無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト

文字の大きさ
10 / 20

第10話 『王家の動揺とアレクシオンの焦燥』

しおりを挟む


 王城の会議室は、いつになく狭く感じられた。

 高い天井。
 壁一面の地図。
 磨き込まれた長机。

 どれも何年も変わらないはずなのに、今はまるで自分を締め付ける檻みたいに見える。

「……以上が、王都における最新の世論の状況です、殿下」

 報告を終えた侍従長が、手元の書類を揃えて深く頭を下げた。

 アレクシオンは、その紙束を受け取りもせず、しばらく黙ったままだった。

 視線だけが、机の上に投げ出された数枚の新聞をなぞる。

 どの記事にも、決まって大きく踊る文字がある。

 ──【竜の主】
 ──【白竜に選ばれた令嬢】

 そして、目を細めたくなるような見出しも。

 ──【王太子は竜に見放されたのか】

「……くだらん」

 吐き捨てるように呟く。

 だが、その声には力がなかった。

 侍従長は小さく咳払いをして、さらに別の紙を差し出す。

「また、軍部からも正式な意見書が上がっております。“竜の動向は、王国防衛における最重要事項であり、竜と主との関係性について詳細な調査と連携が必要である”と」

「……連携、ね」

 アレクシオンは皮肉を込めて笑った。

「つまり、“竜の主とやらを味方につけろ”と言いたいのだろう」

「言葉を選べば、そうなるかと」

 侍従長の額には、薄い汗が滲んでいる。

 王宮半壊から、まだ数日しか経っていない。

 建物の瓦礫は片付けられ始めたが、王家の威信に突き刺さったヒビは、まだひとつも埋まっていない。

 むしろ、日を追うごとに広がっている。

「宰相はなんと言っている」

 アレクシオンが問うと、侍従長は一瞬だけ視線を揺らした。

「……“竜の主を王家に取り込むべきだ”と。
 “今は感情よりも現実を優先すべき局面だ”とも」

「感情、か」

 その言葉に、胸の奥がざらついた。

 自分がエリーナを切り捨てたとき、散々口にした言い訳だ。
 “感情ではなく、国家のための理性的な判断だ”と。

 今はそれを、自分に向けられている。

「つまり、宰相はこう言っているわけだな」

 アレクシオンは、唇の端を持ち上げた。

「“感情で婚約を破棄した愚かな王太子殿下、その結果竜に見放されて国が危うくなっている。だからさっさと尻拭いをしろ”と」

「そ、そのような露骨な表現ではありませんでしたが……」

 侍従長は歯切れ悪く言葉を濁した。

 だが、事実としては、そういうことだ。

 書類の端に、小さな文字で書かれている。

 ──【民心の動揺に留意されたし】
 ──【竜の主の存在は、国民にとって“第二の象徴”となりつつある】

 その一文が、アレクシオンの神経を逆撫でした。

(第二の象徴、だと)

 象徴は、本来ひとつでいい。

 王家。
 王冠。
 王の血。

 それが揺らいでいるからこそ、民は新しい“分かりやすい希望”に飛びつく。

 白竜。
 その“主”。

 婚約破棄の夜。
 あの中庭で、白銀の巨体が王宮を見下ろしていた姿を思い出す。

 あのとき、竜は──
 王家には、ひとつも目を向けていなかった。

「殿下」

 重い声が、会議室の扉のほうから響いた。

 入室を許可していないのに、と眉をひそめるより早く、扉が開く。

 現れたのは、痩身の男。
 鋭い目つきに、隙のない身なり。
 王国宰相、グラーデン・バウル。

「勝手に入るな、グラーデン」

「陛下のご命令でしてな。“息子が部屋に籠もっている。様子を見てこい”と」

 端的に言えば、丸聞こえだった。

 アレクシオンは、こめかみを押さえたくなった。

「籠もっていたわけではない。状況を整理していただけだ」

「その“整理”が長引いているのでしょう」

 宰相は室内に足を踏み入れ、侍従長を一瞥した。

「下がりたまえ。殿下と少し話がしたい」

「はっ」

 侍従長が退室し、扉が閉まる。

 会議室には、アレクシオンと宰相だけが残された。

「……で。宰相殿は、息子を叱りに来たのか?」

「叱って済むなら楽でよろしいですが」

 グラーデンは、机の反対側に立ったまま腕を組んだ。

「残念ながら、今の状況は“叱責一つで修正できる”段階を、とうに超えております」

「だろうな」

 アレクシオンは、乾いた笑いを浮かべる。

「“王太子は竜に見放された”。
 今や、王都の子どもでも口にする言葉だ」

「民衆とは残酷なものです。
 昨晩まで“王太子の婚礼”に沸いていたというのに、今は“竜の主と白竜の伝説”に夢中なのですから」

 宰相の言葉には、皮肉よりも冷静な観察が混ざっていた。

「聖女セレス様の人気も、完全に“第二位”に転じつつあります。
 今の彼女は、“竜が現れる前の予兆”程度の扱いですな」

「……セレスには悪いことをしたか」

 口にしてから、自分でもその言葉の軽さにうんざりした。

 聖女として神輿に乗せ、王妃候補として隣に据えようとし、その結果すべてが破綻した。

 彼女自身の意思など、ろくに考えもしなかったくせに。

「セレス様も、カルヴェルト令嬢も」

 グラーデンが、さらりと続ける。

「それぞれに“悪いこと”をしたのは事実でしょうな」

「……言うと思った」

 アレクシオンは頭を掻いた。

 宰相は、ため息ひとつつかない。

「我々が置かれている状況を、整理しましょうか」

「好きにしろ」

「まず一点。
 “竜の主”として民から認識されているのは、カルヴェルト伯爵令嬢エリーナ殿である」

 その名が出た瞬間、心臓が一瞬止まった気がした。

 エリーナ。
 何度も呼んできた名前。

 今は、簡単に口の中で転がせない。

「次に。
 王太子殿下は、そのエリーナ殿に対し、公開の場で婚約破棄を宣言なさった」

「それは……」

「事実です」

 ぴしゃりと遮られる。

「“白竜が庇った少女を、王太子は捨てた”。
 民の目には、そう映っております」

 喉が苦かった。

 グラーデンは、さらに続ける。

「三つ目。
 白竜は王宮を半壊させるほどの力を見せつけたにもかかわらず、死者はひとりも出ておりません」

「……それが、竜の“本気ではない”証拠だと?」

「ええ。
 “王宮を壊す気になれば壊せるが、人を殺す気はない”。
 竜自身が、そう示したようなものですな」

 皮肉の滲んだ笑顔。

「そして四つ目。
 竜は、王ではなく、エリーナ殿を“主”と呼んだ」

 その言葉は、何度聞いても胸に刺さる。

 アレクシオンは椅子の背にもたれ、天井を仰いだ。

「つまり、王家は“竜の加護”を失い、代わりにひとりの伯爵令嬢がそれを得たと──」

「民衆の大半は、そう解釈しております」

 宰相は頷く。

「軍部も同様です。
 “竜と敵対する愚を犯すべきではない”“なんとしても竜の主と友好的な関係を築くべきだ”という意見が、大勢を占めつつあります」

「……王家を差し置いて?」

「“王家が竜に見放されている以上、竜と対話できるのは主のみだ”と考えれば、そうもなりましょう」

 短く笑ってから、グラーデンは少しだけ声を低くした。

「殿下。
 このまま何もしなければ──いずれ、“竜の主を中心とした新勢力”が王国に生まれます」

 胸がざわつく。

「新勢力、だと?」

「分かりやすい象徴。
 竜に選ばれた少女。
 王宮を壊しながらも人ひとり殺さなかった慈悲。
 暴虐と救済、両方のイメージを兼ね備えた存在です」

 宰相は淡々と分析する。

「彼女の周りには、自然と人が集まるでしょう。
 “竜の主に忠誠を誓う”と言い出す貴族も現れるかもしれませんな」

「そんなことをすれば、反逆だ」

「法律上は」

 グラーデンの瞳が冷たく光った。

「ですが、“竜が彼らの背後にいる”と民衆が信じてしまえば、反逆者は“革命家”に変わります」

 喉が、ひゅ、と鳴った。

 アレクシオンは、無意識に拳を握り締める。

(そんな馬鹿な……)

