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第48話 なにかが動き出す前
しおりを挟む「理人さん、少しエルザを貸してくれませんか?」
急にララアが、この剣を貸して欲しいと言い出した。
「エルザってこの剣の事? 大切に使って貰えるなら貸しても良いけど…一体何があったの?」
「いえ、私はこれでもB級冒険者なので指名依頼が入ってしまいまして、相手が魔獣なので…魔剣の力を借りれたら…そうおもいまして…駄目でしょうか? 駄目なら諦めますが」
この剣はエルザって言うのか?
貸すしか無いな…
何より刀身に浮かぶ美女から、やる気が伝わってきている。
「そういう事なら貸すから安心して! 魔獣討伐なら俺も行こうか?」
「あの…理人さんが来たら、魔獣が居なくなって討伐が出来なくなりそうですので…」
「あっごめん…確かに、それでどの位此処を離れるんだ?」
「2週間位です…それでは今日から旅立ちます」
最近はいつも一緒に居た。
誰かが欠けると少し寂しいな。
「そう、寂しくなるな…」
「理人さん…私だって、私だって寂しいんです! ですがこればかりはどうしようもなくて…理人さぁー-ん」
俺はこういう耐性が無い。
元々付き合って3日間以内に振られていた男性として…こんな美女に抱きつかれてどうして良いか解らないな。
「はい、はい依頼が入ったから、暫く居ないのね? 解ったわ! 理人くんから離れてくれる!」
「良いじゃないですか? 月子ちゃんは私が居ない間、理人さん独り占めじゃないですか? 減らないんだし別に…ちょっと位…いっ」
「理人くん減るから! だから、離れて!」
「はいはい、解りました…月子ちゃんもはい、これで良いでしょう?」
「ちょっと離れて…」
綺麗な女性が二人で戯れているのは…うん絵になるな。
こうしてララアが暫くここから離れていく事になった。
◆◆◆
「理人くん、もう充分稼いでいるんだから、偶にはゆっくりしたら?」
「いつまでも良い状態が続くか解らないからな、仕事はキッチリしないとな、その代り今日は美味しい物でも買ってくるからさぁ」
「そう、楽しみに待っているよ」
「うん、期待してて、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
さて、困ったな…買う分にはお金は幾らでもあるから良いけど…
何が良いんだ。
「おはようございます! ご主人さま、今日も天気が良いですね!」
「おはよう…そうだ、ミランダさん、何か美味しいお菓子とか知らない?」
ミランダは首をかしげている。
やはり美人はこういう姿も絵になるな。
漫画なら見開きでアップになる位のシーンだ。
「お菓子ですか? 昔、異世界人が持ち込んだ、シュークリームとかどうですか?」
「シュークリームがあるんだ」
「はい」
「それで、ミランダさんも食べれるの?」
「そうですね…ご主人様の食べると少し違いますが、頂けます」
「そう…それじゃ、お土産に買ってくるから楽しみにしててね」
「はい! 楽しみに待っていますね!」
「それじゃ、行ってきます」
◆◆◆
ハァ…まさか、悪霊になってから、心がときめくなんて思いませんでした…霊体じゃ無ければ抱きしめられるのに…ちょっと残念ですね。
「行ってらっしゃい、ご主人様…えっ」
不味い、恐ろしい存在が近くに来ている…ご主人様
「ご主人様ぁぁぁぁぁぁー―――――っ」
ああっ…ご主人様に声が届かない、私は…屋敷から出られない…ハァハァ…よく考えたらご主人様には『邪神様』が宿っているのを忘れていました…問題なんて起こりませんね。
「私って本当にドジですね」
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