婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト

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第9話「王太子の執着と、揺れる心」

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 アルマン・ド・リュミエールは、王太子の執務机に肘をついたまま、窓の外の庭をぼんやりと眺めていた。

 もう何度目かの報告書に目を通し、同じ行を三度も読み返していることに気づいて、舌打ちをする。

「……集中できん」

 独り言は、静まりかえった執務室に溶けた。

 視界の端に、一人の女の姿がちらつく。
 アメジスト色の瞳。
 いつも少しだけ笑ったような口元。

 レティシア・ド・ヴァロワ。

(あいつは、もっと素直に惨めになっていればよかったんだ)

 そう思えば思うほど、胸の奥がざわざわする。



 アルマンは、生まれたときから「将来の王」だった。

 王と王妃の第一子。
 健康で、容姿にも恵まれ、教養も運動も、人並み以上にはこなせた。

 歩けば皆が道を開け、笑えば皆が褒めそやす。

『殿下は本当に聡明でいらっしゃる』
『さすがリュミエールの未来』

 そう言ってひざまずく大人たちの顔を、物心ついたころから見てきた。

 誰も、真正面から「それは間違っている」とは言わなかった。
 王でさえ、息子に対しては厳しい言葉を選んでいた。

『よいかアルマン、お前は“間違ってはならない”のだ』

 そう言ってくる父王の目には、恐怖が混じっていた。
 息子を叱る父ではなく、「失敗を許されない象徴」を見ている統治者の目。

(“間違ってはならない”。
 でも、誰も“どこからが間違いなのか”は教えてくれない)

 だからこそ、アルマンは本能的に察していた。

 ――自分を批判する声は、すべて敵だと。

 そんな彼の前に、レティシアは現れた。

 ヴァロワ公爵家の令嬢として、政略の駒として選ばれた婚約者。
 最初は、王太子妃候補として申し分ないと思った。
 家柄も、教養も、容姿も、何一つ欠けていない。

 ただひとつ、致命的な問題を除いては。

『殿下、その案は愚策ですわ』

 初めてそう言われたのは、まだ十代半ばの頃だった。

 軍の編成案を見て、「派手なパレードを増やせば民は喜ぶ」と口にしたとき。
 周囲の貴族たちは皆、「さすが殿下」と拍手を送った。

 ただ一人、レティシアだけが、涼しい顔で言った。

『見せかけの強さだけを見せても、お腹は膨れません。
 空腹の人間にとって、光り輝く行進は、むしろ“自分たちの金がこんなものに使われている”という絶望になりますわ』

 そのときの衝撃を、アルマンは今でも忘れられない。

(あれは……恥だった)

 自分が馬鹿にされた、と感じた。
 皆が「さすがだ」と褒める中で、自分だけが子どものように叱られた気がした。

 周囲の視線。
 小さく口元を歪める貴族。
 気まずそうに視線を逸らす家臣。

 全部、アルマンのプライドを刺した。

 その後も、レティシアは遠慮なく口を出した。

『それでは財政が持ちません』
『その徴税は、地方の不満を増やすだけです』
『殿下、その人選は危険です。周囲が“イエスマン”ばかりになってしまいます』

 正しいのはわかっていた。
 彼女の指摘は、いつも数字と現実に裏付けられていた。

(だけど――面白くなかった)

 自分の愚かさを突きつけられるたびに、胸の奥がざわめく。
 怒りと、恐怖と、焦りがぐちゃぐちゃに混ざり合う。

 彼女の鋭さは、刃物だった。

 優しく手を伸ばしてくるくせに、その掌には常にナイフが握られている。
 笑っていても、その目は「王太子殿下、あなたはまだ何もわかっていませんね」と言っているようだった。

(あいつがいると、いつも“自分の底”を見透かされている気がした)

 だからこそ、王妃派の貴族たちが「レティシアを切れ」と囁いたとき、アルマンは抵抗しなかった。

『殿下には、もっと優しく従順な妃がふさわしい』
『ヴァロワ嬢は賢すぎます。賢い女は、時に王を蝕みます』

 そう言われるたびに、彼の中の恐怖が「正当化」されていった。

(そうだ。
 あの女は危険だ。
 いつかきっと、私の足を引っ張る。
 だから――切り捨てて正解なんだ)

 婚約破棄を宣言したあの日。

 彼は、自分を正しいと思っていた。

 王宮中の視線が集まる中、「君のような冷酷で傲慢な女を未来の王妃にはできない」と言ったとき。
 レティシアが泣き崩れるか、怒鳴り返してくるか、そういう未来しか想像していなかった。

 ところが。

(あいつは、笑った)

 皮肉げな、諦めと怒りを混ぜたような笑み。
 あの笑みは、アルマンの中の何かをぐしゃりと握り潰した。

 そして、あの後――。

「殿下、最近のヴァロワ嬢の動きですが」

 側近の報告が、現実に思考を引き戻す。

「……何だ」
「表向きは体調不良で社交界への顔出しは減っておりますが、
 裏ではロジェ商会との取引が増えております。
 また、王都の一部で“謎の食糧供給”が行われており、その資金源がヴァロワ家ではないかとの噂も」

