妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん

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【アフターストーリー】マリアの剣

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家名に家紋かぁ~ 前世の時の乙女小説に出ていた名前から考えてみようか。

そう思いましたが...物語は覚えているけど、名前までは覚えていません。

駄目だなこれ。

一から考えないと...

考え事しながら廊下を歩いていると、横の裏庭でフリードが木剣を振るっていた。

その横でロゼがその様子を見ていた。

私は気にしないが『婚約破棄』絡みなのだから余り会いたくはないだろうと少し距離を置いていました。

「剣の訓練ですか懐かしいですね」

「マリーネの腕はお父様仕込みでしたわね」

シャルロッテさんとマリーネさんがひょっこりと顔をだした。

「そうなの?」

「はい、マリーネの父は王都警備隊隊長ですから、剣の腕もそこそこはありますからね」

「あのシャルロッテさん、私はそこ迄は強くないですよ、ちょっと齧った程度です」

確かに王都警備隊隊長の娘なら剣を使えて当たり前な気がする。

ようやく、ようやく当たりを引いた、そんな気がする。


三人で話しているとフリードやロゼと目が合った。

この状態で無視もできないのでそのまま二人の方に向った。


「剣の稽古ですか?」

「はい、マリア様、此処の所色々ありましたから少し体を動かそうと思ったのです」

「そう言えば、フリードは剣が得意なのですか?」

「お姉ちゃん凄いのよ、フリード様は同世代の男性には負けた事が無いんですって」

「マリア様、ロゼにどう呼ばせましょうか? 私は実質貴方に仕える身分です、そう考えたら『マリア様』と呼ばせなければいけません、ですがマリア様の妹ぎみでもあります」

確かに困る所ね、しかしフリードはこういう所はしっかりしているのね。

もう諦めた。

なんでも取り上げるから悪意がある...そう思っていたけど。

ロゼの場合は、性格が少し可笑しい馬鹿なだけだ。

その可笑しさが少し異常だけど...

「そうね、日常は『お姉さま』で良いわ、ただ公式の場ではちゃんと『マリア様』と呼ばせて頂戴、シャルロッテさん達もお願いしますね」

「お姉ちゃん」

「「「お姉さま(です)(ですわ)(だ)」」」


うんうん、この調子ならそのうちこの口癖も治るわね。


「お姉さま」

「それで良いわ、話は戻るけどフリードは剣も出来るのね」

「嗜み程度ですが」

此処で私は確かめる事にしたシャルロッテさんはマリーネの剣を『そこそこ強い』そう言った、だがマリーネは『強くない』と言っていた。

だが、これはマリーネさんの謙遜が入っている気がする。

多分王都警備隊隊長の娘なんだから『強い』筈だ。

どの位か見てみたい、だけど剣はもってのほかだし木剣も危ない気がする。

「どうかされましたか? マリア様」

「いや、皆の剣の腕を見たかったのだけど木剣じゃ危ないかなと思って」

「いえ、真剣なら兎も角、木剣の稽古じゃ大した怪我はしませんよ」

「マリーネさん、そうなの?」

「はい、普通に小さい子でもやっていますから」

「そう、だったら大丈夫かな、それなら皆で少しやってみない?」

「お姉ちゃ...さま、私がそういう事が苦手なのは知っているよね?」

「そうだね、解ったわ」

「マリーネさんが特別なのです、私も剣なんて触った事はありません...すみません」

「それじゃ、シャルロッテさんは私と1回戦やろう、私もそんな強く無いから大丈夫」

「マリア様とですか?解りました...ですがマリア様は剣を使った事があるのですか?」

「多分、そんなに強く無いから大丈夫よ」

「お姉さま、本当に大丈夫? 本ばかり読んでて体を動かすところは見た事ないけど、平気ですか?」

「まぁ何とかなるでしょう」

結局、私とフリードとシャルロッテさん、マリーネさんでちょっとした模擬戦をする事になった。

私VSシャルロッテ

フリードVSマリーネ

そしてお互いに勝った者同士がやる。


まずは、私とシャルロッテさんが試合を始める。

「それでは、始め」

フリードの掛け声でスタートした。

「マリア様、お手柔らかにお願いします」

「大丈夫よ...行くわよ」

私は木剣を横から薙ぎ払った。

「きゃっ」

シャルロッテさんは剣をそのまま落とした。

「勝負あり、勝者マリア様」

「あの、マリア様は剣も使えるのですね」

「ほんの少しだけね」


ロゼとフリードは驚いた様な顔をして私を見ている。

確かに私が木剣なんて持った所は...想像できにくいよね。



次はフリードVSマリーネさんだ。

フリードは貴公子と呼ばれているが剣は得意じゃないと聞いた事がある。

ただ、それは『何でも出来る貴公子』としてはで、さっきのロゼの話では『そこそこ強い』のかも知れない。

事実上の決勝戦だと思う。

「それでは始め」

私が掛け声をかけた。


二人の戦いは一進一退だった。

ほぼ互角に見えた。

だが、マリーネさんのちょっとした隙をついてフリードの攻撃が始まった。

そうなると体力に劣るマリーネさんは防戦一方になった。

「参りました」

「マリーネさんも女性にしては強いね、同性だったらこの勝負は解らなかった」

「ありがとう」

そう言いながらマリーネさんの顔は悔しそうだった。



「それじゃ、今度は私とフリードね」

「マリア様、止めた方がよくありませんか? 私とマリーネさんの模擬戦を見たでしょう」

「そうね...だけどやる」

「解りました、手加減はします、だけど...」

「良いから始めましょう」

フリードはやれやれと肩をすくめた。


「それじゃいいですか? 始め」

マリーネさんの掛け声で二人で構える。

「マリア様、さぁ何処からでもどうぞ」

「それじゃ行きますよ...籠手ーーーっ」

すんなり木剣はフリードの手首を捕らえ..

「痛っ...」

『カランッ』と音を立ててフリードは木剣を手放した。


「マリア様...凄いですわ、まさか剣まで使えるなんて」

「まさか、私より剣が使える令嬢がいるなんて...あっそうでしたね、マリア様はマリアーヌ様の孫娘、剣術が出来ても可笑しくありませんね」



「マリア様、剣が使えるなんて俺は聞いた事が無いです...油断したとはいえ男の俺から一本とるとは流石です」


もしかしたらもう一回やっても私は勝てるような気がする。

だけど、そうしたらフリードのプライドを潰す様な物だ。

「連戦した後に油断するからこうなるのよ...油断しないフリードには勝てない気がしますから止めておきます...それじゃ皆でお茶でもしませんか?」


「「「「はい」」」」


そう言えば私...前世では剣道の有段者だったわね。

すっかり忘れていたし、素振りもしてなかったけど、案外覚えているものね。


マリアは軽く考えていたが...これも非常識な事だとこの時のマリアは気が付かなった。












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