平凡メイドの私が追放された結果、女神の加護を独占して国が騒然

タマ マコト

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第8話「旅の始まりと、小さな救い」

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 森を抜けたとき、空はもうすっかり朝の色をしていた。

 薄い水色のキャンバスの上に、ちぎれた綿みたいな雲が浮かんでいる。
 夜の雨はいつの間にか止んでいて、地面にはまだ小さな水たまりが点々と残っていた。

「……朝、だ」

 ユナ・アークレットは、ゆっくりと瞬きをする。

 ついさっきまで、あの泉のほとりで女神と向き合っていた感覚が、まだ体の内側にくっきり残っている。
 胸の奥で、何かが静かにあたたかく灯っている。

 癒しの雫。
 真実の香。
 女神の祝福。

(……本当に、夢じゃないんだよね)

 胸に手を当ててみる。
 指先の下で、鼓動と一緒に、微かな熱が脈打っていた。

 周りは、もう森の外だ。

 低い丘が連なり、その向こうに、小さな村が見えた。
 煙突からは細い煙が立ち上っていて、朝ごはんの支度をしているのか、かすかにスープみたいな匂いが届いてくる。

「……とりあえず、あそこ、かな」

 行き先なんて決まってない。

 でも、立っているだけじゃ、何も始まらない。

 ユナは、泥のはねたスカートの裾をつまんで軽く払い、ゆっくりと坂を下り始めた。

 ◆

 村の入口は、想像していたより静かだった。

 門らしい門はなく、木で組んだ簡単な柵が一応境界線を示しているだけ。
 そこに「○○村」みたいな立派な看板があるわけでもなく、道端の石に白いペンキで雑に名前らしき文字が書かれている。

「フィルナ……村?」

 かすれた文字を読み上げて、ユナは小さく首をかしげる。

 村の中は、静か――というより、疲れているように見えた。

 井戸のそばで座り込んでいる女性。
 荷車の横で、ぼんやり空を見ているおじさん。
 家の軒先で咳き込んでいる老人。

 歩いている人の表情がどこか重くて、笑い声の代わりに、ため息と咳払いがあちこちから聞こえてくる。

(……雰囲気、ちょっと、しんどい)

 胸のあたりが、ぎゅっとなる。
 女神と別れて、現実に戻ってきたばかりの心には、いきなりヘビーな光景だ。

 路地裏をのぞくと、さらに“痛み”がむき出しになっていた。

 壁際に座り込む旅人たち。
 肩から荷物を下ろしたまま、足を投げ出して動かない。
 顔色が悪く、包帯を巻いた腕や足からは、ところどころ血の滲んだ跡が見えた。

 その隣では、痩せた子どもが、地面に描いた線を指でなぞっている。
 額には濡れた布がのせられているけれど、頬は不自然に赤い。

 少し離れた場所。
 古びた鎧を着た男が、壁にもたれかかって目を閉じていた。

 鎧はひどく傷ついている。
 剣の傷。矢の跡。
 “戦場”という言葉が、そのままこびりついているような痛々しさ。

(世界って……こんなに、痛いところだったんだ)

 王都の中、侯爵家の中は、たしかにしんどかった。
 でも、それは“人の視線”とか“評価”とか、目に見えないものが痛かった。

 ここにあるのは、それに加えて、体の痛みだ。

 腹が減って。
 熱が出て。
 血が出て。

 ちゃんと目に見えている痛み。

 胸の奥で、あのあたたかい光がじくじくと騒ぎ出した。

(……見てるだけは、無理だ)

