18 / 20
第18話 レオンの決断、勇者の降り方
しおりを挟む午後四時の光は、壁のクリーム色をやさしく撫でて、カップの縁に細い金の環を置いていった。港の風は穏やかで、ドアベルは今日は機嫌がいい音を出す。エマは焼き台の前で“紙舟の信頼”のミニ版を折り、バルドは蛇口に「午後」と挨拶して水の喉を整える。私の手はラテを注いで、泡をそっと持ち上げる。耳二つ、ひげ六本——猫、完成。いつもの店。いつものテンポ。いつもは。
——カラン。
鈴が鳴って、風の角度がすこしだけ変わった。胸でわかる。強がりの前置きがない足取り。冗談の置き場所を忘れた目。レオンが入ってきた。鎧はない。いつもの布の上着。なのに、肩のあたりだけ固い。風じゃない硬さ——書状の重さ。
「いらっしゃいませ」
声は出る。いつも通り、長さと温度を守る。彼は「“ただの丸”……いや、猫、じゃない、“ただの丸”で」と言い直して、カウンター席にそっと腰を下ろした。私は頷き、抽出を始める。湯の音は淡々。香りが上がる。胸のなかで、先に泡がしゅわりと音を立てて消える。
封蝋の匂いが、港の塩に混ざってやってくる。城。赤い蝋。黒い印。机の上に置かれたときは人生の形をして、読み終わると胃の形になる手紙。
「呼ばれた」
レオンはそれだけ言った。声は低く、掠れない。掠れないのが逆に重い。私はミルクピッチャーを持ち上げ——ハートも猫も描かない。表面を平らに整える。意味のない飾りは、今日は刃物になる。泡は、静かに。静かに。
「大任?」
「だと思った。魔物討伐、北の山脈。……違った」
彼は苦笑いすらしなかった。目の奥の筋肉が、いつもより仕事を忘れている。
「政略の飾り。宴で剣を掲げ、隣国との友好の証として“勇者”を並べる。俺の名前は、舞台装置。剣は、手すり」
ラテの泡が、しゅわりと消えた。ほんの少し。店内の音は変わらないけれど、私の耳だけがその小さな崩れを拾う。バルドが、その瞬間、蛇口のハンドルをなぞった。音を“水”に戻す合図。エマは焼き台からこちらを見て、眉を一つだけ上げ、すぐ仕事に戻る。背中で合図——“店はいる”。
「俺、勇者やめるかも」
カウンターの木目に、その言葉はすぐ染み込んだ。跳ね返らない。吸ってしまう。豆の香りが、一瞬だけ影を伸ばす。私は笑って逃げるルートに手を伸ばして——途中で指を引っ込めた。彼の顔が、本気で、逃げ道の看板を全部外していたから。
「うち、正社員は——」
「違う、俺の生き方の話」
いつもならここで冗談が挟まる。今日はない。私は初めて、視線を逸らせなかった。彼の目は、真ん中に穴の空いた硬貨みたいで、その穴から風が抜けるたび、胸のどこかが冷えたり温まったりする。
「座ってて。熱いから、ゆっくり飲んで。……話す、準備する」
言葉は短く。私は深呼吸を一つ、二つ。“合言葉”を胸の中で唱える——焼け。分けよ。笑え。逃げ場を作れ。今日は“逃げ場”の定義が変わる。作るのは彼の逃げ場じゃない。彼が逃げないための、小さな避難所。
「どう、降りる?」
私の口が先に動いた。背中のどこかが焦りで熱くなるのを、わざと無視する。彼は驚かなかった。驚ける余白がないとき、人は素直になる。
「“辞めます”って言う。……いや、言葉だけじゃ足りないのは、わかる。“旗を下ろす手順”がいる」
「あるよ」
即答した。何年かけて作ったのか、自分でも知らない。けど、あった。湯気と砂糖で作った“降り方の手順”。私はメモ帳を開き、ペンを握る。
「一。言葉で、降りる。“俺は勇者を降ります”。修飾を抜く。『やめたい』じゃなく、『降りる』。『戻る』の反対は『降ろす』だから」
