5 / 20
第5話:妖精社会の入口、王の影
しおりを挟む朝の森は昨日より静かで、静かさが逆に怖かった。
鳥の声が遠いのは同じなのに、今日は“森が息を潜めている”感じがする。
焚き火の残り火を土で消して、セリアは煤のついた指先を見つめた。
手が汚れている。爪の間に土が入っている。
でも、それが嫌じゃなかった。
昨日までは、手が汚れるのが怖かった。
今は、汚れている=今日も生きている、って証みたいに思える。
「行こ」
ルゥシェが言う。
「今日は、境界の奥。君に見せたい場所がある」
「見せたい?」
セリアは眉を上げた。
ルゥシェが“見せたい”なんて言うのは珍しい。
「うん」
ルゥシェはあっさり頷く。
「妖精の集まり。……と言っても、パーティーじゃないけど」
「妖精の集まりって、怖いやつ?」
「人間がいると、警戒はする」
ルゥシェは淡々と言った。
「君も、僕も。契約したとはいえ、まだ信用は通貨になってない」
通貨。
この妖精、なんでも通貨に例えるのかな。
セリアは苦笑しながらも、その言い方が妙に分かりやすいことに気づく。
信用は、持ってないと何も買えない。
世界が変わっても、それだけは変わらないのかもしれない。
森を歩く。
今日は霧が薄く、木漏れ日が葉の間から刺さる。
光はあったかい。
一昨日の王城の光みたいに嘘っぽくない。
途中、甘い匂いが強くなった。
蜂蜜のような、花のような、でも金属っぽい。
セリアは反射で息を止めた。
「これ、境界の匂い?」
「そう」
ルゥシェは足を止め、指で空気を掬うような仕草をする。
「甘くなるほど、線が薄い。人間の常識が薄い。……まあ、君の常識も薄いけど」
「うるさい」
セリアが睨むと、ルゥシェは楽しそうに笑った。
歩いているうちに、地面が少しずつ変わった。
湿った土の匂いが薄れ、代わりに石の匂いが混ざる。
苔の匂い。古い井戸の匂い。
森の奥に、何か“人が作ったもの”がある。
やがて木々の間から、朽ちた石門が見えた。
巨人の骨みたいに折れたアーチ。
表面に刻まれた模様は、文字なのか紋章なのか分からない。
蔦が絡まり、苔が張り付き、時間が皮膚みたいに厚くこびりついている。
「……遺跡」
セリアが呟くと、ルゥシェは頷いた。
「そう。石門の遺跡」
「誰が作ったの?」
「知らない。人間かもしれないし、妖精かもしれないし、もっと古いやつかもしれない」
ルゥシェはさらっと言う。
「でも今は、妖精たちの“集まる場所”」
石門の内側へ足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
音が少しだけ柔らかくなる。
風の流れが違う。
匂いが甘く、そして清い。
――いる。
セリアは直感する。
視界に見えなくても、いる。たくさん。
「……誰かいる?」
小声で言うと、ルゥシェは同じくらい小声で返す。
「いるよ。見えてないだけ」
「え」
「君、まだ目が慣れてない」
ルゥシェが指を鳴らす。
ぱちん、という音が小さく響いた。
次の瞬間、空間に“粒”が生まれた。
光の粉。
それがふわふわ浮きながら、遺跡の広場を淡く照らす。
すると――見えた。
石門の影。苔の上。崩れた柱のてっぺん。
そこに小さな影が、いくつも。
人型だったり、獣みたいだったり、虫みたいだったり。
羽があるもの、尻尾があるもの、肌が木目みたいなもの。
大きさも様々で、指先程度のものから、セリアの腰くらいまでのものもいる。
妖精たちだ。
その瞬間、ざわりと空気が揺れた。
視線が刺さる。
王城の貴族の視線とは違う。
もっと生々しくて、もっと鋭い。
“捕食する側の視線”に近い。
セリアは背中が冷えた。
一歩引きそうになって、踏みとどまる。
