『体の中にナニカが居る』 1人だけ安全な異世界転移

石のやっさん

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第36話 綺麗な未亡人

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「あの大丈夫ですか?」

「あの私がまだ見えるのですか?」

「見えるのですか? 可笑しな事いいますね…それより何で俺の家を覗いているのかな? 何か用ですか?」

「うっうっうっ羨ましくて」

この人どこかで会った気がする。

そうだ、この家を見に来た時に見た…あの薄幸そうな綺麗な未亡人さんだ。

泣いているなんて余程この家に住みたかったのか?

「この家にそんなに住みたかったのですか? 何かご事情があるのですか?」

「ここには『色々な想い出』があるのです…楽しかった事から悲しい事迄沢山あるんです」

そうか…それで彼女はこの前、此処を見に来ていたのか…

「そうだったんですか…もしかして此処を購入するつもりだったんですか」

「それは違います...あのそれより、私が怖く無いのですか?」

「怖く無いですね…むしろ優しそうな綺麗なお姉さんにしか見えないですよ」

ロングヘア―で前髪がシャギー、後ろで束ねた髪。

吸い込まれる様に綺麗な瞳に整った顔。

良くラノベや漫画、アニメに出てくる、古い寮やアパートを管理している綺麗な未亡人…そう俺の目には見えた。

まぁ髪の毛は茶髪だけど…

「ほんとうですか?」

彼女が薄幸そうな顔で笑った時…なんでまた眠くなるんだ。

声が聞こえてくる。

「お前、理人さんになにしているんだ! 殺すぞ!」

「違うよ…ララア…」

彼女は…悪くない。

何でだ…駄目だ、もう起きていられない。


◆◆◆

「お前人じゃ無いよね、理人さんに纏わりつくなら只じゃ置かないよ」

「まま魔人…」

「そう、私の名はララア、魔族の四天王の一人だ、お前は幽霊、ゴーストか? 理人さんに何かする気なら…只じゃ置かないよ」

「そんな気はありません、私はこの家に住んでいたんです! その…怖い存在に追い出されて…ですが、未練があって見ていたら、幸せそうで…そしたら話しかけられて…」

「ハァ~何いっているの? 解らない」

『出て行った癖に追い出された…ふざけないで』

「じゃじゃ邪神さま…」

「怖い…存在」

『「私は理人に手を出さなければ何もしない」そう言った筈よ! 残るか聞いた筈…貴方が私を怖がって勝手に出て行っただけだわ…人聞きの悪い…』

「なんだ、それなら悪いのはお前じゃない…」

「だけど、怖いのよ、仕方ないじゃない」

『怖がるのは貴方の勝手…私は知らないわ…もう一度聞くわ…どうしたいの』
私はきっとこの場所に地縛されているのだと思います。

此処から離れた瞬間、何回も消えかかりました。

この屋敷から逃げ出した時も同じでした…消えかかっていたのですが…なぜか消えませんでした。

正直言えば『怖い』

ですがこうして直接話すと…そこまで怖くない気もします。

それより気になるのが理人という名前の少年です。

醜い死霊の姿の筈の私を『綺麗なお姉さん』そう言っていました。

邪神様に魔族の四天王…もう吹っ切れた気がします。

「うふふっ此処に住みたいです」

『そう、それなら良いわ、ただ死霊だ悪霊だと言うと理人や元犬が憑いていたメスが怖がるわ』

「それなら邪神様、ゴーストと言う種族で押し切りましょう」

『ゴースト…あっそういう種族が居るのね、解ったわ』

「それじゃ後は私にお任せ下さい」

『ララア、任せたわ…貴方…はい名前は?』

「ミランダ…」

『住むからには家賃の代わりにこの家と理人たちを守りなさい…』

そう言うと恐ろしい存在は私の前から消えていきました。


◆◆◆

「理人さ~ん」

ううん…

「理人さん起きて下さい…」

「うっ、ララアさん、俺また眠ってしまったんですか?」

此処は俺のベッド。

「はい、そうみたいですね…疲れが溜まっているんじゃないですか?」

確かに此処の所、毎日働いてばかりだった。

疲れが溜まっているのかも知れない。

「ララアさんが運んでくれたんですか?ご迷惑をかけてすみません」

「別に気にしてませんから…」

「そう言えば、あの女性…」

「うふふっ私ですか?」

居た…彼女は幻じゃ無かったんだ。

「あの…此処に住みたいんですよね、もし俺の仲間が良いって言ったら、住んで貰って大丈夫ですよ…月子、あのこの方…」

「うふふっミランダと申しますわ! 理人様、いえ、ご主人様」

大人の女性が笑うと…綺麗だな。

「え~とご主人様?」

「はい…そう呼ばせて頂きます」

「あの理人くん、そこに誰かいるの?」

「何をいっているんだ月子、ミランダさんが居るじゃないか?」

「私には見えないよ…」

そういう月子の顔は青い。

「俺を揶揄っているのかな…」

「それは違いますよ!理人さん、ミランダはゴーストなんです!」

「「ゴースト?!」」

「ああっ幽霊とかとは違いますよ!『ゴースト』という特殊な種族で人によって見えたりする不思議な種族なんです…まぁ異世界人からしたら幽霊に近い特徴を持ってはいるんですけどね」

「騙しているんじゃないのよね?」

「ミランダちゃん、そこの花瓶を持って」

「はい、これで良いですか?」

月子には声も聞こえてないのか?

「嘘…花瓶が浮かんでいる…凄い」

「それで月子どうかな?」

「ハァ~理人くんがそうしたいなら良いよ…あはははっ私だって元犬神憑きだからゴーストの一人や二人平気だから!」

最初は月子と俺の二人だったけど、ララアさんにミランダさん…賑やかになったな。

「どうしたの、理人くん」

「どうしたんですか理人さん」

「どうかされましたか? ご主人様」

「いや...楽しいなと思ってな」

「「「楽しい」」」

「ああっ凄く楽しい」

「「理人くん(さん)」」

「ご主人様」

お城を追い出された時から比べれば、随分賑やかになった物だな。


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