「うん」
「二。物で、降りる。鎧、紋章、支給品、全部返す。返す先を“人”にする。倉庫じゃなく、受け取る人間の手に。目を見て、『ありがとう』って言う。物は物、でも、重さはそこに残る」
「……重さは、持ち帰らない」
「持ち帰るのは、筋肉の記憶だけ」
「うん」
「三。人に、降りる。仲間に。『ごめん』じゃなく、『俺はこうする』。謝罪は受け取る側に仕事を増やすから。説明と感謝と、できれば笑い。笑いは防腐剤」
「笑い、持っていく」
「四。日々に、降りる。朝、どこに行って、何を飲むか決める。昼、どこで座るか決める。夜、どこに“ただいま”と言うか決める。毎日の答えが、新しい名札になる」
「名札……新しい名札。『常連』?」
「“ただの常連”。最強の肩書」
レオンの喉が小さく鳴った。ラテに口をつける。泡が唇について、すぐ消える。その小さな温度の移動が、彼の顔の硬さを一段だけやわらげた。エマが焼き台から「防波堤、涙出るなら“厨房方向”に」とジェスチャーを飛ばす。バルドは蛇口に「人の水、溢れるかも」と小声で言って、水の受け皿を一つ増やした。
「怒られると思う」
「うん。怒る人はいる。怒りたくて怒る人もいる。悲しくて怒る人もいる。……怒りは、受け取らないで置いていける。店の外に。港、広いし」
「噂は、来る」
「来る。『勇者逃げた』とか『猫にうつつを抜かした』とか」
「猫、悪くないのに」
「猫、正義」
ふっと、彼が笑った。笑いの音は小さいのに、店内の影が少し短くなる。私はその隙に、もう一つ、言葉を置く。
「怖いのは?」
「“誰のために”を、また見失うこと。城で見た“誰かのために”は、たぶん“誰かの思惑のため”で、俺の胸の中の“誰か”じゃない。ここに来て、やっと『俺の後ろにいる人』の形がわかったのに」
「後ろ?」
「ここでカップを飲む人の後ろにいる、見えない人。疲れてるやつ、泣きたいやつ、笑い過ぎて喉が渇いたやつ。店長の『いらっしゃいませ』は、その人に届く。俺も、そういうふうに剣を振りたい。……いや、剣を、振らないのが、正しいのかもしれない」
“振らない”。言葉がテーブルに置かれて、しばらく動かない。私は自分の指がカウンターの縁を探しているのに気づいて、そっと木の線を撫でた。木は温かい。木は、止まっている人間の手に、止まっている時間を返してくれる。
「剣、置いて、手を空ける。片手は挨拶、片手はハプニング。——港のルール、六つ目だったよね」
「“帰り道には片手を空ける”。覚えてる」
「うん」
目が合う。逃げない。逸らさない。臆病な笑いは今日は持ち込まない。正直は、ときどき胃に悪いけど、あとで砂糖で中和できる。
「生活、どうするの、レオン」
「貯えはある。城の俸給、しばらくは……でも、“稼ぐ”必要が来る。ここで、雇ってくれとは言わない。言わないって決めて来た。俺が『ここに居たい』って言う自由と、店長が『客として来て』と言う自由を、混ぜないように」
うちの“線”を、彼はちゃんと覚えてる。嬉しいのに、痛い。嬉し痛い。私は頷いて、提案をひとつだけ。
「港の兵站、募集中。防波堤、時価。賃金は“ただの丸+猫の耳一本”。非正規、短時間、福利厚生は砂糖」
「福利厚生、強い」
「ただし、雇用契約は発生しない。君は、客で、港の人で、たまに壁」
「了解」
彼は笑って、ラテをもう一口。飲み方が、少しだけ“ただの人”の飲み方になっている。勇者がいなくなるのは、城にとって事件でも、この店にとっては日常の延長線上のニュースだ。瓶のラベルを張り替えるみたいに、その日が来る。私はそれを信じたくて、信じる。
