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義母攻略 表
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私は直ぐに私付きの使用人にルディウスを指名した。
アベルにそう言った時には虐待をするのでは無いかと心配されたが「虐めたりはしないわ」そう伝えたら許可が降りた。
まぁ私は前にファイヤーボールをルディウスに打ち込んだ前科がある。
だけど、アベルの中では多分ルディウス何てどうでも良いんでしょう...禄に私と話しをしないで許可する位なんだから。
そう考えたら、凄く残酷だ、産んだ母親にも愛されない、父親にも愛されない10歳の子供。
自分にヘンドリックというお腹を痛めた子が居る時はこんな事は考えてなかった。
自分が最愛の息子を失ったから気がついた。
ルディウスには家族が居ない、いや父親は居るが愛して等いない。
私にはまだアベルが居る...それなのにこんなに悲しい。
何も持ってないルディウスは多分、私とは比べられない位悲しく寂しい世界で生きているのだろう。
「貴方は気が利きますから、私付きに指名してあげたわ」
「そうですか、光栄です」
話をした時にルディウスは凄く嬉しそうだった。
私はルディウスにご褒美をあげる事にした。
決して可笑しくはない...体の調子の悪い主人に尽くした使用人に対して褒美をあげるのは当たり前の事だ。
「ルディウス、何か欲しい物とかありますか? 今回はお世話になりましたから特別に褒美を与える事にしました」
「あるにはあるのですが、言ったらアマンダ様に怒られます」
「まぁ私に怒られる様な事をしたの?正直に言いなさい怒りませんから!」
「本当に怒りませんか?」
「ええ約束します《内容によっては怒りますけどね》」
「その、お母様って呼びたいです..」
《何でしょうか..この不意打ち...ルディウスってこんなに可愛い子だったかしら》
「コホン、良いですわよ..この部屋の中でだけなら...ここでだけですよ」
「本当? お母様...ありがとう!」
「まぁ、私も、もう年齢的に子供は作れないと思いますから..少し位なら甘えても構いませんよ...まぁ血縁は無くとも貴方は一応私の子でもあるのですから」
「何を言っているんですかお母さま! お母さまはまだ齢なんかじゃないですよ?凄く綺麗ですよ!」
「そうかしら?お母様はそんなに綺麗?」
「はい、世界で一番綺麗です!」
実の子を亡くしたせいなのかも知れない。
だから、傍に居るルディウスが目に入った。
子供を亡くした母親に、母親が死に誰にも愛されなかった子供。
そして血縁は無くとも、この子の私は義母だ。
案外、これはこれで良いのかも知れない。
私は凄く残酷なのかも知れないわ..私はまだヘンドリックが死んで数日なのに悲しみが薄れている。
貴族の子供でここまで母親にべったりな子は居ないわ...私はヘンドリックにこんな言葉は掛けて貰った事がない。
それ所か愛しているアベルも付き合いが長いせいか、こういうストレートな感情を私にぶつけてきたりしない。
ヘンドリックはどう考えても大きくなってもこうは成らないだろう。
ルディウスは私がヘンドリックを可愛がっているのを羨ましいそうに見ていた。
もし私が手を差し伸べれば、可愛い子供になってくれるかも知れない。
世界で一番綺麗か...子供に言われても案外ときめく物ね。
そんな事アベルにも言って貰った事は無い。
「ルディウスにとってお母様は世界で一番綺麗なの?」
この子といると何だか心地よい...私は子供を作れる齢ギリギリだった。
20代後半の行き遅れ、そんな風に言われていた。
アベルも私も良い歳だ、幾ら好きな相手でも若かった時の様なときめきは無い。
こんな歯の浮いた様なセリフ私に言う存在等居ない。
「はい、だから子作り頑張って下さい...お母様ならきっと...もう一度子供が作れます」
《これはメイド辺りから聞いた知識かしら? 10歳の子に何を教えているのかな?教えた相手が解ったら叱らなきゃ》
「ルデイウスは随分ませているのね! お母様は知らなかったなそんなにませていたなんて...!だけど子供が出来たらまたルディウスに対して辛くあたるかも知れないわ?」
「我慢します」
「何で我慢するの?」
「僕はお母さまの本当の子供ではないですし、お母様も自分の子供を後継ぎにしたい気持ちは解りますから、それに貴族ならそれが当たり前の事ですから」
《10歳の子供が此処まで考えるの?》
「ルディウス..安心して良いわ...次の子が生まれても同じ様に接してあげるわ!」
「本当ですか? 有難うございます」
《凄く嬉しそうな顔ね..不思議な子..この子と話していると子供だって言うのをたまに忘れる..口説かれている..そう錯覚してしまう》
ルディウスによって私は...女としてまだ生きれる、そんな自信が取り戻せた。
...................................
