『体の中にナニカが居る』 1人だけ安全な異世界転移

石のやっさん

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第31話 草むしり

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「それじゃ行ってきます」

「行ってきますね!」

「…行ってらっしゃい」

何だか月子の機嫌はまだ悪い感じがする。

それに比べてララァの顔は満面の笑みだ。

まぁ気にしても仕方が無いな。

これから三人で暮らすんだから、時間が解決するだろう。


◆◆◆

「結構、沢山採取するんですね」

「これが全部お金になるんだから仕方ないよ」

「はい、頑張ります!」

魔王軍四天王の私が…薬草採取。

いわゆる草むしりだ。

こんな事、私が命令すれば数万の部下が全部むしり取ってくれるのに。

今は、ただのララァだから、仕方が無い、仕方が無い。

理人さんは周りを偶に見ているが、誰も襲おうなんて絶対にしませんよ!

だって邪神様の器に魔王軍四天王の私までいるんだから…

あっ、あそこのオーガと目があった。

こっそり敬礼をして去っていったわね。

ゴブリンも隠れてお辞儀するし…

多分この場所は世界で1番安全な場所に違いないわ。

だから、これはただの草むしりに過ぎないわ。

「ララァさん、疲れたなら休まれた方が良いですよ…あそこに木陰もあるし、冷たいお茶も持ってきましたから休んでください」

「大丈夫ですよ…私丈夫ですから」

「でも、日焼けとかしたら大変じゃないですか? 白い肌が」

「理人さん!」

「あっ、ごめん」

「良いんです…それじゃお言葉に甘えて休ませて貰いますね」

凄くムズムズします。

私は『変化のララア』どんな美女にもなれます。

美女の状態であれば幾らでも甘い言葉をかけてくる人間がいますが…

理人さんは、私の本当の姿を見て、知っていて優しく『綺麗』だと言うのです。

魔王軍の中でも一番醜いと言われ魔王様ですら『変化』した状態でいろという私にです。

変化した姿はいわゆるお面みたいな物です。

お面を幾ら綺麗だと言われても心になんて響かない。

ですが…本当の私の姿を『綺麗』だと言われ優しくされるのが此処迄ムズムズするとは思いませんでした。

昔『誰でも良いから本当の私を好きになって欲しい』そんな風に思った時があります。

いざ現れてしまったら…どうして良いのか解りません。

此処に来るときに理人さんは麦藁帽子を買ってくれました。

何処にでも売っている安物です。

ですが…本当の私に何かをくれる人等いませんでした。

色白の私が日焼けしたら大変なんですって。

なんなんでしょうね…

この肌は人間より丈夫でマグマですら焼けません。

ですが…なぜか嬉しくて仕方ありません。

醜い私を美しいという人間。

私だけじゃない…理人さんの腰にぶら下がっている『聖剣の成れの果て』もなんだか嬉しそうにしています。

あれ…幾ら邪悪でも元は聖剣だから魔王様ですら斬れますよ。

まぁ呪われるアイテムなんですけど…黒い気が見える筈なんですが…気のせいかピンクの気に見えますし、偶に映る女の姿がクネクネと気持ち悪く見えます。

あれも私と同じで絶対に困ってますね。

さてと、もう一踏ん張り薬草採取頑張りますか…

私は木陰から出て草むしりを始めた。

◆◆◆

しかし…流石は冒険者、手慣れている。

俺の三倍も採取するなんて…

「結構頑張ったでしょう?」

そういうララァは、やっぱり驚くほどの美人に見えた。

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