捨てられた宝石の逆襲~あなたの幸福を、ルビーの炎で焼き尽くす~

タマ マコト

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第10話 炎の試練

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 夜明け前、黒曜の森は息を潜めていた。
 霧が地を這い、梢は濡れた羽のように重い。私――ルビー・カルネリアンは、岩肌の裂け目に指をかけ、静かに降りた。そこは森の喉奥、火を隠すために生まれたような縦穴だ。底には古い円形の広間。壁一面に、焦げの痕が星座みたいに散っている。

「ここが“カルネリアの試練”の場所か」

 背後でオブシディアンが低く言う。焚き火も松明も持たない。火は敵にも味方にもなる。だから、今日は“私の火”だけで照らす。

「試練は一人で受ける。あなたは……」

「見てるだけだ。何かあれば引き上げる。何もなければ、待つ」

「“何もない”は嫌い」

「だろうな」

 短いやり取りで、心が整う。足音を消して円の中心へ。床に刻まれた円陣は、祖母の書付と同じ幾何。違うのは、円の外側に刻まれた四つの言葉――《黙れ》《燃えろ》《還れ》《選べ》。火に与える命令だ。命令は少なく、強く。

「始める」

 私は胸の紅玉に触れ、呼吸を三つ数え、指先へ熱を落とす。
 火は応える。
 最初は針の先ほどの赤。次に爪の裏。手の平、肘、肩、胸骨の奥――内側から灯る燭台が一斉に火をもらうように、体の地図が温度で塗られていく。

 円が、目を開けた。

 空気がひっくり返り、視界が撥ねる。
 匂いが変わる――薔薇、蜜、香、銀の磨き粉、甘く、冷たい、王都の匂いだ。
 私は大広間に立っていた。金糸の天蓋、クリスタルの雨、音楽。最初の夜会。十五歳の春。血がまだ“誰かのため”に流れていた頃。

「ルビー」

 振り向くと、母がいた。白い手袋、薄い笑顔。彼女はいつものように私の髪の乱れを直す。指が冷たい。

「笑って。あなたの笑顔は家の資産よ」

「……資産、ね」

「資産を磨くのは義務。あなたは愛される。だから笑いなさい」

 幻影の母は、過去の台詞を間違えずに話す。
 愛される――愛、される? 喉がきゅっと縮む。あの頃、私はその言葉を栄養だと思い込んでいた。でも実際は、燃えにくくする湿り気だった。

「黙れ」

 私は円に刻まれた最初の言葉を、胸の奥で転がす。命令は火へ、同時に自分へ。
 母の顔が薄れていく。優しさの膜が剥がれ、残るのは“家の声”だけだ。
 火は静かに頷く。――余計な音を消す。私の耳の中の不要な合唱が、ひとつ、またひとつ、沈む。

 舞台が変わる。
 書斎。深い緑の絨毯、黒檀の机、柑橘と黒檀の香。
 アメジストが窓辺に立ち、振り返る。少年の頃の顔。
 彼は夕陽の中で言う。「君は賢い。だから“正しさ”に従ってくれ」

 胸に古い切り傷が疼く。彼の“正しさ”が私の“私”を浅く切っていった感覚。
 脳裏で火が収縮する。怒りの点火は簡単だ。でも、今日は怒らない。“制御”のために来たのだから。

「燃えろ」

 私は二つ目の言葉を、隔壁を開けるみたいに静かに解放する。
 紅の炎が薄く立つ。怒りを嘘で飾らない火。
 彼の言葉が油膜だったこと、その薄さ、その光沢。
 火は膜だけを舐め、下の“人”を残す。
 アメジストは、ただの青年に戻る。未熟、怯え、自尊の鎧。
 私は一歩近づき、言う。

