婚約破棄から始まる、異世界スローライフと年下魔王の本気恋

タマ マコト

文字の大きさ
6 / 20

第6話:何者でもない朝

しおりを挟む


 朝が来るのは、怖いことだった。

 人間界では、朝はいつも「始まり」じゃなく「再開」だった。
 昨日の失敗も、昨日の痛みも、昨日の恥も、ぜんぶそのまま持ち越して、同じ顔で再開する。
 眠っても消えない。
 むしろ眠ったぶん、体力が戻って、痛みを受け止める準備が整ってしまう。

 だからアリアは、朝が嫌いだった。
 夜の方がまだ楽だった。暗い方が視線が減る。表情を作らなくていい。

 でも――悪魔界の朝は、遅い。

 赤い空が一晩中燃え尽きずに、ゆっくりゆっくり色を変えていく。
 赤が薄まり、深い葡萄色になり、そこから淡い桃へ溶けていく。
 火が消えるんじゃない。火が柔らかくなる。
 その変化は、まるで世界が「急がなくていいよ」と言っているみたいだった。

 離れの窓から差し込む光は、やさしかった。
 薄桃の光が、毛布の表面を撫で、床に影を落とす。
 影は濃くない。尖っていない。
 ただ、そこにある。

 アリアは目を開けた。
 眠れた。
 ちゃんと眠れた――はずなのに、胸の奥にまだ棘が残っている。

 いつか返される。
 いつか利用される。
 いつか、ここから追い出される。

 その「いつか」が、まだ喉に刺さったまま。

 なのに、身体は昨日より軽い。
 肩が少しだけ下がっている。
 緊張の癖が、ほんの一枚だけ剥がれている。

 ……そんな自分が、怖い。

 扉が、勢いよく開いた。

「奥さま~! 起きて~! 朝だよ~! いや、朝じゃないかもだけど、とにかく起きて~!」

 ミリィだった。
 今日も元気が暴走している。

 同時に、カーテンが一気に開かれる。
 薄桃の光が、容赦なく部屋に流れ込む。

「ちょっ……!」

 アリアは反射的に布団を引き上げた。
 寝起きの顔を見られたくない。
 髪が乱れている。目が腫れていないか不安。
 完璧じゃない自分が見られるのが、怖い。

 ミリィはケラケラ笑う。

「隠すな隠すな~! 寝起きの顔ってかわいいんだから!」

「かわいくない……!」

 否定の言葉が出た。
 出たのに、その声が弱い。
 いつものキッパリした否定じゃない。
 むしろ、照れてるみたいな弱さで、自分でも驚く。

 ミリィが目を丸くして、にやっと笑った。

「え、いまの否定、弱い! 奥さま、照れた?」

「奥さまじゃない!」

 反射で否定する。
 でも、否定の勢いが昨日よりない。
 否定しながら、自分の中で「奥さま」という響きが、なぜか痛くないのに気づく。

 痛くない。
 それが、少し怖い。

「じゃあ奥さま候補~」

「やめて……」

「やだ!」

 ミリィは勝利宣言みたいに腕を上げた。
 その動きがあまりにも軽くて、アリアの胸が少しだけ緩む。
 軽さは、優しさより効く。
 優しさは構えさせる。
 軽さは、構える暇を奪ってくる。

「はいはい、起きます。起きるから、カーテンは……」

「ダメ! 光浴びないと元気出ない! ってヴァルグリムさんが言ってた!」

 言ってたのか言ってないのか怪しい顔で、ミリィは胸を張る。
 その嘘っぽさが可笑しくて、アリアはつい口元を押さえた。

 笑いそうになって、慌てて咳払いする。

 笑っていい。
 でも、その「いい」を自分で許可できない。
 許可を外に求めてしまう。
 ずっとそうして生きてきたから。

「ほらほら、着替え! 今日はお庭見に行こ! 魔界の植物、面白いよ!」

「……庭」

 アリアは布団から出る。
 部屋の空気は冷たくない。
 床も冷えない。
 それが妙に安心で、同時に「安心してしまう自分」が怖い。

 着替えは昨日用意された魔界の布の服だった。
 触るとさらりとして、肌にまとわりつかない。
 色は淡い灰紫。貴族の派手さはないのに、品がある。

 鏡台の前で髪を整える。
 整えながら、ふと思う。

 ――誰に見せるために整えてるの?

