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第7話「三つの加護と、真実の香」
しおりを挟む焚き火もランプもないのに、泉のほとりは不思議なあたたかさで満ちていた。
闇はある。
夜の冷たさもある。
それでも、ここだけは世界から切り離された、小さな聖域みたいだった。
「――さて」
女神エリュシアが、ふうっとひとつ息を吐く。
「さっきね、“選んで”って言ったでしょう」
さきほどの問い。
女神の娘として生きるか。
記憶を捨てて、ただ眠るか。
その二択を突きつけられて、ユナ・アークレットは、ほんの少しの沈黙のあと――笑った。
「……ごめんなさい」
「なにが?」
「どっちかって言われたら、もう、決まってるなって思って」
胸の奥を軽く叩きながら、ユナは自分で自分に呆れるように言う。
「ここまで連れてきてもらって、“もう寝てていいよ”は、さすがに、ないかなって……」
「つまり?」
「女神さまの娘、として生きる方を……選びたいです」
言葉にしてみた瞬間、心臓がどくんと跳ねた。
自分で思っていた以上に、その選択に重さがある。
でも、不思議と怖くはなかった。
恨んで生きるより、誰かの役に立ちたい。
もう一度、誰かの隣に座りたい。
それは、さっき自分で宣言したばかりだ。
エリュシアは、少しだけ目を丸くした。
「……ほんと、あなたって」
「え、何かまずかったですか?」
「いいえ」
エリュシアは首を振り、ふ、と目元を柔らかくした。
「だからこそ、って思っただけ」
「だからこそ?」
「だからこそ、私はあなたを選んだんだって」
月の光が、その笑みを縁どる。
「じゃあ――儀式を始めましょうか。ユナ・アークレット」
エリュシアが、ゆるやかに立ち上がった。
泉に近づく。
白い足首が、澄んだ水面すれすれをかすめていく。
女神がしゃがみ込むと、水面がふわりと光を帯びた。
指先でそっと水を掬う。
掌に乗った水は、普通の水より少しだけ粘度があって、月の雫をそのまますくい取ったみたいに淡く輝いていた。
「今さら説明するまでもないかもしれないけど、一応伝えておくわ」
エリュシアは振り向く。
掬った水が、彼女の指の隙間からこぼれそうでこぼれない。
「これから、あなたに三つの加護を“正式に”授ける。
一つ目。癒しの力。
二つ目。真実を嗅ぎ分ける力。
三つ目。――祝福の光」
ユナの喉が、ごくりと鳴る。
「さっきまでのは、“つまみ食い”みたいなものだったのよ」
「つまみ食い……」
「本来のあなたの器からしたら、ほんのささやかなお裾分け。
だからこそ、あなたは自分のことを“平凡”だって思えていたんだけど――」
エリュシアはくすっと笑う。
「今日からは、そうもいかなくなるわね」
「あの、それ、ハードル上がる言い方やめてもらえます?」
「事実なんだから、諦めなさい」
完全に“親のそれ”みたいな口調で言われて、ユナは困ったように微笑んだ。
緊張と、期待と、少しの怖さ。
いろんな感情が胸の中でぐるぐる混ざっている。
「――まず、一つ目」
エリュシアは、ユナの目の前に立つ。
「目を閉じて」
言われた通り、ユナはそっとまぶたを下ろした。
足元の草の感触。
夜の空気の冷たさ。
泉の水音。
一つ一つが、いつもより鮮明に感じる。
額のあたりに、ひやりとした感触が触れた。
エリュシアが指先で水を垂らしたのだとすぐに分かる。
「――《癒しの雫》」
名を告げる声が、静かに空へ溶けていく。
「触れた者の傷を癒し、心の痛みすら溶かす。
あなただけに許される、私の雫」
ひと雫、額からすっと内側へ染み込んでくるような感覚があった。
冷たいのに、あたたかい。
矛盾した感覚が、一本の線になって、頭のてっぺんから背骨をつたって降りていく。
「あ……」
ユナの唇が、勝手に声を漏らす。
視界の裏側に、いくつもの光景が映った。
孤児院で、熱を出した子どもの額に手を当てたとき。
