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第18話 黒曜の抱擁
しおりを挟む夕暮れが灰の王国に降りてくると、風は一段冷たくなる。
瓦礫はひび割れた楽器みたいに沈黙を鳴らし、折れた梁の影が長く伸び、仮設の壁に縫い付けた布が、かすかな音で呼吸した。
私は井戸端の列を見送りながら、胸の紅玉に手を置く。拍は安定、熱は穏やか――それでも、耳の奥で鳴り止まない音がある。嫌な高音。遠くの鉄の衝突。合図にはないリズム。
「ルビー!」
灰の間を裂く足音。ロードライトが顔色をなくして駆けてくる。汗で濡れた髪が額に貼りつき、赤い瞳がいつもよりずっと子どもだった。
「西の路地! 崩れた鼓楼の下、オブシディアンが——!」
脈が一拍、空転した。
私は扇を握り、走った。
灰は肺を焼き、泥が踵を掴む。だが足は止まらない。瓦礫の角をひとつ、ふたつ、体で受け流し、崩れた商館の隙間を抜けると、そいつはいた。
黒い外套が破れ、肩から脇にかけて、血が黒曜のように濃い。
オブシディアンが、倒れていた。
背後には、まだ“神”に縋ることをやめられない連中の粗末な刃。折れた印章の柄、焦げた木槌、そして、崩れた鼓楼の半身。
彼はそれらをまとめて“黙らせた”あと、落ちてきた梁に半身を挟まれたらしい。梁は私の腰ほどの太さ。石の粉がまだ舞っている。
彼のまわりだけ、空気が冷たい。血の匂いのために、風がそこへ集まり、かわりに音が遠くなる。
「オブシディアン」
名を呼ぶ前に、膝が落ちた。手のひらに瓦礫の粉が刺さり、紅玉が胸で強く鳴る。
彼の瞳は開いている。黒は夜を呑み込んだままブレず、私の顔を映す。
「……来たな」
「来たわ。遅い?」
「早い。いつも通りだ」
口調は落ち着いているのに、胸の上下は浅い。彼は自分で体を動かそうとして、顔の筋肉だけで“痛い”と報告した。
梁は斜めに刺さっている。抜けば出血が増す。置けば潰される。
私は周囲を一瞥して“手”を集めた。ロードライト、ヘマタイト、近くにいた男たち三人——肩は細いが、目は生きている。
「三つ数えたら、梁を持ち上げて。私が引く。あなたたちは支えるだけ。落とさないで」
「合図は?」とヘマタイト。
「二で準備、三で持ち上げ、四で止める。五はない」
「了解」
私はオブシディアンの耳元で囁く。「痛いの、嫌い?」
「好きなやつはいない」
「少しだけ、燃やす。焼かない。『灯り』で」
「やれ」
私は指輪を鳴らし、紅玉を撫でる。
――黙れ。燃えろ。還れ。選べ。
四つの言葉が骨の内側で整列し、指先に“灯り”が灯る。光らない火。匂いもない。温度だけが優しい。
私は梁の食い込んだ彼の脇にそっと手を差し入れ、皮膚のすぐ下で血の「逃げ道」を温めた。凝り固まった痛みが微かにほどけ、筋肉の震えが“持てる力”に変わる。
「二」
男たちが手を掛け、息を合わせる。
「三」
梁がわずかに浮いた。石が擦れる音。腕の筋が鳴る。
「四!」
私は彼の体を引き寄せ、ロードライトが脚を抱え、ヘマタイトが支えの短柱を差し込む。梁が再び落ちる寸前、重さは別の石に移った。
オブシディアンの肺が、やっと大きく息を吸った。
その息の音を聞いただけで、膝が笑いそうになる。
私は笑わない。代わりに、彼の胸に耳を当てて心音を測る。
早い。乱れは小さい。だが血が足りなくなる速度だ。
「ねぇ、喋って」
「命令の仕方がうまくなった」
