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第14話 「崩壊寸前の王都と再会」
しおりを挟むアルストリア王都が見えてきたとき、レイアは思わず息を呑んだ。
遠目にも、それは“かつて自分が守っていた場所”の姿ではなかった。
外壁の一部は黒く焦げ、ところどころ石がごっそり抉られている。
城門に至っては、かつて誇り高くそびえていた両開きの扉が跡形もなく、代わりに急造の木柵とバリケードが組まれていた。
近づくにつれて、匂いが変わる。
焦げた石の匂い。
壊れた家の瓦礫の粉っぽさ。
人の汗と、不安と、疲労が混ざった、重たい空気。
「……ひどい」
馬車の窓から身を乗り出すようにして、レイアは呟いた。
城門前の広場には、避難民らしき人々が溢れている。
荷車に家財道具を積み上げた者、薄い毛布に包まれたままぐったりしている子ども。
顔に包帯を巻いた男たちが、仮設の焚き火の前で無言のまま座り込んでいた。
あちこちで泣き声が上がり、誰かが誰かをなだめる声がかぶさる。
それを上書きするように、遠くから聞こえてくるのは――城壁の上で怒鳴り合う兵士たちの声。
「……レイア」
向かいに座るレオンが、静かに名前を呼ぶ。
レイアは、ぎゅっと膝の上で拳を握りしめた。
「私がいた頃は……こんなんじゃなかった」
声が震える。
「城門、こんなふうに壊れてなかった。
避難民だって、こんなに大量にはいなかった。
魔物は確かに増えてたけど、まだ抑えられてたはずで――」
言葉の途中で、喉が詰まる。
(あのとき、追放じゃなくて)
(話し合えていれば)
「王太子の婚約者を守れなかった失態だ」と切り捨てられたあの日。
感情的な糾弾の場ではなく、冷静な議論の場があれば。
魔物の動きが不穏になっているという話を、ちゃんと耳を傾けてくれる相手がいたなら。
「……違ってたのかな」
ぽつりと漏れた独り言。
レオンは、ほんの短い沈黙のあと、低く答えた。
「“もし”を数え出したら、終わらねえ」
「……うん」
「でも、今ここにこうなっている“現実”は、王太子と側近どもの判断の結果だ」
レオンの金の瞳が、壊れた城門を鋭く射抜く。
「お前一人のせいにするには、規模がでかすぎる」
その言い方は、相変わらず容赦がなくて、逆に救いだった。
胸の中で渦を巻く“自責”の渦を、ひと言でぶった斬られた気がする。
「……でも」
それでも、レイアは視線を逸らせなかった。
傷ついた壁。
うずくまる人々。
かつて自分が守ると誓った街。
静かに、悔しさが喉元までこみあげてくる。
(あのとき、“庶民のくせに”とか、“ここまで上り詰めただけで褒めてやるよ”なんて言葉じゃなくて)
(“どうすれば国を守れるか”って話ができてたら)
飲み込んだ悔しさは、鋭い刃みたいに胸の内側を傷つける。
レオンは、それを知ってか知らずか、窓から視線をそらし、淡々と言った。
「――行くぞ。お前の“今”の役目は、後悔を数えることじゃない」
「……うん」
レイアは、深く息を吸い込んだ。
冷たい空気が肺に入り、その冷たさが、ぐちゃぐちゃになりかけた感情を少しだけ整えてくれる。
◇ ◇ ◇
城門を通る黒狼騎士団の列に、アルストリア側の兵士たちの視線が集中した。
獣耳。尾。爪。
黒いマントに刻まれた狼の紋章。
恐れと警戒と、ほんの少しの期待が混じった視線。
「獣人が……」
「本当に、ザルヴェルが援軍を……」
ひそひそとした声が、あちこちから聞こえてくる。
その中に、“見覚えのある鎧”があった。
白銀のプレート。
胸にはアルストリア騎士団の紋章。
肩には、かつてレイアと同じ部隊にいた証の刺繍。
男は、行列を見送る兵の中で固まったように立ち尽くし、レイアの姿を認めると、目を見開いた。
「レ……レイア?」
微かにかすれた声。
レイアは、声につられその顔を見た。
頬に刻まれた疲労の線。
わずかに白くなったこめかみの髪。
それでも、瞳の色は変わっていない。
「……カイル隊長」
思わず、昔の呼び方が口をついた。
男――カイルは、驚愕と、どこか申し訳なさそうな顔を同時に浮かべた。
「お前……本当に、生きて……」
何か言いかけて、言葉を呑み込む。
レイアは、その続きがなんとなくわかってしまった。
(“生きていてくれて、よかった”って言いたい顔だ)
でも、今ここでその言葉を受け取る余裕はなかった。
胸が、苦しくなりすぎる。
代わりに、短く答える。
「お久しぶりです、隊長。
