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第12話 公爵家の陰謀
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王都は冬でも香りが濃い。暖炉の煙、葡萄酒、軋む革靴、そして人の思惑。鏡張りの謁見の間で、マリアンヌは裾を引き、王の前に跪いた。金糸の刺繍が波打つ。彼女は伏し目のまま、声だけを上げてみせる。
「陛下。妹ローザは“竜の花嫁”と称され、辺境に秩序を乱す力を招き入れております。――いいえ、彼女は招かれたのではありません。操っているのです」
ざわ、と廷臣の列が揺れた。言葉が一段高くなる瞬間を、彼女は計算していた。隣で、大魔導師ヴァレンが杖の先で床を軽く叩く。白い眉の下で、瞳は冷ややかに光る。
「証はあるか、公爵令嬢」
「証は、辺境にございます。竜の暴走を、彼女の声一つで鎮めたと噂が。人の身に、竜を縛る術など――魔以外にありますでしょうか」
王は顎鬚に手をやり、視線を宰相へ流した。宰相は肩をすくめ、代わりにヴァレンが一歩前へ。
「古き契約の文書に、“媒介”の記述がある。人と竜の間に立つ“糸”。それが愛である時、契りは強くなる。だが、同じ糸は絞索にも変わる。――王国の手で握るべきだ」
その言い回しを、マリアンヌは待っていた。彼女は顔を上げ、涙の光をほんの一滴だけ瞳に浮かべる。
「陛下、妹は愚かです。家の面汚しでございました。ですが、妹の“糸”によって竜が王国に繋がるのなら――どうか、その糸を陛下の御手に」
王座に影が落ちた。王はゆっくりと頷き、短く命じる。
「魔導師団、北街道へ。辺境の砦にて“媒介”を確保せよ。乱は許すな。火は最小限に。――公爵令嬢、汝の申した事、虚ならば家は二度と立たぬと思え」
「はい。すべては王のために」
王の影が背に伸びる。マリアンヌはその影を、しなやかな獣のように撫でる気持ちで見送った。立ち上がると、赤い絨毯の端でヴァレンと視線が交わる。
「殿方は理で動く。わたくしは情で押す。どちらも必要でしょう?」
「必要なのは結果だ、令嬢。竜を王の輪に入れる。それだけだ」
ヴァレンは袖の内から、小箱を彼女に見せた。銀糸で編まれた細い環が三つ。刻印は古語。竜縛りの環。
「媒介に触れさせるだけでよい。契印の上が良いだろう。愛で強まる契りは、同じだけ王の術にも従う」
「――わたくしの妹は、王都の“装飾”としても役立ちませんでした。せめて、糸として役に立たせますわ」
マリアンヌの笑みは白い。その白さを、彼女自身は内側からも冷たく感じていた。冷たさは、空腹に似ている。彼女は満たされるために、妹の名を使う。
◇
北街道。凍てついた石に蹄が打ち、術者の車が軋む。紺の外套に銀の符、魔導師団の先頭で副長ディールが号令を飛ばす。
「光盾を前列、風の膜を第二列。火は合図まで出すな。王命は“最小限”。印はヴァレン様から直々に」
車輪の荷台には、先ほどの銀糸の環が布に包まれている。別の木箱には、油壺がいくつも詰め込まれていた。最小限の火は、時に“充分な炎”の別名だ。
列の外れ、黒い手袋の男が、辺境警備隊の男と馬上で短く言葉を交わす。手袋の内から、重い革袋が移った。
「……内側の合図は鐘二つ。北の通用門の楔を外す。火矢は要らない。油は壁の内から」
「裏切りの匂いは、風の向きで消せるか」
「金の匂いで上書きすることだ」
男は笑い、手綱を返した。買収された兵の名は台帳に残らない。残るのは、火と血の跡だけだ。
◇
砦。風の入口に陽だまりの壁がもう一段積み上がり、水の皿は縁で光っている。ローザは土を撫で、芽の葉へ指をかざした。そこへ、鉄の従者が一通の封書を持って来る。封蝋はアーデルハイト家の印――だが、王都の色ではない。
封を切ると、淡い香りとともに、見覚えのある癖字が現れた。
〈ローザ。北で術者が動いた。姉は王の間に居る。わたしは動けないけれど、こうして書ける。砦の北門の楔に注意。内側に“人間の”手がある。銀の環に触れるな。セシリア〉
