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第37話 なにかがおかしくなってきた。
しおりを挟む「行ってらっしゃい!理人くん」
今日も月子に見送られて薬草採取に出掛ける。
今思えば、俺同級生と同棲しているんだよな…
成り行きとはいえ結構凄い事しちゃった気がする。
「いい、行ってきます」
「どうしたのかな? 理人くん、顔が赤いよ」
「いや、よく考えたら俺、月子と同棲しているんだなと思って」
「あっ…言われてみればそうだね…うん同棲だよね」
「なぁに二人の世界作っているんですか? 理人さん、採取に行きますよ」
そう言いながらララアさんが俺の手を引いていく。
「行ってらっしゃい、ご主人様! 今日も暑いですね」
ミランダさんがエプロンをつけて箒を持って庭を掃いている。
実はこれは俺のリクエストだ。
ゴーストのミランダさんは『何もしないでいる』のが日常らしいのだが、なにかをしたいと言うので俺の希望で庭掃除をして貰っている。
未亡人と言えばエプロンで落ち葉掃きが何となく健全的で似合う気がする。
何時もどおりにララアさんと薬草を採取してギルドで換金していたら…
「理人さんレートが上がっていますよ!」
今までお金をあまり使わないからギルドの口座にそのまま入れていた、だから気が付かなかったけど…買取り金額が三倍近くになっていた。
「ケティさん、何でこんなに買取値が高くなっているんですか?」
受付嬢のケティさんが小さな声で話しをしてきた。
「それはですね、何が起きたのか解りませんが、最近『聖魔法』の効果が低くなっているんです」
言われてギルドの治療院…とは言っても端っこに机があって治療師が居るだけだが、何か揉めていた。
◆◆◆
「なぁ、あんた手を抜くんじゃねえよ! 金を払ってハイヒールを頼んでいるのに血が止まってねーじゃないか?」
「私はしっかりとハイヒールを使いましたよ?その傷が重症なだけです」
「お前…ふざけるなよ! 骨折すら簡単に治すハイヒールでこの切り傷が塞がらない訳ねーよ」
ヒーラーの人も効きが悪いのが解っていたのか手を震わせながら…
「返金します」
そう言ってお金を返していた。
冒険者はお金でなく治して貰いたかったのだろう…
「いや、そうじゃなくて治療して欲しんだ! ふざけるな」
「駄目なんだ、私だけじゃなく何故か『聖』魔法の効きが悪いんだ…」
「おい」
冒険者が止めるにも構わずヒーラーの人は何処かに行ってしまった。
◆◆◆
「あんな事ばかりなんです、情報では教会でも同じらしくて『聖魔法』の効きが一ランク下になっているらしいのです」
「そうなのですか?」
「はい…しかも日に日にその効きが悪くなっています…そのせいでポーションの需要が増えて、その結果薬草の買取値段が高騰しているんです」
「大変ですね」
「ええっ」
俺がこの世界に来る時、幻覚かも知れないが女神の死体を見た気がする…まぁすぐに消えたから見間違いかも知れないが…まさかな。
多分気のせいだ。
「ええっ、だから理人様、今後も良質な薬草の採取、お願い致しますね」
「はい、頑張ります!」
そう言えば、和也のジョブは聖騎士だったな。
上手くやっているのだろうか?
まぁ今は気にしても仕方ないな。
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