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第25話 魔王と四天王ララア
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『新たなる魔神、もしくは邪神が誕生する』
そんな話が余の耳に入った。
この世界には憎き女神が居て、それに対になる様に邪神様ゾーダス様が居る。
他に神は居ないし、新たに生まれない。
それは魔王にのみ口伝で伝わるこの世界の秘密じゃ。
無論、外の世界には他の神々がいるがこの世界には関与しないはずじゃ。
だが、幾人かの魔物から『器』の報告が上がってきている。
悪魔神官と共に祈りを捧げゾーダス様より降りた神託では『知らない』という事だった。
では、その人間の器に宿る存在は何なのか?
聖なる存在なら、魔物たちは襲うだろう。
禍々しい存在、そして圧倒的な力を秘めているからこそ『器』と報告してきたのだ。
ただのゴブリンやオークなら兎も角、キング種やナイトクラスが認める存在…少なくとも彼らの目には余以上の存在として目に映ったという事じゃ。
第二の邪神様がもし誕生するのであれば、その目的を知らねばならぬ。
敵では無いであろうが、味方であるかどうかは解らぬ。
どんな存在か見極める必要がありそうだ。
「おい変化のララアを呼べ」
「はっ」
「お呼びでございますか、魔王ゾルベック様」
「お前も噂で聞いておるだろう『器』の話を」
「最近、ゴブリンやオークが騒いでいるお話しですね…私は眉唾だと思いますが…」
「それが、かなりの者の間で伝わっておるのだ…一度、お前の方で、どのような存在でるのか見て来てくれ」
「魔王様がおっしゃるのであれば、このララアが見て参ります、必ずや真偽を見極めてまいります」
「頼むぞ」
◆◆◆
「此処に、その器が薬草をとりに来るわけね?」
「はい、ララア様」
私はもう一人邪神様が居るなんて信じられない。
魔王様程偉大な存在ですら1人しか知らない。
ましてやその上の邪神様等、二人と居るわけが無い。
大方、魔人の勘違いだろう。
私だって『魔族』『魔人の一人だ』 いつも気を抑えている。
四天王では一番弱く『偵察向き』だが、それでも単騎で街の一つや二つ破壊尽くせる。
私が本気で気を放てば、ゴブリンやオークどころかオーガキングですら恐怖を感じる筈だ。
だから想像はつく。
恐らくは『魔人クラス』それが宿った器なのだろう…
いずれにしても私がこの目で見れば解かる事だ。
この目で見れば…
嘘だ…体が凍り付くように寒い…
恐ろしい存在が近づいてくる…
「ララア様?」
ああっ此奴らには此処迄の恐怖が解らないのか…
まだ姿を見てないが恐ろしい…
魔王様が怒りに震えると四天王の我らですら身震いする。
だが、この気配はそんな物とは比べられない。
化け物…いや、この世界の恐怖が全て詰め込まれた様な存在。
もし『怒らせたら』死ぬだけで済まない…
近づかれるだけで、全ての幸せが奪われる…まるで邪気で体が犯され腐っていくような錯覚すら覚える。
「ああっあああー-っうわぁぁぁぁぁー――」
「ララア様」
「ハァハァ 大丈夫です」
そしてとうとう問題の『器』を目にしました。
此処までで解ってしまったわ…あの方は魔王様なんて比べられない位の恐怖を纏っています。
あれが神という領域の存在なのだと…
しかも…恐らくは今魔王様が仕えている邪神様より上の存在だ。
本当に怖い…だけど『これはチャンスだ』
この恐ろしい程の存在にまだ魔王様も他の四天王も気が付いていない。
もし、この器を守ってあげたら、感謝されるのではないか?