セシリアの字は、短く強い。ローザは唇を噛み、紙を畳んだ。カイゼルに手紙を渡すと、彼は一読して目を細める。
「中から、だ」
「火は外からだけじゃない」
「火はいつも、内側に先にいる」
彼は従者に合図を送り、北の通用門の見回りを二重にした。楔。楔が抜ければ、門は音もなく“開く”。裏切りは、音を嫌う。
広場では、村人が集まっていた。祈りの輪の灰は新しく、井戸の布は巻き直され、子どもたちの石は畝の縁を囲っている。ゲルが腕を組んで立ち、ミルドは杖で地を軽く叩いた。
「王都は来る。術者も来る。だから、俺たちは“手”を出す」
ミルドの声に、幾つもの頷き。ローザは一歩進み、掌を見せる。
「わたしは行きません。ここにいます。畝をもう一本増やす。風の口を変える。輪の火を絶やさない。――わたしが“魔女”なのかどうかは、わたしには分からない。でも、わたしがやることは分かってる。手でやる」
ざわめきの中に、祈りの言葉と現実の手順が混ざり始める。女たちは蜂蜜の瓶の底を集め、男たちは枯れ枝を束ねる。テオは石を磨き、子らは走る。言葉より先に手が動けば、恐れは一歩遅れる。
その時、ローザの薬指の凹み――契印が、ぬるい熱を帯びた。彼女は一瞬驚き、次の瞬間、その熱に意味を見つける。カイゼルがすぐそばに立っていたからか。彼の銀の視線が、彼女の横顔に触れたからか。熱は痛みではない。合図だ。
「何だ」
「……“いるよ”って。たぶん、そういう合図」
カイゼルは目を伏せ、わずかに息を吐いた。
「愛は、契りを強くする。古い文字の上では、そうだ」
「文字だけじゃない。手でも、そうだといい」
「願望は嫌いではない」
彼の言葉は、無骨な肯定だ。ローザは頷き、指先で土を押さえた。芽の葉が微かに震え、風の入口で小さな音が鳴る。生きている音。
◇
王都。マリアンヌは鏡台の前で髪を梳いていた。鏡の中の自分は完璧だ。完璧であろうとする女は、鏡の裏側にいつも少しだけ怯えを貼っている。扉の外で控える侍女が、低く告げた。
「令嬢。魔導師団、峠を越えたそうです」
「早いのね」
「ディール副長は手際が良いと評判で」
「評判は好き。――妹は、泣くかしら」
彼女は髪飾りをひとつ、金の箱から取り出して、また戻した。金は家の形。家は王の影。影は冷たい。冷たさに慣れることを、彼女は美徳と呼ぶことにした。
「お前は、愛を信じぬのか」
背後から声がした。ヴァレンだ。彼は人の心を測る暇などないという顔で、しかし時々こういう問いを投げる。
「愛? 不確かなものは、わたくしの仕事ではありませんわ。確かなものだけで、家は立つ」
「確かなものでも、火には燃える」
「火を燃やす側にいればよろしいの」
マリアンヌの笑みは、今度は冷たくなかった。熱を帯びていた。燃えるのは、いつも誰かの足元からだ。彼女はその足元に、妹の名を置いた。
◇
夜、砦の見張り台で風がぐっと重くなった。北の空の端、青黒い帳の向こうで、赤が薄く滲む。合図の炎だ。ローザは息を詰め、同時に北門の方から金具の鳴る、かすかな音を拾った。
楔。
カイゼルの声が低く走る。
「北門!」
鉄の従者二体が音もなく駆け、脇道から兵が飛び出す。影の中、二つ三つの人影が振り向きもせずに散った。油の匂い。革袋の口。火打ち石の火花が、闇の中で一度だけ跳ねた。
ローザは走った。足が石を覚えている。風の入口を横切り、階段を駆け上がる。背中で、契印がもう一度だけ熱を帯びた。〈いる〉。合図。夜の砦が息を吸い、吐く。彼女は息を合わせた。
王都の影は、もう壁に手をかけている。火はまだ小さい。だが、火は火だ。血と嘘の匂いが、風に混ざり始めた。
「――やれることを、全部」
ローザは自分に言い聞かせ、闇の中の火花に向かった。次の瞬間、砦の内側で炎がはぜた。裏切りの炎は、形を得た。呻きと怒号と、金属と、風の音。試される愛に、手が追いつくかどうかは、もう“作業”の速さ次第だ。彼女は走りながら、胸の奥でただ一つの灯りを守るように、名前を呼ぶ。
