『体の中にナニカが居る』 1人だけ安全な異世界転移

石のやっさん

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第26話 美女襲来

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何時もの様に採取依頼を受けて森に来ていた。

死の森と言われていると聞いていたが、そんな事は全く無い。

魔物も滅多に現れないし、会っても逃げていく。

本当に良い場所だ。

「貴方が噂の理人さんですか?」

「はい、俺が理人ですが?」

病的に迄青白い肌に赤い目、スレンダーな体系髪は銀髪。

頭の中にアルビノという言葉が過ぎった。

この世界に来てエルフを見たが、それより神秘的で美しい。

「やはりそうですか? ギルドで採取の名人と聞いたのでお会いしたかったんです」

「そうですか? あのお体大丈夫ですか?」

顔色がまるで昔の月子の様に悪い。

まるで病弱な深窓の令嬢みたいだ。

「えっ、こんなに健康的なのに…何を言っているんですか?」

《私は今、褐色姿の健康的な冒険者に変身している》

「ですが…」

俺は見たまんまを伝えた。

どう見ても体の調子の悪い人間にしか見えない。

「あの…理人様には、そんな風に見えているのですか?」

「はい…違うのでしょうか?」

「違いませんが」

「それで、そんな体で俺になんの用でしょうか? 体調が悪いなら街で声を掛けてくれればお茶でも飲みながら相談に乗りましたけど?」

《この『器』には私の本当の姿が見えているって言うの? それでなんでこの対応が出来るのか…解らない》

「ああっそうですね…ごめんなさい、ですがこの容姿は種族によるものなので気にしないで下さい…この状態で私は健康なのですよ」

「そう、それなら良かった、儚く見えた物で心配してしまいました」

「儚い? 私がですか?」

「はい、幻想的で、まるで月明りで見る妖精のようで油断すると消えてしまうような、そんな感じです」

胸がチクりと痛んだ。

また、眠くなってきた。

何でだ…いつも綺麗な女性と話していると…眠くなる。

「理人さん…理人さん、大丈夫ですか? 理人さん」

◆◆◆

不味い『器』に何かが起こった。

まさか、何か問題が起きたのか…やばいな。

どうしよう。

器からドス黒い気が漏れ始めた。

体が震えて立てない…体から力が抜けていく。

油断すると漏らしそうになる。

体がざわめく、何百人の男の犯される生娘の様な嫌悪感と恐怖が襲ってきた。

私の中で永遠とも思える時間が過ぎた時声が心に聞こえてきた。

『あんた何?』

駄目だ…この声は、やはり邪神様だ…逆らえば簡単に殺される。

嘘等は許されない。

「私の名前は魔王軍四天王『変化のララア』と申します」

『そう…それで、貴方は理人の敵、それとも味方?』

声を聴くだけで体が震え涙が出てくる。

「私は邪神様の味方です、貴方に仕えたくて此処に居ます」

『そう、嘘は無いようね…ならば、そうね、理人の友人となり色々と力になって頂戴』

「解りました...それで一つ聴いても宜しいでしょうか?」

『何?』

「器ですが、どうも私の本当の姿が見えている様ですが…その私の本当の姿は醜い筈なのに、かなり美しく見えているようなのです」

『それは私のせいね、理人の中に私が入る際に、美的感覚が変わったみたいよ!理人の中では『本当の恐怖を感じる存在』がとびっきりの美人に見えるみたいね』

「そんな事があるのですか?」

『頭が恐怖に耐える為に一瞬で変わったのでしょう…何しろ困った事に私が絶世の美女に見えるようよ…これでも雌だから、それが凄く嬉しいのだけど…』

こんな醜く恐怖の象徴の様な邪神様が…美女。

それなら、私の本当の姿を見ても美しく見える筈だ。

「そうですか」

『本来なら問答無用で追い払うか殺すのよ、だけど魔王軍と揉めると、めんどくさいから、傍に居るのを許すわ…理人の事を頼むわよ』

めんどくさい…それだけなのですね。

「魔王軍の事はお任せ下さい、ですが憎き女神と勇者が」

『女神ってイシュタルとかいう女? それなら此処に来るときに殺したわ』

イシュタルを殺した?

今、魔王様が仕えている邪神様と同等の存在の女神…それを殺した?

「殺されたのですか?」

『邪魔だから…理人の為にね、うふうふふふふふ』

「そうですか」

『それじゃ、理人を頼んだわ』

女神が死んだ…これも内緒にしておこう…

今この世界で一番強い存在は『この邪神様』に間違いない

そして、その器である理人様こそが勇者や魔王様すら超えるこの世界の絶対強者たる存在なのかも知れない。

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