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第46話 最終奥義 ゲスの極み

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ヤバい、間に合わなかった。

大きな気が近づいてくる…人間で此処迄の気の持ち主は勇者達しかいない。

カイトだ。

幾ら努力して無くてもカイト達は勇者パーティ。

俺が気が付いている位だから…相手も気が付いている筈だ。

「どうしたんだいリヒト!」

「顔が真っ青よ…」

素直に話して先に行って貰おう。

「不味い事に、カイトの気配がする…」

「「勇者パーティ?!」」

「ああっ、悪いけど先に次の街まで行って待っていてくれないか? そうだな、どの宿に泊まっているか冒険者ギルドに伝言して置いてくれればすぐに行くから」

「平気なのか?」

「大丈夫なの? 私達が此処に居た方が良いんじゃない」

「いや、居ない方が良いと思う…もし俺が断ったとき矛先がそちらに向いたら怖い…俺は大丈夫だ、カルミーさんルミナスさんを頼んだ」


「解った…気をつけて」

「早く追いついてきてね」

「ただ話すだけだから、大丈夫だよ」

これが恐らく俺にとっての大きな戦いだ…

これさえ乗り越えたらもう終わる。

幾らカイトでも…もう一度は追いかけては来れない。

◆◆◆

「ハァハァ…リヒト見つけたぞ!」

「リヒト…私がいや…私達が悪かった…戻ってハァハァ欲しい」

「ハァハァリヒト見つけたわ…」

「リヒト…ごめんなさい…」

息せき切らして走って来たのが解る。

服もヨレヨレだし…こんな短期間で此処まで戻るなら馬じゃ無理だ。

恐らくは空竜艇に乗って来たんだろうな…

税金の無駄使いだ。

困っているのは解るよ…

あれだけキラキラしたカイトが別人の様にくすんでいる。

剣聖のリダは目の下に隈が出来て窶れているし…

聖女のフリージアの真っ白な服は茶色く黄ばんでいる。

賢者のミルカはその容姿のせいもあり…夜まで遊んでいた子供みたいだ。

『ごめんな』それでも俺はもうついてはいけないんだ。

「取り敢えず話は聞いてやるから…ほら水でも飲んで落ち着け」

俺は持っていた水筒を放り投げた。

俺にとっての勝負はこうして始まった。

◆◆◆

「カイト…言いたい事は解った…だが、もう俺達は会うべきじゃ無かったんだよ…俺は色々と精一杯だったんだ、これ以上あの場所に居たら気が狂いそうだから…俺が俺で居られるうちに逃げたんだ…悪いがこのまま帰ってくれないか? 頼むからな」

「俺が馬鹿だったんだ…ちゃんと今度はお前の事考えるから…なぁ頼むよ」

「私もちゃんと今度はリヒトの事を考えるから、前みたいには絶対にしないからな、この通りだ」

「そうよ、今度はちゃんと友達として扱うわ、だからね…」

「昔からの幼馴染、友達として一からいやゼロから始めよう…カイトとリヒト…同じにちゃんと扱うから」

「いや、無理だよ…好きな男と同列になんて扱える訳が無い…それに今の俺は、もう昔のリヒトじゃない…もうお前等のせいで考えが汚れちまったよ…ある意味カイト、お前の望んだ姿…いや4人が望んだ姿になっちまった…あそこで消えたのは…大好きだった幼馴染のお前達への最後の想いがそうさせたんだ…頼むから消えてくれ…頼むから」

「リヒト、俺達が悪かった、償うから、だから頼むから…なぁ頼むよ」

「お願いだ、償いが必要なら…償うから、この通りだ…」

「私も謝るわ…この通りよ…」

「私も…謝るわ」

可哀そうだとは思う…

もし、俺がルミナスさんやカルミーさんに出会う前にこれをやられたら心が動いたかも知れない。

だが、もう俺には『命より大切な2人』が居る。

だから…もう無理なんだ。

『最終奥義 ゲスの極み』

「本当に責任がとれるのか? 今の俺は悪いが相当可笑しくなっているぜ! それでも良いのか?今の俺でも受け入れられるなら良いぜ」

「「「「リヒト」」」」

「それじゃぁ…そらっ」

ビリビリビリッーーー

「きゃぁぁぁぁーーー何するのよーーっ」

俺は一番近くの居たフリージアの服を力任せに引き千切り突き飛ばした。

可愛らしい胸が丸見えだ。

そこで俺はズボンのベルトを外す。

「一体何するんだ答えろーーっ」

「お前…」

「リヒトやめて…」

「嫌、いやいやよーーー」

「なにするって?!犯るに決まってんだろう? 俺にこうなって欲しかったんだろう? 散々パラ俺に見せつけてよ! お前等露出狂で見られながらするのが好きなんだろう? いい加減俺も溜まっているから今すぐ使ってやるよ…俺はそこのカイトと違って避妊紋を刻んでいるから…中出しし放題だぜ…おらよ股開けよ」

まぁ、これは嘘だ。

「ううっ、酷い…」

「うるせーよ、これがお前等が望んだ事なんだよなーーー!俺がストレスが溜まっていけばこうなるだろう…良いから股開けよアバズレが…穴を使わせる以外全部やってんじゃねーの」

「ううっ、せめて誰も居ない…所で…おね…がい」

「嫌だね」

「俺が悪かった…俺達は…そこまでしていない…四職は妊娠は不味いからな…」

「本当だよ…揶揄っていただけだよ…」

「本当だから…」

「はんっ…人前で胸を揉んだり下着に手を入れていた奴の言う事が信じられるかよ…散々見せつけて、俺がその気になったら嘘つくのかよ…」

「…良いよ…そこ迄いうのなら…もう」

「「「…」」」

「あのさぁ、俺は4職じゃないから、普通ならもう結婚して嫁さんもらって子作りしていて当たり前なんだぜ…そして冒険者しているかそのまま農家として過ごしているか…そういう人間なんだ…今のはやり過ぎだと思う…悪いな…だが、これが今の俺だ、もしあのまま、お前等が四職にならず村で暮らしていたら、恐らく3人のうち1人が嫁さんで、もうとっくに経験済みだった筈だ…俺はそういう目で見ない様に頑張っていた…だが、お前らが馬鹿な事でマウント取るから….もう、そう言う目でしか見られなくなってきたんだよ…だから、あそこで追放を受け入れた…解っただろう?もう放っておけ…」


「男として…謝る…悪かったな」

「私達が悪かったんだ…」

「私達がグスッ…スンスン…そうさせちゃったんだね…」

「ごめんなさい」

「悪いな…今の俺はもう駄目なんだ…お前等が煽るから…そう言う対象にしか見えなくなった…正直夢で何回犯したか解らない…悪いけど…このまま消えてくれないか…これ以上嫌な男になりたくない」

「俺達が悪かったのか…」

「ごめん、リヒトの気持ちを考えずに…行こうカイト」

「ごめん…グスッ、なさい」

「もう来ないよ…」

カイト達が帰っていく…

どうやらこの勝負…俺の勝ちだ。

◆◆◆

自分達が煽ったせいで『危ない奴になった』これなら俺ばかり責められないし…手元に置きたくないだろう…

もうカイト達が…俺の所に来ることはないだろう…

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