ここで引いたら、また追放される気がした。
妖精のひとりが、尖った声で言った。
「人間だ」
別の妖精が言う。
「臭い」
また別の妖精が笑う。
「落ちてきたの? また?」
“また”。
人間はよく落ちてくるんだ。境界に。
ルゥシェが言っていた。
その“また”が、過去に死んだ誰かを連れてくるみたいで、胸が痛い。
「……ルゥシェ」
セリアが小さく言うと、ルゥシェは一歩前に出た。
セリアと妖精たちの間に、薄い壁みたいに立つ。
「怖がらせないで」
ルゥシェの声は軽い。
でも、目は硬い。
あの嘘を許さない目だ。
妖精たちがひそひそと囁き合う。
「ルゥシェだ」
「また変なの拾った」
「契約したのか?」
契約。
その単語が出ると、空気の温度がほんの少し下がる。
妖精たちにとって、契約は軽くない。
遊びじゃない。
ルゥシェが昨日言っていた通り、“怖いのに選ぶもの”。
ルゥシェは振り返りもせずに言った。
「セリア、動かないで」
「……うん」
声が震えそうになって、セリアは唇を噛んだ。
妖精のひとり――羽の透けた、小さな女の子みたいな妖精が近づいてきた。
目は大きく、瞳の色が変わる。緑から青へ、青から金へ。
気分で変わるのかもしれない。
「ねえ、ルゥシェ」
その妖精は甘ったるい声で言う。
「その人間、何を持ってるの? 奪う? 奪われる?」
セリアの胃がひゅっと縮んだ。
奪う。奪われる。
この世界では、それが普通の会話なの?
ルゥシェは即答した。
「奪わない」
「ほんとに?」
「ほんと」
「嘘ついてない?」
「嘘ついてない」
羽の妖精はセリアを見た。
まるで値札を見るみたいに、上から下まで目で撫でる。
「人間って、嘘つくじゃん」
「……」
セリアは返せない。
嘘つく。
確かに人間は嘘をつく。
セリアも、昨日まで嘘をついていた。
平気なふり。怖くないふり。負けてないふり。
「人間は嘘をつく」
ルゥシェは淡々と言った。
「でも、この子は今は嘘をつかない。少なくとも、僕に」
羽の妖精は口を尖らせる。
「ルゥシェがそう言うなら……でもさ、信用ってどうやって払うの?」
信用を払う。
やっぱり通貨なんだ。
ルゥシェは、ほんの少しだけ息を吐いた。
そして、はっきり言った。
「この子は奪わない。嘘をつかない」
一語一語、石みたいに重い。
「それが、僕の保証」
保証。
ルゥシェが、セリアを“商品”みたいに扱っているわけじゃない。
妖精社会で通る言葉に翻訳してくれている。
そのことが分かって、セリアは胸が熱くなった。
でも同時に怖い。
ルゥシェの保証が崩れたら、私は終わる。
信用はお金と同じで、一瞬で溶ける。
妖精たちのざわめきが少し落ち着いた。
完全には消えない。
警戒は残る。
けれど、“今すぐ食われる”感じは薄れた。
「……こっち」
ルゥシェがセリアに手招きする。
遺跡の奥へ進む道があるらしい。
石の階段。崩れかけた壁。
その先に、広い窪地が見えた。
水がある。
小さな池。
水面は鏡みたいに静かで、空を映している。
周囲には石が並び、自然と円になっていた。
集会場。
儀式の場。
そんな雰囲気が漂う。
妖精たちは池の周囲に散って、セリアを遠巻きに見る。
セリアは、視線に背中を刺されながら池の縁に立った。
水面を覗くと、自分の顔が映る。
土で汚れた頬。ぼさぼさの髪。
王城の“令嬢”じゃない。
生き延びた人間の顔だ。
「ここ、落ち着くね」
セリアが呟くと、ルゥシェは鼻で笑った。
「人間の城よりはね。ここは嘘が少ない」
「嘘が少ないって、嘘はあるんだ」
「あるよ。妖精だって嘘はつく」
ルゥシェはさらっと言う。
「でも、嘘をつく理由が違う。人間は奪うために嘘をつく。妖精は守るために嘘をつくことがある」
