追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト

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第17話「赦しの設計図」

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 朝一番の脈が鳴る前、井戸の水面はやっと鏡に戻っていた。苦味はどこにも潜まない。青い灯は腹を均一に上下させ、配管の第七は黙り、第五は静かに歌っている。中枢に縫い付けた“枠”の印は、夜露を吸った麻布みたいに落ち着いた肌触りを返し、私はそこに掌を置いて、ひとつだけ頷いた。

 ——止まった。だから、進める。

 広場へ戻ると、白布のスクリーンには「改訂・青い街路(赦し版)」と煤で大きく書かれている。昨日までの図は消さない。青い層の下に薄く残して、その上に新しい線を重ねる。修正は上書きではなく、追記で。間違いは、街の記憶に残したほうが強い。

「“回復の網”を敷く」

 私は杖の代わりに長い指し棒を持ち、地図の端から端へ、青い細糸を網目状に走らせた。幹線の間を埋める毛細、毛細どうしをつなぐ横糸、井戸と灯と便所と工房を縫う小さな結び目。光らない、けれどよく見える網。

「目的は二つ。ひとつは“負荷の分散”。もうひとつは、“責任の分散”」

 ざわめきが止む。言葉の配置に皆が耳を寄せる。私は指で糸の交点を軽く弾いた。反響が空気に小さく波紋を作る。

「——権限を、評議会と市民に“割る”。トップを薄くする。私を薄くする」

 アシェルが焼き場の影で腕を組み、頬の粉に笑いの皺を寄せる。「やっと“らしい”」

「らしい、は褒め言葉?」

「今日は褒め言葉」

 笑いが一枚、空に貼られる。私は図の左上に四つの枠を描く。監査、福祉、市警、危険魔法規範。枠は等幅。大きくしない。小さくもしない。

「監査は——バスク」

 老魔導士が杖を鳴らし、前に進む。顔色は戻り切らないが、耳はすこぶる良い顔だ。私は彼の前に小さな鐘の印を置く。

「あなたの“耳”を、街に渡して。配圧、会計、契約、公示、そして“言葉の温度”。監査はときどき嫌われる。——嫌われても、耳をふさがないで」

「赦し版の監査か」バスクが薄く笑う。「赦しは、目盛りの小さい秤を要る」

「目盛りは、皆で刻む。弟子を十人、女を五、男を五。年齢は問わない。耳の柔らかさ優先」

「承知」

「福祉は——カミラ」

 現場統括の彼女は、紙束を胸に抱えたまま一歩出る。私は“灯の工房”の印を中心に、同心円を三枚描いた。最も内側は孤児と寡婦、次が病傷者、外側が失職者と流民。

「“最初”に置く人たちのための仕組みを、制度に。配給と宿と仕事の“順番”を、歌えるくらい簡単に」

「はい」彼女は答える。「告発箱は福祉にも置きます。裸の声を守る“布”を二重に。——“恥ずかしくない助け方”も、掲示します」

「いい。恥は、仕組みで減らせる」

「市警——ヨエル」

 若い隊長が笛を指で弾き、鳴らさずに持ち上げる。私は“影”の印を四方に置き、巡回路に“休む”の節を増やした。

「“殴らないで眠らせる”は、合言葉じゃなく訓練に。笛は最後。麻痺符は短く。影は丁寧に。——“座らせる技術”を、隊の誇りにして」

「了解」ヨエルは真顔で笑った。「試験は“影置き”。受からなければ、腕章は渡さない。——隊に女を増やす。子どもに目線が近いほうが、街は早く落ち着く」

「任せる」

「危険魔法の規範——ミレイユ」

 名を呼ぶと、彼女はほんの一瞬、膝が抜けかける癖を見せ、しかし持ち直した。灯のように持ち直す。私は彼女の前に“白紙”の印を置く。白紙は、恐怖の色じゃない。始まりの色だ。