 答えが出ない。
 社交界はもうない。
 王太子もいない。
 王城の舞踏会もない。

 それなのに、手が勝手に動く。
 完璧に近づこうとする癖だけが、残っている。

 それが、落ち着かない。

「できた~! じゃ、行こ!」

 ミリィに腕を引かれ、アリアは離れの外へ出た。

 廊下を抜け、庭へ。

 空は薄桃で、風は冷たいのに澄んでいる。
 硫黄の匂いは薄い。
 代わりに、土の匂いが濃い。
 生き物の匂い。湿り気のある匂い。

 庭は、意外だった。

 黒い土。
 黒いのに、暗くない。
 そこから伸びる植物は濃い緑、紫、時々青い光を帯びた葉。
 花は小さく、控えめで、でも香りが強い。

「これ、闇属性ハーブ!」

 ミリィが誇らしげに指差す。

「闇属性……?」

「うん! 触るとひんやりしてるやつ! ほら!」

 ミリィが葉に触れ、指先をアリアの鼻先に持ってくる。
 香りがする。
 ひんやりした香り。
 ミントみたいな清涼感と、甘い土の匂いが混ざっている。

 アリアは恐る恐る葉に触れた。

 ――冷たい。

 指先が冷える。
 でも嫌な冷たさじゃない。
 熱を持ちすぎた感情を、すっと冷ましてくれる冷たさ。

 香りが指に移る。
 その香りを嗅ぐと、胸の奥の棘が少しだけ鈍くなる。

「……すごい」

「でしょ! これね、心が暴走しそうな時に嗅ぐと落ち着くんだって! 魔王様も昔……」

 ミリィが言いかけて、止まった。
 あ、という顔で口を押さえる。

「……昔?」

「えへへ。内緒内緒! 魔王様、内緒って言ってたもん!」

「今しゃべりかけたのに」

「しゃべりかけただけ! しゃべってない! セーフ!」

 その理屈の雑さに、アリアはつい笑ってしまった。
 小さく、息が漏れるみたいな笑い。

 ミリィが勝ち誇った。

「ほら! 笑った! ね、ここいいでしょ!」

 アリアは笑ってしまったことに気づき、慌てて口元を押さえた。
 笑いが胸の中で揺れて、消えない。

 怖い。
 でも、嫌じゃない。

 その感情が分からなくて、アリアは目を逸らした。

 庭の隅に、小さな花壇があった。
 花壇には見知らぬ花が咲いている。窓辺の花と同じ、深紫の花。

「これ、窓のと同じ花だ」

「うん! 夜泣き花っていうの!」

「……夜泣き?」

「夜に咲いて、朝に閉じるんだよ。泣いてるみたいだから夜泣き!」

 泣く花。
 その名前に、胸が少し痛んだ。

 泣く。
 自分は泣けない。
 泣きたくても、泣き方を忘れてしまった。

 アリアは花に指を伸ばしかけて、止めた。
 触れたら、何かが溢れそうで。

「……ねえ、ミリィ」

「ん?」

「私は、ここで何をすればいいの?」

 気づけば、口から出ていた。
 質問というより、焦りの吐露。
 役割がないことが怖い。
 役割がないと、自分が空っぽになる気がする。

 ミリィはきょとんとした。

「え? えっと……生きる?」

「……生きる」

 あまりにも大雑把で、逆に胸が詰まる。

「そう! 生きる! 食べて寝て、たまに笑って! それ!」

 ミリィは当たり前みたいに言う。
 当たり前みたいに言える世界が、眩しい。

 でもアリアの中には、焦りが残る。
 何かしなければ。
 役に立たなければ。
 価値を示さなければ。

 価値。
 その単語が胸の奥で鳴った瞬間、熱が少しだけ戻ってくる。
 王家の使者の声が蘇る。
 「価値」「資源」「管理」「封印」

 アリアの呼吸が浅くなった。

 その時、背後から静かな足音が近づいた。
 足音がするのに、騒がしくない。
 足音がするから、安心する。

「お早うございます、アリア様」

 ヴァルグリムだった。
 今日も背筋が真っ直ぐで、声が落ち着いている。

「ヴァルグリムさん!」

 ミリィが手を振る。

「ミリィ。騒がしい」

「騒がしいのが私の仕事です!」

「違います」

「違くない!」

 そのやり取りが軽くて、アリアはまた口元が緩む。
 緩んだことに気づいて、今度は逃げずに、そのまま息を吐いた。

 ヴァルグリムがアリアへ視線を向ける。

「散歩でございますか」

「……はい。ミリィが」

「当然です! 奥さまを健康にするのが私の使命!」

「奥さまじゃない」

 否定した。