 エリーナが、そんなことを望むはずがない。

 彼女は、第三者を傷つけることを嫌う。
 誰かの血で手を汚すくらいなら、自分が泣くことを選ぶような女だ。

 だからこそ、あの夜も。

 「誰も死なないで」と願った。

 竜の怒りを、自分の願いで中和させた。

 そんな彼女が、“竜の主を中心とした新勢力”など──

「エリーナは、そんなことはしない」

 気づけば口にしていた。

 宰相が、少しだけ目を細める。

「ええ。
 カルヴェルト令嬢ご本人は、そのような野心を持つタイプではないでしょう」

 その点については、宰相も認めているようだった。

 だが、その直後。

「ですが、“周りが彼女を担ぎ上げる”可能性はあります」

 低い声が続いた。

「本人の意思とは関係なく。“竜の主”という存在は、利用価値が高すぎる」

 その瞬間、ぞくりとした悪寒が背骨を這い上がった。

 利用。
 エリーナを、“札”として扱う者が出てくる。

 王家が彼女を切り捨てた以上──
 彼女を拾い上げることで、王家に対抗しようとする貴族が出る。

 それは、想像に難くない。

「だからこそ、先手を打つ必要がある」

 グラーデンの声が、鋭く切り込んでくる。

「“竜の主を取り込む”か、“竜の主を潰す”か」

 アレクシオンの肩が、びくりと震えた。

「……潰す、だと」

「言葉が過ぎましたな」

 宰相は軽く肩をすくめた。

「我々には、竜に牙を剥く勇気はありません。
 現実的な選択肢はひとつのみ──“王家が、竜の主を庇護下に置く”こと」

「それはつまり」

「“殿下が、彼女を取り戻す”ということです」

 ズキリ、と胸が痛んだ。

 取り戻す。
 その言葉は、甘くて、苦くて、ひどく傲慢だ。

 自分が捨てた。
 自分が公開の場で、切り捨てた。
 その相手を今さら、“取り戻す”。

(そんなことが──できるわけがない)

 あの夜のエリーナの瞳。

 涙をこらえ、誇りを曲げずに向けられた視線。

『この夜会で、あなたはわたくしを切り捨てただけではなく──
 わたくしの心を、公開処刑なさいましたのよ』

 あの言葉が、刺さったままだ。

 自分は彼女の心を殺したのだ。

 なのに。

「殿下」

 グラーデンの声が、静かに押し込んでくる。

「王太子としての立場を守りたいのであれば、“個人の感情”を捨てねばなりません」

「……どういう意味だ」

「今抱えている罪悪感も後悔も、全部一旦棚に上げるのです」

 宰相は、はっきりと言った。

「そして、こう考える。
 “エリーナ・カルヴェルトは、王国のために必要な札である”と」

「お前は……」

 アレクシオンは眉をひそめた。

「お前は、それで納得するのか。
 ひとりの娘を、“札”として扱うことを」

「王家がそうしてきたではありませんか」

 グラーデンの視線が、アレクシオンを射抜く。

「殿下も、私も。
 そして先代も、先々代も。
 『王国のため』という大義のもとに、結婚も、同盟も、戦も、何度も人を“札”として切ってきた」

 それは否定できない事実だった。

「ならば、今さらひとり増えたところで、何が変わりましょう」

「……っ」

 喉が詰まる。

 正論だ。
 だからこそ、ひどく不愉快だった。

「もちろん、カルヴェルト嬢を無下に扱えという意味ではありません」

 グラーデンは言葉を継ぐ。

「表向きには、“婚約破棄は一時の誤解であった”“白竜の出現により、真の絆が示された”とでも言い張ればよい」

「そんな筋書き、通るわけがないだろう」

「通さねばなりません」

 宰相の声が、鋭くかつ静かに響く。

「王家が生き残るためには」

 視線がぶつかり合う。

 アレクシオンの胸の内側で、いくつもの感情がぶつかっていた。

 罪悪感。
 後悔。
 苛立ち。

 そして──焦り。

 このまま、何もしなければ。
 エリーナは、竜とともに、別の“中心”になってしまう。

(それだけは──)

