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第64話 ベッド争奪戦
しおりを挟む「あの…月子とミランダさん、部屋に帰って貰えないでしょうか?」
俺は今疲れてベッドで寝ているんだが、月子とミランダさんが出ていこうとしない。
「だって理人くん、その女が居るじゃない」
『そうですよ、ご主人様、私だって同じような者です、その方(かた)が良いなら私だって良い筈ですよ…月子さんは生身だから出て行った方が良いかも知れませんが』
「ちょっとミランダさん…いきなりの裏切り!」
『私は女神にして理人様の守護霊…いつも傍に居るのは当たり前です…例え眠っている時でも、お守りするのが仕事ですから』
「怪しい」
『この館は私が守護してます…私が居る限り誰かが来れば解りますし…排除します…どうぞこの部屋から出て行って下さい』
『貴方が? 貴方コーネリア様には無力、そして塔子という女にはまんまと騙されて侵入を許しましたね…そんな貴方に『守護』なんて言葉を使う資格があるのでしょうか?』
『貴方こそ、月子とご主人様の嫌いな女神の名を名乗り、コーネリア様より弱いですよね…塔子さんはお客様だから通しただけ…私には非がありません』
『別に興味はありません…ただ私は愛しい理人様のお傍で守るそれだけです、やましい事はありません、さぁお引き取りを』
「愛しいという事は理人くんが好きだって事だよね? あーあっしらじらしい」
『そうですよ』
全く持ってこれじゃ眠れない。
大体女三人に囲まれて寝れるわけが無い。
しかもその中の二人は美女だ。
だが、それを言ったって止めてはくれないだろうな…
「ハァ~仕方ない、月子は枕と毛布を持ってきて」
「ええっ良いの? それじゃすぐに持ってくる」
嬉しそうに走って出ていったな。
きっと異世界にきて心細かったのかも知れないな。
「ミランダさんとイシュタルさんは、俺のベッドをそのまま使って下さい」
『あのご主人様、私がご一緒に寝ます、その女は守護霊なのでそのまま立たせておきましょう』
『貴方は、どうやら邪悪な存在のようですね、女神であり理人様の守護する者として排除します』
『それならこの館の平和を守る為に私も引く訳にいきません』
「理人くん、枕と毛布持ってきたぁ~」
ああっそうか、これじゃ月子が寝るからベッドに眠れるのはもう一人だけだ…
「なにかありましたの?」
「どうしたのじゃ? 騒がしいのぉ~」
「大丈夫ですか?」
「どうしたんですか?理人さん」
塔子にコーネリアちゃんにメアリーさんにララアさんまで来た。
仕方なく、俺は事情を話した。
「ほう、成程のぅ…それじゃ、ミランダ、イシュタルは出ていくのじゃ」
『そんなコーネリア…』
『コーネリア様』
「くどい出て行くのじゃ! もし逆らうなら!」
『『解りました』』
なんでコーネリアちゃんが凄んだだけで出ていくんだ…守護霊を俺に付けてくれた位だから、そういう能力があるのかも知れない。
「それで塔子はどうするのじゃ?」
何だかコーネリアちゃんがニヤリと笑った気がした。
「わわわ私は…今日は我慢しますわ」
塔子は部屋に帰っていった。
「ララア、お前も出て行くのじゃ…」
「コーネリア様、横暴です」
「何か言ったかのう…ララア」
「うっ…解りました…コーネリア様、なんて、なんて大嫌いですー-ぅ」
「ようやく、邪魔者は消えたのう…月子が居ても我れは小柄じゃから…なぬ…なんでお前らがベッドで寝ているのじゃ…」
「ひくっ、ひくっ…これ違うよ」
「私は同じ部屋で眠れるだけ…幸せですね」
「なんで理人お兄ちゃんが床で眠っておるのじゃ」
「それがコーネリア様が、戦い…いえ、追い払っている時に『女性を床には寝させられない』と言われてこの様に」
「それじゃ我れは理人の横で床で眠るのじゃ」
「そんな我儘言うと嫌われますよ」
「うぐっ…仕方ないのじゃ」
う~ん、流石に床は体が痛い…だけど…このまま寝た方が、揉めないな…仕方ない。
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