16 / 20
第16話「青炎の選択」
しおりを挟む夜は、骨の奥に入ってくる。青い灯を最低限に絞った街は、呼吸を忘れない程度の明るさで、眠るふりをしていた。私は外套の襟を指先で整え、広場の端から“中枢”へ降りる階段に足をかける。石段は冷たく、靴底を通して静脈に触れてくる。奥へ行くほど、街の歌が低くなる。唸る第五、軋む第七——腐蝕の低音が、まだ生きている。
「——行くのか」
背からアシェルの声。粉と鉄の匂いのままで、音だけが夜仕様に落ちている。
「行く」
短い返事。私の声は氷みたいに薄く、割れていない。割らないで運ぶには、この薄さが都合がいい。アシェルは並んで降り、手すり代わりの岩に触れて温度を測る。温度は、まだ持つ。持つけれど、このまま朝を迎えたら“静かな腐蝕”は再び起き上がる。眠りは浅い。浅い眠りの上で人は悪夢を見る。
「支える。支えて、叱る」
「役割の多い護衛ね」
「お前の役割の多さに比べたら可愛いもんだ」
石段の最後の踊り場で、三つの足音が待っていた。カミラが掲示板用の板札を胸に抱え、ミレイユは髪を布でまとめ、ヨエルは笛ではなく麻痺符の束を帯に差している。少し遅れて、杖の乾いた先でリズムを刻みながらバスクが降りてきた。五人——輪を作るには十分だ。輪は孤独を薄める。代わりに、重さを分け合う。
「配置は?」とカミラ。
「方位に意味が出る。北にアシェル、火の性。東にカミラ、言葉の性。南にヨエル、身体の性。西にバスク、耳の性。——中央に私」
「私は?」ミレイユが身を縮めないで問う。目はまだ脆いが、逃げる角度を知らない。
「輪の外、一歩だけ。灯の持ち手。揺れを見て、揺れを歌に戻す」
彼女は小さく頷き、青いランタンを二つ持って、私たちの輪の外側に立った。
中枢は、地下の大空洞だ。石の肋骨に見える支柱が弧を描き、中央には整流の節が巨大な心臓のように鎮座している。透明化術式の下層、共有しなかった“裏の回路”が、今はむき出しに脈を打っていた。そこに、私の“種”がある。名を与え、条件を縫い、眠らせ、起こし、また眠らせた——私のもう一つの手。
「最後の確認」バスクが杖で石を二度叩く。「手順、告げよ」
私は頷き、手の甲に刻んである順序を読み上げる。
「一、逆相の呪。腐蝕と同位相の“裏返し”を重ねる。二、燃焼の変換。腐蝕を熱に、熱を“青い炎”に。三、代償の捧げ物——“魔力”と“記憶”。四、封の縫合。殻の外に“枠”を作る。五、監視の委譲——耳を分け合う」
「記憶を、何にするの」とカミラが聞いた。声は揺れていない。だが、揺れない声ほど、私の骨に響く。
「……王城の廊下の朝の光。拍手の音。私に向けられた“救い手”って言葉の最初の色。——それから、復讐を最初に“定義した夜”の温度を、少し」
アシェルが目だけで抗議する。言わない。言わない代わりに、私の手首を一度、握り、離す。握った跡が、脈に印を残す。
「やめない」と私。「必要だから。刃を磨くためじゃない。刃を布で包むため」
ヨエルが短く頷いた。「俺は、殴らないで眠らせる。今日も、ここで」
輪ができる。四方に立った彼らの呼吸が、石の肋骨に反響して、遅い拍になった。私が中央へ進む。整流の節の頂に、薄く“殻”が見える。見えるというより、触れる前から指先にわかる。冷たい。理屈で作った冷たさ。私の字で書かれている。やけに綺麗な字。綺麗な字ほど、心から遠い。
「——始める」
私は右手を殻に置き、左手を自分の胸骨に当てる。逆相の呪は、言葉にすると良い。だが、声には出さない。出せば、街が聞く。街に聞かせるためではない。私が聞くためだ。舌の裏、口蓋の奥、喉の壁——黙ったままの言霊を、骨に擦り込む。
(落ちるものを、裏返す。腐るものを、燃やす。切るものを、つなぐ。名づけて、手放す)
殻の表面に、毛細のひびがゆっくり広がる。次の瞬間、脈が吸気と拮抗して、時間がわずかに膨らんだ。青い灯が二つ、いっせいに呼吸を忘れ、すぐ思い出す。その間に、私は代償の箱を開けた。