必死で祈るように、「早くよくなって」と願ったとき。
その子の表情が、少しだけ楽になって。
「ユナがいると、少し楽になる」
あの何気ない一言。
(全部……これのせいだったんだ)
胸の中で、点と点が、線になって繋がっていく。
オルフェリア侯爵家でも。
疲れ切ったリサに渡したハーブティー。
腰を押さえるクラリスの背中をさすった手。
言葉より先に、“楽になって”ほしいと願った想い。
「それらは全部、あなたと私の共同作業だったってわけ」
エリュシアの声が、額から胸へと流れ込んでいく感覚と重なった。
「ただし、この雫にはひとつだけ条件がある」
「条件……?」
「嘘や悪意に塗れた者には、一切届かない」
声が、ほんの少しだけ冷たくなる。
「癒すのは、傷つきながらも、まだ誰かを信じようとする心だけ。
他人を踏みにじることに慣れ切った手は、救われない」
その線引きが、ユナの中にすとんと落ちた。
“誰にでも優しくしなきゃ”と自分を縛っていた糸が、少しだけ緩んだ気がする。
「……全部は、救えないんですね」
「全部救おうとする方がおかしいの。神様でも無理よ」
エリュシアはきっぱり言う。
「あなたは、“救いたいと思える相手”のところへ手を伸ばしなさい。それで十分」
その言葉が、ひどく優しくて。
ユナは、ぎゅっと胸の前で手を握った。
「――二つ目」
エリュシアがまた泉に向き直り、水を掬う。
今度は、胸元にひたり、と水滴が落ちた。
服は濡れないのに、肌の奥が震える。
「《真実の香》」
名前を告げた瞬間、世界の色が、少しだけ変わった気がした。
「あなたの周囲で、人々の本音が香りとして漂うようになる」
淡々とした説明。
「嫉妬は鉄。
嘘は湿った土。
純粋な好意は花の香り」
一つひとつの言葉が、鼻の奥に感覚として刻まれていく。
鉄――エレナ。
湿った土――ミレイユが、微笑みながら心の中で別のことを考えていたとき。
花の香り――クラリスや、リオやマルクと笑い合っていた時間。
(あのとき、感じてた“変な匂い”……)
エレナのそばにいると、なんとなく鉄っぽい味がしていた。
ミレイユが視線を逸らすとき、空気がじめっと重くなった。
全部、気のせいだと思っていた。
でも、それはすでに始まっていた“前兆”だったのだ。
「正直に言っておくわ、この加護は、あなたを傷つけることもある」
エリュシアの声が、少しだけ真剣になる。
「見なくていいものまで見えるから。
聞きたくない本音も、匂いで分かってしまう」
恋人の嘘。
友達の妬み。
恩人の打算。
そういうものが、全部“香り”として浮かび上がる。
それはたしかに、残酷だ。
「それでも、与えるんですね」
ユナが静かに問うと、エリュシアは迷いなく頷いた。
「それでも、あなたなら――その真実を、“誰かを守るため”に使ってくれるって分かってるから」
「守るため……」
「誰かを貶めるためじゃなく。
踏みにじるためでもなく。
ちゃんと、“この人は信じていい”“この人からは離れた方がいい”って、線を引くために」
そう言われて、ユナは胸の奥に手を当てた。
あの屋敷で、“見えなかったもの”が多すぎた。
エレナの嫉妬。
ミレイユの保身。
他の使用人の、黙って見て見ぬふりをする気持ち。
あの時もし、この力がはっきり働いていたら――何か違っていたかもしれない。
(でも、あのときの私は、きっとそれでも自分を責めてた)
そう思うと、少し苦笑したくなる。
それでも、今なら。
誰かの本心が分かることが、逃げるか、立ち向かうかを選ぶ手がかりになる。
それは、怖さと同時に、“強さ”でもあるのかもしれない。
「――そして、三つ目」
エリュシアの声のトーンが、少しだけ変わった。
それまでの二つとは、違う響き。
泉の水音さえ、一瞬だけ止まったように感じる。
「最後の加護は……少し、重いわよ」
「さっきの二つでもう、相当重かったんですけど」
「まだ序の口」
即答。
エリュシアは再び膝を折り、両手で泉の水を掬い上げた。