「降りる儀式、こっちでも、やっていい?」
「儀式?」
「“勇者の降り方”。勝手式。店内、閉店後。——一、鎧を置く代わりに、壁に掛けたエプロンの紐を解く。二、剣を鞘に収める代わりに、ナイフの刃を布で拭く。三、紋章を返す代わりに、ドアの内側から看板を撫でる。四、“任を解く”代わりに、蛇口に『おやすみ』と言う。五、“勇者の名を名乗らない”代わりに、ドアベルに『また来ます』と言う」
「……それ、いい」
レオンの目が少し潤んだ。エマがあわてて焼き台の影からティッシュを投擲する。バルドは水の受け皿をさらに一つ増やし、蛇口の先をわずかに外へ向ける。泣いても、“濡れたのか雨のせいかわからないから”——雨は降ってないけど、言い訳だけ、ここにはいつもある。
「城には、明日行く。今日、ここで“俺が決めた”って言いたかった」
「言った。聞いた。——受け取った」
受け取り方にも温度がある。熱すぎると、相手の皮膚を焼く。冷たすぎると、落ちる。私は“ぬるい”を選ぶ。港の午後四時半のぬるさ。砂糖をひとつまみ落として、よく混ぜて、飲みやすくする。
「怖い顔、してない?」
「やさしい顔、してる。やや腫れぼったい」
「腫れぼったい?」
「泣く準備」
「準備、だけでいい」
「うん。今日はまだ」
客席の窓際で、老人が「皿、きれい」とだけ言って立ち上がる。彼は事情を知らない。でも、湯気の具合で“今日は先に帰るのが礼儀”と理解している顔。扉が開いて、閉じて、鈴が短く鳴る。店の中に、四拍の休符。
「レオン」
「うん」
「あなたの“ごちそうさま”、いつも半拍遅い。今日、半拍、増やしていい。私も、半拍、待つ」
「半拍、増やす」
「半拍で足りない日は、一拍」
「一拍で足りなかったら?」
「紙舟、乗る」
エマの紙舟が、焼き台の上で揺れた。やさしい揺れ。レオンは笑いながら、小さく頷いて、ラテの最後を飲み干した。カップの底に、飲み切った丸。意味のない、意味のある丸。
「——会計」
「ただの丸、一。猫はゼロ。耳、シフト外」
「耳、また入れる」
「いつでも」
硬貨の音が木の上で転がって、止まる。受け取る時、彼の指に触れない距離を保つ。線を守るのは、愛想じゃなく、愛。彼は立ち上がり、椅子を元の場所に戻す。防波堤の肩が、今日だけは“人”の肩に戻る。背中の幅が、ちょうどよく見える。
「店長」
「はい」
「“勇者の降り方”、今日、閉店後、練習、させて」
「いいよ。看板、いつもよりゆっくり撫でるの、許可」
「ありがとう」
扉へ向かう足音は、明日の重さを連れている。でも、足の裏は港の石畳を覚えている。出際に、彼は振り返らなかった。振り返らないのは、逃げじゃない。前だけ見るため。——カラン。鈴の音がいつもより低い。低い音は、深い呼吸に似ている。
私は背中を伸ばし、エプロンの紐をちょっときつくしめ直す。丁寧に、ミルクピッチャーを洗い、蛇口の水で泡を落とす。バルドが「夜」を一つ先取りして、水の声を低くしてくれる。エマは焼き台に布をかけ、紙舟を一艘だけ、カウンターに残した。
「店長」
「なに」
「今日は“丸”、何個?」
私は帳面を開く。鉛筆の先が、少しだけ震える。砂糖のせいか、言葉のせいか、嵐の記憶のせいか。深呼吸。港の風。店の匂い。
——レオン、勇者の降り方を決める:二重丸。
——言葉→物→人→日々の順、合意:丸。
——店の儀式案、受理:丸。
——泡、今日の“しゅわり”、記録:点。
——私、視線を逸らさず:丸。