寵愛を受ければ、次の魔王は私…
それにこの存在が目覚めたら勇者等きっと鼻くそだ。
恐怖を振り払え、このチャンスを逃すな。
「魔王様に連絡してくれ」
「ララア様?」
「ハァハァ…間違いなく邪神様、だが今仕えている邪神様には及ばない、だが上手く成長すれば勇者位なら簡単に倒せる存在になる…だから私が傍で器を守ると」
「解りました、間違いなく伝えます」
もう引き戻せない。
私は『変化のララア』姿は自由自在。
とびっきりの美女になって『器』に近づき虜にして見せる。
そう誓った。
そんな話が余の耳に入った。
この世界には憎き女神が居て、それに対になる様に邪神様ゾーダス様が居る。
他に神は居ないし、新たに生まれない。
それは魔王にのみ口伝で伝わるこの世界の秘密じゃ。
無論、外の世界には他の神々がいるがこの世界には関与しないはずじゃ。
だが、幾人かの魔物から『器』の報告が上がってきている。
悪魔神官と共に祈りを捧げゾーダス様より降りた神託では『知らない』という事だった。
では、その人間の器に宿る存在は何なのか?
聖なる存在なら、魔物たちは襲うだろう。
禍々しい存在、そして圧倒的な力を秘めているからこそ『器』と報告してきたのだ。
ただのゴブリンやオークなら兎も角、キング種やナイトクラスが認める存在…少なくとも彼らの目には余以上の存在として目に映ったという事じゃ。
第二の邪神様がもし誕生するのであれば、その目的を知らねばならぬ。
敵では無いであろうが、味方であるかどうかは解らぬ。
どんな存在か見極める必要がありそうだ。
「おい変化のララアを呼べ」
「はっ」
「お呼びでございますか、魔王ゾルベック様」
「お前も噂で聞いておるだろう『器』の話を」
「最近、ゴブリンやオークが騒いでいるお話しですね…私は眉唾だと思いますが…」
「それが、かなりの者の間で伝わっておるのだ…一度、お前の方で、どのような存在でるのか見て来てくれ」
「魔王様がおっしゃるのであれば、このララアが見て参ります、必ずや真偽を見極めてまいります」
「頼むぞ」
◆◆◆
「此処に、その器が薬草をとりに来るわけね?」
「はい、ララア様」
私はもう一人邪神様が居るなんて信じられない。
魔王様程偉大な存在ですら1人しか知らない。
ましてやその上の邪神様等、二人と居るわけが無い。
大方、魔人の勘違いだろう。
私だって『魔族』『魔人の一人だ』 いつも気を抑えている。
四天王では一番弱く『偵察向き』だが、それでも単騎で街の一つや二つ破壊尽くせる。
私が本気で気を放てば、ゴブリンやオークどころかオーガキングですら恐怖を感じる筈だ。
だから想像はつく。
恐らくは『魔人クラス』それが宿った器なのだろう…
いずれにしても私がこの目で見れば解かる事だ。
この目で見れば…
嘘だ…体が凍り付くように寒い…
恐ろしい存在が近づいてくる…
「ララア様?」
ああっ此奴らには此処迄の恐怖が解らないのか…
まだ姿を見てないが恐ろしい…
魔王様が怒りに震えると四天王の我らですら身震いする。
だが、この気配はそんな物とは比べられない。
化け物…いや、この世界の恐怖が全て詰め込まれた様な存在。
もし『怒らせたら』死ぬだけで済まない…
近づかれるだけで、全ての幸せが奪われる…まるで邪気で体が犯され腐っていくような錯覚すら覚える。
「ああっあああー-っうわぁぁぁぁぁー――」
「ララア様」
「ハァハァ 大丈夫です」
そしてとうとう問題の『器』を目にしました。
此処までで解ってしまったわ…あの方は魔王様なんて比べられない位の恐怖を纏っています。
あれが神という領域の存在なのだと…
しかも…恐らくは今魔王様が仕えている邪神様より上の存在だ。
本当に怖い…だけど『これはチャンスだ』
この恐ろしい程の存在にまだ魔王様も他の四天王も気が付いていない。
もし、この器を守ってあげたら、感謝されるのではないか?
寵愛を受ければ、次の魔王は私…
それにこの存在が目覚めたら勇者等きっと鼻くそだ。
恐怖を振り払え、このチャンスを逃すな。
「魔王様に連絡してくれ」
「ララア様?」
「ハァハァ…間違いなく邪神様、だが今仕えている邪神様には及ばない、だが上手く成長すれば勇者位なら簡単に倒せる存在になる…だから私が傍で器を守ると」
「解りました、間違いなく伝えます」
もう引き戻せない。
私は『変化のララア』姿は自由自在。
とびっきりの美女になって『器』に近づき虜にして見せる。
そう誓った。
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