魔力は、血みたいに温かい。温かいものを捧げるのは簡単だ。難しいのは“記憶”だ。記憶を抜くとき、人は自分の骨を削る。削った粉は光らない。私は目を閉じ、最初の記憶の輪郭を指で縁取る。
——王城の回廊。朝の光。磨かれた石の床に光がつくる帯。彼女の笑い声。ミレイユ。誰もが褒めて、拍手して、彼女はもっと笑う。私の指は配管の壁に触れ、耳は街の歌を聴き、背には“救い手”という単語がひやりと当たる。私は、その単語の“最初の色”をひと掬い取り、殻の中へ落とす。
胸がきしむ。私の中で、光の色が一階層分、淡くなる。次の記憶——“定義した夜”。怒りを“定義”にすることで、刃が鞘を得た夜。飢饉の季節の匂い、焼けた匂い、拍手の匂い。私はその夜の温度から、半分だけ切り取り、殻へ滑らせる。怒りが少し、音を失う。音を失って、形を残す。形は布になる。
「持ってけ」アシェルの声。手が私の背を押さえる。押さえ方がうまい。倒れない。倒れたくもない。
「セレス、呼吸」とカミラ。彼女の声は、列の高さらしい正確さを持つ。「吸って、吐く。拍手じゃなく、自分の音で」
ヨエルが足を広げ、影を輪の外へ押す。「外から来る“顔”の気配、切った。——ここは、俺たちの場だ」
バスクが杖を横に倒し、耳で音の層を識別する。「第七、沈黙に戻りつつある。——続けよ」
殻が薄く裂け、内側から冷たい煙が滲んだ。煙は黒くない。青い。火になる前の青。私は掌を押し込み、腐蝕の流れを“燃焼”へ変換する符を差し込む。符は紙じゃない。骨でできている。私の骨の端を少し削って、形にした符。指が痺れ、痛みが頭蓋に花の形で広がる。花は嫌いじゃない。痛みの花は、燃料になる。
「——燃えろ、腐り」
言葉は声にならず、しかし熱になる。腐蝕が、火を覚え始める。錆の味が熱の味に変わり、金属のざらつきが舌に残らず、代わりに肺の奥がひりりと清潔に痛む。青い炎が、殻の縁でひとつ、またひとつ生まれ、音を立てずに広がる。破壊の火ではない。再生の火。水を嫌い、灰に恋をしない火。青は低温ではない。冷静な高温。ものを焦がさず、形を保ったまま、毒だけを焼く。
「綺麗……」輪の外、ミレイユが息を漏らす。「光じゃない。火。でも、明るい」
「見るな、見過ぎるな」アシェルが制した。「目は焼ける。心の目だけで見ろ」
青炎が私の腕を舐め、肘の内側まで上がってくる。皮膚は焼けない。血が熱を覚え、魔力が音を出し、記憶が薄く解ける。——長年冷凍保存していた怒りが、中から音を立てて溶け始めた。シャラ、シャラ、と氷砂糖が水に落ちるみたいな音。甘くない。けれど、喉を塞いでいた固さがほどけていく感触は、たしかに“飲める”感じだった。
怒りは、冷やしておけば永遠に硬い。硬いまま、形を保ち、刃を研ぐ台になる。私はそれに頼ってきた。頼ることで、街を冷たく救ってきた。今、氷が溶ける。溶けた怒りは、水になる。水は重い。重いものは、低いほうへ行く。低いほう——街の骨へ。骨が飲む。骨が、少し重くなる。重さは、倒れにくさだ。
「セレス、目」アシェルの囁き。私は開ける。世界は青い。火の青ではなく、空ではなく、夜の青でもない。再生の青。刃の布の色。私の瞳に灯ったその青は、空洞を埋めない。埋めないけれど、縁を縫う。
「封、入るぞ」バスクが合図をくれる。「殻、閉じる準備」
「カミラ、言葉」私は呼ぶ。
カミラは板札を掲げ、短い文を読み上げる。「——“顔より仕組み。列より歌。歌より呼吸。呼吸より、今。”」
単純な宣誓。呪文とは別の層で、場に重しを置く言葉。ヨエルが弦のない琴みたいに胸板を軽く叩き、拍を調える。ミレイユがランタンの炎をそっと高くした。アシェルが私の背に額を当て、熱を受け持つ。
私は最後の符——“枠”を殻の外へ縫い付ける。枠は檻ではない。泳ぐ魚に泳ぎ方を教える輪っかだ。開いたり閉じたりできる柔らかい金具。街の“耳”が交代でそれを見張る。私一人の耳ではない。委譲。手放すための構造。