「カイゼル――!」
銀の瞳が闇を裂いた。応える声は短く、低く、確かだった。
「陛下。妹ローザは“竜の花嫁”と称され、辺境に秩序を乱す力を招き入れております。――いいえ、彼女は招かれたのではありません。操っているのです」
ざわ、と廷臣の列が揺れた。言葉が一段高くなる瞬間を、彼女は計算していた。隣で、大魔導師ヴァレンが杖の先で床を軽く叩く。白い眉の下で、瞳は冷ややかに光る。
「証はあるか、公爵令嬢」
「証は、辺境にございます。竜の暴走を、彼女の声一つで鎮めたと噂が。人の身に、竜を縛る術など――魔以外にありますでしょうか」
王は顎鬚に手をやり、視線を宰相へ流した。宰相は肩をすくめ、代わりにヴァレンが一歩前へ。
「古き契約の文書に、“媒介”の記述がある。人と竜の間に立つ“糸”。それが愛である時、契りは強くなる。だが、同じ糸は絞索にも変わる。――王国の手で握るべきだ」
その言い回しを、マリアンヌは待っていた。彼女は顔を上げ、涙の光をほんの一滴だけ瞳に浮かべる。
「陛下、妹は愚かです。家の面汚しでございました。ですが、妹の“糸”によって竜が王国に繋がるのなら――どうか、その糸を陛下の御手に」
王座に影が落ちた。王はゆっくりと頷き、短く命じる。
「魔導師団、北街道へ。辺境の砦にて“媒介”を確保せよ。乱は許すな。火は最小限に。――公爵令嬢、汝の申した事、虚ならば家は二度と立たぬと思え」
「はい。すべては王のために」
王の影が背に伸びる。マリアンヌはその影を、しなやかな獣のように撫でる気持ちで見送った。立ち上がると、赤い絨毯の端でヴァレンと視線が交わる。
「殿方は理で動く。わたくしは情で押す。どちらも必要でしょう?」
「必要なのは結果だ、令嬢。竜を王の輪に入れる。それだけだ」
ヴァレンは袖の内から、小箱を彼女に見せた。銀糸で編まれた細い環が三つ。刻印は古語。竜縛りの環。
「媒介に触れさせるだけでよい。契印の上が良いだろう。愛で強まる契りは、同じだけ王の術にも従う」
「――わたくしの妹は、王都の“装飾”としても役立ちませんでした。せめて、糸として役に立たせますわ」
マリアンヌの笑みは白い。その白さを、彼女自身は内側からも冷たく感じていた。冷たさは、空腹に似ている。彼女は満たされるために、妹の名を使う。
◇
北街道。凍てついた石に蹄が打ち、術者の車が軋む。紺の外套に銀の符、魔導師団の先頭で副長ディールが号令を飛ばす。
「光盾を前列、風の膜を第二列。火は合図まで出すな。王命は“最小限”。印はヴァレン様から直々に」
車輪の荷台には、先ほどの銀糸の環が布に包まれている。別の木箱には、油壺がいくつも詰め込まれていた。最小限の火は、時に“充分な炎”の別名だ。
列の外れ、黒い手袋の男が、辺境警備隊の男と馬上で短く言葉を交わす。手袋の内から、重い革袋が移った。
「……内側の合図は鐘二つ。北の通用門の楔を外す。火矢は要らない。油は壁の内から」
「裏切りの匂いは、風の向きで消せるか」
「金の匂いで上書きすることだ」
男は笑い、手綱を返した。買収された兵の名は台帳に残らない。残るのは、火と血の跡だけだ。
◇
砦。風の入口に陽だまりの壁がもう一段積み上がり、水の皿は縁で光っている。ローザは土を撫で、芽の葉へ指をかざした。そこへ、鉄の従者が一通の封書を持って来る。封蝋はアーデルハイト家の印――だが、王都の色ではない。
封を切ると、淡い香りとともに、見覚えのある癖字が現れた。
〈ローザ。北で術者が動いた。姉は王の間に居る。わたしは動けないけれど、こうして書ける。砦の北門の楔に注意。内側に“人間の”手がある。銀の環に触れるな。セシリア〉
セシリアの字は、短く強い。ローザは唇を噛み、紙を畳んだ。カイゼルに手紙を渡すと、彼は一読して目を細める。
「中から、だ」
「火は外からだけじゃない」
「火はいつも、内側に先にいる」