守るための嘘。
それは、少しだけ羨ましい。
日が暮れていった。
遺跡の上に空が広がり、朱から藍へ、藍から黒へ変わっていく。
妖精たちは夜のほうが元気になるらしく、光の粒が増え、囁きが増える。
それは歌みたいに聞こえた。意味は分からないのに、胸に響く音。
セリアは池の縁に座り、膝を抱えた。
水面に映る月が、だんだんはっきりする。
月が落ちてくるみたいに、世界が静かに冷えていく。
ルゥシェは少し離れた石の上に座っていた。
小さな背中。
でも、そこにいるだけでセリアの呼吸が楽になる。
「ねえ」
セリアは言った。
「ルゥシェって、ここの妖精たちと仲良いの?」
「普通」
「普通って何」
「嫌われてない。好かれてもない」
ルゥシェは肩をすくめる。
「僕、どこでもそう」
その言葉に、セリアの胸がちくりと痛んだ。
ルゥシェの寂しさが、薄く滲む。
昨日の夜よりは小さいけれど、確かにそこにある。
「……私は、ルゥシェのこと嫌いじゃない」
セリアは思わず言った。
言ってから、恥ずかしくなる。
急に距離が近い発言をしたみたいで。
ルゥシェは一瞬だけ目を丸くした。
それから、ぷいっと顔を背ける。
火照りをごまかすみたいに、早口で言った。
「僕も、嫌いじゃない」
「今、照れた?」
「照れてない」
「照れてる」
「照れてない!」
セリアは小さく笑った。
笑い声が水面に落ちて、月の輪郭が少し揺れる。
その時だった。
空気が――澄んだ。
澄む、というのは変な表現だけど、他に言い方がない。
霧が消えるとか、風が止まるとか、そういう物理的な変化じゃない。
“世界のノイズが一段消える”感じ。
鳥の声が完全に遠のく。
虫の羽音も遠のく。
水の匂いだけが鮮明になる。
自分の呼吸の音が、やけに大きく聞こえる。
セリアは背筋を伸ばした。
胸の奥の契約の熱が、ふっと強く脈打つ。
ルゥシェの存在が、急に“緊張”を帯びたのが分かった。
妖精たちが一斉に黙った。
さっきまで囁いていたのに、今は誰も喋らない。
その沈黙が、礼儀みたいに揃っている。
何かが来る。
いや――来た。
池の水面に映る月が、ほんの少しだけ歪んだ。
水が揺れたわけじゃない。
月が、ずれた。
そこに、別の影が重なる。
影。
大きい。
輪郭がはっきりしない。
でも、圧だけがある。
世界の温度を変える圧。
セリアは息を止めた。
怖い。でも、ただの怖さじゃない。
「見られている」怖さ。
王城で見られたときの視線は、“査定”だった。
ここで感じる視線は、“観測”だ。
価値を決めるためじゃなく、存在を測るための視線。
まるで、世界そのものに見られているみたいだった。
セリアは思わず池の水面を見つめた。
月の中に、誰かの目がある気がした。
光ではなく、静けさでできた目。
隣で、ルゥシェが小さく舌打ちした。
「……ちっ」
その音が、静けさの中でやけに響く。
セリアは震える声で聞いた。
「ルゥシェ……? 今の、なに」
ルゥシェは目を細めたまま、池を見据えて言った。
「……王が見てる」
王。
その言葉が落ちた瞬間、空気がさらに一段、冷える。
妖精たちの身体が小さく震えるのが見えた。
恐怖じゃない。敬意に近い震え。
セリアの胸の奥で、契約の熱がふっと形を変える。
炎じゃなく、刃みたいに研ぎ澄まされる。
「王って……妖精の?」
セリアが問うと、ルゥシェは短く頷いた。
「フィオラル」
名前が、森に落ちる。
それだけで、世界の輪郭が少しだけ固くなる。
姿は見えない。
なのに、いる。
いないふりができないほど、いる。
セリアは喉が渇いた。
唾を飲み込んでも、渇きが消えない。
視線が皮膚の上を滑り、心臓の形をなぞっていく。
逃げたい。