「規範は、“止め方”から書く。“見せ方”“褒め方”“監督の仕方”“撤収の仕方”。——光は道具じゃない。祈りも道具じゃない。“どこから道具になるか”を、言葉に」

「はい」ミレイユの声は乾かない。「失敗の記録は墨字で、成功の記録は鉛筆で。——書き換えられる成功しか、掲示しない」

「それが規範を生かす」

 ざわり、と風が白布を揺らし、図上の青い糸が一瞬だけ生き物みたいに膨らむ。私はそこで指し棒を下ろし、深く息を吸った。

「私は——トップから降りる。肩書は“設計者”。線を引き、枠を作り、弁を設計し、責任を配る。壇には立たない。裏で歌と脈を合わせる」

 群衆の端に、短い沈黙。じわ、と安堵の音が広がり、それにごく薄い不安が混ざって戻ってくる。私はそれでいいと思う。神の真似をやめると、不安は増える。不安は“仕組み”を強くする。

 アシェルが手を挙げた。「鍛冶工房も、改築する」

「どこまで」

「義肢と器具のラインを増やす。腕一本、足一本、指三本。——“無償枠”をつくる」

 どよめき。私は図の右下に小さな箱を描く。“無償枠”。箱は透明で、中に“条件”の紙片が回っている。

「“無償”は魔法じゃない。資源は有限。——どう回す」

「“寄付”じゃなく“回数”。働ける者は“手伝い三回”で枠を一つ受け取る。働けない者は“次の先頭”で受け取る。工房は“義肢と器具の貸出所”も兼ねる。借りたら戻す。戻せなければ、別のものを返す。返せないなら、歌を返す」

「歌?」

「歌だ。工房の昼休みに、歌えるやつは歌う。——歌は、街の油だ」

 笑い。軽く、しかし骨に届く種類の笑い。私は“義肢”の印の隣に“歌”の印を描いた。音符じゃない。耳。耳に小さな歯車。“回復の網”は、機械ではない。歌と耳で回る。

「評議会の仕立て直しもいる」とバスク。「議席の固定をやめ、“抽選二、選出三、監査一”の六人制。任期はひと月。重任は三回まで。——“言葉の温度”が高くなりすぎたら、臨時で耳を追加」

「賛成」カミラ。「福祉の隊に“言葉の温度計”を持たせる。怒号が増えたら、配膳の場所を変える。臭いの強い鍋を引き、薄いスープを前に」

「市警は“夜の座り場”を増やす。灯と灯の間、二十歩ごとに“座る石”。——立ち続ける街は、早く怒る」ヨエルが続け、ミレイユが「規範の講習は“パン一切れと交換”」と挟む。「学びを罰にしない」

「よし」と私は頷いた。「——署名」

 板札をくるりと回し、図の下に空白を作る。私は最初に“設計者 セレス”と書かず、末尾の余白に小さく“図面係 セレス”と書いた。その上に、太く四つの署名が乗る。“監査 バスク”“福祉 カミラ”“市警 ヨエル”“規範 ミレイユ”。さらに、隅に“鍛冶 アシェル(歌も)”。群衆から笑いが起こり、子どもが「歌も!」と復唱する。笑いは制度の入口を柔らかくする。

「——“赦しの設計図”を掲示する。修正可能。誰でも提案可。告発箱は二重鍵。鍵は“評議会六人全員”が揃わないと開かない。——“透明は、嘘を減らす”。“分散は、失敗を小さくする”。“網は、転ぶ人を受け止める”」

 言い終えると、私は指し棒を下ろし、布の陰へ退いた。壇の音は、やっぱり悪い。裏の音は、やっぱり良い。アシェルが横に来て、軽く肘をぶつける。

「トップじゃない顔、似合ってる」

「前から“似合ってない”と思ってた」

「うん。だから安心した」

 やりとりの端で、カミラが「福祉窓口はこちら」と板を掲げ、鼻歌を短く置いてから、子どもと老人の列を作り直す。ヨエルは“座る石”を運び、若い隊員に影の置き方を見せる。影は、正確に置けば座布団だ。バスクは耳の塾を開き、机の上に「今日の温度」を示す小さな砂時計を置いた。砂の落ち方が速いほど、街が熱い。速い日は、会議を短く。遅い日は、細かい話を長く。ミレイユは工房の空き部屋に黒板を立て、チョークで「停止・撤収・報告・補償」の四文字を、毎回消せる字で書く。

 昼、広場の片隅で“義肢の試着会”が始まった。アシェルが「硬い」「柔い」と指先で確かめ、子どもが「歩ける?」と問えば、「歩ける」と即答する。古材で作った仮の手が、小さな肩に乗り、自分の意思で開いて閉じる。母親が泣き笑い、子どもが「重くない」と言い、アシェルは「重くないのは嘘だ。でも“まあよし”だ」と笑う。無償枠の箱には、青い紙片が回り始めた。寄付ではない。参加。歌も、笑いも、回数に含める。器具の棚に「返すときは、次の先頭へ」という札がかかる。

 午後、評議会の初会合。抽選の二人は畑からそのまま来た土の匂いをまとい、選出の三人は市場の手をしている。監査席のバスクが開会の耳を持ち上げる。「——本日の“言葉の温度”は、ぬるめ」。ぬるめは“まあよし”だ。議題は五つ、どれも短く、どれも具体。福祉の列が混む時間帯の調整。市警の夜間交代に「座る石」を持ち出す順番。規範の講習で子どもが眠い時間帯を避けること。監査の帳簿に“笑い”の欄を足す提案。最後に、設計者の退き方の再確認。

「——セレスは、権限の“委譲状”を出す。戻すときは“評議会の過半+街の脈の同意”を要する」

 紙に小さく判。私の判は軽く、深くない。深くしない。深い判は、戻りづらい。戻れない仕組みは、やがて暴力になる。

 夕方、“回復の網”が街の端まで行き渡りはじめた合図に、青い灯がふっと背伸びをした。背伸びの間に、私はかつての“静かな毒”の殻の上に、さらに薄い布を一枚かけた。布に名前はつけない。赦し、と呼ぶには軽すぎる。赦しは、制度の名前じゃない。やることの積み重ねの結果だ。

 ——赦しの設計図は、赦しを保証しない。赦しを“可能”にするだけ。

 その夜、灯の工房で、私は小さな会合を開いた。参加者は私を含めて六人。アシェル、カミラ、ヨエル、バスク、ミレイユ。机の上にはパンと蜜湯と、空白の紙。私は真ん中の紙に、細いペンで四角い枠をゆっくり描く。

「“赦す”の定義を、図面にしておく」

「定義するのか」とアシェル。

「“定義した夜”の温度を少し捧げた。代わりに、“設計”に戻す。設計は、定義より柔らかい」

 私は四角の中に四つの小さな円を置いた。“条件”“手順”“見える化”“やめ方”。赦しに必要なのは、感情ではなく、これだ。

「“条件”。謝罪は“言葉”だけでは不可。行為の中身。“手順”。被害を数える、埋め合わせを数える、期限を決める。——“見える化”。誰もが見える場所に、経過を書く。“やめ方”。復讐を“最後の先頭”に並べ直す手順。怒りを“冷却”に送る弁」

 カミラが頷き、「福祉窓口に“赦しの相談”を。内密の声を、匿名で」。

 ヨエルが付け足す。「市警は“赦し妨害”を退場に。謝罪を邪魔する拍手は、外へ」

 バスクが杖の柄で机を軽く叩く。「監査は“赦しの帳簿”を別建てに。数字で優先と後回しを誤らない」

 ミレイユは、静かに言った。「規範の講習の最後に、“やめ方”を入れる。光をやめる練習。拍手をやめる練習。笑顔をやめる練習」

 アシェルは、パンをちぎって私に半分押し付けた。「食え。定義より先に、血糖」

 私は従い、噛みながら紙の四角の隅に小さく書き足す。“失敗は鉛筆。成功は鉛筆。——墨は、死者の名だけ”。静かに机に置くと、皆が同じ速度で頷いた。死者にだけ、墨。生きている限り、人は何度でも書き直していい。赦しの設計図は、消し跡だらけで上等だ。