彼は従者に合図を送り、北の通用門の見回りを二重にした。楔。楔が抜ければ、門は音もなく“開く”。裏切りは、音を嫌う。
広場では、村人が集まっていた。祈りの輪の灰は新しく、井戸の布は巻き直され、子どもたちの石は畝の縁を囲っている。ゲルが腕を組んで立ち、ミルドは杖で地を軽く叩いた。
「王都は来る。術者も来る。だから、俺たちは“手”を出す」
ミルドの声に、幾つもの頷き。ローザは一歩進み、掌を見せる。
「わたしは行きません。ここにいます。畝をもう一本増やす。風の口を変える。輪の火を絶やさない。――わたしが“魔女”なのかどうかは、わたしには分からない。でも、わたしがやることは分かってる。手でやる」
ざわめきの中に、祈りの言葉と現実の手順が混ざり始める。女たちは蜂蜜の瓶の底を集め、男たちは枯れ枝を束ねる。テオは石を磨き、子らは走る。言葉より先に手が動けば、恐れは一歩遅れる。
その時、ローザの薬指の凹み――契印が、ぬるい熱を帯びた。彼女は一瞬驚き、次の瞬間、その熱に意味を見つける。カイゼルがすぐそばに立っていたからか。彼の銀の視線が、彼女の横顔に触れたからか。熱は痛みではない。合図だ。
「何だ」
「……“いるよ”って。たぶん、そういう合図」
カイゼルは目を伏せ、わずかに息を吐いた。
「愛は、契りを強くする。古い文字の上では、そうだ」
「文字だけじゃない。手でも、そうだといい」
「願望は嫌いではない」
彼の言葉は、無骨な肯定だ。ローザは頷き、指先で土を押さえた。芽の葉が微かに震え、風の入口で小さな音が鳴る。生きている音。
◇
王都。マリアンヌは鏡台の前で髪を梳いていた。鏡の中の自分は完璧だ。完璧であろうとする女は、鏡の裏側にいつも少しだけ怯えを貼っている。扉の外で控える侍女が、低く告げた。
「令嬢。魔導師団、峠を越えたそうです」
「早いのね」
「ディール副長は手際が良いと評判で」
「評判は好き。――妹は、泣くかしら」
彼女は髪飾りをひとつ、金の箱から取り出して、また戻した。金は家の形。家は王の影。影は冷たい。冷たさに慣れることを、彼女は美徳と呼ぶことにした。
「お前は、愛を信じぬのか」
背後から声がした。ヴァレンだ。彼は人の心を測る暇などないという顔で、しかし時々こういう問いを投げる。
「愛? 不確かなものは、わたくしの仕事ではありませんわ。確かなものだけで、家は立つ」
「確かなものでも、火には燃える」
「火を燃やす側にいればよろしいの」
マリアンヌの笑みは、今度は冷たくなかった。熱を帯びていた。燃えるのは、いつも誰かの足元からだ。彼女はその足元に、妹の名を置いた。
◇
夜、砦の見張り台で風がぐっと重くなった。北の空の端、青黒い帳の向こうで、赤が薄く滲む。合図の炎だ。ローザは息を詰め、同時に北門の方から金具の鳴る、かすかな音を拾った。
楔。
カイゼルの声が低く走る。
「北門!」
鉄の従者二体が音もなく駆け、脇道から兵が飛び出す。影の中、二つ三つの人影が振り向きもせずに散った。油の匂い。革袋の口。火打ち石の火花が、闇の中で一度だけ跳ねた。
ローザは走った。足が石を覚えている。風の入口を横切り、階段を駆け上がる。背中で、契印がもう一度だけ熱を帯びた。〈いる〉。合図。夜の砦が息を吸い、吐く。彼女は息を合わせた。
王都の影は、もう壁に手をかけている。火はまだ小さい。だが、火は火だ。血と嘘の匂いが、風に混ざり始めた。
「――やれることを、全部」
ローザは自分に言い聞かせ、闇の中の火花に向かった。次の瞬間、砦の内側で炎がはぜた。裏切りの炎は、形を得た。呻きと怒号と、金属と、風の音。試される愛に、手が追いつくかどうかは、もう“作業”の速さ次第だ。彼女は走りながら、胸の奥でただ一つの灯りを守るように、名前を呼ぶ。
「カイゼル――!」
銀の瞳が闇を裂いた。応える声は短く、低く、確かだった。
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