さっきよりも、ずっと多く。
掌から溢れ出した水が、光の粒になって空中に浮かぶ。
それは水じゃなくて――光の雫だった。
月の光を細かく砕いて、ひと粒ずつ集めたみたいな。
「本来は、王家の正統な後継者に降りるはずだった光」
エリュシアは、その光の粒を見つめながら言う。
「政治的な事情とか、血筋とか、そういう“大人の事情”で決められるはずだった祝福」
軽く毒を含んだ言い方。
「でもね」
エリュシアはふっと笑った。
「私、そういうの、飽きちゃったのよ」
「え、女神さまってそういうこと言っていいんですか」
「いいの。私の祝福なんだから、私が決める」
ばっさり。
光の粒が、エリュシアの指先からふわりと飛び立つ。
ユナの周りを、蛍みたいにくるくると回り始めた。
「――《女神の祝福》」
その名を告げた瞬間。
世界が、音を立てて開いた。
ユナの足元から、じわりと何かが湧き上がってくる。
あたたかい。
でも、“癒し”のそれとは違う。
胸の奥、もっと深いところ。
心臓よりさらに内側にある、“芯”みたいな部分が、初めて呼吸を始めたみたいだった。
光の粒たちが、一つ、また一つとユナの体の中に吸い込まれていく。
指先。
背中。
喉。
頭のてっぺん。
通り過ぎた場所すべてに、柔らかな余韻が残る。
(私……)
あまりの感覚に、ユナは立っているのがやっとだった。
(なにこれ……)
そのとき、視界の裏側でまた映像が広がる。
宮殿の高い天井。
王家の紋章。
冠を戴く少年。
祝福の儀式。
人々の祈り。
それら全部が、遠くに感じた。
本来そこに降りるはずだった光が、今、自分の中に流れ込んでいる。
「この光は、強制じゃない」
エリュシアの声が、遠くと近くの両方から聞こえてくる。
「王としての責務を押し付けるものでもない。
誰かを支配する力でもない。
ただ、“世界にとって必要な場所へ、あなたを導く”ための印」
「導く……」
「ええ。あなたが選んだ場所と、あなたを必要としている場所を、ちゃんと繋げるための道しるべ」
ユナの体の内側で、光がひとつに集まる。
胸の真ん中。
そこからじわじわと温度が広がって、皮膚のすぐ下を通って、周囲の空気まで温めていく。
泉の水面が、ユナの吐く息に応えるみたいに揺れた。
ふ、と。
光の流れが落ち着く。
ユナはゆっくりと目を開けた。
夜の森が、さっきとは違って見えた。
葉の一枚一枚が、微かな光を纏っているように見える。
泉の水面には、月と――自分と、エリュシアの姿が映っていた。
自分の周りの空気が、ほんの少しだけ柔らかい。
それは自惚れじゃなく、確かに感じる“変化”だった。
「これで――三つの加護は、全部あなたのもの」
エリュシアは、満足そうに頷く。
「癒しの雫。真実の香。女神の祝福。
どれも簡単じゃないし、ときどきあなたを追い詰めるかもしれない。
でも、その代わり」
エリュシアは、そっとユナの肩に手を置いた。
「あなたはもう、“ただの不吉なメイド”なんかじゃない」
その一言は、あまりにも優しくて。
ユナの胸の中にこびりついていた言葉――“不吉”“追放”“いらない”――を、ひとつひとつ上書きしていくみたいだった。
「私が選んだ、“私の娘”よ」
「……そんな立派なものじゃないですけど」
反射的に謙遜してしまってから、ユナは「あっ」と口を押さえた。
「また“私なんて”って言いかけましたね」
「ええ、減点」
「減点制度なんですか」
「当然でしょ」
二人の間に、小さな笑いが生まれる。
さっきまでの重々しい儀式の余韻を、少しだけ軽くしてくれる笑い。
その柔らかさに、ユナの肩の力がふわっと抜けた。
「……それでも」
ユナは、胸に手を当てたまま呟く。
「それでも私は、平凡な私のままで、いたいです」
エリュシアが目を瞬いた。
「この力があっても、“特別な人です”って顔するのは、違う気がして。
皿運んで、床を拭いて、困ってる人がいたら手を伸ばして。
たぶん私は、そういうことしかできないから」
