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第47話 魔王と死霊女王コーネリア
しおりを挟む「ゆ…ゆ…勇者があっさりと負けただと」
「はい、ゾルベック様」
なんで、そんな馬鹿な事が起きたのか余にも解らん。
四天王もしくは幹部クラスに負けたのならいざ知らず…只のオーガに負けたとは…何の冗談だ!
余は…勇者召喚に備えて準備したのに…全てが無駄になったわい。
ハァ~
手ごわいのも、問題だが…此処迄弱いのも不思議だ。
邪神であるゾーダス様に祈ると神託は降りてきたのだが…
『女神が片手間でジョブを与えた勇者でも、そこ迄弱いことは無い…何かの間違いではないか』
そういう話だった。
確かにこの話は可笑しすぎる。
逆に考えて見れば…余が人間のただの騎士に負けた。
そういう事だ。
考えられる事は…これが人間側が考えた奸計で『実は勇者は生きていて』魔族側に偽の情報を与えて油断させる作戦。
この辺りが一番可能性が高い気がするが確定は出来ぬ。
最近は邪神様は否定するが、二人目の邪神様の存在の影響が大きい気がする…何故だか人間側の力が目に見えて衰えている。
何しろ…只のオークが冒険者や騎士を一対一で倒せる。
そう言う話しすら耳に入っている。
どう考えてもあり得ない事ばかりが起きている。
その多くは魔族側に都合が良い事ばかりだ。
「魔王様…今こそ人間側に攻め込む時です…我れが軍を率いて王国の者を血祭りにあげようと…」
駄目だ、あそこには邪神様の器の人間がいる。
「ならん…王国についてはララアに任せておる」
「ほう…ですが魔王様、ララアは諜報に優れますが戦闘には向きませぬ、我れが死霊の軍団に掛かれば王国など」
「くどい…今はララアは重大な任務についておる…王国を攻める事は許さぬ」
まさか、もう一人邪神様が増える可能性がある。
これはまだ、今の段階では言えぬ。
ララアからは報告は聞いたものの…まだ完全に信じて良いか解らぬ。
「魔王様、今こそが攻め入る好機です…我れを…」
仕方が無い。
勇者が死んだ…
この状態であれば各地に散らばっている他の四天王を動くやもしれぬ。
此奴に事情を話し…邪神様の器の確認を頼むか。
「実はな…」
余は邪神様の器について話をした。
「なっ、邪神様宿っている器? そういう事なら何故、我れに言わぬのですか? 我れは死霊の女王ですぞ? ある意味『邪』については一番解る存在です」
確かに此奴は死霊…『邪』の気から出来た存在。
此奴なら、邪神様についてララアより詳しく解るかも知れぬ。
「ならば、死霊の女王コーネリアよ、ララアの元に行き『器』の見極めを頼もうぞ」
「それでは…我れは王国に旅立たせて貰います」
「行くがよい」
コーネリアであれば、より詳しく『器』の見極めが出来るだろう。
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