...........
既に心はルディウスを子供のように思っている。...だけど、この家には私が産んだ子供が必要だ。
そうで無ければ、私は《子供も産めなかった女》になってしまう。
それだけは貴族に嫁いだ嫁としては受け付けられない。
ルディウスに癒され女としての自信を取り戻した私は又アベルと体を重ねた。
アベルは私と違いまだヘンドリックの死を引きずっているのか元気がない。
多分、私の体にももう飽きたのかも知れない..淡泊だ、まぁお互いが20代後半で30にも手が届くそう考えたら当たり前だ。
私だって多少は同じような気持ちもある...だが《子供を作れなかった嫁》には成りたくない。
そして待望の2度目の妊娠をした。
「これで我が家も安泰だな...」
アベルが少しだけ元気を取り戻した気がした。
ようやく、ヘングラムにも光が戻った気がした。
だけど、ルディウスが心配だわ...
「ルディウス...あのね」
「もう、知っています..女の子が良いな..」
「何を言っているの?男の子が良いわよ私は」
「女の子なら、お母さまを取られないから女の子の方が僕は良いです」
「ふふ、大丈夫よ男の子でも今迄通り接してあげるわ」
《お腹の子はこの家を継ぐんだから、少しくらいはルディウスに寄り添ってあげても良い筈よ》
「安心しました」
《だけど、この子結婚できないんじゃないかな?ここまで私が好きじゃ..まぁ今だけでしょうけど》
だが、この幸せは永くは続かなかった。
主治医が訪れて定期的な母体診断の時の事だった。
「お気の毒ですが流産しました」
「えっ何かの間違いじゃないんですか?」
「嘘だろう先生」
アベルもアマンダも頭が真っ暗になる。
「そして、残念ですが、奥方様はもう子供が生むことが出来ないと思われます」
「そうですか」
アベルが先に立ち去った。その背中は凄く寂しそうだった。
私も後をついていった。
執務室にいった。
「俺とお前の結婚は失敗だった」
「どうして、どうしていまそんな事をいうの?」
「お前だって貴族なんだ、解かるだろう?跡取りを作れない女に価値ちは無い当たり前の事だ」
《何も言い返せなかった..歳の事もあるが..もう子供を作れない..本来なら家を出されても文句は言えない》
「仕方ない、側室を貰うかも知れないが、悪く思わないでくれ」
《側室...》
「解りました」
これで私も終わりだわ、恐らく新しい女がこの家に来て女としての一生は終わる。
これなら、素直にルディウスを子供として認めてあげれば良かった。
大嫌いなトールマン家のあの女の子だけどルディウスに罪は無いじゃない。
そうしていれば、こんな事にならなかった。
ルディウスを子供にしていれば、他の女を入れる事にならないですんだのに。
アベルに嫌われている現状じゃルディウスを跡取りに...無理だわ。
「ルディウス...お母さまは駄目だったみたい.もう終わり...女として終わっちゃった!」
「どうしたのですか? お母さま」
「赤ちゃん、流産しちゃった」
「それならまた」
「お医者様がもう、二度と子供が作れないって..もう駄目なのよ!」
「.......」
「アベルは側室を貰うか..養子を貰うそうよ..私と結婚したのが間違いだってさ..わたしもう要らないんだわきっと」
「アベル様はおかあさまを要らないんですか?」
「うん、要らないと思う..いえ確実に要らないわね...女として貴族の妻として本当に終わっちゃった..」
「そうですか、ならお母さまを僕に下さい!」
この子が今何を言ったのか理解できなかった。
「えっ?」
いきなり抱きしめられた..ようやく何をされたのか解った。
ルディウスが私を抱きしめてきたんだ...
「ルディウス..何ですか?」
頭がパニックになった、自分でどうしていいのか解らない
「僕はお母さまが好きでした、子供としても好きですが一人の男性としても好きです」
その言葉を聞いてようやく抱きしめられた意味が解かった。
「ちょっと待ちなさい、まってルディウス...一回落ち着きましょう..ねぇ..私達親子よ不味いわ!」
「関係ありません..僕はお母さまを世界で一番綺麗だと思っています」
「駄目よ」
「僕は世界で1番、お母さまを愛しています..絶対に寂しい思い何てさせません..だから..」
「ルディウス...その言葉の意味..本当に解って言っているのね?」
「はい、愛してます..お母さま」
私はズルい女だ、散々この子を苦しめてきたのに...これから先1人になるのが嫌だから説明しなかった。
この子の気持ちは解っている、欲しいのは恋人じゃなくて《母親》だ。
母親に対する思慕の気持ちが、今迄独りだったから、それが無くなるのが嫌で言っている事だ。
私も似たような気持があるから良く解る。
本当なら、その気持ちは男女の気持ちではなく《寂しさから肉親を手放したく無い気持ちなのよ》
そう教えなければならない。
だけど...私はズルい、確実にこの子を捕らえる絆が欲しかった。
結局私は拒めなかった。
今迄、こんなに求められたことは無い。
凄く怖い..この子のしてくれる事が、囁いでくれる言葉が触られる事が全て心地よい。
こんなの経験したことは無い。
これが本当に好きな相手に対してする行為なのかもしれない。
何時までたっても終わらない..気が付くともう明け方になっていた。
「ルディウスは全く強引なんだから...まったくしょうがないわね」
「ごめんなさい」
《あらあら、もう子供になってしまったのね...》
「まぁ良いわ..本当にルディウスはお母さまの事が好きなのね? 親子としてではなく女性としても?」
「はい」
「仕方ない子ね、だったらこういう事したんだから、今度からは二人の時はアマンダと呼びなさい」
「アマンダ様」
《何で暗くなるのかな..あっそうか》
「違うわ、本当に好きな者同士は名前で呼ぶのよ? だからアマンダ...様は要らないの」
「アマンダ」
「なぁにルディウス、こんな感じにね」
「ありがとうアマンダ」
「だけど、良いの? 私は子供が産めない体なのよ?《まぁ親子なのに子供作っちゃ問題だけど》」
「その方が良いよ、僕たち親子だから子供は作っちゃだめだと思う..それに」
「それに何よ!まさかここまでして何か文句言う気なの...」
「子供が生れなければずうっと僕がアマンダの一番で居られるから嬉しい...」
「全くルディウスはずるいわ..わたしばっかりドキドキさせられて」
多分、この子が傍に居るから私は女として生きて行ける..まさかこの歳になってこんな感情が芽生えるなんて..多分、もう私はルディウスなしじゃ生きられない。
だって、この子は、私の愛しい子供で...最愛の恋人なのだから...
アベルにそう言った時には虐待をするのでは無いかと心配されたが「虐めたりはしないわ」そう伝えたら許可が降りた。
まぁ私は前にファイヤーボールをルディウスに打ち込んだ前科がある。
だけど、アベルの中では多分ルディウス何てどうでも良いんでしょう...禄に私と話しをしないで許可する位なんだから。
そう考えたら、凄く残酷だ、産んだ母親にも愛されない、父親にも愛されない10歳の子供。
自分にヘンドリックというお腹を痛めた子が居る時はこんな事は考えてなかった。
自分が最愛の息子を失ったから気がついた。
ルディウスには家族が居ない、いや父親は居るが愛して等いない。
私にはまだアベルが居る...それなのにこんなに悲しい。
何も持ってないルディウスは多分、私とは比べられない位悲しく寂しい世界で生きているのだろう。
「貴方は気が利きますから、私付きに指名してあげたわ」
「そうですか、光栄です」
話をした時にルディウスは凄く嬉しそうだった。
私はルディウスにご褒美をあげる事にした。
決して可笑しくはない...体の調子の悪い主人に尽くした使用人に対して褒美をあげるのは当たり前の事だ。
「ルディウス、何か欲しい物とかありますか? 今回はお世話になりましたから特別に褒美を与える事にしました」
「あるにはあるのですが、言ったらアマンダ様に怒られます」
「まぁ私に怒られる様な事をしたの?正直に言いなさい怒りませんから!」
「本当に怒りませんか?」
「ええ約束します《内容によっては怒りますけどね》」
「その、お母様って呼びたいです..」
《何でしょうか..この不意打ち...ルディウスってこんなに可愛い子だったかしら》
「コホン、良いですわよ..この部屋の中でだけなら...ここでだけですよ」
「本当? お母様...ありがとう!」
「まぁ、私も、もう年齢的に子供は作れないと思いますから..少し位なら甘えても構いませんよ...まぁ血縁は無くとも貴方は一応私の子でもあるのですから」
「何を言っているんですかお母さま! お母さまはまだ齢なんかじゃないですよ?凄く綺麗ですよ!」
「そうかしら?お母様はそんなに綺麗?」
「はい、世界で一番綺麗です!」
実の子を亡くしたせいなのかも知れない。
だから、傍に居るルディウスが目に入った。
子供を亡くした母親に、母親が死に誰にも愛されなかった子供。
そして血縁は無くとも、この子の私は義母だ。
案外、これはこれで良いのかも知れない。
私は凄く残酷なのかも知れないわ..私はまだヘンドリックが死んで数日なのに悲しみが薄れている。
貴族の子供でここまで母親にべったりな子は居ないわ...私はヘンドリックにこんな言葉は掛けて貰った事がない。
それ所か愛しているアベルも付き合いが長いせいか、こういうストレートな感情を私にぶつけてきたりしない。
ヘンドリックはどう考えても大きくなってもこうは成らないだろう。
ルディウスは私がヘンドリックを可愛がっているのを羨ましいそうに見ていた。
もし私が手を差し伸べれば、可愛い子供になってくれるかも知れない。
世界で一番綺麗か...子供に言われても案外ときめく物ね。
そんな事アベルにも言って貰った事は無い。
「ルディウスにとってお母様は世界で一番綺麗なの?」
この子といると何だか心地よい...私は子供を作れる齢ギリギリだった。
20代後半の行き遅れ、そんな風に言われていた。
アベルも私も良い歳だ、幾ら好きな相手でも若かった時の様なときめきは無い。
こんな歯の浮いた様なセリフ私に言う存在等居ない。
「はい、だから子作り頑張って下さい...お母様ならきっと...もう一度子供が作れます」
《これはメイド辺りから聞いた知識かしら? 10歳の子に何を教えているのかな?教えた相手が解ったら叱らなきゃ》
「ルデイウスは随分ませているのね! お母様は知らなかったなそんなにませていたなんて...!だけど子供が出来たらまたルディウスに対して辛くあたるかも知れないわ?」
「我慢します」
「何で我慢するの?」
「僕はお母さまの本当の子供ではないですし、お母様も自分の子供を後継ぎにしたい気持ちは解りますから、それに貴族ならそれが当たり前の事ですから」
《10歳の子供が此処まで考えるの?》
「ルディウス..安心して良いわ...次の子が生まれても同じ様に接してあげるわ!」
「本当ですか? 有難うございます」
《凄く嬉しそうな顔ね..不思議な子..この子と話していると子供だって言うのをたまに忘れる..口説かれている..そう錯覚してしまう》
ルディウスによって私は...女としてまだ生きれる、そんな自信が取り戻せた。
...................................
...........
既に心はルディウスを子供のように思っている。...だけど、この家には私が産んだ子供が必要だ。
そうで無ければ、私は《子供も産めなかった女》になってしまう。
それだけは貴族に嫁いだ嫁としては受け付けられない。
ルディウスに癒され女としての自信を取り戻した私は又アベルと体を重ねた。
アベルは私と違いまだヘンドリックの死を引きずっているのか元気がない。
多分、私の体にももう飽きたのかも知れない..淡泊だ、まぁお互いが20代後半で30にも手が届くそう考えたら当たり前だ。
私だって多少は同じような気持ちもある...だが《子供を作れなかった嫁》には成りたくない。
そして待望の2度目の妊娠をした。
「これで我が家も安泰だな...」
アベルが少しだけ元気を取り戻した気がした。
ようやく、ヘングラムにも光が戻った気がした。
だけど、ルディウスが心配だわ...