 会が終わると、アシェルが工房の奥を指で示した。「見せたいものがある」

 鍛冶場の隣、改築中の広間。壁に新しい棚、中央に長い作業台、奥に小さな舞台。舞台の上には、木の椅子が五つ。椅子の下には、薄い鉄板で作った“踏み鳴らし”が仕込まれている。足で踏めば、柔らかな音が床に伝わる。

「“午後の義肢・器具講習”と“昼の歌”。歌は義肢の使い方とセット。息と手の連携を教える。歌えない日も、足で拍を取れる」

「足で拍を」私は笑う。「拍手じゃなく、足拍。いい」

「無償枠はここで配る。箱に“手伝いの回数”が回る。歌も数える。笑いも数える」

「笑いに数があるの?」ミレイユが首を傾げ、カミラが答える。「あります。——たいてい、皺の数に比例します」

 笑いが梁をふるわせ、青い灯が応じて揺れる。私は棚の端に指を当て、薄く残る“静かな毒”の匂いがもう熱に変わっていることを確かめた。変換は成功している。腐蝕を燃やし直し、その熱で骨を温める。怒りは水になり、刃は布に包んだ。布の上からでも、私は切り方を覚えている。だが、今は切らない。今は、縫う番。

 夜、広場の掲示板に“赦しの設計図(暫定)”が貼られる。青い透明化術式が上で息をし、子どもが「あ、消しゴムでも消せるやつだ」と笑う。私は後ろから図を眺め、余白に小さく書き足した。“この図は誰でも直せる。——ただし、独りでは直せない”。文字は青に滲み、風に薄くふくらむ。

 背後で、アシェルが言った。

「お前の目、今日一日、ちゃんと“空洞じゃない”」

「縁だけ、縫ったから」

「中身は?」

「まだ、空いてる。そのほうが、入る」

「何が」

「——水。歌。笑い。失敗。回復。赦し」

 彼は頷き、指で窯の煤をひとすじ頬につけた。「見えない認印だ」

「勝手に押すな」

「押したいときに、押す」

 私はその手を払い、笑い、笑いの後で静かに息を吐いた。吐く音が、街の脈に重なって、消えた。青い灯が、遠くの路地の角でちいさく頷く。配管は歌い、歌はもう軋みではなく、柔らかい旋律に変わっている。回復の網は、目には見えないのに、足の裏で確かだ。

 ——赦しは、制度ではない。けれど、制度がなければ届かない場所がある。

 私は設計者として、そこへ橋をかける。橋の杭はもう二本打った。三本目は明日の朝。杭を打つたびに、街は少し重くなり、倒れにくくなる。重さは、安堵の別名だ。安堵は、拍手より長持ちする。

 夜半、掲示板の前に少年が立ち、“最後の先頭”の欄に自分の名を鉛筆で書いた。消せる字。隣で母が笑い、父が照れ、誰かが「おやすみ」と言い、青い灯が呼吸を一つ長くした。私はそれを見届け、布の陰へ退く。壇の音は、やっぱり悪い。裏の音は、やっぱり良い。裏で、私は細い針で街の縁を縫い続ける。ほどこうと思えばほどける縫い目。やめようと思えばやめられる手順。赦しの設計図は、そういう縫い目でできている。そうでなければ、息が続かない。

 窓の外が薄く白む。朝の一拍前。私は胸の弁を静かに開け閉めし、怒りの残り水を骨の底に落とし、青い炎の温もりを思い出して、目を閉じた。次に目を開けたとき、また図を直せるように。誰かと一緒に。独りではなく。青い灯のほうへ、息を合わせながら。
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