 アルマンは、机の上のペンを強く握った。

「婚約破棄された女が、大人しくお城の片隅で泣いていればいいものを……」

 なぜ、あいつはあれほど堂々としていられるのか。

 先日のお茶会でも、彼女は涼しい顔で皮肉を飛ばした。
 あれは、“負けを認めた女”の態度ではない。

 そして今、勝手に金を動かし、民衆に恩を売ろうとしている。

(まるで、“王太子の代わり”を気取っているみたいじゃないか)

 胸の奥がざわつく。
 それは、怒りだけではない。

 悔しさ。
 羨望。
 そして――理解されたくない部分を見られ続けてきた相手への、奇妙な執着。

「……監視をつけろ」

 アルマンは、低く命じた。

「ヴァロワ邸の出入り、王都での動き。
 すべて報告させろ。
 あいつがどこで何をしているのか、知らずにいるのは気分が悪い」

「承知しました、殿下」

 側近が頭を下げる。

(これは“牽制”だ。
 脅しておけば、変な動きはできなくなる)

 そう自分に言い聞かせる。

 だが、本当は――。

(……気になって仕方がないだけだろ)

 胸の奥で、小さな声が笑った。
 アルマンは、かき消すように、ペン先を紙に押し付けた。



「……尾行、ねぇ」

 数日後。

 レティシアは、ヴァロワ邸のバルコニーで紅茶を飲みながら、街路の向こうを眺めていた。

 公爵家の門の向こう。
 少し離れたところに、同じ型の帽子に同じ色のコートを着た男たちが、日替わりで立っている。

 視線は決してこちらには向けない。
 だが、通りかかる馬車や使用人の動きにはやたらと敏感だ。

「お嬢様、やっぱり……」

 クロエが不安そうに眉を寄せる。

「うん。見事に“仕事してます”って顔してるわね、あれ」

 レティシアは、カップの縁を指でなぞった。

「王太子派の私兵かしら。
 制服を着てこないあたり、“バレてませんよ”アピールのつもりなんでしょうけど」

 ギルバートが後ろで静かに頷く。

「ここ数日、王都の各所でも同じ動きが。
 お嬢様がロジェ商会と接触されるタイミングに合わせて、周辺の見張りが増えているようです」

「テオのほうは?」
「文書局への出入りは、今のところ怪しまれてはおりません。
 ただ、王太子派の文官が帳簿を見返す頻度が上がっているとの報告がありました」

 レティシアは、くすっと笑った。

「ふうん。“私の動きに気づいている”ってアピールをしたいのね、殿下」

 クロエが思わず漏らした。

「こ、こんなに堂々と監視なんて……性格悪すぎません?」
「王族ってそういう生き物よ。
 “自分を批判する存在”は全部危険物扱い。特にアルマン殿下は、その傾向が強いわ」

 別に、それ自体は理解できる。

 彼は「間違ってはいけない」と育てられた。
 だから、「あなたは間違っている」と言ってくるレティシアが怖いのだ。

(……まあ、その怖さを“自分の成長に使う”ルートは選ばなかったわけだけど)

 その結果が、今これである。

「どうされますか、お嬢様」

 ギルバートの問いに、レティシアは少し考えた。

「そうね……“泳がせる”」

「泳がせる?」

「せっかく無料で“王太子派の動きの癖”を観察できるんですもの。
 どのタイミングで見張りを増やして、どんな噂から動いて、どれくらいで報告が上に上がるのか。
 ――全部、データよ」