……今は、“ザルヴェルのレイア”です」
それだけ。
カイルは、一瞬悲しそうに目を伏せ、それから小さくうなずいた。
「――そうか」
それ以上、彼は何も言わなかった。
それが、今の距離なのだと思う。
◇ ◇ ◇
王城の中に足を踏み入れた瞬間、レイアの中の時間が、ぐらりと揺れた。
見慣れた石の壁。
高い天井。
装飾過多な柱。
壁に掲げられた王家の紋章。
全部、知っている。
けれど――そこに漂う空気だけは、見知らぬものだった。
焦燥。
不安。
崩壊寸前の建物の軋む音みたいな、かすかな不協和音。
「レイア」
横を歩くレオンが、さりげなく肩の位置を合わせてくる。
歩調も、ほんのわずかに遅くなった。
「……平気?」
「平気じゃないけど、歩ける」
「いい答えだ」
短い会話。それだけで、少しだけ足に力が戻る。
謁見の間へと続く廊下は、あの日と同じだ。
石畳の冷たさも、壁に並ぶ肖像画も、天井から下がるシャンデリアも。
違うのは――自分の隣を歩いているのが、王太子でも、騎士団長でもなく、黒狼王だということ。
大広間の扉が重々しく開かれる。
かつて、自分に「聖騎士失格」を告げた場所。
レイアは、無意識に一度だけ息を止めてから、その中に足を踏み入れた。
◇ ◇ ◇
謁見の間。
以前は、豪奢で、いかにも「輝く王都の心臓」という顔をしていたそこは――今は、どこかやつれて見えた。
赤い絨毯には、何度も踏まれた跡が黒く残り、
壁のタペストリーには薄い煤がかすかに付いている。
天井の装飾も、よく見るとところどころ欠けていた。
玉座には国王はおらず、その一段下に設えられた席に、王太子セルジオが座っている。
金の髪は以前よりも乱れ、顔色は悪い。
目の下の隈も深く、しかし、纏っている衣だけは相変わらず華やかだった。
その隣――少し距離を空けた位置に、アリシアが座っている。
淡いピンクのドレス。
包帯はもう巻かれていない足。
以前より少し痩せたようにも見えるが、その顎の角度は高く、プライドだけは健在だ。
その手前に、内政を担う重臣たちが控えている。
レイアとレオン、黒狼騎士団の代表たちが赤い絨毯の上を進むと、ざわ、とざわめきが起きた。
「獣人が……玉座の間に……」
「黒狼王か」
「噂以上の圧だな……」
ひそひそと囁き交わす声。
レイアはその少し後ろ、レオンの斜め後ろに立った。
視界の端で、セルジオの顔が見える。
あの日、自分に冷たい言葉を投げつけた男。
その表情は、今は――
「よく来てくれたね、レオン陛下」
セルジオは、ぎこちない笑みを浮かべた。
「遠路はるばる、我が国の窮状に手を差し伸べてくださったこと、感謝する」
口調は丁寧だが、声の奥には焦りが滲んでいる。
レオンは、短く頷いただけだった。
「状況は、外を見れば一目でわかった」
低く、よく通る声。
「魔物の被害。崩れた城門。避難民の数。
――“本気で手遅れ寸前”ということもな」
露骨な言い方に、一部の貴族が顔をしかめる。
セルジオの笑みが、わずかに引きつった。
「……耳が痛い」
「なら耳掃除から始めるんだな」
「っ……」
リリスが後ろでこっそり口元を押さえて笑いを堪えているのが、レイアにもわかった。
セルジオは、視線をレオンから逸らし――レイアの方に向けた。
「――レイア」
その名を呼ぶ声に、レイアの身体がびくりと反応する。
ゆっくりと顔を上げる。
金の瞳と、かつて自分が仕えていた男の瞳が、空中でぶつかった。
「よく……」
セルジオは一瞬言葉を探し、ぎこちなく笑った。
「よく戻ってきたね」
その言葉は、“再会を喜ぶ旧友”を装っていた。
しかし、その目の奥には、打算と計算しかない。
(知ってる)
何年も仕えてきた。
この男が、「自分にとって価値のあるもの」にしか興味を示さないことも、よく知っている。
セルジオの視線は、“自分が切り捨てたものが思った以上に価値があったので、拾い直したい”という、あまりにもわかりやすい光を宿していた。
「元気そうで、安心した」
今さら、よくもそんなことを言える。
「お前のような優秀な聖騎士を失ったことが、この国にとってどれほどの痛手だったか……今さらながら思い知らされているところだ」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で、どす黒い何かがゆらりと揺れた。
(じゃあ、なんで――)
あの日どうして、あんな形で切り捨てた。
どうして、自分の口で、自分の責任を認めようとしない。
レイアの喉の奥に、言葉が噛みついたようにひっかかる。
そこへ、横から甘い声が割り込んできた。
「まあ」
アリシアが、扇子で口元を隠しながら微笑む。
「本当に、戻ってきたのね。レイア」
「……アリシア様」
名前を呼ぶ声が、少しだけ震えた。
かつて守ろうとした“王太子妃殿下”。
今は、その視線に、ただひたすら冷たいものしか感じない。
「あなた、私を守れなかったこと――まだ、気にしてるのかしら?」
軽く首をかしげて、アリシアは嫌味を滲ませる。
「あなたがちゃんとしていれば、こんな怪我、しなくて済んだのにね」
足首を指先でなぞる。
そこにはもう傷跡らしいものは見当たらない。それでも、彼女は“被害者”の仮面を外さない。
「でも、許してあげてもいいのよ?」
薄く笑う。
「こうして戻ってきて、“国のために働きます”って頭を下げるなら。
“ザルヴェルに逃げたのは、一時の気の迷いでした”って言えば――」
その瞬間、レイアの中で何かがぷつ、と切れかけた。
喉元まで込み上げてきた反論。
“逃げたんじゃない。捨てられたんだ”という言葉。
“国のためじゃなく、人のために剣を振るう”と決めた決意。
全部、口から飛び出しかけて――
その前に、もっと低く鋭い声が大広間を切り裂いた。
「――それ以上、言葉を重ねるな」
レオンだった。
彼は、一歩前に出ていた。
黒いマントが揺れ、金の瞳がまっすぐセルジオとアリシアを射抜く。
「彼女はザルヴェルの客人であり」
ひとつ、言葉を区切る。
「俺の護るべき者だ」
静かに、しかし絶対の圧を込めて告げる。
大広間の空気が、一瞬で変わった。
さっきまでレイアに向けられていた、見下すような視線の流れが――
一斉にレオンに向かう。
獣人の王。
“黒狼王”の呼び名の通りの、獣の殺気を纏った男。
その視線には、“怒り”がはっきりと宿っていた。
「二度と」
レオンは、低く続ける。
「彼女に、不当な言葉を向けるな」
静かなのに、雷鳴みたいな一言だった。
セルジオの表情が凍る。
アリシアは、一瞬で青ざめた。
「な、何を――」
「誤解なさらないでいただきたいわ、陛下。私はただ――」
「“守れなかったのを気にしているのかしら”」
レオンは、アリシアの言葉を正確に繰り返した。
「“私を守れなかったあなたが悪い”」
淡々と、ひとつずつなぞる。
「それは、“魔物の群れに突っ込んだ自分の行動”を棚に上げた言い草だ」
アリシアの顔から、完全に血の気が引いた。
セルジオが、鋭く眉をひそめる。
「黒狼王レオン」
声に苛立ちが混じる。
「その言い方は――」
「事実だろう」
レオンは、遮るように言った。
「俺は情報を持っている。
森の中での出来事。
婚約者が命令を無視して危険地帯に入ったこと。
“致命傷は防いだのに、足の傷だけを責められた聖騎士が切り捨てられた”こと」
リリスの集めた情報だ。
カインが運んだ断片。
それらを、レオンはちゃんと把握している。
「王太子」
レオンは、今度はセルジオをまっすぐに見据えた。
「お前たちが、彼女をどう扱ってきたか。
それを知らないでここに来たと思うのか?」
セルジオの喉が、ごくりと動く。
レイアは、その横顔を見ながら、胸の奥が熱くなるのを感じていた。
誰かが、自分のために――
自分の尊厳のために――
真っ向から怒ってくれている。
そんなこと、今まで一度もなかった。
「ここはアルストリア王国であり、我々が――」
「だからこそ、だ」
レオンは、王太子の言葉をまたしても遮る。
「“国だから”といって、何を言っても許されると思うな」
その声音には、過去に自分が味わってきた理不尽への怒りも滲んでいる気がした。
「彼女は今、ザルヴェルの人間だ。
俺の国で、俺の民として扱われている」
ぐっと、言葉に力を込める。
「俺は、自分の民が侮辱されるのを黙って見ている王じゃない」
その宣言が、雷みたいに大広間に響いた。
重臣たちが息を飲む。
貴族たちは顔色を変え、兵士たちは思わず背筋を伸ばす。
セルジオは、一瞬言葉を失った。
アリシアは、扇子を握る手を震わせている。
――そして、レイアは。
レイアは、自分の胸の内側から溢れてくる熱をどうすればいいかわからなかった。
(こんなふうに、“レイア”って一人の人間として怒ってもらえるなんて)
追放を言い渡されたあの日。
誰かが、自分のために声を上げてくれることを、心のどこかで期待していた。
ロイク団長が握りしめた拳。
何か言いかけて飲み込んだ騎士たち。
でも、誰も言えなかった。
王太子に逆らえば、自分も切り捨てられる。