「あなたは私を愛さなかった。でも――それで、私が愛されない人間になるわけじゃない」

 彼は返事をしない。幻影は私の言葉を食べて、沈む。
 また、景色が裂ける。今度は礼拝堂。白。過剰な白。
 聖女サファイアが涙の顔を作り、私に祈る。「赦して」

 私は目を細める。赦しは刃だ。柄がない刃。
 ここで赦したら、私の手は空っぽになる。

「還れ」

 三つ目の言葉。火は一度、私の胸へ戻る。
 怒りも、蔑みも、快感も――いったん内側へ。
 “私に還す”。
 サファイアの白が薄くなる。聖衣の繊維の粗が見え、涙の光に粉の粒が映る。舞台の照明の当て方、その演技指示、そのプロデューサー――王都の“幸福”。
 彼女だけを責めたら、私は“装置”を見失う。だから、還す。矛先を体内に戻し、次に向かうべき芯に重ねる。

 霧が、きしむ。
 円陣の縁が、低く唸る。
 最後の幕。――鏡。

 そこにいるのは、私自身。
 ドレスの裾、完璧な笑顔、最小限の呼吸。
 あの日追放される前夜、鏡の前で練習した“資産としての私”。
 幻影の私は言う。

「お前は愛されなかった」

 私は一歩近づき、真正面から見返す。
 かつての私の瞳には、薄い膜がかかっている。期待、恐怖、訓練、従順、計算。全部が透明で、全部が冷たい。
 炎がうずく。――今なら、焼き払える。けれど、それは違う。

「でも、今は違う」

 声が驚くほど静かで、芯があった。
 私は右手の指輪――黒曜の輪を、軽く鳴らす。雨の夜の誓いが骨で共鳴する。
 自分に向けて、四つ目の言葉を落とす。

「選べ」

 火が、私の指先から立ち上がる。
 紅。深く、濃い、宝石の中の色。
 私は炎を、鏡の“膜”にだけ当てる。
 笑顔の形、顎の角度、礼儀の筋肉――全部、少しずつ柔らかくする。溶かして、捨てない。
 “令嬢”の殻は、完全な敵じゃない。ここまで歩かせた筋肉だ。
 私は殻の一部を手で摘み、火で鍛え直す。
 礼儀は“切断の所作”に、笑顔は“越境の仮面”に、沈黙は“刃の鞘”に。

 幻影の私は、少しずつ姿勢を変える。肩が下がり、視線が水平に、唇の端が“盾”ではなく“扉”へ。
 火が心臓を焼く。焼き過ぎない温度で。
 痛い。けれど、その痛みは“現在地”で、私の血に道を刻む熱だ。

「名前を言って」

 私は鏡の私に問う。
 幻影は少し迷い、答える。「ルビー・カルネリアン。――お前は?」

「同じ。だから、行くわ。二つで一人として」

 炎が鏡面を走り、割れないまま、表面だけを交換する。
 私と“かつての私”が、互いに一歩踏み出し、重なった。

 次の瞬間、広間が、崩れた。

 落ちる、と思った。
 でも落ちない。火が床になり、円が背骨を支え、四つの言葉が肋骨に刻印される。
 《黙れ》が耳の膜の内側に。
 《燃えろ》が肺に。
 《還れ》が腹の底に。
 《選べ》が心臓に。
 皮膚の下で、赤い文様が一瞬だけ走り、すぐ消える。印は表に残らない。残すのは“癖”。呼吸の癖、視線の癖、火の呼び方の癖。

 世界が戻る。
 黒曜の広間、焦げの星座、湿った石。
 円陣の縁が温く、私は膝をついた。肩で息をする。指先が震えているのに、震えが怖くない。

「ルビー」

 オブシディアンの声が、慎重に私へ寄った。
「戻ったか」

「戻った。……一つだけ、遅刻して」

「何が遅れた」

「“怖さ”が」

 彼は片膝をつき、私の額に手を宛てる。熱は平熱より少し上。火が内側で静かに働いている温度。
「目が変わった」

「どんなふうに」

「“燃やしたい目”が“燃やせる目”になった」

「上出来」

 私は笑い、立ち上がる。ふらつかない。足の裏に土。背骨に円。
 試す――小さく。
 指先へ熱を落とす。
 紅の炎が、指の腹に“灯る”。
 今までの火は“噴く”だった。今の火は“灯す”。灯した火は、揺れても消えない。風で形を変えるが、質を失わない。

