは、顔の広い古着屋の婆。目が針のように細く、口元がよく動く。市場の噂は彼女の舌の上で熟す。

「寒いです、お婆さん」

「売れてるね」

「ぼちぼち」

「場所代、払ったかい?」

「払いました。宿にも」

「ならいい」

 婆は香りを嗅ぎ、目を細めた。「これは、上等だ。あんた、どこの誰だい」

「セラ。通りすがり」

「通りすがりが、並べ方を知りすぎてる」

「並べ方だけで、腹は膨れない」

「そうだな。——噂をひとつやろう」

 婆は声を落とし、川の音に紛れさせる。

「王都から追い出された誰かさんが、こっちに来てるって。偽名だが、目が冷たい女だって」

「怖い女ね」

「怖い女は、ここには多い。安心しな」

 婆は去り、また別の噂を拾いに歩いていく。私は自分の目に指先で触れて、温度を確かめた。冷たい。良い。熱が表に出るべきは、香りと湯気だけ。

 夕方、パン屋の若旦那が袋を持って来た。パンの端が詰まっている。私は蜂蜜とハーブの吸い込み具合を確かめ、小さなメモに時間と香りを記し、箱に入れた。実験は、明日からの価格の裏付けになる。“根拠”は高値の言い訳になる。虚栄は、理屈に弱い。

 日が傾き、露店をたたむ。売上は銀貨と銅貨で小皿にひと山。今朝より重い。重さは、選択の数だ。選ばれた回数の重み。私は小皿を両手で支え、宿の階段を上る。階段は軋み、窓の外では月がまだ細い。

 部屋に戻る。手を洗い、乳鉢を拭き、瓶を並べ直す。指の節が少し痛い。痛みは、正しい。使った印だ。

 机の上に書簡束を置く。青い紐を解き、順番を崩さず、一枚ずつ読む。母の筆跡は、冷えた心臓に火をつける。

《人脈図は地図よ。川がどこへ流れ、橋がどこにかかり、どの道が雨で崩れるか。人は地形に従う》

《噂は風。壁は風向きで建てなさい。風上に立つのは疲れる。風下に立つのは危険。だから、斜めに立ちなさい》

《王家の財務は、数字でできた劇場。観客は数字を愛さない。だから舞台裏に貼る図面を持ちなさい》

 私は紙を広げ、机の上に簡易の地図を描く。王都の宮廷——名前、役職、嗜好、家族、借金、後ろ盾。知っている限りを書き出す。次に、ルヴァン。商人ギルド、聖職者、古い家、川筋。名前は空欄が多い。空欄は怖くない。埋めればいい。

 線と線が繋がり、網が見えてくる。網の結び目に、印をつける。そこに、たぶん“ダミアン・ヴェルナー”という名前が来る。昨夜、王城の柱の陰にいた男。元近衛。今は影。まだ、追わない。網の張りが弱い時に大きな魚を追えば、網ごと持っていかれる。

 窓の外で、風が方向を変えた。川の匂いが強くなる。私はミントを少し潰して湯に落とし、湯気を吸い込む。頭の中の歯車が、静かに、しかし確かに回り出す。疲れが骨に沈む。眠気が目蓋を撫でる。——寝る前に、もう一枚。

《復讐は長距離走。踵で走ると足を痛める。母指球で地面を掴みなさい。呼吸は数えなさい。十で一度、景色を見る》

 私は笑ってしまう。母はいつだって、比喩が上手い。復讐の走り方。踵ではなく、母指球。私は裸足の足裏で床を押し、重心を確かめる。体が、昔のフェンシングのレッスンを思い出す。踏み込み、捌き、間合い。

 灯りを落とし、薄い布団に身を入れる。外からは、遅い客の足音、笑い声、犬の吠え、遠くの鐘。世界は騒いでいるのに、私の中は静かだ。
 今日の売上、二三ソル。仕入れ、八ソル。残りの現金、四二ソル。宿代、三ソル。食費、二。明日の仕入れ、五。——計算は子守歌。数が子守をしてくれる。

 目を閉じる前に、天井の木目に指で小さく文字を書く。
〈SERA〉。消える。
 眠りの底で、私はもう一度、母の言葉を聞く。
《あなたがあなたを必要としなさい》

 ——必要とする。
 私が、私を。

 朝が来れば、市場はまた別の旋律を奏でる。私はその拍に合わせ、露店を開き、瓶を磨き、言葉を選び、人の虚栄をくすぐる。小銭は銀貨になり、銀貨は金貨に変わる。金貨は網を強くし、網は大きな魚を待てるようになる。
 その大きな魚の名前は、聖女。あるいは、王太子。あるいは、王国。
 どれでもいい。どれも、いずれ網の中。

 私は眠りに落ちる寸前、ほんの少しだけ笑った。
 香りが、私の呼吸に合わせて、部屋の空気を撫でた。
 「セラ」という名は、舌の上で軽く転がり、やがて喉の奥に沈み、心臓の鼓動に同化する。
 ルヴァンの夜は長い。復讐は長距離走。
 そして私は、息を数えることが得意だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。

潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。

【完結】王都に咲く黒薔薇、断罪は静かに舞う

なみゆき
ファンタジー
名門薬草家の伯爵令嬢エリスは、姉の陰謀により冤罪で断罪され、地獄の収容所へ送られる。 火灼の刑に耐えながらも薬草の知識で生き延び、誇りを失わず再誕を果たす。 3年後、整形と記録抹消を経て“外交商人ロゼ”として王都に舞い戻り、裏では「黒薔薇商会」を設立。 かつて自分を陥れた者たち ――元婚約者、姉、王族、貴族――に、静かに、美しく、冷酷な裁きを下していく。 これは、冤罪や迫害により追い詰められた弱者を守り、誇り高く王都を裂く断罪の物語。 【本編は完結していますが、番外編を投稿していきます(>ω<)】 *お読みくださりありがとうございます。 ブクマや評価くださった方、大変励みになります。ありがとうございますm(_ _)m

婚約破棄された公爵令嬢は数理魔法の天才

希羽
ファンタジー
この世界では、魔法は神への祈りとされる神聖な詠唱によって発動する。しかし、数学者だった前世の記憶を持つ公爵令嬢のリディアは、魔法の本質が「数式による世界の法則への干渉」であることを見抜いてしまう。 ​彼女が編み出した、微分積分や幾何学を応用した「数理魔法」は、従来の魔法を遥かに凌駕する威力と効率を誇った。しかし、その革新的な理論は神への冒涜とされ、彼女を妬む宮廷魔術師と婚約者の王子によって「異端の悪女」の烙印を押され、婚約破棄と国外追放を宣告される。 ​追放されたリディアは、魔物が蔓延る未開の地へ。しかし、そこは彼女にとって理想の研究場所だった。放物線を描く最適な角度で岩を射出する攻撃魔法、最小の魔力で最大範囲をカバーする結界術など、前世の数学・物理知識を駆使して、あっという間に安全な拠点と豊かな生活を確立する。 ​そんな中、彼女の「数理魔法」に唯一興味を示した、一人の傭兵が現れる。感覚で魔法を操る天才だった彼は、リディアの理論に触れることで、自身の能力を飛躍的に開花させていく。 ​やがて、リディアを追放した王国が、前例のない規模の魔物の大群に襲われる。神聖な祈りの魔法では全く歯が立たず、国が滅亡の危機に瀕した時、彼らが頼れるのは追放したはずの「異端の魔女」ただ一人だった。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

叶えられた前世の願い

レクフル
ファンタジー
 「私が貴女を愛することはない」初めて会った日にリュシアンにそう告げられたシオン。生まれる前からの婚約者であるリュシアンは、前世で支え合うようにして共に生きた人だった。しかしシオンは悪女と名高く、しかもリュシアンが憎む相手の娘として生まれ変わってしまったのだ。想う人を守る為に強くなったリュシアン。想う人を守る為に自らが代わりとなる事を望んだシオン。前世の願いは叶ったのに、思うようにいかない二人の想いはーーー

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

処理中です...