悪徳貴族になろうとしたが

石のやっさん

文字の大きさ
14 / 94

英雄殺し

しおりを挟む
タイムリミットがある。

早めにアベルを殺さないとせっかく口説き落したアマンダの価値がなくなる。

元の人生を考えればこれでも幸せなのだろうが、そんな物じゃ満足できない。

アベルさえ居なくなれば、これで安泰だ。

アマンダが女伯爵になり、アマンダは子供が産めない体だから次期当主は確実に俺になる。

ここまで筋道がたてば一安心して良いだろう。

今現在の俺は自由に抱けてお金を出して貰える女を手に入れた。

それだけだ、アマンダは20代後半だからこの世界では女としての価値は凄く低いらしい。

これは使用人から聞いた。


この世界の平均的な寿命は50歳前後、殆どの人間が10代後半迄には婚約や結婚をする。

18歳や19歳で結婚していない女性は行き遅れ扱いなのだとか...

俺は前世の記憶があるから、実に勿体ないと思う。

俺はノーマルだから普通に20歳過ぎの女が好みだ。

10代前半以下の女に手を出したらロリコン、10代でも未成年そんな世界の記憶があるんだ当たり前だろう?

俺からしたらアマンダは普通に綺麗な女性にしか思えない。

だから抱くのは普通に楽しいし、問題ない、いや寧ろ楽しい。


だが、この世界の男からしたら《もうおばさんだからそういう対象に見ない》そんな感じだ。

使用人の男性の話では女ざかりは14歳~20歳位、24歳くらいでもうババアという感じだった。

農村では12歳位で結婚して成人、貴族なら10代で婚約は当たり前の世界だった。

そう考えたら、アマンダがあの歳で初婚という事は余程アベルが好きだった、そう思う。

俺から言わせると全員ロリコンじゃないかな。

まぁ10歳でこんな生活している俺が言えた義理ではない。


アマンダの話ではアベルは側室を迎えるという事だ。

側室を迎えて子供が出来てしまえば当然、アマンダのこの屋敷での発言力は弱くなる。

側室の子供がヘンドリックの様になり元の木阿弥だ。

だから、側室が決まり嫁いで来る前にアベルを殺さなければ成らない。

だが、アベルは戦争経験者だ、しかも使用人に聞いたところ《英雄》と呼ばれる程の強者らしい。

そんな奴の相手は昔の俺でも無理だ。

魔法と剣で戦う世界の住民に多少は有名な半ぐれのリーダー、勝てる要素が全くない。


何も手が浮かばない。


そして今日も俺はアマンダのベットの中に居る。

する事をすまして..今はアマンダの頭を撫でながら横になっている。

前世の僕は確かにクズだったが母親とこんな事はしていない。

というかババア相手にそんなことは出来ない....だが..近親相姦の恐ろしさは知らなかった。

正直に言うと...嵌る..それしか言えない。

義母とはいえ母親としての本能なのか..アマンダは僕がして欲しい事が直ぐに解るようだ...そして嫌がる事無く大抵の事はしてくれる。

僕の体も、心も多分、ルディウスの体や心に引きずられるのか..心地よい。

「アベルにバレるのが怖いな..」

「ふふふ、可愛い事を言うのね、バレても問題ないわよ..子供の産めない私はもう女じゃないから...私を愛してくれるのは貴方だけだわ」

最近になってアマンダが解かった気がする。

此奴にとって1番好きな人は別格だという事だ。

多分昔は

アベル>>>>>>>>>>ヘンドリック>>>僕

こんな感じだったんだろう、だけど、今は

僕>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>アベル

こんな感じだと思う。

此奴は母親にはなれない女で、総てが男優先の女なのかも知れない。

前の世界に居たなら育児放棄とかして男につくすそういう駄目女に間違いなくなっただろう。


《何でもするから捨てないでと男に縋りつく..そういう女がいたな。そいつと同類じゃねーかな》


そんな事を考えながら、アマンダの髪を触りながら囁きかけた。


「アマンダ...アマンダの昔について教えて」

「どんな事が聞きたいの? ルディウスになら何でも教えてあげるわ」

「魔法使いの時の話が聞きたいな」

「そう、解ったわ」

《そこから解かった事は...英雄や魔法使いは思った程ではない、そういう事だった。》

「そう言えばアベルやアマンダはドラゴンとか魔王を倒したの?」

「ふふふ、ルディウスはこんな事する位大人なのに..子供の所もあるのね..嬉しいわ」

《たまに、母親みたいな顔もするんだよな..まぁ良いけど》

「だって、英雄や魔法使いでしょう」

「ルディウス、それは物語の話でしょう...英雄の地位はは魔王種を倒せばその資格を得られるのよ」

「どういう事なの?」

「魔王種とはキングという名前がついた魔物の事よ..ゴブリンキング、オークキング、オーガキングって感じね...これらの魔物を6人以下のパーティで倒せば...リーダーに英雄が与えられるのよ」

《伝説の英雄とかでは無くて良かった》

「そうなんだ、勘違いしていたよ..それでアマンダ達は何を倒したの..」

「私達は..アベル、私の2人でトロールキングを倒したわ..」

《微妙だ...だが二人で倒した..どの位の強さなんだ》

「トロールキングってどの位強いの?」

「そうね騎士一個師団を出せば倒せるんじゃないかな..」

「それって凄いね」

「そうよ..私は凄いのよ..だけど、私の全部は..ルディウス 貴方の物だわ」

俺はアマンダに抱きしめ、目を閉じた。

少なくとも英雄は思った程では無かった..だが俺を基準に考えたら充分に強い。

《戦働きだけじゃなくて魔物迄狩っていたのかよ...》

二人で騎士一個師団..ならその半分だとして15人、そんな奴ガキの俺にどうにか出来るのかよ。


そろそろアベルには消えて貰わないと困る。

だがその方法は思いつかない。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...