——課題:明日、帰り道の片手を空ける。彼の噂が来たら、湯気で薄める。△→実行。
「丸、多い」
「砂糖の勝ち」
「砂糖、最強」
エマが笑って、紙舟に“勇者の降り方”と小さく書いた。バルドは蛇口に“おやすみ”の練習を一回余分にして、流しを鏡に戻す。窓の外で海が低く息をして、港の旗がゆっくり頷いた。店の中の灯りは、今日もやわらかい。泡が消えた分、湯気が少し高く上がっている。
閉店後。ドアの鍵をまだ閉めないで、私は看板を内側に持ってきた。カウンターの上には、エプロン、布、ナイフ、そして紙舟。レオンが静かに入ってくる。鈴は小さく一回。言葉は、もっと小さい一回。
「——ただいま」
私は頷いて、店の真ん中に立つ。
「では、勇者の降り方、始めます」
「はい」
「一。エプロンの紐を解きます。固結びじゃない。今日の仕事を今日のうちに離す結び」
レオンはエプロンをそっと持ち上げ、紐をほどく。細い音。胸の上の空気が、少し軽くなる。
「二。ナイフの刃を布で拭きます。切るためじゃなく、映すための刃に戻す」
彼はナイフを布でゆっくり拭き、刃を覗かない。覗かないのが、いい。刃は覗くと、覗き返すから。
「三。看板を撫でます。外の顔を休ませる」
看板の文字《CAFÉ HOLY》を、彼は指でなぞる。文字は固くない。港の風が乾かした木は、今日の湿度を少しだけ吸って、指に返す。——“ようこそ”。“またね”。
「四。蛇口に“おやすみ”。水の任を解く」
「おやすみ」
バルドが微笑まずに頷く。その頷きは、水の言葉の翻訳。
「五。ドアベルに“また来ます”。肩書きを置いて、人として出ていく」
「……また来ます」
鈴が、短く鳴る。音の高さが、不思議と昼と同じ。昼と同じで、もう違う。レオンの肩の筋肉が、ゆっくりと、“戦いから帰ってきた筋肉”にほどける。私は紙舟を手渡した。舟には“ただの丸”と小さく書いてある。
「これ、本日の退役記念品」
「食べられる?」
「もちろん」
彼は笑って、紙舟のチョコをひと口。甘さが喉を撫でて、目の奥の火を静かに落ち着ける。私は看板を外へ戻し、鍵に手をかける前に、ドアをもう一度だけ少し開けた。港の風が入り、砂糖の匂いと混ざる。
「レオン」
「うん」
「明日、戻ってきても、戻ってこなくても、どっちでも“また”」
「また」
彼は頷き、扉を出る。——カラン。鈴の音が、今夜はやけに遠くまで届いた気がした。私は深く息を吸い、肺の奥に砂糖の灯りをひとつ増やす。勇者が降りる夜。泡がひとつ消えて、湯気が一本高く伸びる夜。怖さも、安堵も、港の匂いに溶けていく。
鍵を回す。木が「おやすみ」と言う。蛇口が「また」と返す。看板の文字が暗がりで可愛く笑う。エマとバルドと私の足音が、床に薄く残る。その上を、明日の光がきっと優しく撫でる。
——勇者の降り方。
剣を置く音はしない。代わりに、カップを伏せる音が静かに鳴る。
その音で、人は、やっと座れる。
うちは、その座る場所の灯りを、明日も点ける。
3
あなたにおすすめの小説
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
聖女じゃない私の奇跡
あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。
だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。
「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる