追放エンドだと思ったら世界が私を選んだ、元聖女のざまぁ再生記

タマ マコト

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第5話:ルシアンとの出会い、守る剣の温度

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その日は、朝から空がやけに静かだった。

鳥が鳴く回数が少ない。
風が草を揺らす音が薄い。
春のはずなのに、空気の底に冷たい芯が沈んでいる気がした。

マルタは店の窓を拭きながら、ふっと手を止めた。

「……変だね」

「なにが?」
私はパン籠を拭きながら聞いた。

マルタは眉を寄せる。
その眉間の皺は、笑い皺とは違う深さだった。

「犬が鳴かない。あの子たち、普段は誰か通るだけで騒ぐのに」

言われて気づく。
確かに、村の入口に繋がれている犬の声が聞こえない。

私は喉の奥が乾いた。
嫌な予感は、前触れもなく心臓を掴んでくる。

「大丈夫だよ」
私は自分に言い聞かせるみたいに言った。
「ただの気のせいかも」

マルタは肩をすくめたが、目は外を追い続けている。

「そうだといいけどねぇ。最近、街道が荒れてるって話も聞くし」

街道。荒れてる。
その単語が、胸の奥を小さく刺した。

“追放”。

木箱の馬車。雪。罵声。
あの夜の痛みは、いまだに身体のどこかに沈んでいる。
思い出したくなくても、ふいに皮膚の裏側が冷える。

私は布巾を握り直し、できるだけ普通の顔をした。
普通。普通。私はただの拾われた子。エリシア。

そのとき、外から走ってくる足音がした。
泥を跳ねる勢いの音。息が切れている。

扉がバンッと開く。

「マルタさん! 大変だ!」

入ってきたのは村の青年、トム。
顔が青い。目が泳いでいる。

「……どうしたの、そんな顔して」
マルタが言う。声が低い。

トムは息を吸って、吐いて、それでも言葉が追いつかないみたいに喉を鳴らした。

「盗賊だ……! 南の道から……三人、いや、もっといるかも! 家、荒らされてる!」

言葉が部屋の中に落ちた瞬間、空気が凍った。
春の匂いが、一気に遠のく。

「……嘘でしょ」
マルタが呟く。

「嘘じゃない! 俺、見たんだ! ベンの家、窓割られて……奥さん泣いてて……!」

外で、遠くから女の叫び声が聞こえた。
それは噂じゃない。今起きている現実の音。

胸がぎゅっと縮む。
私の身体が勝手に小さくなる。
息が浅くなる。

「エリシア!」
マルタが私の腕を掴む。
「裏へ! 納屋の奥に隠れて!」

「……マルタは?」

「私は店閉める! パンも金も隠す! ほら、早く!」

彼女の声は強い。強いけど、その強さの奥に震えがある。
私は反射で頷いて、裏口へ走った。

木の床がきしむ。
裏戸を開けた瞬間、冷たい空気が肌を撫でた。
春なのに、刃みたいに。

私は納屋へ飛び込む。
干し草の匂いが鼻を突く。
暗い。狭い。息が詰まる。

奥へ奥へ。
干し草の山の陰。
そこに身を潜めた。

膝を抱える。
指先が冷える。

外から聞こえる音が、どんどん近づいてくる。

ガラスが割れる音。
木が蹴られる音。
男の怒鳴り声。
女の泣き声。
子どもの叫び声。

「金だ! 食い物だ! 出せ!」
「やめて! それだけは……!」
「うるせぇ!」

心臓が痛いくらい跳ねる。
胃が気持ち悪い。
唇を噛む。血の味はしない。でも怖い。

――誰か助けて。

雪原で、私はそう言った。
でも誰も来なかった。

だから今も、誰も来ない。
そう思ってしまう。

私は頭を振った。
違う。まだ決まってない。
でも音は確実に近づく。

納屋の扉が乱暴に開く音がした。

「ここにもあるだろ、探せ!」

男の声。酒臭い。
笑い声が混じる。
複数いる。

足音が、干し草を踏む音が、近い。
近い。近い。

私は息を止めた。
息が喉に引っかかる。
咳が出そうになるのを必死で堪える。

干し草の隙間から、影が見えた。
太い腕。汚れた革の鎧。
腰に短剣。
目が合いそうで、目を閉じた。

「……ん?」

男が近づく。
影が大きくなる。

「おい、ここ……」

干し草が掴まれる気配。
剥がされる。
私の隠れ場所が、暴かれる。

その瞬間――

外から、まるで雷みたいな音が響いた。

金属がぶつかる音。
鋭い叫び。
そして、怒鳴り声が変わる。

「うわっ、誰だてめぇ!」
「……っ、剣士!?」

納屋の男が動きを止めた。
足音が遠ざかる。
外へ飛び出していく。

私は息を吸ってしまった。
空気が肺に入るのに、喉が震える。

外で、金属が鳴る。
剣と剣がぶつかる、硬い音。
それが何度も、何度も。

私は干し草の陰から、そっと覗いた。

村の道の真ん中に、ひとり男が立っていた。
旅装。黒に近い濃紺の外套。肩には擦れた革の防具。
長身で、背筋が真っ直ぐ。
剣を構える姿が、無駄がなくて綺麗だった。

相手は盗賊が三人。
荒い動き。乱暴な刃。
でも旅の男は、ほとんど動かない。
小さく足を運び、刃を受け流し、反撃は必要な分だけ。

一太刀。
盗賊の剣が弾かれ、手から落ちる。

二太刀。
もう一人の膝が折れる。血は出ない。痛みだけが確実に入る打ち方。

三太刀。
最後の男が地面に転がり、喉元に剣先が止まる。

早い。
冷たいくらい、正確。

盗賊は歯ぎしりして叫んだ。

「な、なんなんだよ! 村の用心棒か!?」

旅の男は答えない。
ただ、低い声で一言。

「武器を捨てろ」

その声は怒鳴りではなく、氷みたいに澄んでいた。
盗賊は震え、短剣を投げ捨てる。

村の人が、家の陰から顔を出し始める。
マルタも店の入口から出てきた。顔色はまだ青い。

「……あ、あんた……誰……?」
誰かが恐る恐る聞く。

旅の男は剣先を下げ、息を整えた。
汗はかいているのに、焦りがない。

「通りすがりだ」

それだけ言って、盗賊たちを縄で縛り始める。
手際が良い。まるで慣れている。

村人がざわつく。
感謝の声。驚き。安堵。
その中で私は、納屋の影から出られなかった。

足が震える。
怖い。
盗賊が怖いだけじゃない。

“助けが来た”という事実が怖い。

守られるのが怖い。
守られたら、次に何かを返さなきゃいけない気がする。
私はずっと、そうやって生きてきたから。

そのとき、ふいに視線を感じた。

旅の男が、こちらを見ていた。
まっすぐ。迷いのない目。

私は息を呑み、干し草の陰に引っ込もうとする。
でも遅かった。

「君」

男が歩いてくる。
足音が土を踏む。
近づくほど、剣の気配が濃くなる。

私は後ずさる。背中が納屋の壁に当たる。
逃げ場がない。

男は納屋の入口で立ち止まった。
剣は鞘に収めている。
手は開いている。脅す動きじゃない。

「大丈夫?」

その言葉が、私の耳に落ちた瞬間――胸の奥で、何かがカチリと音を立てた。

大丈夫?
その問いは、私を“使えるか”ではなく、
私が“痛くないか”を聞いている。

王都で聞いたのは、結果、責務、対価。
ここで聞こえたのは、たった三文字。

大丈夫?

私は言葉が出なかった。
喉が詰まる。
目が熱くなる。

男は眉を少しだけ下げた。
優しさを誇張しない顔。
でも、目の奥がちゃんと人を見ている。

「……怖かった?」

私は小さく頷いた。
それだけで、涙が落ちそうになる。

男は深く頷き返す。
「そりゃ怖い。もう大丈夫だ。外に出られる?」

外。
光。
人の目。

私は一瞬ためらう。
でも、この男の声は、命令じゃない。
選ばせる声だ。

私はゆっくり立ち上がった。
足がまだ震える。
でも、男は手を差し出してこない。
必要以上に触れない。

その距離感が、なぜだか救いだった。

納屋から外へ出る。
村の空気が一気に入ってくる。
さっきまでの叫び声は消え、代わりにざわざわとした安堵が広がっている。

盗賊は縛られ、地面に座らされていた。
村人たちが囲んでいる。
誰かが怒鳴り、誰かが泣き、誰かが祈っている。

マルタが私を見つけて駆け寄ってきた。

「エリシア! 無事!?」
彼女は私を抱きしめようとして、途中で止まった。
私が硬直しているのに気づいたから。

「……うん。大丈夫」

声が震える。
でも言えた。

マルタが、ほっと息を吐いた。
そして、旅の男に向き直る。

「あなた……本当に助かったよ。なんてお礼を……」

男は軽く首を振った。

「礼はいらない。……ただ」

彼の視線が、また私に戻る。
そこにいやらしさがない。
値踏みもない。

「君、顔色が悪い。怪我は?」

私は反射で首を振った。
「ない。……私、隠れてただけ」

男は納得したように頷いた。

「ならいい」

それだけ言って踵を返そうとした。
去ろうとする背中。
旅人の背中は、どこか孤独に見えた。

村人が慌てる。
「待ってくれ! 泊まってけよ!」
「せめて飯を!」
「この盗賊、どうする!?」

男は立ち止まり、短く答えた。

「近くの駐屯所に引き渡す。……ここに置いておくとまた揉める」

合理的。
でも冷たくない。
あくまで村のために言っている。

「俺はルシアン・ヴァルグレイヴ」
彼は名乗った。
「通り道だ。今夜は泊まって、明日連れて行く」

村がどっと安堵する。
マルタが胸に手を当てて笑った。
「ルシアンさん! 本当に……!」

その瞬間、村人の一人が小声で囁いた。

「……この子さ、エリシア……この前、リオの足……」

別の声が続く。
「奇跡……見たって……」

私の血が冷える。
やめて。
言わないで。

でも、噂はもう芽を出している。
それが怖い。息ができない。

ルシアンはその囁きを聞いたはずなのに、顔色を変えなかった。
私を見て、ただ言った。

「君、帰れる?」

私は頷いた。
その問いも、さっきと同じだ。
“君がどうしたい”を聞いている。

マルタが私の背中を押すように言った。

「エリシア、今日はもう休みな。怖かったろ。店の奥にいていいよ」

私は小さく頷き、店の方へ歩き出した。
背中に、視線が刺さる。村人の好奇心、期待、感謝。
全部が重い。

でも、その重さの中に一つだけ、妙に温度の違う視線があった。
ルシアンの視線だ。
熱くない。冷たくもない。
ただ、ちゃんと“守る側”の目。

店の奥に入って、私はやっと息を吐いた。
膝が震えて、椅子に座り込む。

マルタが水を持ってきて、私の前に置く。

「飲みな」
彼女は私の手を見て、眉を寄せた。
「震えてる」

私はコップを握った。
指が震えるせいで水面が揺れる。
口に運ぶと、少しこぼれた。

「……守ってもらった」

ぽつりと漏れた言葉に、自分で驚く。
守ってもらった、なんて。
今まで口にすることがなかった言葉。

マルタは柔らかく笑った。
「そうだよ。村ってさ、弱いときは支え合うもんだよ」

支え合う。
その言葉が、遠い国の言葉みたいに聞こえた。

夜。
村の集会所で、ルシアンは盗賊の引き渡しの段取りを村長と話していた。
私は少し離れたところで、壁に背を預けてその様子を見ていた。

彼は淡々と話す。
でも、村長の言葉を途中で遮らない。
焦っている村人に苛立たない。
必要なことだけを選んで言う。

剣の使い方と同じだ。
無駄がなくて、守るための動き。

私は自分の腕を抱いた。
寒いわけじゃない。
でも、胸の中が落ち着かない。

奇跡の噂が広まれば、教会が来るかもしれない。
王都へ連れて行かれるかもしれない。
また“聖女”として囲われるかもしれない。

怖い。
怖いけど、逃げ続けたら、いつか追いつかれる。