 耐えられなかった。

 自分が捨てた相手が、自分より大きな光として世界に立っている。

 王太子としてのプライドが。
 ひとりの男としての意地が。

 それを許さない。

「……分かった」

 アレクシオンは、椅子から立ち上がった。

 あまりにも唐突な動きに、グラーデンがわずかに目を見開く。

「どうなさるおつもりですか」

「エリーナのところへ行く」

 答えは単純だった。

「カルヴェルト伯爵家に赴き、彼女と話をする。
 白竜との関係。
 今後の身の振り方。
 すべて、王太子として直接確認する」

「殿下……」

 宰相は、何か言いかけて口をつぐんだ。

 アレクシオンは構わず続ける。

「エリーナを取り戻せば、問題は半分解決する」

 その言葉を、自分の口で言った瞬間、胸の奥で何かがぴくりと動いた。

 理性が、「浅い」と警鐘を鳴らす。
 そんな簡単な話ではない、と。

 だが、別の声が、それを押さえ込んだ。

(彼女を戻せばいい)

 王宮に。
 自分の隣に。

 そうすれば──
 竜は、王家の側に戻る。

 民衆も、「竜の主は王太子の婚約者だ」と認識し直す。

 王家の権威も、失われずに済む。

 それは、見事なまでに短絡的な思考回路だった。

 でも、焦燥にかられた頭には、それが一番“分かりやすい解決策”に見えた。

「殿下」

 宰相が、少しだけ声を低くする。

「カルヴェルト嬢のお気持ちは、どうお考えに?」

 その問いは、妙に生々しかった。

 アレクシオンは一瞬、言葉に詰まる。

 あの夜の彼女の顔。
 涙を堪え、唇を震わせながら言い放った言葉。

 自分に向けられた、あの切っ先。

『わたくしの心を、公開処刑なさいましたのよ』

 思い出すたび、胸が痛くなる。

(……嫌われているだろうな)

 当たり前だ。

 恨まれていても、おかしくない。

 にもかかわらず──

「それでも、行くしかない」

 アレクシオンは、言い切った。

「王太子として、だ。
 個人的な好悪や罪悪感は、全部置いていく」

「“王太子として”ですか」

「そうだ」

 自分に言い聞かせるように、何度も心の中で繰り返す。

 これは、感情ではない。
 義務だ。
 責任だ。

 エリーナからすれば、どれだけ傲慢な理屈か分かっている。

 それでも──

(あいつは、ここにいるべきだ)

 王宮に。
 自分の隣に。

 竜の主として。
 未来の王妃として。

 あの白銀の巨体が、自分ではなく彼女を守った光景が、何度も頭に焼きついている。

 胸の奥に、妙な焦りが巣を作っていた。

 彼女を“誰かに”奪われてしまう前に。

「準備を」

 アレクシオンは、宰相に向かって言った。

「カルヴェルト伯爵家への正式な訪問として、段取りを整えろ。
 父上には、必ず許可を取る」

 グラーデンは、しばし黙ったまま殿下の顔を見つめた。

 やがて、ゆっくりと視線を下げる。

「……かしこまりました」

 それだけ言って、深く頭を下げた。



 廊下に出ると、王城の空気はどこか落ち着きなくざわついていた。

 遠くのほうから、兵士たちがひそひそ話をしている声が聞こえる。

「聞いたか? カルヴェルト家の令嬢、竜と共に現れたって話だ」 「“白竜の主”だろ? 王宮を半分吹き飛ばしたくせに、誰も殺さなかったっていう……」 「すげえよな。王都の連中、あの令嬢を“希望”だとか“新しい時代の象徴”だとか持ち上げてるらしいぜ」

