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第22話 訳ありの家②
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貴族街から反対側ギルドを中心に歩くこと10分。
立地は凄く良い。
買い物にも仕事にも困らない。
それなのに静かで緑も多く凄く良い場所だ。
近くに墓地がある…それを除けばな。
そんな場所に俺たちの購入した家はある。
しかも、何故か凄く綺麗だ。
「理人くん、この家凄いね、見た感じ凄く新しく見えるよ」
月子の言う通り、聞いた話では結構な築年数の筈なのに、見方によっては新築と言っても可笑しくない位綺麗だ。
「確かに凄いな…新しいだけじゃない、凄く豪華な感じがする」
一言で言うなら、日本で言う成金趣味の家、そんな感じだ。
小さな噴水に大きな庭まである。
事故物件じゃなければ、さぞかし高いと言うのは想像がつく。
「ねぇ、早速入ってみようよ」
「そうだな」
俺はギルドで貰ったカードキーを使い扉をあけた。
元の世界とは違うから、こんな設備がついた家は余程の高級な家しかついていない。
「理人くん、これ」
「ああっ室内も本当に申し分ないな」
「うん、だけど…」
なんだこの霧の様なモヤは、まるでこの家の中だけ早朝の森の様に先が見えない位の霧だ。
そこ迄大きな家で無いのに先が見えない。
しかも、何だか寒気がする。
外は暖かいのに室内が物凄く寒い気がする。
「ああっ、確かに様子が可笑しい!月子はちょっと待っていて、俺が中の様子を見てくるから」
「うん、理人くん気をつけて…」
俺は恐る恐る中に入っていった。
暫く換気をしていなかっただけなのか?
俺が中に入り進んでいくと霧が晴れていく気がする。
ただの換気不足だなこれ。
何かあるといけないから一通り部屋を見て回った。
風呂はシャワーまでついていて浴槽は3人浴という感じに大きい。
石を置く場所があるから、きっと魔法石を置けば、風呂として使えるはずだ。
キッチンも同じだ、魔法石を使う以外は日本の物に近い。
部屋は全部フローリング…ベッドや家具も綺麗な物がある。
ソファもあるが、やはり此処は異世界、テレビは流石に無いな。
だが、冷蔵庫モドキに洗濯機モドキもある…凄いな。
さっきまで嫌な視線もあったが、今は無い。
俺は臆病なのか、いつも『嫌な視線』や『嫌な気配』を感じるがこれはいつも勘違いだ。
その証拠に変な者に会ったことは無い。
『貴方が此処に住むの?』
女性の声が聞こえてきた。
そちらに目を向けると黒装束の綺麗な女性が立っていた。
年齢は20代後半から30代…勝手な想像だが『綺麗な未亡人』が一番近いかも知れない。
「ええっすいません、昨日此処を買ったんです、申し訳ありません」
「そう…住むのね、だったら貴方も…」
何でだ…いつもそうだ、凄い美人や美少女に出会うと、いつも眠くなる…意識が朦朧としてきた。
声が聞こえる…
『ヒィ…なんで…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い』
『私はこの子に手を出さない限り、何もしないわ…どうする?残るの?それとも?』
『怖い…傍に居るだけど怖い』
『そう…出て行くなら、すぐに消えて…』
『はい、すぐに…』
また幻聴か…だけど駄目だ。
凄く眠い。
◆◆◆
「理人くん…理人くんってば…」
理人くんが気絶したように眠っていた。
「理人くん…大丈夫?」
「ああっ大丈夫だ…少し眠くなって寝ちゃっただけだ」
やはり理人くんの中に『ナニカ』は居る。
女神をどうやってすり抜けたか解らないけど…
これでもう安心だ。
私は美瑠子ちゃんみたいに霊視は出来ないけど、理人くんがこの館に入った瞬間から霧が晴れていったのは解るよ。
もう寒くないし、さっき感じた入りたくないという雰囲気もなくなっちゃった。
うん、これで安心だね。
◆◆◆
「そういえば此処に女性が居なかった?」
「嫌だなぁ理人くん、そんな人居なかったよ」
「そうか…疲れていたのか、まぁ良いや、部屋も確認したし、家財道具でも買いに行こうか?」
「うん」
まぁ、幽霊なんて居ないと思うけど、今日くらいは月子の傍に居た方が良いだろうな。
◆◆◆
私の名前はミランダ…昔私は伯爵様の愛人をしていました。
娘が生まれそれなりに幸せだったのですが、ある時伯爵様が亡くなってしまいました。
そこからが不幸の始まりでした。
私の事を良く思って無かった伯爵様の妻により娘共々、殺されてしまったのです。
「娘だけは助けて…」
そう懇願する私の目の前で娘は暖炉で燃やされ、私は油を頭からかけられ燃やされてしまったのです。
『恨んでやるー――っ』
そう叫びながら殺しに来た男を睨みつけながら死にました。
そこからが可笑しな事に…死んだはずの私が何故か存在したのです。
良く見ると体が透けています。
恐らくは『恨み』から死にきれなかったのでしょう…怨念が形になり魂が存在したのではないでしょうか?