少し照れくさそうに笑う。
「だから、その……“普通の私”でいながら、この力を使えるようになりたいです」
エリュシアは、しばらくユナを見つめていた。
その瞳の奥で、何かが溶けていく。
「――だからこそ、よ」
ゆっくりと、女神は言う。
「だからこそ、私が選んだの」
「……え?」
「力を振りかざしたがる子に渡したら、簡単に世界は壊れるわ。
でも、あなたは違う。
自分の力を、“重い”ってちゃんと感じて、怖がってくれる。
それでも、“誰かのために使いたい”って言ってくれる」
エリュシアは、肩から手を離し、くるりと背を向けた。
泉の水面を踏むように、一歩進む。
でも、足は沈まない。
水の上に、白い足跡だけが淡く残った。
「さあ、ユナ」
振り返る。
「ここから先は、“外の世界”の話」
森の向こう。
木々の隙間から、かすかに街の灯りが見える。
あの屋敷。
王都。
まだ出会っていない誰か。
全部が、その先にある。
「この森を出たら、あなたはもう、“追放されたメイド”じゃない」
エリュシアの声が、夜の空気を震わせた。
「女神エリュシアの加護を宿す娘――ユナ・アークレットとして、歩きなさい」
胸の奥で、何かが高鳴る。
不安もある。
怖さもある。
それでも。
「はい」
ユナは、はっきりと頷いた。
「私なりに、ですけど。できることを探して、やってみます」
エリュシアが満足そうに微笑む。
その笑みには、どこか“送り出す親”の切なさも混じっていた。
「――最後に、一つだけ」
エリュシアは、意味ありげに目を細める。
「予言、ってほど大げさじゃないけど。少し未来の話をしてあげる」
「み、未来……?」
「あなたを捨てた場所が」
その言い方には、容赦がない。
「あなたを求めて、泣きついてくる日が来るわ」
ユナは、一瞬意味を理解できなかった。
「……え?」
「そのとき、あなたがどうするかは、あなたが決めなさい」
エリュシアは、それ以上詳しくは語らない。
けれど、その瞳の奥には、少しだけ愉快そうな光があった。
「泣きついてくる、って……」
あの屋敷が?
エレナが?
侯爵夫妻が?
想像がつかない。
でも、エリュシアがそう言うなら、きっと何かが起きるのだろう。
「そのときまでに、ちゃんと自分で立てるようになっておきなさい。
“ごめんなさい、私が悪いんです”って頭を下げるしかできない子じゃなくて。
“私はこうしたいです”って、自分の意思で選べる子に」
それは、優しくて厳しい宿題だった。
ユナは、大きく息を吸い込む。
森の香り。
湿った土。
葉の青さ。
そして――
鼻の奥に、ほんのりと花の香りが広がる。
(……花の香り)
自分の胸のあたりから、ふわりと立ち上る匂い。
純粋な好意。
エリュシアが、少し照れくさそうに頬をかいた。
「……何も言わないで」
「今、少しだけ分かっちゃいました」
「ほんと、早速使いこなすんだから」
女神はぼやきながらも、悪い顔はしていなかった。
「行きなさい」
最後に、もう一度だけユナの額に触れる。
その指先は、最初に触れたときよりずっとあたたかかった。
「あなたが歩く先で、必要なときに、私は必ず見る。
でも、決めるのは、いつだってあなた」
「……はい」
ユナは片手で涙を拭い、立ち上がる。
泉のほとりから一歩離れると、森の影が少しだけ濃くなった。
でも、怖くはなかった。
胸の奥で、三つの加護が静かに呼吸している。
癒しの雫。
真実の香。
女神の祝福。
それら全部を抱えながら、ユナは森の外へと歩き出した。
背中に、柔らかな視線を感じる。
振り返らなくても分かる。
女神エリュシアは、きっとあの泉のほとりで。
少し寂しそうに、でも誇らしげに、こちらを見送っているのだろう。
木々の向こうで、夜明けの気配が少しずつ近づいていた。
ユナの、新しい一日が始まろうとしていた。
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