「バカなことを言うな」

 注意しようとして、足が止まった。

 彼らの会話は、そこでさらに続いていた。

「でもよ、正直──竜が味方についてくれるなら、そっち側についたほうが安全なんじゃねえのか?」 「おい、口を慎め。ここ、どこだと思ってんだ」 「分かってるって。ただの冗談だよ。冗談」

 冗談じゃない。

 そういう“冗談”が、ゆっくりと形になっていく。

 アレクシオンは、奥歯を噛み締めた。

(まだだ。
 まだ間に合う)

 彼は、その言葉で自分を無理やり落ち着かせた。

 エリーナと話をすればいい。
 誤解を解き、謝罪し、事情を説明すればいい。

 彼女は、愚かではない。
 感情的になりはするが、理屈の通じない人間ではない。

 竜の力を、どう使うべきか。
 王国のために、どう動くべきか。

 それを話し合えばいい。

 ──そう、自分に言い聞かせながら。

(俺が、取り戻せばいい)

 それは、どこまでも王太子らしい、そしてどこまでも“男の浅はかな自信”に満ちた考えだった。

 自分が行けば。
 自分が頭を下げれば。
 自分が言葉を尽くせば。

 エリーナは、きっと振り向く。
 竜も、きっと認める。

 そんな保証はどこにもないのに。

 胸の奥の焦りは、もはや理性の声を聞こうとはしなかった。

 白銀の竜が彼女を抱き上げたあの光景が、焼きついて離れない。

 あの掌の中の彼女が、自分の手の届かない場所へ行ってしまう前に──

(もう一度だけでいい。
 俺の隣に、戻ってこい)

 アレクシオンは、そんな身勝手な祈りを飲み込みながら、真っ直ぐ進んだ。

 カルヴェルト伯爵家へ向かうための、最初の一歩を踏み出す。

 それが、自分の運命を、そしてエリーナの未来を、さらに大きく揺さぶる一歩になるとも知らずに。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました

Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。 「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」 元婚約者である王子はそう言い放った。 十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。 その沈黙には、理由があった。 その夜、王都を照らす奇跡の光。 枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。 「真の聖女が目覚めた」と——

私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません

しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」 ――それは私を縛る呪いの言葉だった。 家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。 痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。 でも、、そんな私、私じゃない!! ―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、私は、私に告げるだろう。 「私の人生に、おかえりなさい。」

婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。

真実の愛を見つけた王太子殿下、婚約破棄の前に10年分の王家運営費1.5億枚を精算して頂けます?

ぱすた屋さん
恋愛
「エルゼ、婚約を破棄する! 私は真実の愛を見つけたのだ!」 建国記念祭の夜会、王太子アルフォンスに断罪された公爵令嬢エルゼ。 だが彼女は泣き崩れるどころか、事務的に一枚の書類を取り出した。 「承知いたしました。では、我が家が立て替えた10年分の王家運営費――金貨1億5800万枚の精算をお願いします」 宝石代、夜会費、そして城の維持費。 すべてを公爵家の「融資」で賄っていた王家に、返済能力などあるはずもない。 「支払えない? では担保として、王都の魔力供給と水道、食料搬入路の使用を差し止めます。あ、殿下が今履いている靴も我が家の備品ですので、今すぐ脱いでくださいね?」 暗闇に沈む王城で、靴下姿で這いつくばる元婚約者。 下着同然の姿で震える「自称・聖女」。 「ゴミの分別は、淑女の嗜みですわ」 沈みゆく泥舟(王国)を捨て、彼女を「財務卿」として熱望する隣国の帝国へと向かう、爽快な論理的ざまぁ短編!

追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を

タマ マコト
ファンタジー
名門薬師一族に生まれたエリシアは、才能なしと蔑まれ、家名を守るために追放される。 だがそれは建前で、彼女の異質な才能を恐れた家族による処刑だった。 雨の夜、毒を盛られ十七歳で命を落とした彼女は、同じ世界の片隅で赤子として転生する。 血の繋がらない治療師たちに拾われ、前世の記憶と復讐心を胸に抱いたまま、 “最強薬師”としての二度目の人生が静かに始まる。

処理中です...