そんな空気が、王宮全部を支配していた。
だから、レイアは諦めた。
“自分は捨てられる側なんだ”と。
“庶民で、女で、聖騎士としても失敗したんだから、仕方ない”と。
(それなのに)
ザルヴェルの黒狼王は、当たり前みたいな顔で――
王太子の前で、王太子妃の前で、堂々と怒ってくれる。
“お前の扱いは間違っている”と。
“彼女は俺の守るべき者だ”と。
喉の奥が、きゅっと締め付けられる。
視界が、じわりと滲んだ。
「レイア」
隣から、レオンの低い声がした。
気づけば、彼はわずかに身を引き、レイアのほうへ体を向けていた。
「お前は黙っていていい」
金の瞳はまっすぐだ。
「ここは、俺が噛みつくところだ」
レイアは、思わず笑ってしまいそうになった。
泣きそうなくせに、笑いたくなるようなことを平然と言う。
たぶん、この人はこういうとき、「守りたい」と思ったもの全部を自分の牙で囲い込んでしまうのだ。
――それがどれくらい、救いになるのかを知らないまま。
「……レオン」
レイアは、震える声で名前を呼んだ。
ありがとう、が喉まで出かかった。
でも、ここはザルヴェルじゃない。
アルストリアの謁見の間の真ん中だ。
感情をそのまま言葉にしてしまうには、少しだけ勇気が足りない。
代わりに、ぎゅっと拳を握る。
その小さな動きを、レオンは横目でちらりと確認し、ほんのわずかに口角を上げた。
「交渉を続けよう」
レオンは、セルジオに向き直る。
「お前たちが望んでいるのは、“魔物災害の収束”と、“国の存続”だ」
「……ああ」
セルジオは、かろうじて頷く。
「俺たちが望んでいるのは、“うちの民の安全”と、“ザルヴェルの利益”だ」
きっぱりとした言葉。
「その上で、“レイア・グレイに対する一切の権利放棄”が条件だと、書簡にも送ってあるはずだが」
「……確認している」
横でバルドゥール老侯爵が渋い顔で答える。
「それについては、改めて協議を――」
「協議の余地はない」
レオンは断ち切った。
「条約にサインできないというなら、俺たちは今ここで踵を返す」
静かだが残酷な選択。
大広間に、張り詰めた沈黙が落ちる。
セルジオは、ちらりとレイアを見た。
その視線には、「ここで“王太子のために残ります”と言えば許してやる」という、あまりにも透け透けの打算が見える。
レイアは、その視線から目を逸らさなかった。
「殿下」
自分でも少し驚くほど、声は平らだった。
「私は、アルストリアの“聖騎士”ではありません」
その一言で、セルジオの表情が変わる。
「今の私は、ザルヴェルのレイアです」
胸に手を当てる。
「ザルヴェルの人間として、アルストリアの人々を助けたい。
――それが、今の私の意思です」
アリシアが、信じられないものを見るような顔をした。
「ザルヴェルの……?」
「そうだ」
レオンが静かに言葉を添える。
「彼女自身がそう言っている。
だが、“アルストリアの民を助けたい”とも言っている」
その言葉を、大広間にいる全員が聞いている。
「この状況で、レイアに対する権利にしがみつくなら」
レオンの声が低くなる。
「それこそ、“国を捨てている”のは、お前たちのほうだ」
セルジオの喉が、ごくりと鳴る音が聞こえた気がした。
バルドゥールが何か言いかけ――その前に、セルジオが小さく息を吐いた。
「……わかった」
薄く笑う。その笑みから、プライドの欠片を削り取られていくのがわかる。
「レイアに対する権利放棄の条項に、サインしよう」
アリシアがはっとセルジオを見た。
「殿下……っ」
「国を守るためだ」
セルジオは、硬い声でそう言った。
「この状況で、“一人の女騎士”の身分に固執していられる余裕はない」
“身分に固執していたのは誰だ”とツッコミたい気持ちが喉まで来たが、レイアは飲み込んだ。
今は、勝つために噛みつく場面じゃない。
(それでも)
胸の奥に広がる感情は、悔しさだけじゃなかった。
誰かに「守るべき者」だと言われ、
誰かに「もうお前の所有者ではない」と突きつけられ、
その結果として――初めて、自分の足でこの場に立てている。
長い夢から、やっと醒めた気がした。
崩壊寸前の王都。
ひび割れた王宮。
その真ん中で、黒狼王と元聖騎士は、二つの国の間に一本の線を引いた。
――どちらか一方に飲み込まれるための線ではなく。
二つの国を繋ぐための、細くて強い線を。
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