 テオが聞いたら喜びそうな言葉だ。

 ギルバートが、わずかに口元を緩める。

「無茶はなさらぬように」
「無茶はしないわ。無茶“は”ね」

 さらっと言ったところで、背後からもうひとつ、低い声がした。

「本当にそうか?」

 レティシアが振り向くと、そこにはシャルルが立っていた。

 公爵家への公式訪問、という体裁でやってきた第二王子は、いつもの冷静な瞳でバルコニーの外を見やる。

「王太子派の兵は、すでに三日連続で配置かえをしている。
 あれは、“本気でお前をマークし始めた”というサインだ」

「殿下、よく見てらっしゃいますね」

 レティシアは肩をすくめた。

「お気づきの通り、“ちょっとした監視”は始まっているみたいですわ」

「“ちょっとした”で済むうちに手を引けばいいものを」

 シャルルの声には、わずかに苛立ちが混じっていた。

「お前は、わざわざ火のそばに近づいていく」

「だって、火がつくのがわかってて何もしないでいるほうが、よっぽど怖くないですか?」

 レティシアは、バルコニーの手すりに寄りかかり、王都の屋根を見下ろした。

「あの日、市場で“パンがなくて暴れかけた人たち”の顔、殿下もご存じでしょ」
「……ああ」

 シャルルも、現場に視察に行っていたらしい。
 テオ経由で聞いた話と、実際に見たものが、彼の中で重なっているはずだ。

「何もしなければ、あの顔がもっと増える。
 もっと膨れ上がる。
 そのうち、誰にも止められなくなる」

 レティシアは、自分の指先を見つめた。

「私がやっていることは、“せいぜい数年先送りにしているだけ”かもしれない。
 革命そのものを止められる自信は、正直ないです」

「……認めるのか」

 シャルルの問いは、静かだった。

「ならなおさら、自分の首だけでも守ろうとは思わないのか」

「思いますよ?」

 レティシアは、あっさり答えた。

「怖いし。
 処刑台なんて乗りたくないし。
 できれば平穏に一生を終えたいです」

「なら――」

「でも、“何もしなかった私”が処刑台に立つ未来のほうが、もっと嫌なんです」

 シャルルが、言葉を失う。

 夕方の光が、二人の横顔を照らしていた。

「今さら大人しくしてたら、本当に何も変わらない。
 “王太子の元婚約者として静かに余生を”なんてルート、私はごめんですわ」

 レティシアは、笑いながらも、その瞳に炎を宿していた。

「だから殿下。
 “無茶をするな”って言うなら――
 せめて、“無茶が少しでも成功しやすくなる情報”をくださいな」

 シャルルは、呆れたように息を吐いた。

「本当に、お前は……」

 言いかけて、ぴたりと口を閉じる。

 レティシアが、バルコニーの段差でほんのわずかにつまずいたのだ。

「わっ」

 思わず足が滑り、体が前に倒れかける。
 その瞬間、シャルルの手が反射的に伸びた。

 細い手首を掴む。
 ぐい、と引き寄せる。

 レティシアの体が、シャルルの胸にぶつかった。

 近い。
 仮面も礼服もない、素の距離。

 胸板の固さ。
 香水ではない、シャルル自身の匂い。
 鼓動の音。

 全部が、一瞬でレティシアの五感を支配した。

「……っ」

 息が喉に引っかかる。

 シャルルも、はっとしたように手を離した。

「すまない。大丈夫か」
「だ、大丈夫、です……」

 声がわずかに上ずる。
 自分の反応に、逆に焦る。

 変な沈黙が落ちた。
 クロエが見ていないかと一瞬だけ不安になり、視線を向けると、ギルバートにうまく遠ざけられているのが見えた。

(……やるわね、ギルバート)

 心の中で親指を立てながらも、頬の熱は引かない。

 シャルルが、少しだけ視線を逸らしながら口を開く。

「……お前が落ちて死なれたら、国としても困る」
「それ、かなり遠回しな“心配してる”ですよね?」
「違う。
 “国益の問題だ”と言っている」

 そう言いつつも、その声にはわずかな照れが混ざっていた。

(ずるいな、この人)

 レティシアは、仮面のように微笑みを貼りつけた。

「では、“国益のために”、私の無茶に付き合ってくださいませ、殿下」
「可能な範囲で、だ」

 その言葉は、もう半分以上“約束”になってしまっている。

 二人の間に流れる空気は、まだ恋と呼ぶには遠い。
 でも、敵でも他人でもない、“同じ方向を見ている誰か”としての温度を帯び始めていた。



 その頃。

 王太子アルマンの執務室では、別の温度の会話が交わされていた。

「――ヴァロワ嬢の周辺での不可解な動きが、さらに増えております」

 側近が、羊皮紙を机に広げる。

「ロジェ商会を通じた食糧の流れ。
 貧民街での匿名の支援。
 さらに、第二王子殿下と頻繁に接触しているという噂も」

 アルマンの指先が、ぴくりと動いた。

「シャルルと?」

「はい。
 中庭で二人きりで話していたという目撃談も複数。
 ……殿下、これは“王家内の力関係”にも影響を与えかねません」

 室内の空気が、じわじわと重くなる。

(“私を批判した女”が、今度は“第二王子と組んで何かしている”かもしれない――)

 そう考えるだけで、アルマンの胸は焼けつくようだった。

 自分が切り捨てたはずの駒が、別の盤面で生き生きと動き始めている。
 しかも、それが自分の弟と絡んでいる。

 プライドが、許さなかった。

「……面白くない」

 アルマンは、低く呟いた。

「ヴァロワ嬢がやっていることが、“正しい”か“間違っている”かなど、今はどうでもいい。
 あいつが私の知らないところで力を持つこと自体が、我慢ならない」

 側近は、黙って頭を垂れた。

「では、殿下。どうなさいますか」

 アルマンは、しばらく黙っていた。

 窓の外には、夕暮れの王都。
 そのどこかで、レティシアがまた“自分の知らない顔”で笑っているかもしれない。

(あいつは、“私の未来”に口を出す女だ)

 だからこそ、怖い。
 だからこそ――排除したい。

「……“完全に潰す機会”を用意しろ」

 静かな声だった。

 側近が顔を上げる。

「ヴァロワ公爵家に“逆らいの証拠”を貼り付ける場を作れ。
 私に楯突いた、と公に言える理由が欲しい」

 アルマンの瞳は、燃えるような青だった。

「二度と私の前で、そんな目で笑えなくなるようにしてやる」

 その呟きは、誰にも聞こえないように、小さく。

 ――だが確かに、崩壊予定のタイムラインに、新しい危険な分岐を刻み込んでいた。
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