 でも昨日よりはっきり否定できない。
 否定しながら、心がどこかでくすぐったい。

 ヴァルグリムは何も言わず、ただ小さく目を細めた。
 それが笑いなのか、許容なのか、分からない。
 でも嫌ではないのが分かる。

 アリアは、さっきの質問を思い出して、ヴァルグリムへ向き直った。

「……ヴァルグリム。私は、ここで何をすればいいの?」

 言った瞬間、声が震えた。
 焦りが隠せない。
 情けないと思う。
 でも、情けないと言ってくる人がいない。
 それが、さらに不安を生む。

 ヴァルグリムは即答しなかった。
 少しだけ空を見上げる。薄桃の空。
 それから、淡々と告げた。

「何もしないことも、ここでは仕事でございます」

「……何もしない、が?」

 理解できない。
 何もしないのは、怠けだ。
 価値がない。
 人間界の常識が、反射で叫ぶ。

 ヴァルグリムは、同じ温度で言葉を続けた。

「人は、壊れる前に休息が必要です。壊れてからでは遅い。アリア様は――今、壊れかけておいでです」

 壊れかけている。
 また言われた。
 でも責められていない。
 事実として言われるだけ。

「休むのも……仕事?」

「はい。生きるための仕事でございます」

 生きるための仕事。
 その言葉が胸に落ち、じわりと広がる。
 熱ではなく、温度。
 胸の奥を焼く熱ではなく、指先を温める温度。

 アリアは息を吐いた。
 長い息。
 息を吐いたら、喉の棘がほんの少しだけ動いた。
 抜けないけれど、刺さり方が浅くなる。

「……分からない。どうして、そんなに……」

 そんなに、優しいのか。
 そんなに、放っておくのか。
 そんなに、役割を求めないのか。

 言葉にならない疑問が、胸の中で渦を巻く。

 ヴァルグリムは、答えの代わりに一礼した。

「この城の主がそう望まれます。魔王様は、アリア様に“役割”を与えるつもりはないと」

 ルシフェル。
 昨日の紅茶の湯気の向こうの真剣な顔。
 「泣いてもいい」
 「止めるために俺がいる」

 思い出すと、胸が痛くなる。
 痛いのに、落ち着く。
 矛盾した感情が、静かに混ざる。

 ミリィが両手を広げた。

「ほら! だから大丈夫! 役割とかいらない! 奥さまは奥さまで……」

「奥さま言わない」

「だって楽しいもん!」

 アリアは、ふっと息を漏らした。
 笑いではない。笑いに近い息。
 それが、ちゃんと自分から出たことが嬉しい。

 庭の闇属性ハーブが風に揺れる。
 ひんやりした香りが漂う。
 その香りを吸い込むと、胸の奥の熱が落ち着く。

 アリアは葉にもう一度触れた。
 指先が冷え、香りが移る。
 その冷えが、過去の熱を鎮める。

 ――何者でもない。

 昨日の言葉が、朝の光の中で形を変える。
 何者でもない、は、空っぽじゃない。
 何者でもない、は、まだ決まっていない。
 まだ決まっていない、は、可能性だ。

 そう思った瞬間、怖さが少しだけ薄れた。
 薄れたのに、消えない。
 消えない怖さも抱えたまま、アリアは立っていられる。

「……今日の仕事は、休むこと?」

 アリアが言うと、ミリィが勢いよく頷いた。

「そう! 休む! そして食べる! そしてちょっと散歩! で、また寝る!」

「怠け者の予定表だ」

「違うよ! 回復の予定表!」

 ヴァルグリムが淡々と補足した。

「回復は、怠惰とは異なります。怠惰は前に進む意志を捨てること。休息は前に進むために立ち止まること」

 前に進むために。
 その言葉が、アリアの胸を少しだけ押し上げた。

 王都では、前に進む道が一つしかなかった。
 正解の道。
 役割の道。

 ここには、まだ道がない。
 だから怖い。
 でも、道がないから、選べる。

 アリアは薄桃の空を見上げた。
 赤い世界が、柔らかく変わっている。
 変わることを怖がらなくていい世界。

「……じゃあ、今日だけは」

 言葉を選ぶ。
 選んで、ちゃんと言う。

「今日だけは、何もしない」

 ミリィが拍手しそうになって、ヴァルグリムに目で止められた。
 代わりにミリィは両手をぶんぶん振る。

「えらい! 奥さまえらい!」

「奥さまじゃない」

 否定の声は、もう弱くなかった。