封が閉じる。青炎は内側に収束し、腐蝕の黒い粒を食べ尽くしたところで、舌を巻いて消えた。消える火は、匂いが良い。焦げない匂い。寝かせた粉の匂いに似ている。中枢の歌が“まあよし”の音階に落ち、井戸の苦さがひとつ、街の底へ沈む。
私は掌を殻から外し、膝をついた。床が硬い。硬さが、現実を返してくれる。アシェルの腕が肩を支え、ヨエルの手が背を払って埃を落とし、カミラが布で額を押さえ、バスクが耳で私の拍を数え、ミレイユがランタンを低くして眩しさを遠ざける。
「……大丈夫?」カミラ。
「すぐには、ね」私は笑おうとして、笑いの手順だけ思い出し、実行はしなかった。「記憶が、少し減った。朝の廊下の光の帯の、端のほうが薄い。怒りの夜の温度は、半度弱い」
「もどってこない?」ミレイユが問う。
「戻らない。代償は、返さない。返らないから、意味がある」
「それで、良かったの?」
アシェルが答えず、私を見る。答えは私のものだ。
「良かった、にする。——今、選んだんだから」
膝に残っていた震えが去り、足の裏に地面が戻る。私は立ち上がり、殻に手をかざす。冷たくない。冷たくないということは、熱くもない。中庸。私が嫌いすぎて、必要すぎる温度。
「監視は分配。配圧は再調整。井戸はあと三日は煮沸。灯は二つ、間に紙。——掲示する」
「はい」カミラが即答し、板札に手早く記す。ヨエルが「巡回、交代制」と唱え、バスクが弟子の名を呼び、ミレイユが「“次の先頭”は私」と笑わずに言って桶を持つ。輪が解け、役割が街へ散っていく。
最後に残ったのは、私とアシェル。彼は言葉を選び、選び疲れて、短くした。
「戻ったな」
「戻った。全部じゃないけど」
「全部はいらない。戻る場所が、ある」
彼は私の額に指を当て、汗ではなく、目に見えない煤を払った。「怒り、どうだ」
私は胸に耳を澄ます。冷凍庫の扉が開きっぱなしになっている。中の氷砂糖は、半分以上溶けて、底に澄んだ水が溜まっていた。氷が擦れ合う音は、もうしない。代わりに、水の上に小さな波の立つ音。——静かで、強い。
「溶けた。音が止んだ。水になった」
「飲めるか」
「飲める。刃を洗える」
「なら、上出来だ」
中枢を出る前に、私は殻へ最後の印を置いた。“この枠は、誰でも触れて良い。だが、独りでは閉じられない”。透明の文字が一瞬だけ青く光り、石の肋骨に吸い込まれていく。街の耳は、私の耳より多い。多い耳に、私はやっと仕事を渡した。
地上へ戻る階段は、来るときより短い。空気が軽い。青い灯が路地の角で眠そうに瞬き、人の家の窓に薄い光の四角を作っている。扉の隙間から漏れる声——子どもの寝息、鍋の蓋の軽い鳴り、誰かの笑いの前段階の息。拍手はない。拍手がない夜は、良い。
広場に出ると、掲示板の前でカミラが紙を貼り終え、ヨエルが腕章を外して伸びをし、バスクが弟子のひとりの背を叩き、ミレイユが空になった桶を逆さにして水滴を振り切っていた。彼らの動きは疲れていて、しかし迷っていない。迷いは私が負う。迷いの分だけ、私は軽口を忘れる。
「戻ったら、パンがある」アシェルが言う。「“最後の先頭”の皿に置いてある。お前が食わないなら、俺が二個食う」
「食べる」
「なら、半分ずつだ」
青い灯が、脈の合図でふくらみ、すぐ細くなった。朝はまだ遠い。けれど、夜の底はもう硬くない。足の裏で、土がしっとりと息をしているのがわかる。私はひと呼吸、深く吸い、吐いた。吸う音が、街の脈に重なって、消えた。
——選んだ。救うほうを。刃は布に包んだ。怒りは、水になった。今夜だけは、それで足りる。
足を一歩、前に出す。火口の縁から、街の床へ。背中には、輪がある。前には、掲示板と、窯と、井戸と、歌と、眠り。私は歩き、彼らも歩く。再生の青い炎は、地中で静かに燃え続け、街の骨を温め、私の骨を温めた。長い夜のあいだずっと。朝の最初の脈が鳴る少し前まで。
