『体の中にナニカが居る』 1人だけ安全な異世界転移

石のやっさん

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第24話 ライアの憂鬱

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この世界はジョブで全てが決まります。

沢山の犠牲の上に行う異世界人の召喚は大変な儀式で場合によっては死人すら出るのです。

そこ迄して行う理由は、勇者、聖女、剣聖、賢者等の貴重なジョブの人間が召喚出来るからです。

その儀式で『冒険者』『お針子』なんてジョブが出ました。

腹が立った私は『武器も持たせない』状態で城から追い出したのです。

途中にはオークやゴブリンが出る場所が多数あり、街にはたどり着けない筈だったのです。

もしたどり着いても惨めな生活が彼等には待っている筈でした。


最近、貴重な薬草が沢山出回る様になり調べたところ…

「あの二人が生きていたのですか?」

「はっ、しかも薬草の多くは、異世界人理人が集めてきたものでした」

あの異世界人には…何かあったのかも知れません。

伝説の中には『隠ぺい』というスキルを隠せるものや、鑑定で見えないスキルもあったと聞きます。

そう言ったスキルを隠しスキルと言います。

まさか、隠しスキル持ちだった。

多分そういう事でしょう。

「ハァ~ まぁ良いわ、如何に凄いスキルを持っていたとしても所詮は『冒険者』と『お針子』ジョブがそれなのだからたかが知れているわ」

「確かに、騎士にも届かない半端者でしょう、小銭を稼ぐのが精々の雑魚ですよ」

「そうね…問題は勇者達だわ」

今回の異世界人召喚は可笑しすぎます。

勇者を含む4職(勇者 聖女 賢者 剣聖)の成長が余りにも遅すぎるのです。

過去の文献では召喚から2週間でオーガを狩り、一か月で竜種を単独で狩れる…それが4職の筈です。

人類最強にして希望の光...それが勇者達なのです。

それが未だに上級騎士に一対一で遅れをとるなんて考えられません。

此処からの成長に期待したいですが、指導者の話では、それすら余り期待できない可能性があります。

もし、このままの成長であれば、この世界の人間の強者に及ぶ事すら無い...そういう意見すら指導者から出てきました。

更に彼等は、人間としても余り尊敬は出来ません。

確かに4職であればそれも仕方ないのですが、権力やハーレムそんな俗物の欲しがる物ばかり望みます。

手柄を立てた後であれば幾らでも差し上げましょう。

ですが、未だに中級騎士レベルから上がらない訓練途中の者に望まれても...手柄しだい。

そうとしか言えません。

しかも他の異世界人も未だにパッとしない存在が多く、勇者達以上にレベルが上がりません。

『異世界人』という存在に思えない程、弱い者ばかりです。


そして一番の悩みは…神託が降りてこない事です。

こんなことは今まで一度もありませんでした。

もし聞けるなら異世界人の弱体化の意味を教えて欲しい...その原因が解るなら対処したい。

ですが教皇様を含む聖人がどれ程祈ろうが神託は降りてきません。

本当にどうして良いか解りません。

何で異世界人召喚でこんなに苦労するのか本当に解りません。

勇者を率いる、私が一番輝き幸せになれる瞬間…子供の時より憧れた勇者達。

それがこんなに苦痛だと思うのは何故でしょうか?
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