 でも怒ってもいない。
 ただ、軽い。

 その軽さが、朝の光みたいに胸の中へ差し込む。

 何者でもない朝。
 役割のない時間。
 それは空っぽじゃなく、静かな呼吸だった。

 アリアは、闇属性ハーブの香りを指先に残したまま、
 初めて「今日」を、自分のために使ってみようと思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

君といるのは疲れると言われたので、婚約者を追いかけるのはやめてみました

水谷繭
恋愛
メイベル・ホワイトは目立たない平凡な少女で、美人な姉といつも比べられてきた。 求婚者の殺到する姉とは反対に、全く縁談のなかったメイベル。 そんなある日、ブラッドという美少年が婚約を持ちかけてくる。姉より自分を選んでくれたブラッドに感謝したメイベルは、彼のために何でもしようとひたすら努力する。 しかしそんな態度を重いと告げられ、君といると疲れると言われてしまう。 ショックを受けたメイベルは、ブラッドばかりの生活を改め、好きだった魔法に打ち込むために魔術院に入ることを決意するが…… ◆なろうにも掲載しています

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

彼女の離縁とその波紋

豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。

婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?

ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」  華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。  目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。  ──あら、デジャヴ? 「……なるほど」

神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました

青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。 それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

婚約破棄された私ですが、領地も結婚も大成功でした

鍛高譚
恋愛
婚約破棄―― それは、貴族令嬢ヴェルナの人生を大きく変える出来事だった。 理不尽な理由で婚約を破棄され、社交界からも距離を置かれた彼女は、 失意の中で「自分にできること」を見つめ直す。 ――守るべきは、名誉ではなく、人々の暮らし。 領地に戻ったヴェルナは、教育・医療・雇用といった “生きるために本当に必要なもの”に向き合い、 誠実に、地道に改革を進めていく。 やがてその努力は住民たちの信頼を集め、 彼女は「模範的な領主」として名を知られる存在へと成confirm。 そんな彼女の隣に立ったのは、 権力や野心ではなく、同じ未来を見据える誠実な領主・エリオットだった。 過去に囚われる者は没落し、 前を向いた者だけが未来を掴む――。 婚約破棄から始まる逆転の物語は、 やがて“幸せな結婚”と“領地の繁栄”という、 誰もが望む結末へと辿り着く。 これは、捨てられた令嬢が 自らの手で人生と未来を取り戻す物語。

私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが

雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。 それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。 エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり…… ◆エール、ブクマ等ありがとうございます! ◆小説家になろうにも投稿しております

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

処理中です...