「ルディウス...あのね」
「もう、知っています..女の子が良いな..」
「何を言っているの?男の子が良いわよ私は」
「女の子なら、お母さまを取られないから女の子の方が僕は良いです」
「ふふ、大丈夫よ男の子でも今迄通り接してあげるわ」
《お腹の子はこの家を継ぐんだから、少しくらいはルディウスに寄り添ってあげても良い筈よ》
「安心しました」
《だけど、この子結婚できないんじゃないかな?ここまで私が好きじゃ..まぁ今だけでしょうけど》
だが、この幸せは永くは続かなかった。
主治医が訪れて定期的な母体診断の時の事だった。
「お気の毒ですが流産しました」
「えっ何かの間違いじゃないんですか?」
「嘘だろう先生」
アベルもアマンダも頭が真っ暗になる。
「そして、残念ですが、奥方様はもう子供が生むことが出来ないと思われます」
「そうですか」
アベルが先に立ち去った。その背中は凄く寂しそうだった。
私も後をついていった。
執務室にいった。
「俺とお前の結婚は失敗だった」
「どうして、どうしていまそんな事をいうの?」
「お前だって貴族なんだ、解かるだろう?跡取りを作れない女に価値ちは無い当たり前の事だ」
《何も言い返せなかった..歳の事もあるが..もう子供を作れない..本来なら家を出されても文句は言えない》
「仕方ない、側室を貰うかも知れないが、悪く思わないでくれ」
《側室...》
「解りました」
これで私も終わりだわ、恐らく新しい女がこの家に来て女としての一生は終わる。
これなら、素直にルディウスを子供として認めてあげれば良かった。
大嫌いなトールマン家のあの女の子だけどルディウスに罪は無いじゃない。
そうしていれば、こんな事にならなかった。
ルディウスを子供にしていれば、他の女を入れる事にならないですんだのに。
アベルに嫌われている現状じゃルディウスを跡取りに...無理だわ。
「ルディウス...お母さまは駄目だったみたい.もう終わり...女として終わっちゃった!」
「どうしたのですか? お母さま」
「赤ちゃん、流産しちゃった」
「それならまた」
「お医者様がもう、二度と子供が作れないって..もう駄目なのよ!」
「.......」
「アベルは側室を貰うか..養子を貰うそうよ..私と結婚したのが間違いだってさ..わたしもう要らないんだわきっと」
「アベル様はおかあさまを要らないんですか?」
「うん、要らないと思う..いえ確実に要らないわね...女として貴族の妻として本当に終わっちゃった..」
「そうですか、ならお母さまを僕に下さい!」
この子が今何を言ったのか理解できなかった。
「えっ?」
いきなり抱きしめられた..ようやく何をされたのか解った。
ルディウスが私を抱きしめてきたんだ...
「ルディウス..何ですか?」
頭がパニックになった、自分でどうしていいのか解らない
「僕はお母さまが好きでした、子供としても好きですが一人の男性としても好きです」
その言葉を聞いてようやく抱きしめられた意味が解かった。
「ちょっと待ちなさい、まってルディウス...一回落ち着きましょう..ねぇ..私達親子よ不味いわ!」
「関係ありません..僕はお母さまを世界で一番綺麗だと思っています」
「駄目よ」
「僕は世界で1番、お母さまを愛しています..絶対に寂しい思い何てさせません..だから..」
「ルディウス...その言葉の意味..本当に解って言っているのね?」
「はい、愛してます..お母さま」
私はズルい女だ、散々この子を苦しめてきたのに...これから先1人になるのが嫌だから説明しなかった。
この子の気持ちは解っている、欲しいのは恋人じゃなくて《母親》だ。
母親に対する思慕の気持ちが、今迄独りだったから、それが無くなるのが嫌で言っている事だ。
私も似たような気持があるから良く解る。
本当なら、その気持ちは男女の気持ちではなく《寂しさから肉親を手放したく無い気持ちなのよ》
そう教えなければならない。
だけど...私はズルい、確実にこの子を捕らえる絆が欲しかった。
結局私は拒めなかった。
今迄、こんなに求められたことは無い。
凄く怖い..この子のしてくれる事が、囁いでくれる言葉が触られる事が全て心地よい。
こんなの経験したことは無い。
これが本当に好きな相手に対してする行為なのかもしれない。
何時までたっても終わらない..気が付くともう明け方になっていた。
「ルディウスは全く強引なんだから...まったくしょうがないわね」
「ごめんなさい」
《あらあら、もう子供になってしまったのね...》
「まぁ良いわ..本当にルディウスはお母さまの事が好きなのね? 親子としてではなく女性としても?」
「はい」
「仕方ない子ね、だったらこういう事したんだから、今度からは二人の時はアマンダと呼びなさい」
「アマンダ様」
《何で暗くなるのかな..あっそうか》
「違うわ、本当に好きな者同士は名前で呼ぶのよ? だからアマンダ...様は要らないの」
「アマンダ」
「なぁにルディウス、こんな感じにね」
「ありがとうアマンダ」
「だけど、良いの? 私は子供が産めない体なのよ?《まぁ親子なのに子供作っちゃ問題だけど》」
「その方が良いよ、僕たち親子だから子供は作っちゃだめだと思う..それに」
「それに何よ!まさかここまでして何か文句言う気なの...」
「子供が生れなければずうっと僕がアマンダの一番で居られるから嬉しい...」
「全くルディウスはずるいわ..わたしばっかりドキドキさせられて」
多分、この子が傍に居るから私は女として生きて行ける..まさかこの歳になってこんな感情が芽生えるなんて..多分、もう私はルディウスなしじゃ生きられない。
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