 ユナは、一歩前に出る。

 足が自然に向かったのは、路地裏の奥。
 布団もない地面の上に寝かされている、小さな子どものところだった。

「ごめんね、ちょっといいかな」

 できるだけ優しい声で呼びかける。

 子どもの横には、やつれた顔の若い母親らしき女性が座っていた。
 目の下には深い隈。指先はひび割れていて、爪はところどころ欠けている。

「……どなた?」

「通りがかりの者です。お子さんが、苦しそうだったから」

 ユナはしゃがみ込み、子どもの顔を覗き込んだ。

 額は熱く、息は浅い。
 唇も少し乾いている。

「一晩中、熱が下がらなくて……」

 母親の声は、擦り切れそうにかすれていた。

「薬は、買えなくて。井戸で冷やした布を当ててるんですけど、それだけじゃ……」

 言葉の先が続かない。

 ユナは、胸の奥の光に意識を向けた。

(……エリュシア様。

 これ、私が使っていい力、ですよね?)

 心の中で問いかけても、返事は返ってこない。

 でも、不思議と“ダメ”と言われている気配もなかった。

(じゃあ――やってみよう)

 ユナは両手を合わせ、そっと子どもの額に触れた。

 指先から、ひんやりとしたものが流れ出す。
 でも、それは冷水とは違う。

 まるで、火照った肌の上に、静かな夜風をそっと通すみたいな温度。

「……あ」

 子どもの体が、小さくびくりと震えた。

 ユナの胸の奥で、癒しの雫が静かに動く。

 熱の渦の中に、透明な雫がぽとりと落ちていくイメージが浮かんだ。
 渦が、少しずつゆるんでいく。

「どうか、楽になりますように」

 ユナは、あの孤児院のときと同じように、ただ真っ直ぐに願った。

 “助けたい”
 “苦しくない顔を見たい”

 それだけを、心の中で繰り返す。

 数秒後。

 子どもの呼吸が、ほんの少し深くなった。

 さっきまで不自然な赤さだった頬が、ゆっくりと落ち着いていく。

「……え?」

 母親が、目を見開いた。

「さっきまで、あんなに熱かったのに……」

 額に触れた指が、驚きで震える。

 冷たすぎず、でも熱くもない。
 ちょうどいい体温。

 子どもが、薄く目を開けた。

「……おかあさん?」

「っ……リタ!」

 母親の声が裏返る。

「起きたのね、リタ! どう、苦しくない?」

「うん……なんか、楽になった」

 かすれた声に、少しだけ力が戻っていた。

 ユナの鼻先に、ふわりと花の香りが広がる。

(あ……)

 甘すぎない、小さな白い花の匂い。
 ジャスミンや、野に咲く名もない花の香りを混ぜたみたいな、優しい匂い。

 子どもからも、お母さんからも、その香りが立ち上っていた。

 “純粋な好意”の匂い。

 《真実の香》が、ちゃんと教えてくれている。

「お姉ちゃん……」

 リタが、ユナを見上げた。

 大きな瞳が、まだ少しだけ潤んでいる。

「なんか……いい匂いする」

「えっ」

 不意打ちの一言に、ユナは盛大に動揺した。

「いい匂いって」

「お花みたい。ふわふわして、あったかくて……」

 リタはまだ幼い言葉で、一生懸命伝えようとする。

「春の日のお庭みたいな匂い」

 母親が小さく笑う。

「きっと、お姉さんが優しい人だからよ」

「そんな……」

 頬が熱くなる。

(これ、私の“匂い”じゃなくて、きっとエリュシア様の加護の匂いなのに)

 でも、その匂いが“優しさ”として伝わっているなら、それでいい。

「よかった。少しでも楽になったなら」

 ユナは、ほっと息を吐いた。

「本当に……ありがとうございました。お金は、何も払えませんけど……」

「いりません」

 即答だった。

「えっ」

「お金はいいです。私、通りがかりですし。……その代わり」

 ユナは、少しだけいたずらっぽく笑ってみせる。

「リタちゃんが元気になったら、いっぱい食べて、お水飲んで、また誰かがしんどそうだったら、“大丈夫?”って聞いてあげてください」

「……うん!」

 リタは、弱々しいながらも、力強く頷いた。

 また、花の香りが強くなる。

 胸の奥の癒しの雫も、嬉しそうに揺れていた。

 ◆

 その後も、ユナは村の中を歩いた。

 荷車の横で足を投げ出している旅人には、足をほぐすように撫でて、少しだけ痛みを軽くした。
 肩を押さえてうずくまっている兵士には、背中にそっと手を当てて、古傷のずきずきを和らげた。