「命令が必要」
「……ああ」
彼は息をまとめ、笑わない目の奥で言葉を探した。
「なぁ、ルビー……復讐は終わったのか?」
胸が少しだけ痛む。
私は彼の手を握る。掌の硬さ。剣の茧。雨の匂い。
「……まだよ」
「そうか」
「でも、憎しみじゃない」
言葉を口にした瞬間、背中の棘がひとつ、抜けた。
オブシディアンの口角が、わずかに動く。
「じゃあ、続けられる」
「続ける。『手順』で」
「お前の好きなやつだ」
「ええ。憎しみは燃料にしない。粗悪だから」
「知ってる」
男たちが後ろで息を整え、ヘマタイトが包帯を差し出す。
「鼠が盗んできた、清潔な布。痛み止めは蜂蜜。効くのは気分だけだ」
「十分」
私は彼の脇に手を差し込み、火で血の流れを“帯”にして縛った。焼かない。結ぶ。
皮膚の下の炎が、波の形から織物の形へ変わる。
血が道を見つけ、痛みが端へ寄る。
彼は息を吐き、目を閉じて、すぐ開けた。閉じるのは眠るときだけだという彼の規律が、まだ生きている。
「助かった命の分、また面倒を見ることが増える」
ヘマタイトが苦笑し、ロードライトが「パン、持ってくる」と走る。
私は狭い路地に人を寄せ付けないよう体を張り、オブシディアンの顔を覗き込んだ。
「立てる?」
「立てるが、歩くと剣が文句を言う」
「剣は置いていきなさい」
「嫌だ」
「じゃあ、私が持つ」
「もっと嫌だ」
「子どもね」
「お前が言うな」
口の端で先に笑いながら、私は彼を抱え起こした。
肩に触れた瞬間、彼の身体の奥の温度が伝わる。
生きている温度。
震えはある。だが、震えるから手が動く。
私は彼の首の後ろに手を回し、額を額に寄せた。
「オブシディアン」
「何だ」
「この街、あなたの“冷静さ”が要る」
「冷静さは退屈だぞ」
「退屈は秩序の親戚」
「わかった。退屈してやる」
その会話の次に、彼の体がふっと軽くなる。
良くない軽さ。出血が頭に届く軽さ。
私は反射で彼を抱きしめた。
骨と骨が触れ、指輪と指輪が小さく鳴る。
黒曜の輪は固く、しかし、熱でわずかに柔らかくなる。
涙が、一滴、落ちた。
それは冷たくない。
炎のように温かい涙だった。
彼の頬を滑り、喉のくぼみに吸い込まれ、私の胸の紅玉がそれに呼応して一拍だけ高く鳴る。
「お前……泣くんだな」
「当たり前でしょ」
「見たことが、あまりない」
「見せないからね」
「今、見えた」
「忘れて」
「覚える」
不器用な会話。けれど、その不器用さが妙に安心を運ぶ。
私は涙の熱を“灯り”へ変え、彼の胸の前で指をひねる。
火は水を嫌わない。
正しい温度の水は、火の鞘になる。
彼の体内のざわめきが一段落ち、呼吸が深くなる。
路地の入口で、誰かが――まだ神に名前を求めてしまう誰かが――膝をつこうとした。
私は顔を上げ、短く言う。
「祈らないで。手を貸して」
男は恥ずかしそうに笑い、頷いた。「どこへ運ぶ」
「北の仮宿。壁の近く。風の少ない場所」
「任せろ」
肩が四つ、腕が六本。
オブシディアンを担ぐのに、過不足のない数が集まる。
彼は何も言わない。
言葉は私が代わりに持つ。
その代わり、彼は体温でもう一度、私に“生きている”の印を押してくれた。
仮宿は昨日、灰と水で固めた壁に布を渡しただけの小屋だ。
床は平らではない。けれど、水平より大事なものがある。
横たえる。
彼の背中に廂の影が落ち、夕日の赤が扇の骨に沿って走る。