「“黙れ”」

 私はそっと呟き、火を掌の内側に畳む。光が消え、匂いが消え、熱だけが骨の隙間へ戻る。
 次に、床の焦げ跡のうち最も古い星座を選び、指でなぞる。
 火の先人たちの“失敗”の形だ。円の外へ流れた炎、壁を舐めた舌、風で暴走した尾。
 私はそれらの“ルート”を避けるように、最小の線を引く。
 紅の糸が床に落ち、音もなく染み、円と円が“呼吸”を始める。

「止めるぞ」

 オブシディアンが構える。いつでも踏み入って私を引き戻す体勢。あの雨の夜の誓いが、彼の膝の角度まで続いている。

「大丈夫。“還れ”」

 火は合図を誤らない。
 床の紅は、私の足首から脛、膝、腰、胸へと戻る。
 私は深く息を吐いた。
 怖さが、遅れて追いつく。肩を叩く。“生きてるな”と報告してくる。
 私は頷いてやる。――生きている。火は私を食べず、私も火を侮らなかった。

「終わりだ」

「終わり、じゃない。始まり。……“紅玉の魔女”がやっと生まれた」

 口にして、胸の中で何かが“カチ”と噛み合った。
 魔女、という言葉はずっと他人の口から投げられていた。今、やっと自分で拾った。重さは思っていたより軽く、刃は思っていたよりよく切れる。

 広間の上方、裂け目から白い霧が差し込む。夜明けの前の、世界が最も冷たい時間帯。
 オブシディアンが手を差し出す。
 私は握る。掴む、ではなく、握るでもなく――“添える”。
 彼の掌の硬さが、私の新しい温度を測る。
「行こう」

「行く。――鐘の刻までに、もう一度だけ歌の鍵を練習したい」

「歌えるのか」

「歌は鍵。鍵は、鳴らせば開く」

「自信は」

「火に聞いた。火は“見たことのある音”だと言った」

「火が音を?」

「ええ。私の骨伝いに」

 彼は短く笑い、頭上を顎で示す。「上だ。外はまだ灰色だろう」

 縦穴をよじ登る。霧が頬を舐める。指が岩の冷たさで正気を保つ。
 地表に出ると、森が薄い銀紙に包まれたように静まり返っていた。遠くで鳥の声が一つ、ためらいがちに鳴る。夜と朝の継ぎ目。
 私は背伸びをして肺に冷気を流し込み、歌った。
 “古い聖歌”第一句。
 昨日より音の高さがきれいに“鳴る”。
 地面の下で、水路の扉が小さく応えた気配。

「鍵、確認」

「退路、二つ。――ロードライトは?」

「予定通り。鐘楼の影で待機。合図は四」

「了解」

 歩き出す。
 足音は軽く、視界は広く、匂いははっきり、恐怖は遅れてついてくる従者になった。
 私は肩越しに広間へ最後の一瞥を送る。焦げの星座、円、言葉。
 《黙れ》《燃えろ》《還れ》《選べ》――四つの印はもう、床ではなく私の骨に刻まれている。

 森を抜ける道の途中、私はふいに立ち止まった。
 胸の紅玉が一度だけ高く鳴り、背の皮膚に小さな鳥肌が立つ。
 王都の方向から、風が来た。
 甘い粉、薄い香、冷たい銀。
 ――幸福の匂いだ。
 薄い。
 燃えやすい。

「ねぇ、オブシディアン」

「何だ」

「私、今なら“あれ”を美しく燃やせる」

「美しく、って条件が付くのが、お前らしい」

「美しく燃やさない火は、後味が悪い」

「じゃあ、綺麗に焼け」

「焼く。見せる。割る。――そして、選ばせる」

「誰に」

「彼ら自身に。幸福の有無を、目で」

 彼はそれ以上、何も言わない。隣で歩く速度を半拍だけ上げる。私も合わせる。
 歩幅が合う。呼吸が合う。
 火の拍子と、私の拍子と、彼の拍子。
 三つの拍子が、ひとつになった。

 試練は、終わった。
 だから、舞台へ。
 紅玉の魔女として。
 呪いではなく、選択として。
 憎悪ではなく、手順として。
 ――燃やしに行く。
 幸福そのものを。
 美しく。

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