運が良いのか悪いのか、私を殺した男がこの家を貰ったのかこの家に住み着きました。
私と同じように家族もろとも焼き殺してやりました。
あの時の私と同じように「息子だけは助けてくれ」と叫んでいました。
だからこう伝えたのです…『息子の命が欲しければ、あの女の首を持ってこい』と…
私の呪いで館から出られなくなっている息子を救う為、その男は、しっかりと奥様の首を持ってきました。
最も、その時は男も半死半生でいつ死んでも可笑しくない状態だったのです。
ですが…私は悪霊になったのでしょう…もう恨みがない筈なのに、存在が消えず…この館に入るすべての者を呪い殺す存在になったのです。
もうどの位の人間を殺したか解りません。
此処暫く、この屋敷に住む人が居ませんでした…ですが…
久々に住む人間が現れたのです。
若い男女の二人組…新婚なんですかね…妬ましいし恨めしい。
しかも男性はかなりの美形です。
『殺してやろう』そう思って近づいた時に…恐ろしい存在が、男性から出てきたのです…
こんな恐ろしい存在は見たことがありません。
本来、私はこの屋敷に縛られ出られない筈でしたが…恐怖からかこの家から逃げれてしまいました。
この館を出た後…私は消えかかっていました。
ようやくお迎えが来たのかも知れません…行く先は恐らく地獄でしょう…
ですが、あの存在は何だったのでしょうか?
悪霊である私ですら恐怖する存在…あんな者が居るなんて世の中は怖い物だらけです。
立地は凄く良い。
買い物にも仕事にも困らない。
それなのに静かで緑も多く凄く良い場所だ。
近くに墓地がある…それを除けばな。
そんな場所に俺たちの購入した家はある。
しかも、何故か凄く綺麗だ。
「理人くん、この家凄いね、見た感じ凄く新しく見えるよ」
月子の言う通り、聞いた話では結構な築年数の筈なのに、見方によっては新築と言っても可笑しくない位綺麗だ。
「確かに凄いな…新しいだけじゃない、凄く豪華な感じがする」
一言で言うなら、日本で言う成金趣味の家、そんな感じだ。
小さな噴水に大きな庭まである。
事故物件じゃなければ、さぞかし高いと言うのは想像がつく。
「ねぇ、早速入ってみようよ」
「そうだな」
俺はギルドで貰ったカードキーを使い扉をあけた。
元の世界とは違うから、こんな設備がついた家は余程の高級な家しかついていない。
「理人くん、これ」
「ああっ室内も本当に申し分ないな」
「うん、だけど…」
なんだこの霧の様なモヤは、まるでこの家の中だけ早朝の森の様に先が見えない位の霧だ。
そこ迄大きな家で無いのに先が見えない。
しかも、何だか寒気がする。
外は暖かいのに室内が物凄く寒い気がする。
「ああっ、確かに様子が可笑しい!月子はちょっと待っていて、俺が中の様子を見てくるから」
「うん、理人くん気をつけて…」
俺は恐る恐る中に入っていった。
暫く換気をしていなかっただけなのか?