私は外套を掛け、裂け目から見える傷に指を当てる。
――黙れ。
――燃えろ。
――還れ。
――選べ。
四つの言葉を、傷の縁に薄く刻む。
彼の筋肉が抵抗をやめ、痛みが端へ退避し、眠気が正面からやってくる。
「寝ていい?」
「許可する」
「珍しい」
「たまにはね」
「じゃあ、寝る」
彼は目を閉じた。
まつ毛の影が頬に落ち、唇の縁がわずかに緩む。
私はその顔を見ながら、背中の棘の残りがさらに小さくなるのを感じた。
復讐は続く。
けれど、燃料は憎しみではない。
“生きるため”の手順と、支える肩と、火を宿す言葉。
それで十分、燃える。
戸口で、ヘマタイトが喉を鳴らす。「見張りはどうする」
「二人で交代。私と君、ロードライトは配給の列。サファイアは灯り。夜半に歌の見回り」
「了解。……なぁ、紅玉の魔女」
「ルビー」
「了解、ルビー。お前の涙、見ていたやつがいる。噂になる」
「好きにさせて」
「噂は火だ。良い燃料にも悪い煤にもなる。気をつける」
「頼んだ」
彼は去り、薄暗がりが小屋の内に深く落ちる。
私は膝を抱え、彼の横に座った。
息の音。
風の音。
遠くの水の音。
どれも、昨夜よりやさしい。
「オブシディアン」
小さく呼ぶ。
彼は眠っている。
返事の代わりに、呼吸の終わりが少しだけ伸びる。
私は笑い、額に髪を落とし、壁にもたれた。
ふいに、昼間の老婆の言葉が思い出される。
——楽には、してもらえなかったね。
違う。
“楽”は与えるものじゃない。選ぶものだ。
私たちはそれを、今から学ぶ。
火の台所で。
灰の王国で。
祈りの代わりに合図で。
奇跡の代わりに段取りで。
外から、少年たちの笑いが聞こえた。
ロードライトの声が一本、風を割る。「順番だよ! 押すな!」
その叱咤は細いのに、強い。
私は扇を開いて風を作り、小屋の熱を逃がす。
夜は冷える。傷は冷えを嫌う。
火は、灯りで足りる。
やがて、彼のまぶたが薄く揺れた。
眠りと覚醒の境目で、彼は低く言う。
「……なぁ、ルビー。夢を見た」
「どんな夢」
「灰が降って、俺が倒れて、お前が泣く。——暖かかった」
「最悪の夢ね」
「最高の夢だ。生きてる」
「うん。生きてる」
「復讐は」
「まだ。けど、憎しみじゃない」
「そうだな」
彼は再び眠りへ沈み、その沈み方は先ほどより滑らかだった。
私は扇を閉じ、指輪を唇に触れた。
黒曜は冷たく、すぐ温かくなる。
その二段階の温度差が、私を安心させた。
ひとしきり風が強くなり、布をばたつかせ、夜の匂いを運ぶ。
私は目を閉じ、胸の紅玉と彼の呼吸を合わせる。
拍は二つで一つ。
音楽は静か。
火は、眠る。
明日はまた、手順。
明後日は、選択。
その先は、未定。
未定は、危うい。
でも、温かい。
炎のように温かい涙を流した今日の私なら、未定を抱きしめられる。
私はもう一度だけ彼を抱きしめ、頬を寄せる。
黒曜の抱擁。
刃の鞘の匂い。
雨上がりの硬い空気。
そして、確かな鼓動。
この体温のために、私は燃える。
壊すためじゃない。
生きるために。
彼と、街と、私自身のために。
涙は乾き、跡だけが残る。
跡は印だ。
印は、道になる。
その道を、明日、また踏みしめる。
私たちは、生きている。
だから、続けられる。
憎しみではない火で。
名を呼び合う声で。
そして、抱きしめる腕で。
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