そのとき、ルシアンが話を終えてこちらへ歩いてきた。
足音が近づく。
私は反射で身体を固くする。

「エリシア」

名を呼ばれて、喉が鳴った。

ルシアンは私の前で立ち止まる。
表情は変わらない。
でも目だけが、夜の灯りを受けて柔らかい。

「さっきから、ずっと固い顔してる」
彼は言った。
「……怖いのか?」

私は視線を逸らした。
「……うん」

正直に言ってしまった。
言ってから、怖くなる。
こんなことを言ったら、弱いと思われる。役に立たないと思われる。

でもルシアンは笑わなかった。
軽く頷いた。

「怖いのは当然だ。襲われたんだから」

その当たり前が、私には当たり前じゃなかった。

「……みんな、私に『祈れ』って言うのに」
口が勝手に動いた。
「怖いって言っても……『黙れ』って言うのに」

言い終わって、胸が痛い。
しまった、と思う。
こんなことを言っても、困らせるだけだ。

でもルシアンは、少しだけ眉を寄せた。

「そんなこと言うやつがいるなら、俺が止める」

さらっと言った。
迷いのない声で。
剣を振るうみたいな確かさで。

私は目を見開いた。

「……止めるって」

「止める」
ルシアンは繰り返した。
「君が嫌なら、誰にも無理はさせない」

胸の奥が熱くなる。
泣きそうになる。
でも泣いたら、弱くなる。
そう思って、唇を噛む。

ルシアンは私の手元を見た。震える指。
そして、ほんの一瞬だけ迷うように息を吸ってから、上着の外套を脱いだ。

「寒いだろ」

私は反射で首を振った。
「寒くない」

「寒くなくても、震えてる」
彼は淡々と言って、外套を私の肩にそっと掛けた。

布が触れた瞬間、びくっとした。
冷たい布じゃない。
人の体温が残った布。
剣の匂いと、旅の土の匂い。
それが不思議なくらい安心する。

私は言葉を失った。
外套の重さが、鎧みたいに心を包む。

「……あったかい」

思わず漏れた声に、ルシアンは少しだけ口角を上げた。
それは笑顔というより、安心させるための小さな形。

「よかった」

その一言で、私の中の壊れていた何かが、もう一度カチリと鳴った。
さっきより大きく。
確実に。

守られるって、こういうことなんだ。

何かを差し出す前に、
まず「大丈夫?」と聞かれて、
まず温かさが渡される。

私は外套の端をぎゅっと握った。
それが、手放したくないものになりそうで怖い。

「……ルシアン」
名前を呼んでみる。
自分の声が、少しだけ素直だった。

「ん?」

「……あなた、旅人なんでしょ。明日、ここから出る?」

ルシアンは頷いた。
「盗賊を引き渡したら、先へ行く。……王都方面だ」

王都。
その言葉が胸に落ちる。重い。冷たい。

でも同時に、心の奥で小さな火が揺れた。
逃げ続けるだけじゃ終わらない。
この奇跡が私に起きるなら、いつか見つかる。
なら、先に――自分で選ぶしかない。

私は息を吸った。
外套の温度を胸に集めるみたいに。

「……私も、王都に行きたい」

口に出した瞬間、喉が痛いほど緊張した。
後戻りできない気がして。

ルシアンは驚いた顔をしない。
ただ、確認するみたいにゆっくり言った。

「理由は?」

私は言葉に詰まる。
理由はたくさんある。怖い。確かめたい。逃げたい。終わらせたい。
でも全部を言うには、まだ喉が弱い。

だから私は、一番本当だけを言った。

「……このままだと、また奪われる気がする」
声が震える。
「何が、って……うまく言えないけど。ここにいたら……誰かに見つかって、連れていかれる」

ルシアンの目が細くなる。
彼は一度だけ、深く頷いた。

「分かった」

それだけ。
否定もしない。笑わない。説教しない。

「じゃあ、同行するか」
ルシアンは言った。
「俺が守る」

守る。
その言葉が、剣の音みたいに真っ直ぐ胸に刺さった。

私は、怖いのに、頷いてしまった。
頷いた瞬間、肩の力が少しだけ抜けた。

「……うん」

ルシアンは外套の襟を軽く整えて、私の肩からずれないようにした。
触れる指が、短く、優しい。

その指先の温度が、
雪の夜に誰も触れてくれなかった私の肌に、
初めて“守られる側”の現実を教えた。

外で夜風が鳴る。
でも私は震えなかった。

外套の重さと温度が、
私を、私のまま立たせてくれていた。
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