 傷の具合によっては、一度で全部を癒せるわけではない。
 でも、“もう少しだけ歩けるように”“もう少しだけ眠れるように”くらいは、どうにかなった。

「なんだか、肩が軽くなったぞ……」
「お前、ただ者じゃねえな」
「すげえ……!」

 驚きと、感謝と、ちょっとした疑い。

 その全部が、鼻の奥に“花の香り+少しの湿った土”として届くのが、ちょっと面白かった。

(“恩を感じてるけど、ただ事じゃないから怖い”って匂いだ……)

 真実の香は、容赦ない。

 でも、それが逆に安心にも繋がる。

(怖いと思われるのは……まあ、仕方ないよね)

 突然現れて、手を当てただけで痛みが和らぐ女。
 警戒されない方がおかしい。

(でも、“助かってる”って匂いもちゃんと感じるから、それでいいや)

 そう思えるあたり、ユナのメンタルは、追放直後から比べるとかなり逞しくなっていた。

 そんなふうに、少しずつ誰かの痛みを削っているうちに――

「ねえねえ、お姉さん」

 少し違う種類の声が、袖をつついた。

 路地の片隅。

 ぼろいコートを着た中年の男が、壁にもたれかかって座っている。
 顔はやつれていて、頬はこけている。

 一見すると、よくある“路地裏の酔っ払い”にも見える。

「あの、どうかしまして……?」

 ユナがしゃがんで問いかけると、男は、いかにも“弱ってます”という顔を作った。

「……お嬢さん、優しそうだねぇ」

(あ、なんか、いやな言い方)

 胸の奥が、ほんの少しざわつく。

 男の周りの空気に、すぐさま“匂い”が混ざった。

 湿った土。

 さっきまでの人たちとは違う、重くて、どろっとしていて、ところどころカビ臭い匂い。

(嘘の匂い……)

 《真実の香》が、警告を鳴らしていた。

「実はさぁ、戦争から帰ってきたばかりでね」

「……戦争」

「そう、戦争さ。あっちの大国と、こっちの王国のさ。前線で、とんでもない目にあってさぁ」

 男は袖をまくって、腕に巻かれたぼろ布を見せる。

「ほら、この傷」

 たしかに、古い傷はある。

 でも、その傷自体はもうふさがっていて、今痛そうにしているわけではない。

 それなのに、男は大げさにうめき声を上げた。

「痛くて痛くて、働けやしないよ。薬を買いたいけど、金がなくてねぇ……」

 湿った土の匂いが、さらに濃くなる。

 その下に、かすかに金属っぽい匂いも混ざっている。

(……苛立ち? 妬み?)

 ユナは、慎重に言葉を選んだ。

「薬は、高いですもんね」

「そうなのさぁ。だから、こうして道端で寝てるしかなくてさ。

 お嬢さん、さっきから人助けしてるみたいじゃないか。見てたよ」

 男の目が、にやりと光る。

「だったらさ、俺にも、その“不思議な力”とやらを分けてくれないかねぇ」

 声のトーンが、ほんの少し変わった。

 哀れみを乞うような弱さの下に、“計算”が透けて見える。

 ユナの鼻先に、湿った土の匂いがずん、と迫る。

(……この人)

 言葉と態度は“弱者”のそれ。
 でも、その奥には、“人の優しさにつけこむ癖”が見えてしまっていた。

(それでも、痛いのは痛いのかな)

 迷いが、胸をかすめる。

 ユナは、ゆっくりと手を伸ばした。

「どこが、一番痛いですか?」

「そりゃあ……ここさ。この腕がもう、どうにも……」

 男は大げさに腕を抱えた。

 ユナは、その腕にそっと触れる。

 胸の奥の癒しの雫に、意識を向ける。

(この人にも、少しは……)

 願おうとして――

 何も、流れなかった。

 からん、と。

 コップの底を指で叩いたけれど、水が一滴も入っていないときみたいな、空虚な感覚。

「……あれ?」

 ユナは、思わず呟いた。

 いつもなら、胸の奥の光がゆっくりと動き出す。
 相手の痛みの形を感じて、そこへ雫を落としていくイメージが浮かぶ。

 なのに今は、何も反応しない。

 ただ、鼻先にへばりついた“湿った土の匂い”だけが、じっとりと重く残っていた。

(もしかして……)

 エリュシアの言葉が、頭の中でよみがえる。

『嘘や悪意に塗れた者には、一切届かない』

「どうしたんだい、お嬢さん」

 男が、わざとらしく弱った声を出す。

「早くその力、使ってくれよ。痛くてたまらないんだ」

 湿った土に、今度は少しだけ鉄の匂いが混ざった。

 苛立ちと、焦り。

「……本当に、痛いんですか」

 ユナは、思い切って聞いた。

 男の眉が、ぴくりと動く。

「当たり前だろう? 嘘ついてどうする」

 湿った土の匂いが、さらに濃くなる。

 真実は、言葉じゃなくて匂いの方に出ていた。

(……届かないように、できてるんだ)

 癒しの雫は、正直だ。
 “救いたい”と願っても、そこにあるのが他人の優しさを食い物にする悪意だったときは、動かない。

 それは、残酷な線引きだ。

 “誰にでも優しくすればいいわけじゃない”と、力そのものに突きつけられている。

「ごめんなさい」

 ユナは、そっと手を離した。

「私の力じゃ、今のあなたは……癒せないみたいです」

「は?」

 男の目つきが変わる。

「いや、あのね、お嬢さん。さっきの子どもには効いたんだろ? じゃあ、俺にも――」

「ごめんなさい」

 ユナは、もう一度繰り返す。

 胸の奥が、少し痛んだ。

 見捨てているみたいで、苦しい。

 でも、その苦しさに、今度は違う感情が混ざっている。

(これ以上、この人の“やり方”に、私の力を使いたくない)

 その気持ちは、嘘じゃなかった。

 男は舌打ちし、あからさまに顔をしかめた。

「ちっ……なんだよ。使えねえな」

 鉄の匂いと、嫌な汗の匂いが一気に立ち上る。

 “感謝”は、どこにもなかった。

「もういい。どっか行けよ。邪魔だ」

 吐き捨てるように言われて、胸がちくりとした。

 でも、ユナは頭を下げた。

「お大事に」

 それだけ言って、その場を離れた。

 背中に、まだ湿った土の匂いがまとわりついてくる。
 少しだけ、吐き気がした。

(……私、全部の人を助けられるわけじゃない)

 頭では、とっくに分かっていたこと。

 でも、目の前で“救えない人”を突きつけられると、改めてその重さを思い知る。

(それでも――)

 さっき笑ってくれた子どもたちの顔が、脳裏に浮かぶ。

「お姉ちゃん、いい匂い」
「肩、軽くなった……!」

 花の香り。
 あたたかい手。

 あの笑顔は、たしかに存在した。

「……それでも、使いたい」

 小さく呟くと、胸の奥の光が、ふわりと応えた気がした。

 ◆

 その夜。

 村の外れの、小さな宿屋。

 木造の二階建て。
 受付の横には、「簡易宿泊 一泊パン付き」と手書きの札。

「すみません、一晩だけ、泊まりたいんですけど」

 ユナが恐る恐る声をかけると、カウンターの向こうから、がっしりした体格の女主人が顔を出した。

「おや、あんた……昼間、あちこちで人助けしてくれてた子じゃないの」

「えっ」

「見てたよ。うちの常連のじいさん、腰軽くなったって喜んでた」

 女主人の周りには、かすかに花の香りが漂っていた。

 感謝と、少しの警戒と。
 でも、全体的にはあたたかい匂い。

(……この人は、大丈夫そう)