でも、逃げたら終わる気がした。
この視線から逃げるのは、世界から逃げるのと同じだ。
セリアは拳を握った。
自分の痛みを、自分の中に留めるために。
泣かないために。
強がりじゃない。
観測されるなら、私は私のままで立っていたかった。
池の水面の月が、ほんの少しだけまた歪む。
歪みは“瞬き”みたいだった。
そして、静けさはふっとほどけた。
鳥の声が遠くから戻り、虫の羽音が戻る。
妖精たちの囁きが、慎重に再開する。
まるで、王が“見終わった”みたいに。
セリアは息を吐いた。
肺の奥に溜めていた空気が、やっと出ていく。
指先が冷たい。
でも胸の奥は熱いままだ。
「……今の、何を見られてたの?」
セリアが小声で聞くと、ルゥシェは一瞬だけ黙った。
それから、少し乱暴に言う。
「君だよ」
「私?」
「契約した人間なんて、珍しいから」
ルゥシェは石を蹴って、落ち着かなさを隠さない。
「王は、均衡を見てる。君が均衡を壊すか、繋ぐか。……多分、それを測りに来た」
壊す。繋ぐ。
そんな大きな言葉が、自分の肩に乗るのが怖い。
私はただ、生きたいって言っただけなのに。
セリアは喉の奥が熱くなるのを感じた。
怒りじゃない。
怖さでもない。
“重さ”だ。
「……私、そんなすごいことできない」
セリアが呟くと、ルゥシェはふっと笑った。
いつもの軽い笑いじゃない。少しだけ、寂しい笑い。
「できるかどうかじゃない」
「じゃあ、何」
「もう見つかった。見られた。つまり――逃げられない」
セリアは唇を噛んだ。
逃げられない。
またその言葉。
王城でも逃げられなかった。
でも今は違う。
逃げられないけど、隣にルゥシェがいる。
「……ルゥシェ」
セリアは言う。
「私、どうすればいい」
ルゥシェはセリアを見た。
嘘を許さない目で。
でもその目の奥には、確かに“契約者”への温度がある。
「まず、嘘をつかない」
「……うん」
「奪わない」
「うん」
「それだけで、妖精は信用する」
ルゥシェは小さく息を吐いて付け加えた。
「少なくとも、僕は」
セリアは頷いた。
夜の遺跡の中で、水面に落ちた月を見つめながら。
王の影は去った。
でも、見られた感覚は肌に残っている。
観測されたという事実は、刺青みたいに消えない。
セリアは静かに思う。
ここから先は、ただの生存じゃない。
世界の均衡に触れてしまった。
それでも――生きたい。
その言葉だけは、契約の熱と一緒に胸の奥で確かに燃えていた。
1
あなたにおすすめの小説
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
家族の肖像~父親だからって、家族になれるわけではないの!
みっちぇる。
ファンタジー
クランベール男爵家の令嬢リコリスは、実家の経営手腕を欲した国の思惑により、名門ながら困窮するベルデ伯爵家の跡取りキールと政略結婚をする。しかし、キールは外面こそ良いものの、実家が男爵家の支援を受けていることを「恥」と断じ、リコリスを軽んじて愛人と遊び歩く不実な男だった 。
リコリスが命がけで双子のユフィーナとジストを出産した際も、キールは朝帰りをする始末。絶望的な夫婦関係の中で、リコリスは「天使」のように愛らしい我が子たちこそが自分の真の家族であると決意し、育児に没頭する 。
子どもたちが生後六か月を迎え、健やかな成長を祈る「祈健会」が開かれることになった。リコリスは、キールから「男爵家との結婚を恥じている」と聞かされていた義両親の来訪に胃を痛めるが、実際に会ったベルデ伯爵夫妻は―?
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる