婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト

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第2話「前世の記憶と、崩壊予定の未来」

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 鼻をつくアルコールと香水の匂いが、ずっと遠くで渦を巻いている。

 まぶたの裏に、さっきまでの光の奔流がちらついた。
 シャンデリアのきらめき、赤い絨毯、ざわめく人々。
 それと混ざり合うように、まったく別の光景が脳裏に浮かんでは消える。

 蛍光灯。白い壁。木の机が整然と並んだ教室。
 窓の外を走る、銀色の電車。
 そして、黒板の前で喋る、地味なスーツ姿の男――大学の教授。

(……うん。夢じゃない。多分、アレ、全部本物)

 レティシアはゆっくりと、まぶたを持ち上げた。

 そこは、さっきまでの大広間から少し離れた、パーティー会場の隅の控え室だった。
 壁には金の装飾、重いカーテン。ソファに横たえられている自分の身体が、やけに軽い。

「レティシア様……っ」

 耳元で、すすり泣きの気配。
 視線をそちらに向けると、椅子に座ったクロエが目を真っ赤にしていた。

「気がつかれたんですね! よかった……っ、あの、すぐに侍医をお呼びしますから――」

「……大丈夫よ。呼ばなくていいわ」

 レティシアは、細く息を吐きながら身を起こした。
 頭がずきずき痛む。けれど、その痛みですら「生きている」という感覚の証明みたいで、妙に安心する。

「ですが……さっき、急に倒れられて……顔色も悪くて……」
「婚約を破棄された令嬢が青い顔をして倒れるなんて、むしろ様式美でしょう? ちょうどよかったじゃない」

 冗談めかして言うと、クロエは余計に泣きそうな顔をした。

「そんな、そんな言い方……!」

 その顔に、胸の奥がちくりと痛む。
 自分が投げる棘の言葉が、一番刺さってほしくない相手に真っ先に刺さるの、ほんと最低だと思う。

「……ごめん。クロエのせいじゃないのに」

 ぽつりと零すと、彼女は目を丸くし、それからゆっくり首を振った。

「……私、何もできなくて。レティシア様があんなふうに言われているのに、何も言い返せなくて……」
「言い返したら、君まで巻き添えだったわよ。黙って支えてくれてたの、見えてたから」

 クロエの視線が揺れる。
 その様子を目に焼き付けながら、レティシアは「気絶から覚めたばかり」の顔を意識して、そっと額に手を当てた。

「少し、一人にしてくれる?」
「え……でも」
「ここで泣き続けてたら、あとで目が腫れて困るわ。……顔を冷やしてきなさい。後で呼ぶわ」

 言いながら、自分の指先が微かに震えているのを、自覚する。
 クロエは迷った顔をしたが、やがて立ち上がり、ぺこりと頭を下げた。

「……わかりました。何かあれば、すぐに呼んでくださいね」
「ええ」

 扉が閉まる。
 部屋が静寂に包まれると、レティシアは大きく息を吐き出した。

「…………っはぁ」

 さっきまで封じ込めていたものが、一気に溢れ出る。
 胸の鼓動がまだ早くて、ドレスの胸元が小さく上下しているのがわかる。

(落ち着け。順番に……整理しないと)

 レティシアはソファにもたれかかり、目を閉じた。

 脳内に浮かぶのは、この世界ではない、もうひとつの人生。

 ――名前は、たぶん「斎藤真雪」。
 日本、という、こことは違う国に生まれた。
 ごく普通の家庭。父と母、弟。
 お金持ちでも貧乏でもなくて、家族仲も悪くない。

 学校に行って、テストを受けて、部活はろくに続かなくて。
 でも、本だけはずっと好きだった。特に歴史。

 世界史の教科書を読みながら、「この時代に生まれてたら絶対楽しかった」とか呑気に思ってた。
 大学では、迷わず歴史学科を選び、ひたすらヨーロッパ近代史の棚に住み着いた。

 本の匂い。
 図書館の静けさ。
 冬の夕方、白い息を吐きながらキャンパスを歩いた感覚。

(……あった。ちゃんと、生きてたんだ、私)

 大学三年の冬。
 ゼミの教授に「卒論のテーマ、そろそろ決めろ」と言われて、散々迷った末に選んだのが――。

『旧体制崩壊と民衆暴動――フランス革命期王政の終焉』

 ダサいタイトル。だけど、必死だった。
 パンの値段、税率、王妃の支出、思想家の言説。
 細かい数字と逸話を集めて、「どうしてこの国はこんな壊れ方をしたのか」を追いかけた。

 それが、どういう因果かわからないけれど。

「……今、私が立ってるの、その“壊れる側”の国なんだよね」

 呟いた声が、控え室の中に落ちる。
 さっきまでの喧騒が嘘みたいに、ここだけ別世界みたいだ。

 リュミエール王国。
 豊かな王都。
 しかし、ここ数年は不穏な噂ばかり聞く。

 農村では冷夏と疫病で収穫が落ち、税は下がらない。
 米……ではなく、麦の価格がじわじわ上がっている。
 国庫は王妃派の華美な生活と、貴族たちの遊興に吸われている。

 思想家たちがサロンで王政批判を始めているという噂。
 貴族の屋敷で働く使用人たちが、夜な夜な「税が高すぎる」と愚痴をこぼしている現実。

(重税、飢饉の予兆、国庫の浪費、王妃派の贅沢、思想家の台頭……)

 レティシアは、頭の中で、前世で作った年表と今の状況を重ねる。
 崩壊前夜のチェックリストみたいに、条件がひとつひとつ埋まっていく。

(あはは……やめてほしいんだけど、これ。
 よりによって、こんなガチで再現しなくていいでしょう、この世界)

 笑いが喉まで込み上げたが、声にはならなかった。
 笑えば、きっと泣くからだ。

 深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
 胸の中のざわめきを一つ一つ捕まえるように、レティシアは考えを整理していった。

 ――まず、この身体のこと。

 レティシア・ド・ヴァロワ。
 リュミエール王国でも有数の名門、公爵家の長女。十八歳。

 幼い頃から読み書き計算どころか、政治書や経済書にも手を伸ばし、父の書斎に入り浸っていた。
 家庭教師たちは皆、「あのお嬢様は天才だ」と口を揃えた。

 物怖じをしない。
 大人にも歯に衣着せぬ物言いをする。

 貴族の宴で、不正な取引の話が出れば、真顔で「それ、違法ではなくて?」と問い詰めた。
 税逃れを自慢する伯爵には、「それで困るのは誰か、想像もできないのですね」と笑ってみせた。

 ――結果、どうなったか。

 「冷酷で」「傲慢で」「自分の非を認めない」ヴァロワ公爵令嬢の出来上がりだ。

 彼女の真意を理解する者は少ない。
 父でさえ、最初は「頭の回る娘だ」と感心していたが、やがてこう呟くようになった。

『お前はもう少し、口を慎むことを覚えろ。敵を増やすだけだ』

 母は母で、社交界に強く、美貌を武器に生きてきた人だ。
 娘に求めるのは「愛嬌」と「従順さ」と「美しい笑顔」。

『男はね、頭の良さより“可愛げ”を選ぶのよ、レティシア』
『可愛げだけで国が回るなら楽でしょうね』
『そういうところが駄目なのよ』

 何度もぶつかりながら、それでも母はレティシアを完全には突き放さなかった。
 美しく着飾らせ、礼儀作法を叩き込み、社交の場に連れ出した。

 弟のジュリアンは、そんな二人を少し離れたところから見ているタイプだった。
 優秀で、人当たりもよく、「次の公爵」として期待されている。

『姉上、もう少し柔らかく喋ればいいのに』
『私が柔らかくしたら、この家、誰が本音を言うのよ』
『……それもそうかもしれないけどさ』

 家族は、レティシアを完全な“道具”にはしなかった。
 でも、“娘”として抱きしめてやるほど甘くもなかった。

(中途半端に、優秀で。中途半端に、愛されて。中途半端に、利用された)

 その行き着く先が――。

「政略結婚としての、王太子の婚約者、ね」

 口に出してみると、妙に現実味が出る。

 ヴァロワ家の権力と財力を背景に、王太子を支え、王国を安定させる。
 それが名目。

 だが実際は、王太子が「自分の意見に口を出さない都合のいい飾り」を求めていただけだと、今日の一件で嫌というほどわかった。

(……悪役令嬢、か。笑っちゃう)

 前世で読んだ乙女ゲームの設定みたいなポジション。
 ヒロインをいじめる高慢なお嬢様。
 最後は断罪されて、ざまぁされて、ゲームオーバー。

 さっきの婚約破棄は、まさにそれだった。
 「君みたいな冷酷で傲慢な女は王妃にしない」――テンプレにもほどがある。

「でも残念ね、殿下」

 誰もいない部屋で、ぽつりと呟く。

「私、そのテンプレの“先”の歴史も知ってるんだわ」

 前世で、資料と数字と証言を追いかけて知った「この国の未来」。
 それは、美しい王子と可憐な庶民派ヒロインが幸せになる物語なんかじゃなかった。

 重税に耐えられなくなった民衆が暴れ、
 不公平に怒った人々が武器を取って、
 王族も貴族も区別なく、処刑台に送られていく。

 パンの価格は跳ね上がり、飢えた人々がパン屋を襲う。
 「王妃の首をよこせ」と叫び、宮殿に押し寄せる。
 そして、血の雨が降る。

 そのプロセスを、前世の自分は「面白い」と思って追っていた。
 安全な場所から、遠い昔の出来事として。

 今、その渦中にいる。

 自分の首も、弟の首も、クロエの首も、その処刑台に並ぶかもしれない場所に。

「……笑えないんだけど」

 吐き捨てるように言うと、喉がきゅっと痛んだ。
 恐怖はある。もちろんある。

 けれど、それと同じくらい――いや、それ以上に。
 胸の奥で、別の感情がむくむくと顔を出していた。

 悔しさ。
 怒り。
 そして、どうしようもない反骨心。

(あの論文のとき、ずっと思ってたんだ。
 “なんで誰も止めなかったんだろう”って)

 資料には、必ずどこかに「警告」していた人間がいた。
 税制の歪みを指摘した役人。
 飢饉の危険を訴えた農民代表。
 王妃の浪費を問題視した思想家。

 彼らの声は全て無視されたか、潰されたか、笑い飛ばされた。
 その結果が、あの血塗れの革命だ。

(でもさ。もし、その声に耳を傾ける権力者がいたら?
 もし、歴史を知っていて、本気で止めようとする“悪役”がいたら?)

 レティシアは、拳をぎゅっと握りしめた。

 この世界の人間は、誰も未来を知らない。
 誰も、この先に処刑台と血の雨が待っているなんて知らない。

 でも、自分だけは知っている。
 前世の記憶という、最悪にネタバレの効いた特権で。

(最悪のクソゲーのバッドエンドを、すでに見てるプレイヤーが一人いるわけね)

 だったら――。

 控え室の扉が、こんこん、と軽くノックされた。

「レティシア」

 低い、よく通る声。
 父、公爵オーギュストの声だ。

「……お入りになって」

 レティシアが返事をすると、扉が開き、長身の男が入ってくる。
 黒髪に銀の混じり始めた髪をきちんと撫で付け、青い瞳を細めている。
 その顔には、政治家としての仮面と、一人の父親としての困惑が同居していた。

「具合はどうだ」
「おかげさまで。殿下のおかげで、すっかり目が覚めましたわ」

 皮肉を混ぜると、父は小さく眉をひそめた。

「……お前も、少しは言葉を選べ」
「選んだ結果が、あの婚約破棄でしょう」

 ぴり、と空気が張り詰める。
 だが、父はすぐにため息をついて、壁にもたれかかった。

「アルマン殿下の決定は、すでに王家としても承認されたようだ。……ヴァロワ家としては、表立っては何も言えん」
「でしょうね。ここで声を上げて、逆賊認定なんてされたら面倒ですもの」

 あっさりと返すと、父は一瞬だけ「こいつ本当に十八か?」という顔をした。

「お前は昔から、そういうところがある」
「“理屈でしか物を見ない”、でしたっけ」
「違う。……全てを俯瞰しすぎる。もう少し、自分を大切にしろ」

 不意に投げられた言葉に、レティシアは目を瞬かせた。
 父からそんな台詞が出てくるとは思っていなかったからだ。

「この婚約が決まったとき、お前は一言も泣かなかったな」
「泣いても何も変わらないと思いましたから」
「……そうやって割り切れるのは強さでもあるが、同時に――」

 父は言葉を切り、わずかに口元を歪めた。

「同時に、“王家にとって危険な女”にも映るだろう」

 その一言に、レティシアは苦笑した。

「ご心配なく。もう、王家にとっては十分に危険な女ですわ。
 冷酷で、傲慢で、自分の非を認めない悪役令嬢なんですもの」

 父は答えなかった。
 代わりに、短く目を伏せてから、レティシアの額にそっと手を置く。

 幼い頃、熱を出したときと同じ仕草。
 ほんの一瞬だけ、父親の顔になったその表情を、レティシアは直視できなかった。

「熱はないな。……今日はもう屋敷に戻る。支度をしろ」
「わかりましたわ」

 父が部屋を出ていくと、レティシアはソファから立ち上がった。
 足元はまだ少しふらつくが、歩けないほどではない。

 クロエを呼び、簡単に化粧を整えさせる。
 鏡に映る自分の顔は、さっきより少しだけ青ざめていて、目の奥が暗い。

(家に帰ったら……ちゃんと考えよう。
 この世界のタイムラインと、壊れ方と、私にできること)

 馬車の揺れを、ほとんど覚えていなかった。

 ヴァロワ公爵邸に戻る頃には、夜は完全に更けていた。
 石造りの館はいつもどおり美しく、門前の噴水は静かに水を吐いている。

 母はまだ社交界に残っているらしく、玄関ホールには姿がない。
 弟のジュリアンも、今日は王都の友人宅に泊まるという話を聞いていた。

 屋敷全体が、妙に静かだった。

「レティシアお嬢様、お疲れのところを……」

 執事ギルバートが出迎えようとしたが、レティシアは軽く手を振って遮った。

「今夜は誰にも会いたくないわ。部屋に戻るだけだから、気にしないで」
「……かしこまりました」

 彼の声には、深い配慮と、少しの心配が混ざっていた。
 その気配に背中を押されるようにして、レティシアは自室へ向かう。

 重い扉を閉めると、そこにはいつもどおりの部屋があった。

 大きなベッド。
 読書用のソファ。
 壁一面の本棚。

 机の上には、父から借りてきた経済書と、最近読みかけの思想家の論文が積まれている。
 そのどれもが、今や現実のための資料にしか見えなかった。

 ドレスのコルセットを自分で解き、重い外側のスカートを脱ぎ捨てる。
 下に着ていた薄いペチコートとシンプルなドレス姿になって、レティシアはふらりと鏡の前に立った。

 金の縁取りの全身鏡。
 そこに映るのは、アメジスト色の瞳をした若い女。

 頬はまだ赤く、唇には紅が残っている。
 髪には薔薇の飾りがついたままだ。

「…………私、なのよね」

 鏡の中の女に問いかけてみる。
 女は、当然ながら何も答えない。

 でも、その瞳の奥には、もうひとつの人生の影が揺れていた。

 夜中のコンビニで買ったカップ麺。
 締切ギリギリのレポート。
 ストーブの効いた図書館。

 あの世界で、「歴史オタクの女子大生」として日々を過ごしていた自分。
 その延長線上に、この“悪役令嬢レティシア”がいるという事実が、じわじわと実感を伴って迫ってくる。

(あの歴史どおりに進めば、この国は血に染まる)

 鳥肌が腕を走る。
 想像しただけで、喉の奥が凍るようだ。

 でも同時に――。

 胸の底で、何かがくすぶっている。
 小さな火種。
 風が吹けばすぐ消えそうでいて、それでもしつこく残り続ける意地みたいなもの。

(だったらさ。
 “あの歴史どおりに進めなきゃいい”んじゃないの)

 鏡の中の自分が、わずかに目を見開いた気がした。

 歴史は、結果だ。
 数えきれない選択の積み重ねの、最後の形。

 前世の自分は、それを外側から眺めて、分析して、紙にまとめただけ。

 でも今は――。

「内側にいる。しかも、最前線に」

 王太子の元婚約者。
 公爵令嬢。
 “悪役”のラベル付き。

 これほど、権力にも庶民にもアクセスしやすいポジション、そうそうない。

 嫌われているからこそ、綺麗事だけでは済まない手段も取れる。
 悪者として扱われているからこそ、汚れ役も引き受けられる。

 それに、もし失敗して処刑されたとしても――。

(どうせ、このまま手をこまねいてたって、十中八九、私たち全部まとめて首飛ぶ未来なんだし)

 だったら、じっと黙って殺されるより、暴れたほうがまだマシだ。
 少なくとも、前世の自分が見た“血塗れの年表”に、中指立てるくらいはできる。

 レティシアは、鏡の前で一歩前に出た。
 アメジストの瞳が、自分を射抜く。

「……悪役令嬢でいいわ」

 ぽつりと、呟く。

 王妃になれと言われても、もうごめんだ。
 王太子の飾りなんて、二度と御免。

 でも――。

「だったら、せめて“歴史に逆らう悪役”になってやる」

 鏡の中の女が、初めてほんの少しだけ笑った気がした。
 その笑みは、悲しみと怒りと、どうしようもない諦めと、それでも消えない希望がごちゃ混ぜになった、ひどく人間くさい笑顔だった。

 レティシア・ド・ヴァロワ。
 元・王太子婚約者。
 現・悪役令嬢。

 そして、前世の記憶を持つ、“崩壊予定の未来”に喧嘩を売る女の物語が――静かに動き出した。
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