俺が中に入り進んでいくと霧が晴れていく気がする。
ただの換気不足だなこれ。
何かあるといけないから一通り部屋を見て回った。
風呂はシャワーまでついていて浴槽は3人浴という感じに大きい。
石を置く場所があるから、きっと魔法石を置けば、風呂として使えるはずだ。
キッチンも同じだ、魔法石を使う以外は日本の物に近い。
部屋は全部フローリング…ベッドや家具も綺麗な物がある。
ソファもあるが、やはり此処は異世界、テレビは流石に無いな。
だが、冷蔵庫モドキに洗濯機モドキもある…凄いな。
さっきまで嫌な視線もあったが、今は無い。
俺は臆病なのか、いつも『嫌な視線』や『嫌な気配』を感じるがこれはいつも勘違いだ。
その証拠に変な者に会ったことは無い。
『貴方が此処に住むの?』
女性の声が聞こえてきた。
そちらに目を向けると黒装束の綺麗な女性が立っていた。
年齢は20代後半から30代…勝手な想像だが『綺麗な未亡人』が一番近いかも知れない。
「ええっすいません、昨日此処を買ったんです、申し訳ありません」
「そう…住むのね、だったら貴方も…」
何でだ…いつもそうだ、凄い美人や美少女に出会うと、いつも眠くなる…意識が朦朧としてきた。
声が聞こえる…
『ヒィ…なんで…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い』
『私はこの子に手を出さない限り、何もしないわ…どうする?残るの?それとも?』
『怖い…傍に居るだけど怖い』
『そう…出て行くなら、すぐに消えて…』
『はい、すぐに…』
また幻聴か…だけど駄目だ。
凄く眠い。
◆◆◆
「理人くん…理人くんってば…」
理人くんが気絶したように眠っていた。
「理人くん…大丈夫?」
「ああっ大丈夫だ…少し眠くなって寝ちゃっただけだ」
やはり理人くんの中に『ナニカ』は居る。
女神をどうやってすり抜けたか解らないけど…
これでもう安心だ。
私は美瑠子ちゃんみたいに霊視は出来ないけど、理人くんがこの館に入った瞬間から霧が晴れていったのは解るよ。
もう寒くないし、さっき感じた入りたくないという雰囲気もなくなっちゃった。
うん、これで安心だね。
◆◆◆
「そういえば此処に女性が居なかった?」
「嫌だなぁ理人くん、そんな人居なかったよ」
「そうか…疲れていたのか、まぁ良いや、部屋も確認したし、家財道具でも買いに行こうか?」
「うん」
まぁ、幽霊なんて居ないと思うけど、今日くらいは月子の傍に居た方が良いだろうな。
◆◆◆
私の名前はミランダ…昔私は伯爵様の愛人をしていました。
娘が生まれそれなりに幸せだったのですが、ある時伯爵様が亡くなってしまいました。
そこからが不幸の始まりでした。
私の事を良く思って無かった伯爵様の妻により娘共々、殺されてしまったのです。
「娘だけは助けて…」
そう懇願する私の目の前で娘は暖炉で燃やされ、私は油を頭からかけられ燃やされてしまったのです。
『恨んでやるー――っ』
そう叫びながら殺しに来た男を睨みつけながら死にました。
そこからが可笑しな事に…死んだはずの私が何故か存在したのです。
良く見ると体が透けています。
恐らくは『恨み』から死にきれなかったのでしょう…怨念が形になり魂が存在したのではないでしょうか?
運が良いのか悪いのか、私を殺した男がこの家を貰ったのかこの家に住み着きました。
私と同じように家族もろとも焼き殺してやりました。
あの時の私と同じように「息子だけは助けてくれ」と叫んでいました。
だからこう伝えたのです…『息子の命が欲しければ、あの女の首を持ってこい』と…
私の呪いで館から出られなくなっている息子を救う為、その男は、しっかりと奥様の首を持ってきました。
最も、その時は男も半死半生でいつ死んでも可笑しくない状態だったのです。
ですが…私は悪霊になったのでしょう…もう恨みがない筈なのに、存在が消えず…この館に入るすべての者を呪い殺す存在になったのです。
もうどの位の人間を殺したか解りません。
此処暫く、この屋敷に住む人が居ませんでした…ですが…
久々に住む人間が現れたのです。
若い男女の二人組…新婚なんですかね…妬ましいし恨めしい。
しかも男性はかなりの美形です。
『殺してやろう』そう思って近づいた時に…恐ろしい存在が、男性から出てきたのです…
こんな恐ろしい存在は見たことがありません。
本来、私はこの屋敷に縛られ出られない筈でしたが…恐怖からかこの家から逃げれてしまいました。
この館を出た後…私は消えかかっていました。
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