 《真実の香》が、“この人を信用していい”と教えてくれている。

「部屋、ひとつ空いてるよ。あんまり広くはないけどね。

 昼間のお礼に、ちょっとだけ値引きしてあげる」

「えっ、でも……」

「どうせあんた、ろくにお金持ってないでしょ」

 図星すぎて、言葉を失う。

 ユナのポーチの中には、追放されるときに渡された給金の半分と、細かい銅貨が少しだけ。

 これからの旅を考えると、あんまり使いたくはないけれど、休むところは必要――

「……ありがとうございます。助かります」

 素直に頭を下げると、女主人は「いいってことよ」と笑った。

 案内された部屋は、本当に狭かった。

 ベッドと、小さな机と、椅子が一つ置かれているだけ。
それでも、ちゃんと屋根があって、雨風がしのげるというだけで、十分贅沢に思えた。

 扉を閉めると、急に静かになる。

「……ふぅ」

 ベッドに腰を下ろして、ようやく心と体の緊張が抜けていく。

 今日は、朝からいろんなことがありすぎた。

 追放。
 雨の夜道。
 女神との邂逅。
 三つの加護。
 そして、村での“初仕事”。

 頭の中が、軽くぐちゃぐちゃだ。

「私、本当にこの力、使っていいのかな」

 ぽつりと、天井に向かって呟く。

 人の痛みを軽くできる。

 それは素晴らしい力だ。

 でも、同時に――“選ぶ”力でもある。

 誰を助けるか。
 誰から距離を置くか。

 さっきの男のことを思い出す。

 湿った土の匂い。
 苛立ち。
 “利用してやろう”という下心。

(あの人を切り捨てた、ってことになるのかな)

 自分が“線を引いた”事実が、胸に残っている。

 それが、どうしても少し苦かった。

「でも……」

 昼間の路地裏の光景も、一緒に浮かぶ。

 リタの笑顔。
 兵士の「楽になったぞ」という驚いた声。
 クラリスたちのことを思い出したときに似た、胸のあたたかさ。

「助かった人がいるなら、使っても……いいんだよね」

 問いかけるように呟いて、ハッとする。

(誰に聞いてるの、私)

 エリュシアは、ここにはいない。

 でも――

 胸の奥で、あの光がまた、小さく明滅した。

 まるで、「いいよ」と頷いてくれたみたいに。

「……うん」

 ユナは、自分に言い聞かせるように頷いた。

「怖いけど。

 全部は助けられないけど。

 それでも、今日みたいに、“助かって良かった”って笑ってくれる人がいるなら――」

 言葉が、自然と口からこぼれ落ちる。

「明日も、歩こう」

 決意を口にしてみると、不思議と胸が軽くなった。

 ベッドに体を横たえる。

 粗末なマットレスだけれど、今のユナには柔らかすぎるくらいだった。

 天井の木目をぼんやり眺めるうちに、だんだん視界が滲んでいく。

「おやすみなさい、エリュシア様」

 返事は、ない。

 でも、まぶたを閉じた瞬間、頬をそっと撫でるようなあたたかい風が通り抜けた。

 それだけで、十分だった。

 ――外の世界には、まだまだ痛みが溢れている。

 そのすべてを癒すことなんてできない。

 それでも、ユナはもう、“ただの不吉なメイド”じゃない。

 女神エリュシアの加護を宿した、一人の少女として。

 小さな救いを、小さな手で運ぶ旅が、静かに始まっていた。
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