3
あなたにおすすめの小説
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。
桜城恋詠
ファンタジー
聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。
異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。
彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。
迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。
「絶対、誰にも渡さない」
「君を深く愛している」
「あなたは私の、最愛の娘よ」
公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。
そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?
命乞いをしたって、もう遅い。
あなたたちは絶対に、許さないんだから!
☆ ☆ ☆
★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。
こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。
※9/28 誤字修正
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
婚約破棄、承りました!悪役令嬢は面倒なので認めます。
パリパリかぷちーの
恋愛
「ミイーシヤ! 貴様との婚約を破棄する!」
王城の夜会で、バカ王子アレクセイから婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢ミイーシヤ。
周囲は彼女が泣き崩れると思ったが――彼女は「承知いたしました(ガッツポーズ)」と即答!
ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi
恋愛
醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!
『「毒草師」と追放された私、実は本当の「浄化の聖女」でした。瘴気の森を開拓して、モフモフのコハクと魔王様と幸せになります。』
とびぃ
ファンタジー
【全体的に修正しました】
アステル王国の伯爵令嬢にして王宮園芸師のエリアーナは、「植物の声を聴く」特別な力で、聖女レティシアの「浄化」の儀式を影から支える重要な役割を担っていた。しかし、その力と才能を妬んだ偽りの聖女レティシアと、彼女に盲信する愚かな王太子殿下によって、エリアーナは「聖女を不快にさせた罪」という理不尽極まりない罪状と「毒草師」の汚名を着せられ、生きては戻れぬ死の地──瘴気の森へと追放されてしまう。
聖域の発見と運命の出会い
絶望の淵で、エリアーナは自らの「植物の力を引き出す」力が、瘴気を無効化する「聖なる盾」となることに気づく。森の中で清浄な小川を見つけ、そこで自らの力と知識を惜しみなく使い、泥だらけの作業着のまま、生きるための小さな「聖域」を作り上げていく。そして、運命はエリアーナに最愛の家族を与える。瘴気の澱みで力尽きていた伝説の聖獣カーバンクルを、彼女の浄化の力と薬草師の知識で救出。エリアーナは、そのモフモフな聖獣にコハクと名付け、最強の相棒を得る。
魔王の渇望、そして求婚へ
最高のざまぁと、深い愛と、モフモフな癒やしが詰まった、大逆転ロマンスファンタジー、堂々開幕!
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる